踏みしめた地面の確かさ
夢に向かってがむしゃらに進む若い力.その眩しさにやられそうになるのかそれすらも引っ張る力として利用するのか.
大人力を考えさせる内容でした.
この物語の行く末が正直見えなくなるくらい大団円でしたが,読んでる年代によって揺さぶられる箇所がかなり変わってきそうな不思議な作品であることは間違いないでしょう.
踏みしめた地面の確かさ
夢に向かってがむしゃらに進む若い力.その眩しさにやられそうになるのかそれすらも引っ張る力として利用するのか.
大人力を考えさせる内容でした.
この物語の行く末が正直見えなくなるくらい大団円でしたが,読んでる年代によって揺さぶられる箇所がかなり変わってきそうな不思議な作品であることは間違いないでしょう.
大人の時間も子供な時間も平等
同じ場所にいて同じ時間を過ごせば過ごすほど世代のギャップをまざまざと意識させられるんだと思います.しかし抱えている傷や楽しい思い出の重みは一緒で大人は大人のふりをしているだけというある種の優しさが心地よかったです.
イチャイチャらぶらぶシーンとほっこりシーンのバランスも良かったですが最後のご都合展開がどんな伏線とこれから展開していくのかが気になりました.
三角関係の爆弾は多分終わってないのでそれを楽しみにしつつ次巻を読みたいと思います.
アイデア勝負の暗殺術
作者の作風をこれでもかと活かしきった作品でした.
典型的なスキル性俺つえーな作品なのにもかかわらず,アイデアだったり演出だったりが独特でそれが作品の魅力アップに大きな貢献をしています.
そして苦戦の演出がうますぎです.手に汗握る戦いが面白かったですね.
主人公は生まれ変わっても暗殺一家という立場を十全に解った上でうまく立ち回っているので,ここに勇者がキャラクターとして登場したときにどんな科学反応が起きるのか,次巻も楽しみです.
理想と現実 貫く芯は?
時事ネタとSF風味な要素とクラスメートを巡る劇場型盛り上げはやっぱり見事でした.
後悔……という感情の持って生き方に工夫がされていて前回までと同様,短期的ではなく長いスパンでの夢や理想の捉え方が焦点だった気がします.
途方もなく確率が低い夢だけど,それをつかもうとあがくプロセスそのものが“未来の後悔”というリスクを解消するのかなぁと真正面に考えてしまいますね.
キャラクターたちが大きなうねりに翻弄される中で描かれているテーマがやけに等身大なのが不思議な読後感を生んでいます.
次回また怒涛の展開が待っていそうなヒキなので注視していきたいですね.
故郷の穢れと別れ
冒険と冒険の間に揺れるルールと真理がひかる1巻でした.
抜け道や裏技はたくさんあれど,真っ直ぐなのはいつも気持ちだけで身体や想いはついてこれないやきもきと,それでも前に進むヒロインズが印象的でした.
エルフという長命の種族の死生観など確かなベースを感じるそのずっしりとした雰囲気が相変わらず魅力的な作品ですね.
過去から遅い来る未来の敵
衝撃の幕開けだった1巻から打って変わって平和な日々が続いていきます.
ただ少年少女たちが抱える葛藤がそう簡単に解消されるはずもなく,徐々に複雑に混乱を極めてそれでもなおもがいて進むさまが妙に焦れったくて楽しいです.
そして次第に頭角が現れる大人たちの陰謀や怪しい伏線の数々……ミステリーです.
ヒロインたちのイキイキとした表情とそれを裏付ける行動力の芯の強さが凄いですね.
努力,友情……そして夢が思春期の彼らにもたらすのは福音か破滅か…….
最後の展開も見事に次巻への期待をもたせつつ終わっているので,行く末を追いかけたいと思います.QT #maburi
暗黒と神聖,そのバランス
聖なる属性に耐性のない主人公が苦しみながらも最強を目指し,誰かを守っていく物語.
主人公のバカ真っ直ぐなところが気持ち良い上にヒロインの気高いかっこよさもそそりますね.
全体的に面白かったのですが,途中に出てくる強さとは?という主人公とその父親の問答がとても興味深かったです.良いものを読みました.
ますます激化していく陰謀や主人公たちの成長.
バトルも激アツで進行しそうですね.
高校生は努力のコスパの夢を見るか?
うだつの上がらない状態で成人になった主人公.その背景にはとある同級生の事故死が絡んでいて……というどんより空気から始まるストーリーから想像もつかないほど鮮やかに展開される青春巨編でした.
イラストの雰囲気も話の展開とベストマッチしていてページをめくる手が止まりませんでした.
作品全体に流れる,夢(特に若いときにみるアレ)と努力(コスト)の考え方.
誰しもが妄想して決めて決めて決めてそれでも迷ってきたのが人生で,それに賛美歌を浴びせるような鮮烈な読書体験でした.
ヒロイン達もまたいいですね.天才だけど達観しすぎず等身大でくどすぎずでも真っすぐで……みたいな.
ただ,この作品の魅力が最大限になるためには今後はやはり主人公にかかってるんじゃないかなと思います.
彼がまだまだ助走段階にいる限り,やきもきしたり見守ったりハラハラしたりとそういう気持ちにさせるはずなのでそこでうまくストレスコントロールしてくれたらな切に願います.
読後感も良くてこれは自分が高校生のときに読みたかった一冊でしたね.
作品全体で見てもまだまだ助走段階の1巻目なので今後の展開を楽しみにしつつ早く次の巻を読みたいと思います.
香辛料の匂いにつられて
ついに庶民食の王様,カレーの気配が見え隠れする中で,街のキャラクターと森部のキャラクターたちにも次々に新しい関係が生まれています.
前回のマイムというキャラクターは主人公といい塩梅の対比的な構造を生みましたが,今回のレム=ドムはヒロインとの対比になっています.
また半分くらいは掌編になっていて本編の補足に使うという珍しい構成でした.
ただ本編の続きが読みたい気持ちも強くジレンマがありますね.
貴族のロリちゃんにまた登場してほしい今日この頃です.
これだけ一定して面白さが持続している作品もないと思うのでずっと楽しめそうな作品だなと再確認しました.
贖罪の意味とは
とんでもプランからの阻止からの後始末.様々な思惑と嫉妬とすれ違いからそれぞれのキャラクターの立場での悩みが描かれました.
個人的には相変わらずバトルシーンが少なめで物足りなさを感じました.しかしながらキャラクターたちの心情はどれも共感できて,かつ相変わらず主人公のかっこよさや賢さをうまく魅力に昇華させていましたね.
ヒロインたちのそれぞれの身の振り方や敵の狡猾な動きなど次巻でうまく作用しそうなことも多いのでそれがとても楽しみです.