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感想 『精霊幻想記 12.戦場の交響曲』 少女の淡い後悔


少女の淡い後悔

展開がゆっくりな前半と打って変わって後半の怒涛の盛り上がり.気持ち良いですね.

ストーリーの展開が進む中でたまに挿入される少女の後悔と強い憧れの念がなんともいじらしく描かれていてこの巻全体のコントラストになっていました.

ヒロインたちも今回は個性的なところは抑えられていて,だけど活躍はしていてとバランスがよかったです.

そして主人公の強さが爽快!敵もいい具合に小賢しくてページめくるのが進む進む.

少女の後悔と憧れがどんな結末に着地するのかとても楽しみでありながらも,いろいろなキャラクターの心の揺れ動きに着目しつつ続きを早く読みたいです.


感想 『精霊幻想記 7.夜明けの輪舞曲』 復讐の邂逅


復讐の邂逅

あらすじ・内容

レイスが操る魔物の大群に襲われていたリーゼロッテたちの一団を発見し、その戦闘へと加勢したリオ。圧倒的な力でもって次々と魔物を屠ってみせた彼に対し、その場に居た誰もが強い興味と関心を示す。またリオも更なる勇者召喚の情報を求め、貴族たる彼らと友好的な関係を築こうと動き出すが――「どうだ? 俺はお前にとって、お望みの人間だったか?」「……ああ、ずっと探していた」その過程でリオは、追い続けてきた憎き男との邂逅を果たす!!

一難去ってまた一難.森の魔物を退けたあとは街での休息と思いきや,やはりそうそう平穏は訪れないですね.

過去に登場した人物が前巻で再登場して今巻でもしっかり活躍するということがサービスっぽく感じて嬉しかったですし,勇者のウザさや女性キャラクターたちの可愛さなどがますます増してパワーアップを感じました.

思惑がたくさんある以上大人の考え方はたくさんあるもの.この作品は謝罪や貸し借りなどの機微が丁寧に描かれているのでそれがしっかり異世界での生活や文化の魅力を増しています.

因縁の敵との邂逅でますます深みが増した物語の行方も気になりますね.

あくまで冷静にそれでいて愛らしいキャラクターたちの行く末を見守りたいと思います.


感想 『精霊幻想記 6.逢魔の前奏曲』  逃避行の先に英雄道


逃避行の先に英雄道

あらすじ・内容

大貴族との望まぬ政略結婚から無事にセリアを救出したリオは、物資の補給と当初の目的であった【勇者召喚】についての情報を集めるべく、大都市アマンドを訪れる。その最中「父親に自分の無事を伝えたい」というセリアの願いを叶えるため、リオはクレール伯爵邸への潜入を試みることに! 一方、セリアの結婚式に出席していた貴族令嬢リーゼロッテは、拠点であるアマンドへ戻る途中、ベルトラム王国の勇者・坂田や王女フローラらと予期せぬトラブルに巻き込まれてしまい!?

見事な花嫁強奪からあけて今度は本筋の冒険へ.

情報収集とともに世界の広がりを見せるやいなやかつてのキャラクターたちや新キャラクターのオンパレードと豪華な巻になりました.

各キャラクターにしっかり見せ場を作ることもさることながら,見せ場のときの他のキャラクターの動きがしっくりくるのでそれがまた魅力を引き出しています.

展開がどれもテンションが上がるものが多く,またお約束の中にもこの作品らしい仕掛けやユーモアがあるので飽きさせませんね.

陰謀や様々なキャラクターの思惑がうごめく中,ものすごく楽しみな要素もたくさんあったので,早く読みたくて待ち遠しいです.


感想 『いつかの空、君との魔法』 空翔ける少年の軌跡


空翔ける少年の軌跡

あらすじ・内容

第21回[春]スニーカー大賞《優秀賞》受賞作。

「あの雲が、本当のことを全部隠してるんだ」
常に上空を覆う雲によって、空の青さを知らない世界。
雲を払えるのは《ヘクセ》と呼ばれる魔法使いの少年少女だけ。
並外れた飛行技術を持つ少年カリムは、幼馴染みで当代随一の《ヘクセ》揺月と再会する。
しかし彼女はある病により、昔とはまるで別人で……?
「高く飛べない」少年と「空でしか生きられない」少女の邂逅が、世界の色を変えていく。
第21回スニーカー大賞《優秀賞》受賞作。

病の描き方や世界観の雰囲気作りが本当に丁寧でそれがイラストとベストマッチしたと言っても過言ではないですね.

イラストは本当にどれも素敵で基本的にキャラクター一人の一枚絵なのに引き込まれる魅力があります.泣き顔フェチになりそう!

ストーリーとしては独特の世界観の一つの儀式を巡って過去のトラウマにを克服する話.

青春時代の輝きとそれに伴う影の部分がまっすぐ描かれているので,スッキリとした読後感を楽しめました.
ただそれぞれのキャラクターにもう少し踏み込んで見てほしかったというのも正直なところです.


感想 『Re:ゼロから始める異世界生活 9』 絶望は続くよどこまでも


絶望は続くよどこまでも.

あらすじ・内容

衝撃と怒濤の文庫9、10巻2ヶ月連続刊行&2017年3月ゲーム化!

ペテルギウスとの死闘に敗れ、再び時を遡ったナツキ・スバル。他者の肉体を乗っ取る邪悪、ペテルギウスの目論みを打ち砕くために! 一方、ロズワール邸に残るエミリアも、屋敷周辺の異変に気付いていて――!?

激動に次ぐ激動.そして絶望に次ぐ絶望.

絶妙なテンポでガンガン進む事態に圧倒されながら確かに掴んだ“最善”が嬉しい作品ですね.

助走が長いので物語として高く飛べるんですが,また落ちる速度もすごい……という感覚でしょうか.

そしてキャラクターがいいですよね.慌てずブレずにただそこにある造形を感じる動きでとても魅力的でした.

一難去ってまた一難.これぞリゼロという展開なので早く続きが読みたいですね.


感想 『精霊幻想記 4』 流転する異世界


流転する異世界

あらすじ・内容

両親の故郷カラスキを出立したその足で、ラティーファたちの待つ精霊の里を訪れたリオ。里の民たちから熱烈な歓待を受けた後、情報収集目的でシュトラール地方へと向かったリオは、その道中に見かけた巨大な光の柱に導かれ、奴隷にされかけていた三人の男女を助けるのだが――なんとその中の一人は、リオの前世である天川春人の初恋の少女で!?

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すでに何人か現世からの異世界召喚者がいることが明かされていましたが,この巻で一気に事態が進んだ感がありますね.

戦闘がどれもサクッと終わっているのがあっさりしていたのは残念でしたが,その分今後の大きな伏線だったりキャラクターの機微だったりが細かく描かれているのでそこは良かったです.

ようやく強敵っぽい人が現れたり,え,あの人が!?といったキャラクターがチラッと出てきたりと今後が楽しみになる要素が満載でした.

ただ,せっかくの異世界なのでより世界観が広がっていくような展開を今後も期待したいと思います.


感想 『Re:ゼロから始める異世界生活 8』 継続する絶望と希望


継続する絶望と希望

あらすじ・内容

強敵『白鯨』との激戦を乗り越えて、再びメイザース領へ舞い戻るスバルはついに宿敵、大罪司教ペテルギウス・ロマネコンティ率いる魔女教徒と激突する。2016年4月TVアニメ放送開始の大人気Web小説、絆と決意の第八幕。

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前回の大合戦から続いての連続大合戦に興奮が収まりませんでした.

また徐々に明らかになっていく巨悪で邪悪な敵と謎にハラハラしっぱなしです.というよりしすぎました.

長くストレスフルな展開が続いたこの作品ですが,今回は非常にポジティブなストレス展開と大分前向きな印象.

とても絶妙なバランスの上に成り立っていると混じるので素直に素晴らしいと思います.

ヒロインや前回からのキャラ達と敵が縦横無尽にそれぞれの思惑で戦うのがなんとも爽快で,それがストレスな展開とうまく相殺しているのでは無いでしょうか.

そして相変わらずの気になるヒキなので是非ともグッとすっきりになる結末を期待したいと思います.


感想 『精霊幻想記 3』 異世界の息づかいが聞こえる


異世界の息づかいが聞こえます

あらすじ・内容

精霊の里の民たちとの充実した生活に別れを告げ、遂に当初の 目的であった両親の故郷ヤグモに辿りついたリオ。ほどなく彼は小さな村カラスキで、父方の祖母であるユバと従姉のルリと邂逅を果たす。その後、時が来るま では明かせないという両親の過去を知るため、リオはしばらく村に逗留し、ついでにお世話になる村の生活水準向上を図ることに!

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舞台は変わって和風の里.

両親の秘密や世界の謎が少しずつ明らかになり,より一層深みがました感じがします.

特にキャラクター同士のバランスとそこで確かに生活しているという息づかいが感じられるところが素晴らしいですね.

次々に起こるイベントでそれぞれのキャラクターにそれぞれの見せ場が用意されていてハラハラドキドキしました.

ラストでとんでもない伏線をばら撒いてかなり強烈なヒキも作られているので次が楽しみです.


感想 『偉大なる大元帥の転身』 苦労人元帥の苦労


苦労人元帥の苦労.

あらすじ・内容

超強大な魔力をひた隠し、目指すは平穏無事なスクールライフ!

平凡な中学生だったケータが、異世界ディルスマグナに召喚さ れて早三年。フレッドフォード召喚学院に通うケータには、ある秘密があった。それは彼が魔王の腹心、大元帥ヴェーレスとしてかつて名を馳せていたこと!  ヒトと魔族が和平を結んだ後、正体を隠し、強大な魔力を封じて元の世界に戻る方法を探すケータだったが……。ヒトの操る精霊召喚術はうまく発動せず、討伐 するべき魔物はこっそり逃がし、ついた渾名は、任務達成率ゼロパーセント。しかしそんなある日、優秀な生徒だけを集めた遠征調査隊のガイドに任命される。 その行き先はなんと、魔王軍の戦略拠点要塞ベルタ――元自分の城で!? 魔王の腹心が、落ちこぼれの戦術召喚士にジョブチェンジ!? 波乱尽くしの出直し 異世界転戦記、堂々開幕!

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テンプレな異世界召喚の作品ですが,主人公の苦労人感がいい味出してます.

人間ドラマや世界観のわくわくは良かったのですが,後半の怒涛の展開で少し疲れてしまいました.

赤髪誇り高い系とおとなしめの女の子のダブルヒロインな構成ですが,今後は魔族と人間側の確執なんかで盛り上がりそうな印象です.

主人公の個性ももう少しガンガン前の方に出して欲しかったですね.


感想 『精霊幻想記 2』 旅は道連れ、ロリ獣耳


旅は道連れ,ロリ獣耳.

あらすじ・内容

ベルトラム王国を出奔し、両親の故郷である東の地を目指して 一人旅をするリオ。その道中、彼は貴族が差し向けてきた暗殺者である狐獣人の奴隷少女ラティーファと戦闘し、これを返り討ちにする。さらにリオは、ラ ティーファを縛る隷属魔術を解呪するのだが――自由の身になった彼女はひとりぼっちは嫌だと主張し、リオの旅への同行を申し出て!?

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ここで核弾頭級の可愛いキャラ持ってこられました.

東へ東へと街を順繰りして旅をしているわくわく感はそのままに,また里での生活や忍び寄る陰謀の影などがスパイスになってました.

キャラクターが一気に増えましたがちゃんとそれぞれが立っていて,今後の活躍に期待できそうです.

どんどん強くなる主人公がどんな魅力的な存在へと成長していくのかも楽しみですね.