踏みしめた地面の確かさ
夢に向かってがむしゃらに進む若い力.その眩しさにやられそうになるのかそれすらも引っ張る力として利用するのか.
大人力を考えさせる内容でした.
この物語の行く末が正直見えなくなるくらい大団円でしたが,読んでる年代によって揺さぶられる箇所がかなり変わってきそうな不思議な作品であることは間違いないでしょう.
踏みしめた地面の確かさ
夢に向かってがむしゃらに進む若い力.その眩しさにやられそうになるのかそれすらも引っ張る力として利用するのか.
大人力を考えさせる内容でした.
この物語の行く末が正直見えなくなるくらい大団円でしたが,読んでる年代によって揺さぶられる箇所がかなり変わってきそうな不思議な作品であることは間違いないでしょう.
仕事って苦しい
違和感が膨れ上がってどんどん形になってようやく気づいたときにこそ本気を出す……みたいなテンプレートが心地よい巻でした.
キャラクターたちは誰もが主人公の隣を歩くべく,それぞれの歩幅で前へ進みそれぞれの足で背伸びしてましたね.
その背伸びこそが成長……の呼び水なのですが本人にはなかなか気づけないものです.
幼き日の憧憬を捨ててそれでも足掻く若人とそれを見てサポートしたり悩んだりする大人とのコントラストがなんともいえぬドラマになってます.
また続きが本当に楽しみな作品です.
大人たちへのアンチテーゼ
自分は欲というものを,いつしか大人になってコントロールするようになったなぁとしみじみと感じることになった作品でした.
家出した女子高生を拾って家に泊めて同居するというファンタジーの中に垣間見る確かなキャラクターたちの矜持を楽しめる作品です.
どんな背景かを詳細に説明することなく彼ら彼女らの一本気で進む物語にハラハラ・ドキドキほっこりしながらその本気の想いに胸キュンでした.
まだまだ語られていないことが多い作品なので続きに期待しつつ自分を重ねて考えると,主人公の理性モンスターっぷりに惚れますね.
純度の高い社畜の魂の叫び
あらすじ・内容
29歳とJK、“禁断の”年の差ラブコメ、はじまる!
目つきは怖いが会社では一目置かれている29歳社畜・槍羽鋭二。
ゲームや漫画が好きで、休日のネカフェを癒やしに日々を生き抜いている。ある日、槍羽は《あること》で説教した女子高生・南里花恋からコクられてしまう。
14も年下とは付き合えないとキッパリ振るが、後日社長から呼び出され――「業務命令。孫の花恋との交際を命ずる」。なんなんだこの会社!? 絶対に辞めてやる!(入社以来17回目)
だが始まってしまうJKとの交際。妹が、元カノが、会社の部下が、世間の目が槍羽の前に立ちはだかる!29歳とJK、“禁断の”年の差ラブコメ、はじまる!
タイトルとは裏腹にきっちりと真っ直ぐな社会人ラノベとして物語が仕上がっている印象です.
主人公が私の同世代……というより完全に同い年なだけあって半端ないシンパシーを感じました.
それだけでなく次々と巻起こる困難にぶつかり,諦めずにひたむきに向き合っていく主人公は,読み手として揺さぶられました.意地と意志が本当にすごい.
私個人としては何度も涙腺に来たり喉元が熱くなりました.素晴らしいものを読ませていただきましたね.
キャラクターもいい.
主人公の魅力もさることながらヒロイン(達)のいきいきとした表情と何よりその信念がいい.
作品として大人の汚い部分と若さの純粋な部分が理想や夢といったテーマで綺麗に対比されていてとても高いクオリティーを感じました.
経験や年齢で雁字搦めになった大人たちにエールをおくるような,送られたような.そんな力強い作品でした.
懐かしい思い出やネタもクリーンヒットしましたし(同年代どころか同い年だから当たり前かもしれませんが……)久々にこんなにカッチリ琴線に触れた作品に出会いましたね.
願わくばすべてのサラリーマン,夢を諦めもがいている人や,掴もうともがいている人に届いてほしい.そんな素晴らしい作品でした.