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感想 『29とJK8 〜そして社畜は今日も働く〜』 踏みしめた地面の確かさ


踏みしめた地面の確かさ


夢に向かってがむしゃらに進む若い力.その眩しさにやられそうになるのかそれすらも引っ張る力として利用するのか.

大人力を考えさせる内容でした.

この物語の行く末が正直見えなくなるくらい大団円でしたが,読んでる年代によって揺さぶられる箇所がかなり変わってきそうな不思議な作品であることは間違いないでしょう.


感想 『異世界料理道 16』 同じレベルで見える視点


同じレベルで見える視点

食料庫の開陳でまだまだこの世界には底力があると感じられたこの巻.

特に相手料理人との宴での直接対決がザ・料理モノ!って感じでとても盛り上がりましたね.

美味しいにもいろいろ種類があって,その一つを極めている相手と相対することで主人公も成長していく.いいサイクルですよね.

毎度恒例の書き下ろし短編も女性陣のそれぞれの個性が出ていてとても良かったです.

次回はついに街を離れた遠征話ということでまた世界の広がりに期待したいと思います.


感想 『ストライクフォール 3』 宇宙の広さと狭さの饗宴


宇宙の広さと狭さの饗宴

大スペクタクル架空スポーツの祭りがここに開演と思わんばかりの盛り上がりが何回も出てきてとても興奮した巻になりました.

主人公が等身大通り越してとても子供っぽい猪突猛進なところが気になる人もいるでしょうけど,そのまっすぐさを垂直線として他のキャラクターたちの魅力が対比的に描かれているのでとてもいきいきと感じました.

女性陣も,大人っぽいところと少女なところが共存していたので前回と比べて彼女たちの魅力の輪郭がはっきりした気がしますね.

そして……ようやく全貌が描かれたストライクフォールという名のスポーツ.

読者としては初めて通しで読むわけですが,試合中こんなにドラママティックで盛り上がるシーンが何回も出てくると圧倒されます.

ジーンとくるシーンが何度もありました.

しかもスピード感のある競技で何度も交差するキャラクター達の戦いは読んでて本当に爽快です.

時代が変わったばかりを描いた今巻ですが,本当の意味での戦いはこれからでしょう.期待したいですね.


感想 『ウォーター&ビスケットのテーマ2 夕陽が笑顔にみせただけ』 わがままの代償


わがままの代償

幼馴染たちの共演とそれぞれ押し通したいルールの押し付け合いバトルがほんとに楽しいです.

主人公たちがおかれた環境は複雑怪奇なのにもかかわらずそれを歯牙にまるでかけない飄々とした作戦建て,他人に遂行させる能力……どれをとってもポジティブにたちが悪くて最高です.

ヒロイン?の女性陣の気苦労やそれぞれの想いの発露も生々しかったりすっきりほんのり青春でいい塩梅です.

天才たちの流し流され思考バトルの楽しさと状況が魅せる不可解さと世界の謎……いろいろな話の軸があって最後まで全く飽きませんでした.

次巻はまた大きな伏線もあることなので早く読んでみたいですね.


感想 『おことばですが、魔法医さま。 〜異世界の医療は問題が多すぎて、メスを入れざるを得ませんでした〜』


誇りを胸に相対する

魔法治療と現代治療の対比でエンターテイメントになっているのはありそうでなかった視点です.

ただ前半の世界観把握(異世界のレベルの低さ把握)が少し戸惑ったのとヒロインが思ったよりも生意気ロリかわ系だったことに少し違和感がありましたが,話を読むに連れて彼女の芯にある強い想いと患者に相対する真剣さが伝わってとても好きなキャラクターになりました.

主人公は今のところ少し無味無臭なのでこれから等身大な部分の活躍にも期待したいですね.

世界にはまだまだいろいろな病気がありますので今後も楽しめそうな展開がたくさんありそうでワクワクしますね.


感想 『レジェンド・オブ・イシュリーン 4』 存在意義と葛藤


存在意義と葛藤


各国陰謀入り乱れる中で順調に思われた主人公達ですがとんでもないところからとんでもない方向で真実が一つ暴かれることで一人の人間が存在意義を揺るがされもがき苦しみそこから立ち上がるところが読めます.

前巻までどこか人間味が足りなかった一部のキャラクターたちにエンジンがかかり,ヒロインも含めてとても生き生きとしていた印象が強いです.

主人公の葛藤はスケールこそ大きいもののどこか等身大に感じられるものでした.
超人的な思考をしつつ人間臭さを残す演出がうまいですね.

状況が逼迫する中敵も味方も関係なしにまだまだ様々な思惑が入り乱れているので,世界の真実と向かい合いつつ主人公とヒロインがどのような結論を選び取るのかを見守っていこうかなと思います.


感想 『Re:ゼロから始める異世界生活 14』 過去との邂逅


過去との邂逅


それぞれの過去を具体的に描くことでそれぞれのキャラクターが抱えているものの大切さだったり,妄執だったりなところが浮き彫りになった巻でした.

お話的にも強大な力を持った新キャラがバンバン出てきてど派手で面白かったし,面と向かっても舌戦も見どころです.

この作品って助走がとてもうまくてクライマックス間近のお膳立てがこの巻でようやく揃うこともあり,盛り上がりがすごかったです.

過去と邂逅した今,次は現在と未来がどう描かれていくのか.楽しみですね.


【名作小説をライトノベルで盛り上げてみた】走れメロス編


某所に触発され唐突に挑戦してみる.

私以上に酔狂なラノベクラスタがいたら是非自分でもチャレンジしてみてください.


 

 

 

 

メロスは激怒した。

 

 必ず、かの邪智暴虐じゃちぼうぎゃくの王を除かなければならぬと決意した。

 

 

メロスには政治がわからぬ。

 

 

メロスは、村の牧人である。

 

笛を吹き、羊と遊んで暮して来た。

 

けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。

 

メロスには父も、母も無い。女房も無い。十六の、内気な妹と二人暮しだ。

(中略)

 

 

セリヌンティウスは、すべてを察した様子で首肯うなずき、刑場一ぱいに鳴り響くほど音高くメロスの右頬を殴った。殴ってから優しく微笑ほほえみ、

 

「メロス、私を殴れ。同じくらい音高く私の頬を殴れ。
私はこの三日の間、たった一度だけ、ちらと君を疑った。生れて、はじめて君を疑った。
君が私を殴ってくれなければ、私は君と抱擁できない。」

 

 メロスは腕にうなりをつけてセリヌンティウスの頬を殴った。
「ありがとう、友よ。」二人同時に言い、ひしと抱き合い、それから嬉し泣きにおいおい声を放って泣いた。

 

 

群衆の中からも、歔欷きょきの声が聞えた。暴君ディオニスは、群衆の背後から二人の様を、まじまじと見つめていたが、やがて静かに二人に近づき、顔をあからめて、こう言った。

 

「おまえらの望みはかなったぞ。おまえらは、わしの心に勝ったのだ。信実とは、決して空虚な妄想ではなかった。どうか、わしをも仲間に入れてくれまいか。どうか、わしの願いを聞き入れて、おまえらの仲間の一人にしてほしい。」

 

 どっと群衆の間に、歓声が起った。
「万歳、王様万歳。」

 

 ひとりの少女が、のマントをメロスに捧げた。メロスは、まごついた。佳き友は、気をきかせて教えてやった。

「メロス、君は、まっぱだかじゃないか。早くそのマントを着るがいい。この可愛い娘さんは、メロスの裸体を、皆に見られるのが、たまらなく口惜しいのだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミスマルカ興国物語 エックス (角川スニーカー文庫)

 

 勇者は、ひどく赤面した。

(古伝説と、シルレルの詩から。)

 


 

今最後がやりたかっただけだろって言ったやつ屋上.

 

 

 


本だけは俺たちを裏切らない


本だけは俺たちを裏切らない

 

ある日ふと思い出した.

竹宮ゆゆこ先生が合コンからの性行為について,

童貞にとっては人生の一大事に感じても,片方にとっては「一点のシミ」にすらならないと例えていた.

(詳細はゴールデンタイム外伝 二次元くんスペシャルにて。)

 

外に一歩出て感じて欲しい.

街中で歩くサラリーマン,OL,女子高生,主婦,ホームレス…….

彼らの一人ひとりに人生があり,憐憫があり,誇りがある.

ひとりの人間に,ひとつの正義とは言えて妙だが

嘘や策謀,妬みなど,人間同士の感情は複雑に絡み合って融け合って世の中を創りあげている.

一滴の墨がやがてコップを真っ黒に染める事もあれば,大海のように寄せ付けないこともある.

 

社会は疲れる.人生も疲れるものだ.

本当の自分はどこにある? 本当の限界はどこまでなの?

 

本だけは俺たちを裏切らない

 

どんなに苦しくても,どんなに辛いシチュエーションでもやがては時間の流れとともに経験へと収束する.

この疲れ果てる世の中を,見えない力で乗り越えるすべ.

見えない翼でもがき,羽撃く力を育てる

いつの日か,この創られた世界で

一際高く,他者より大きく,

過去より深く,俯瞰するために.

 

本だけは俺たちを裏切らない

全ての経験者たちへ,この場所を捧げます.

クサいポエムだとわかってるけど一つ目の記事はこういうの書くって決めてたんです.

○リココ