焦燥感と達成感のせめぎ合い
合流から狩り,関係構築,拠点防衛と危機と緩和の緩急がとてもエンタメしている巻でした.
モンスターとプレイヤー,そしてルールそのものが驚異のこの世界で丁寧に描かれたキャラクター達の活躍からまたしばらく目が話せなさそうです.
焦燥感と達成感のせめぎ合い
合流から狩り,関係構築,拠点防衛と危機と緩和の緩急がとてもエンタメしている巻でした.
モンスターとプレイヤー,そしてルールそのものが驚異のこの世界で丁寧に描かれたキャラクター達の活躍からまたしばらく目が話せなさそうです.
未来と現実の狭間で
進路という多感な時期に適当に過ごすこともあれば真剣に考えることもあるテーマを軸に描きながら,それぞれのキャラクターの考えが等身大に描かれている様がとても興味深かったです.
一人ひとりのエピソードは決して長くないのですがどれも印象的で色彩を放っていましたね.
主人公も何かを掴みかけて手を伸ばしている様子なのですが,背伸びすることでまた見えなくなるものもあるという……そんなヒヤヒヤ感も楽しく読めました.
しかし……私はヒロインの悲しみなどに非常に敏感なので今巻のラストはとても心配になりました……頼むぞ主人公.
生存競争エンタメ
限られたルールで少年少女がバトルロワイヤル,知略と策謀が入り乱れる中,主人公の規格外な頭脳が光ります.
殺し合いなのに独特なルール設定によって全く雰囲気が不思議でそこが最高にエンターテイメントを補強しています.
主人公は極度の臆病者で生きるためにはどんな石橋でもブルドーザーしていくタイプ.等身大なようで,ぶっ飛んでるバランスがいいですよね.
時間のループやポイントで獲得する能力,想像力を試されるアイテムの活用とオリジナル能力達……この先も何が起きるかわからないドキドキと幼馴染たちのやり取りが本当にワクワクします.
この何処か懐かしく緩やかで暖かな殺し合いの果てに少年少女が何を見出して行くのかにも注目ですね.
バグと困難の哲学
あらすじ・内容
迫りくるバグ! 襲いくる理不尽! そして、それを覆す圧倒的台無し策!!
“ぼっち”ゲーマーの相良操麻(さがらそうま)はある日、悪名高いバグ多発ゲームの世界に入り込んでしまう。
「理不尽」と「運営の悪意」を具現化したような通称<猫耳猫>の世界でバグ仕様を逆手にとったソーマの冒険がはじまる!
困難は困難であればあるほどひっくり返したときが最高……まさにそれ!
ゲームの世界に転生というたまにあるシチュエーションですがそこは悪意の塊のようなとんでもないイベント,キャラクター,アイテム……そしてバグのオンパレード.
そんな中でも主人公は芯を持って行動し既知であってもちゃんと慌てたりわいわいやる様子が本当にこのゲームが大好きだということが伝わってきてかなり好感が持てました.
他のキャラクターも生き生きとしていながらも“ゲームのキャラクター”であるという個性を残している点に注目ですね.役割をこなしてしっかり物語を回していく役目といいますか,そのバランス感覚が良いです.
舞台を変えてまだまだ波乱が待ってそうです.
バグ使いの今後の素晴らしい冒険を祈っていこうと思います.
錯綜する青春
あらすじ・内容
ぼっちには生き地獄。リア充待望のイベント、修学旅行開始!
星ノ守の衝撃の告白によって、またもやめんどくさい勘違い案件が勃発! と思いきや、自称「察しの良さ」に定評のある天道には今回、解決の秘策があるらしく!? 一方、雨野は修学旅行に向け……バイトを始めた。
読めない展開に読めない妄想をかさねて行き着くところまで行き着いたシチュエーションでした.
身悶えするほどのじれったさとミスリードに一喜一憂しながら読んでいましたが,途中から心の何処かでこんな展開になりそうだとハラハラしながら進めることができました.
キャラクターは目の前のことにひたすらひたむきでだからこそ真っ直ぐではなく回り道することでキレイなストーリーが生まれていますね.
勘違いの起点からその風呂敷を広げるさまはこの作品の醍醐味ですがこの巻は特にすごかったですね.
彼らの青春の行き着く先を想像しつつ次のトンデモ展開に期待したいです.
絆が集まり,総和になる
あらすじ・内容
加速世界の≪果て≫――その謎に迫る!
黒雪姫が卒業してしまう前に、≪加速世界≫の果て――≪ブレイン・バースト≫のクリア条件を知るため、ハルユキはスカイ・レイカーと共に≪帝城≫へと赴いた。 絶対不可侵であるはずのそこには、何故か陽気に二人を迎える黒の剣士、グラファイト・エッジの姿が!? 困惑するハルユキだったが、≪帝城の住人≫トリリード・テトラオキサイドとも合流し、四人+1エネミー(メタトロン)で深部へと進んでいく。 そして、ハルユキはついに知る。七番星『揺光』の神器≪ザ・フラクチュエーティング・ライト≫が≪帝城≫に鎮座する意味を……。 加速世界の謎を知り現実世界へと帰還したハルユキを待っていたのは、最終決戦間近の≪ネガ・ネビュラス≫へと続々集う、頼もしい仲間たちだった。 過去最大のキャラクター&アバターが登場する最新刊
次々と明かされる新事実と,そこから新たに生まれた無数の謎…….
加速世界の始まりと終わりの場所で主人公達がうけとめた様々なことが物語を一層際立った仕上がりにしていますね.
また後半の展開もアツい……続々と集まるかつての縁と絆を結んだ相手が仲間となって強大な敵に向かうシチュエーションはまさに求めていたものです!
しかし男女比が……笑
一人ひとりが傷を抱えつつもたしかに前に進んでいく.そんな力強いアクセル・ワールドらしい巻でした.
次回からいよいよ決戦なのでどんな展開を迎えるのか楽しみです.
カラフルに映る風景
あらすじ・内容
こんなの弱キャラの夏じゃねえ!
怒濤の一学期が終わり、夏休み。
薄々特訓漬けになる気はしていたが、日南葵というリア充モンスターは俺の予想のはるか先をいっていた。「まあ簡単に説明するとね、優鈴と中村をくっつけようって合宿なのよ」
BBQからの川遊びからの男女お泊まり。まあ、リア充を絵に描いたようなイベントだなと思う。問題はただひとつ。そこに俺も参加するということである。なにこの圧倒的違和感。
男同士のトークも頑張れって日南の意図は分かるけど、中村となに話したらいいんだよ……。さらに、日南のスパルタは止まらない。「この夏の目標は、『菊池さんと付き合うこと』ってところね」
いやいやいや、それもうほとんど最終目標だろ! 俺の夏休み、どうなっちゃうの!?
バイト、合宿、デート……弱キャラにあるまじき、充実した夏が始まる!!『このライトノベルがすごい!2017』で新作部門3位にランクインした超話題作、待望の続刊!! 弱キャラが挑む人生攻略論第3弾!
超実用的青春バイブル第3巻
デートにバイトに合宿に花火大会と半端なく押し寄せるリア充の波にタジタジになる僕らが弱キャラ代表の友崎くんの命運やいかに.
とんでもなく納得感あるやり取りとともに繰り出される“リア充の理屈”が読者に圧倒的説得力を与えています.
キャラクターが抱えているそれぞれの想い……というより悩みが凝縮されて造形されたカタチと取り繕ったカタチのどれもが本物で,だからこそキラキラ輝いてるように見えます.
強敵揃いのラインナップの中で友崎が本当に等身大でまっすぐぶつかって行ってるのがジーンときましたし,そこが大きな魅力ですよね.
友崎と一緒に弱キャラからの成長を歩んでいけるし,だからこそ周りの魅力をひしひしと感じました.
モノクロがカラフルになる魔法……さらなる主人公の成長と活躍に期待です.
チェインコンボによるハメ決まった
あらすじ・内容
天道の決意――「雨野君……こんな関係は、終わりにしましょう」
《シュピール王国》の一件で――「このティッシュ美味しいですね」天道は心がクラッシュしていた。しかし、雨野を信じたい三角は「異議あり! これはいつもの勘違い的なアレです!」某裁判ゲームばりの逆転なるか?
ラブコメ地獄は続くよどこまでもといったところ.
前回のラブコメ的には完全にゲームオーバーなところから起死回生最高の形で見事に挽回した流れをつくり,読者もほっこり.
ラブラブ甘々で青春キュンキュンと楽しんでたところに壁際確定即死コンボ級の衝撃が入ってからの幕引きでした.
ある意味今までのもやもやの一部がきれいに回収されたわけですが,チアキ好きの私からみたら天道さん好きの皆さんとようやくフェアなフィールドに立たせていただけて大変楽しく感じております.
新キャラも含めてキャラクターは半端なく個性を発揮しているのですが,いよいよ諸々でがんじがらめになって動きが取りづらそうなキャラも多く絶妙な塩梅と言えるでしょう.
次はもろもろがしっくりきつつもまたもややきもき甘酸っぱい展開が待ってそうなので,余すところなく楽しもうと思います.
まさしく全滅エンド
あらすじ・内容
『ビバッ! 《シュピール王国》!』既成事実を作るのは誰だ!?
ゲームよりも亜玖璃を優先させた雨野。そんな二人の急接近に焦る天道&上原の秘策とは……「既成事実を作るっきゃないだろう」ゲーム中盤の地味な街感溢れる王国(遊園地)で悪魔的知略戦(ダブルデート)が始まる!
毎回最後のヒキで驚かせてくれる今作ですが今回も特大級の爆弾が落ちて粉微塵になって次回へといったところ.
キャラクターたちは脇役に至るまで細かな動きをしていた印象ですね.
そしてメイン陣のからまわることからまわること……人生はゲームのようにリセットできないとは言えもどかしさが積もりますね.
それぞれの想いをすれ違わせ,絡ませた上で昇華させています.
そしてゲームオーバーに近いこの状況.
ここからどうやって,いやどこに着地させていくのかの期待が高まります.