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感想 『精霊幻想記 6.逢魔の前奏曲』  逃避行の先に英雄道


逃避行の先に英雄道

あらすじ・内容

大貴族との望まぬ政略結婚から無事にセリアを救出したリオは、物資の補給と当初の目的であった【勇者召喚】についての情報を集めるべく、大都市アマンドを訪れる。その最中「父親に自分の無事を伝えたい」というセリアの願いを叶えるため、リオはクレール伯爵邸への潜入を試みることに! 一方、セリアの結婚式に出席していた貴族令嬢リーゼロッテは、拠点であるアマンドへ戻る途中、ベルトラム王国の勇者・坂田や王女フローラらと予期せぬトラブルに巻き込まれてしまい!?

見事な花嫁強奪からあけて今度は本筋の冒険へ.

情報収集とともに世界の広がりを見せるやいなやかつてのキャラクターたちや新キャラクターのオンパレードと豪華な巻になりました.

各キャラクターにしっかり見せ場を作ることもさることながら,見せ場のときの他のキャラクターの動きがしっくりくるのでそれがまた魅力を引き出しています.

展開がどれもテンションが上がるものが多く,またお約束の中にもこの作品らしい仕掛けやユーモアがあるので飽きさせませんね.

陰謀や様々なキャラクターの思惑がうごめく中,ものすごく楽しみな要素もたくさんあったので,早く読みたくて待ち遠しいです.


感想 『異世界魔法は遅れてる! 7』 開陳の次は提示


開陳の次は提示

あらすじ・内容

最強の現代魔術師 VS 最強の中二病!?

親友の英傑召喚に巻き込まれ、異世界に転移した現代の魔術師・八鍵水明(やかぎすいめい)。幼なじみの朽葉初美(くちばはつみ)を襲う普遍の使徒との邂逅を果たした水明は、ネルフェリア帝国にて遮那黎二(しゃなれいじ)と合流し、二人で覚醒した安濃瑞樹(あのうみずき)――否、九天聖王イオ・クザミに頭を悩ませる。次いで知らされた、魔族による帝国への襲撃。参陣しようとする水明だったが、帝国十二優傑に難色を示されてしまう。リリアナ、イオ・クザミと共にやむなく模擬戦を行うも、なんなく力を認めさせ、魔族を迎え撃つ水明だったが、そこへまたもや普遍の使徒(ウニベルシタス)が姿を現し……!?
異世界魔法と現代魔術が交錯する異世界ファンタジー、炉心を灯す第7巻!

もとの世界が異世界を静かに侵食しているジリジリ感ご示された今巻でした.

立場も違えば信念も違う組織及び個人がそれぞれの想いをガソリンにしてこれよとばかりに活躍する色々動いた展開でしたね.

殴り合いの肉弾戦もいいんですがこの理屈のこねりあいというか,わがままな方が勝つみたいな戦闘描写のアイデンティティーが強くてかなり読んでて楽しいです.

過去の因縁も追いかけてきていよいよ混迷が極まってきた世界を主人公達がどうやって工夫しながら突き進んでいくのかこれからも楽しみですね.


感想 『いつかの空、君との魔法』 空翔ける少年の軌跡


空翔ける少年の軌跡

あらすじ・内容

第21回[春]スニーカー大賞《優秀賞》受賞作。

「あの雲が、本当のことを全部隠してるんだ」
常に上空を覆う雲によって、空の青さを知らない世界。
雲を払えるのは《ヘクセ》と呼ばれる魔法使いの少年少女だけ。
並外れた飛行技術を持つ少年カリムは、幼馴染みで当代随一の《ヘクセ》揺月と再会する。
しかし彼女はある病により、昔とはまるで別人で……?
「高く飛べない」少年と「空でしか生きられない」少女の邂逅が、世界の色を変えていく。
第21回スニーカー大賞《優秀賞》受賞作。

病の描き方や世界観の雰囲気作りが本当に丁寧でそれがイラストとベストマッチしたと言っても過言ではないですね.

イラストは本当にどれも素敵で基本的にキャラクター一人の一枚絵なのに引き込まれる魅力があります.泣き顔フェチになりそう!

ストーリーとしては独特の世界観の一つの儀式を巡って過去のトラウマにを克服する話.

青春時代の輝きとそれに伴う影の部分がまっすぐ描かれているので,スッキリとした読後感を楽しめました.
ただそれぞれのキャラクターにもう少し踏み込んで見てほしかったというのも正直なところです.


感想 『セブンキャストのひきこもり魔術王』 在宅しながら無双


在宅しながら無双

あらすじ・内容

一人七役にして七体一役、世界最強の魔術師はひきこもり!?

魔術師ブランは、魔術学園に通う学生ながら、魔術で造った分身に出席を代行させ、自分は朝から二度寝を決め込む完全無欠のひきこもりである。しかしその正体は、世界最強の七魔術師――『セブンキャスト』だった!?

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本体が引きこもっている代わりに分身が色々な役割で大活躍!というコンセプトなんですが,思ったよりも引きこもり要素というか印象がなかったです.

ダラダラしたいという割にはいざというところでしっかり生身で出動する主人公はいいカッコ出来てはいるのですが悪く言えば芯がないような印象を受けました.

ヒロインはみんな可愛く,また敵役の娘も憎めない感じで良いですね.

1巻目で中々大規模な進行だった感じではあるもののしっかり伏線ははられていました.合う人と合わない人がはっきり出ないタイプの作品です.


感想 『セブンスターズの印刻使い 3』 冒険の結末と陰謀


冒険の結末と陰謀

あらすじ・内容

バイトの為に訪れた迷宮で襲い掛かってきた《七曜教団》の 《木星》アルベルを退けたアスタは、離れていた仲間と合流して事態を把握すべく、迷宮のさらに奥へと進む。そして、そんな彼の前に立ちはだかったのは、先 ほどまで一緒に冒険していた同級生・ピトス=ウォーターハウスだった――。本格異世界ダンジョンファンタジー、激動の第3巻!!

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話としては伏線を張りまくって最後にドでかいヒキを作って終わったので少しモヤモヤです.

ただこの作品の醍醐味であるダンジョン戦が綺麗に終わったのが良かったですし,それぞれのキャラクターの思惑や思想がしっかり描かれていた点は満足です.

主人公が思ったよりも足手まといで周りがしっかりフォローする感じですが,今回は少しその特異なところが漏れ出ていたのでそこも良かったです.

また次の巻から新しいステージだと思いますが規格外の敵,一端もまだ見せていない陰謀……そしてロリと見どころがたくさんありそうでワクワクしますね.


感想 『0.2ルクスの魔法の下で』 薄暗い魔法のつぼみ


薄暗い魔法のつぼみ

あらすじ・内容

嘘吐き少年と不良少女が織りなす、学園ミステリックファンタジー。
GA文庫大賞≪奨励賞≫受賞作。

藤倉リザはこの世界でたった一人の“魔法使い”
僕は彼女を――不幸にする。
「どうやってその字を読んだの? この世界の文字じゃないのに」
ある日高校生の東圭輔は、校内で有名な不良娘、藤倉リザの前でうっかり異世界の文字を読んでしまう。
リザは誰もが美少女と認めるが、跳ねっ返りで友達がいない孤高の存在。
そして自称“あちら側の世界”の魔法使い……の孫娘。
“あちら側の世界”に憧れる彼女は、祖母の遺産を紐解き世界を渡る手伝いをしろと付きまとうが――。
「幽霊少女がユニコーンの角を盗んだに違いないわ。あなたも手伝いなさい!」
嘘吐き少年と不良少女が織りなす、学園ミステリックファンタジー。
GA文庫大賞≪奨励賞≫受賞作。

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イラストと本文が完全融合でも果たしてるのかと言わんばかりの相性の良さです.

ヒロインはうざいと可愛いのいい感じのバランスのところにいるうざ可愛いポジションでお得な感じです.

主人公は暗く,のらりくらりと出来るタイプなのにお腹に闇かかえてますと言った印象.こういうの好きな人は良いですね.

この作品の最大の特徴と言えばそのどんどん返しと学園ミステリー部分でしょうね.

何を書いてもネタバレになるので読んで確かめてみてはいかがでしょうか.


感想 『グリモアコートの乙女たち 2』 乙女たちに紛れ込む非日常


乙女たちに紛れ込む非日常

あらすじ・内容

学年トップの大和魔女である若宮となった織音は、あいかわら ず男子ということを隠しつつ、女生徒たちの中で暮らしていた。先輩たちとお茶会をしたり、うっかりお風呂を一緒に入ってしまったりと、気の抜けないながら も楽しい日々だ。だが、外の魔法使いの世界に起きた大変動の危機は、この学院にも及ぼうとしていた。そして、学院に新たな侵入者が現れる。織音は環やルカ といった仲間たちとともに、その危機に立ち向かうが……!?

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一難去ってまた一難.今日も乙女の花園は通常営業ですね.

1巻のハリーポッター的な雰囲気は抑えめにしてこの巻では学校の風習だったりを掘り下げて描写することで一層世界に深みがました感じがしました.

非日常に紛れ込むさらなる非日常のイベントの対比が面白く,ハラハラすることが出来ました.

というか主人公が可愛すぎます!卑怯!


感想 『MONUMENT』 ハードボイルドなネオファンタジー


ハードボイルドなネオファンタジー

あらすじ・内容

僕は、僕自身の怪物だ。他ならぬ僕が、そう望んだからこそ。  人類が火を熾(おこ)すよりも先に、発火の魔術に目覚めた世界。 旧ソ連出身の孤独な少年工作員ボリス・カルノフは、とある少女の護衛依頼を受ける。少 女の名前は千種(ちぐさ)トウコ。一億人に一人といわれている『賢者』の魔力資質を持った魔術師らしい。ボリスの任務は彼女が『ピラミス魔法学院』を卒業 するまで、あらゆる危険から護(まも)り抜く事だという。 どうにも不透明な依頼を怪しむボリスだが、訪れたピラミス島の地下に眠る超古代魔法文明の遺跡 『モニュメント』をめぐる戦いに巻き込まれて、自分自身と世界に秘められた真実に邂逅(かいこう)する!! 絶望からはじまり、未来に挑むネオ・ファンタ ジー、開幕!!

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新ジャンルと感じるほど節々キマってる濃厚な作品.

最高にひねくれているけどどこか憎めない極まっている主人公に真面目でシリアスだったりほんわかどったりする脇キャラ達が見事に調和して独特な空気を演出しています.

ファンタジーなようでSF.
そうそう大ジャンルを掴ませない怪しい魅力もありますね.

適度にヒントが散りばめられた作品の大きな謎も良かったですし,余韻も結構好みです.

なかなか続きが書きにくい終わり方ですが,愛すべきキャラクターたちにまたどこかで会いたいですね.


感想 『無職転生 〜異世界行ったら本気だす〜 9』


不能復活!

あらすじ・内容

謎多きフィッツの正体がついに明かされる!?

魔法大学で充実した生活を送るルーデウスは、ある日些細なことからフィッツ先輩の秘密を知ってしまう。事情もあろうと知らんぷりをしていたのだが、なんと先輩本人に呼び出されてしまった!? 学園パート完結編!!

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全体的に綺麗な伏線がいくつもいくつも繋がって結実したイメージが強いですね.

個性豊かなキャラクターたちがいきいきと動き回ってかき乱していて愉快です.

また大分引っ張った大きな問題と,密かな秘密の終わりが非常に綺麗にまとまっていて最高でした.エルフ娘可愛いです.

少しずつ開陳される世界の秘密と,他の転移者の登場…….

一波乱も二波乱もしそうな展開にこれからも目が離せなさそうです.


感想 『NO FATIGUE 1』 果てる疲労と飽くなき精神


果てる疲労と飽くなき精神

あらすじ・内容

異世界で得た能力(ちから)は“24時間疲れない”!?

「……たしかに、これはあんまりね」
通り魔から女子高生を庇い、不慮の事故で殺され、加木智紀(かぎとものり)の人生は幕を閉じた……はずだったのだが、気がつくと目の前には女神と名乗る美女が。
彼女は智紀を異世界に転生させてくれると言う。
「――その代わり、あなたがこれから行く異世界に例の通り魔も転生しているから、この力を使って彼を倒してほしいの」
そう、事の発端の通り魔――杵崎亨(きざきとおる)は悪神の力によって異世界で再び生を受けていたのだ。
智紀は心身共に“24時間疲れない”能力(ちから)を得て、通り魔を追い異世界へ。
子爵家の四男エドガーとしての第二の人生が幕を開けた。
【不易不労(ふえきふろう)】の力を活かし、四六時中修行に励む0歳児、赤ん坊のエドガーは常人ではあり得ない速度で次々にスキルを磨き上げていった。
そんなある日、父親が司令官を務める軍の砦が敵組織<黒狼の牙>に襲撃され、エドガーも敵に遭遇してしまう。
その特徴は智紀の仇敵である通り魔のそれと酷似していて……!?

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個人的にスキル制,レベル制はかなり苦手なのですがこれはさっくり読めました.面白かったです.

疲れないし飽きないということがうまくチートに盛り込まれているんですが,どちらかというとメインはその土台でどれだけスキルを習得できるかというところが焦点なのであまり他と変わらない印象です.

キャラクターもバランスのいい塩梅だったので読みやすかったです.

あまりエロイベントが起きないのもメリハリのある展開に活かせている気がします.

こうなるとダークサイド側の視点も気になりますね.楽しみです.