焦燥感と達成感のせめぎ合い
合流から狩り,関係構築,拠点防衛と危機と緩和の緩急がとてもエンタメしている巻でした.
モンスターとプレイヤー,そしてルールそのものが驚異のこの世界で丁寧に描かれたキャラクター達の活躍からまたしばらく目が話せなさそうです.
焦燥感と達成感のせめぎ合い
合流から狩り,関係構築,拠点防衛と危機と緩和の緩急がとてもエンタメしている巻でした.
モンスターとプレイヤー,そしてルールそのものが驚異のこの世界で丁寧に描かれたキャラクター達の活躍からまたしばらく目が話せなさそうです.
様々な出会いと別れの連続性
MMORPGの醍醐味は本来現実で出会えるはずもない様々な境遇のプレイヤーと仮想の中で出会いと別れを繰り返していくところだなぁとしみじみと感じることができました.
しかもそれは強い連続性の中で成立しているわけで,どんなに大きなイベントにもそれに繋がるための小さな積み重ねがあるということを描くことで世界観がとても広がる感覚を得ることができました.
大人気キャラクターであるユウキの過去の話もほんとに良かった.
修行に次ぐ鍛錬
ライトノベルは修行せずにあっという間に強くなって無双してウンタラと叩いてきた人たちにこれでもかと言わんばかりに修行にフォーカスした話を持ってきましたね.
修行だけでもこんなにワクワクするのは作品全体に流れているある種の重たい空気感と合間に描かれる彼らのポジティブでコミカルな対比がいいからなんだと思います.
次々に訪れる困難を乗り越えて強くなってそれでも上から覆いかぶさってくる巨悪と更にどう戦うのか,そういうの飽きさせない作りに浸るのが心地よいんですよね.
とにかく続きが読みたいです.
いきなりサバイバル伝説
大掛かりな仕掛けが終わって一段落すると思いきやまたとんでもない仕掛けの引き出しが披露されて脱帽しました.
典型的なMMORPGの文脈から一気にサバイバルオンラインゲーへのスイッチでキャラクターたちと読者の“混乱”とも呼べる戸惑いが共有されてとても新鮮な読書体験でした.
ヒロインたち含めて長い間かけて成長した彼らの軌跡が見事に結実して物語が進んでいる感覚と,各キャラクター平等に展開が進む中で知恵と勇気と機転で突き進む冒険感が言いしれぬハラハラドキドキ感となって心地よかったですね.
まだまだ物語は序章とのことなので超人気作ですがしっかり追いかけたいと思います.
故郷の穢れと別れ
冒険と冒険の間に揺れるルールと真理がひかる1巻でした.
抜け道や裏技はたくさんあれど,真っ直ぐなのはいつも気持ちだけで身体や想いはついてこれないやきもきと,それでも前に進むヒロインズが印象的でした.
エルフという長命の種族の死生観など確かなベースを感じるそのずっしりとした雰囲気が相変わらず魅力的な作品ですね.
進路と未来は違う意味
おるすばんないもうとが前とか後ろとか見ながらそれでも一歩踏みだすさまをこれでもかって筆致で描いた一冊でしたね.
言ってしまえば当たり前なんですが,自分の進路を自分で決めることすら縛られている現代の社会が変わろうとする中で,特殊な事情を抱える思春期の兄妹が出した結論は,ほんの少し後ろ向きで,ほんの少しあたたかいものです.それもいい.それがいい.
あと,いろいろな困難を乗り越えていちゃいちゃレベルが上がった主人公カップルにも注目です.
相変わらずヒキが気になる終わり方なのでいろいろいい方向に行くことに期待しつつハラハラドキドキで次の巻に向かいたいと思います.
明かされた出生の秘密
現実世界での絆が一層強化されて加速世界での戦いが更に引き締まる……この作品の醍醐味が詰まった展開になりましたね.
味方も敵もそれぞれの信念に従って動き,そして駆け引きしているのでシンプルな全体の流れと細かいところでの複雑な思惑の絡みがなんとも言えない絶妙なバランスで成り立っていると感じました.
今巻ではヒロインの黒雪姫と主人公の距離がグッと更に近づき一歩リードという感じですが,明かされた彼女の過去は決して軽くはなく,今後も色濃く付きまといそうな設定でドキドキしますね.
かなりの長期シリーズですが,作者の考える世界観の輪郭が徐々に明らかになるに連れて更に新しい一面も出てきました.続きが本当に楽しみです.
新たな舞台と絆
過去のキャラクター大集合にして大波乱.明かされる過去の因縁と悪意の一端.
舞台がガラッと変って心機一転する部分と久々に登場する面々がコントラストとしてすごく新鮮でした.
全力で駆け抜けた主人公が今までつないできた確かな絆も感じられましたし,それぞれの確執も浮き彫りになったことで新しい舞台でどうやって厄介なことを解決していこうかという今作のメインストリームにいち早くノっていけました.
女性陣の可愛さとカリスマ,男性陣の苦悩もいいですね.
それぞれの思惑と彼岸がまたもぶつかり合うこと間違いないのでそこを楽しみにしてます.
あと作中で前巻から一年立ってるのでこの間の期間でいろいろ短編が出そうですね.
師弟の絆 家族の絆
血がつながっていなくても,何かで繋がって絆になり,家族になれる.そんな実感を得られた巻でした.
強さと本来持つべき弱さだったり,若さと老い,勝利と敗北など,正反対のモチーフがたくさん出てきてそれぞれがそれぞれを補完してくれているような相互作用がある物語でしたね.
戦略やルール,慣習なども含めて将棋というものを通して家族の絆や人々の人生に対する向き合い方をこんなにも熱く描いているのが素晴らしいですよね.
ドラマチックな展開の興奮も冷めぬ内に,次のドラマの予兆も描かれていてまだまだ目が話せなさそうです.