感想 『レジェンド・オブ・イシュリーン 6』 未来との邂逅


未来との邂逅

半端ない密度と筆致で描きとられた戦記ファンタジーついに簡潔です.

どれほど見せ場があるのかと思わんばかりの怒涛の展開と各所で巻き起こる戦闘と陰謀.

騙し騙されを繰り返しながら展開するメインストーリーとどれをとっても大満足な最終巻でした.

主人公の等身大感は紙一重で残しながらも周りの魅力的なキャラクターたちの活躍やヒロイン陣の可愛くも切ない葛藤など,キャラクターエンタメとして楽しめるところが本当に多かったです.

エピローグもいい……戦記モノの一番理想の終わり方なのではないでしょうか.

主人公とヒロインの選択と責任のとり方……とてもバランスが良くて最後までしっかりと満足して楽しめる作品でした.


感想 『叛逆せよ! 英雄、転じて邪神騎士 2』 真に邪悪はなんだろう


真に邪悪はなんだろう

荒廃した敗戦国での人間同士の策謀のバカバカしさをシリアスな展開で浮き彫りにしながら目まぐるしく変わる主人公の立場の複雑さに一喜一憂するのがとても楽しかったです.

周辺国を牽制しながら国内の驚異に以下に対応するかというミッションインポッシブル的な視点と,立場や視点が変わるだけでこんなにも美しく感じたり醜くなったりどうしようもなくなったりという人間模様がハッとさせられる軸が素晴らしい作品です.

女性陣のいざというときの気高さや男性陣の芯のある立ち振る舞いも魅力に感じました.

作品としてはまだまだ料理できる場所が多いと思うので主人公の行く末を見守っていきたいのと,残された者たちのそれぞれの末路に思いを馳せながら続刊を待ちたいと思います.


感想 『ウォーター&ビスケットのテーマ2 夕陽が笑顔にみせただけ』 わがままの代償


わがままの代償

幼馴染たちの共演とそれぞれ押し通したいルールの押し付け合いバトルがほんとに楽しいです.

主人公たちがおかれた環境は複雑怪奇なのにもかかわらずそれを歯牙にまるでかけない飄々とした作戦建て,他人に遂行させる能力……どれをとってもポジティブにたちが悪くて最高です.

ヒロイン?の女性陣の気苦労やそれぞれの想いの発露も生々しかったりすっきりほんのり青春でいい塩梅です.

天才たちの流し流され思考バトルの楽しさと状況が魅せる不可解さと世界の謎……いろいろな話の軸があって最後まで全く飽きませんでした.

次巻はまた大きな伏線もあることなので早く読んでみたいですね.


感想 『叛逆せよ! 英雄、転じて邪神騎士』 流される裏側の真実


流される裏側の真実

英雄が救った世界はそこまできれいなものじゃなかった,物事には裏の側面があり光もあれば闇もある……そんなテーマをこれでもかと突き詰めた作品でした.

世界を救ってもそれはある世界に多大な負担をかけることを意味して,それに気付いた主人公流されるだけでなくしっかり考えて対応していくところも面白く読めました.まぁ結構いやだいぶ流されているんですが笑

キャラクター派ポップなデザインになっていてそれが本編の異様に重たいテーマを和らげてバランスをとっている印象です.

次回も主人公は自分の過去が起こした悲劇などを目の当たりにして相対するんでしょうけど,そこが大きな主題として描かれるほどに,この作品の魅力が増していく気がしますね.