感想 『おことばですが、魔法医さま。(2) 〜異世界の魔法は強力すぎて、現代医療に取り入れざるを得ませんでした〜』


立場の違いの利点と問題点

医療と魔法の合わせ技で異世界切り開く活劇第二弾.

前回お互いの立場の違いを理解しつつも反発をしていた主人公とヒロインの距離がグッと近づいた上で波乱あり策謀ありの展開でハラハラ感が増してました.

考え方の芯が一緒なので反発しながらも同じ方向を向いて突っ走れる関係ってフィクションだと妙に映えますよね.

あとヒロインが自分の問題点を自覚しながら主人公が初めて経験する挫折への向き合い方を共有する場面が良かったです.

様々な立場がありそこに多くの違う視点が盛り込まれるのが異世界モノの醍醐味でもあるのでそこが活かせていたのがとても面白かったです.


感想 『おことばですが、魔法医さま。 〜異世界の医療は問題が多すぎて、メスを入れざるを得ませんでした〜』


誇りを胸に相対する

魔法治療と現代治療の対比でエンターテイメントになっているのはありそうでなかった視点です.

ただ前半の世界観把握(異世界のレベルの低さ把握)が少し戸惑ったのとヒロインが思ったよりも生意気ロリかわ系だったことに少し違和感がありましたが,話を読むに連れて彼女の芯にある強い想いと患者に相対する真剣さが伝わってとても好きなキャラクターになりました.

主人公は今のところ少し無味無臭なのでこれから等身大な部分の活躍にも期待したいですね.

世界にはまだまだいろいろな病気がありますので今後も楽しめそうな展開がたくさんありそうでワクワクしますね.


『骸骨騎士様、只今異世界へお出掛け中 8』 無自覚世直しの到達点


無自覚世直しの到達点

種族が種族同士の軋轢や過去を超えて共闘して盛り上がっていく展開はまさにクライマックス……と思いきやとんでもない広域殲滅戦で想像よりもド派手でした.

キャラクターたちはここぞとばかりに出番で魅せましたが,やはりここは主人公に軍配が上がりそうです.

最後のバトルのトリックもストンと胸に落ちる読後感で良かったです.

まさかの完結ということで世界はまだまだ広がっている気もしますが,謎の開陳はある程度は蛇足ということで総じて満足な作品でした.


感想 『弱キャラ友崎くん Lv.6』 恋をすることの難しさ


恋をすることの難しさ

人生ハードモードを見事なロジックで攻略する青春活劇の第6弾.

前回とんでもない人間離れした動きを魅せたヒロインの凄さはそのままにどこまでも等身大の視点で人生の攻略法を進めていく手腕は流石です.

今回主人公は本気で自分の恋や想い,そして他人の想いをも踏み込んで向き合うことになりました.

キャラクターたちは誰しもが特別でキラキラした想いを持っていて,その輝きを文化祭という特大青春ドラマ装置が何倍にも増幅させています.

成長とか恋とか不器用さとかそんな不安定な要素を抱えながらもちゃんと前を向いて進んだり後退したりする主人公が応援したくなりますね.

最後にとんでもない爆弾を落としていったヒロインもいるのでそれを考えつつ次回はスッキリ魅せてくれることを大期待です.