リア充の静かな爆発
リア充がリア充足るためにどこまで太い芯をはるかという命題を突きつけられた感覚でした.
一つ一つはこれまでの同種の作品のエッセンスを丁寧に織り交ぜていきながら,この作品独自のテーマも魅力的に描かれていました.
同時代にこれほど学校生活の参考になる作品が出てきて今の中高生が羨ましいですね.
リア充の静かな爆発
リア充がリア充足るためにどこまで太い芯をはるかという命題を突きつけられた感覚でした.
一つ一つはこれまでの同種の作品のエッセンスを丁寧に織り交ぜていきながら,この作品独自のテーマも魅力的に描かれていました.
同時代にこれほど学校生活の参考になる作品が出てきて今の中高生が羨ましいですね.
共闘ラブコメの良い文脈感
お互いの目標のためにドタバタ共闘するんだけど徐々に距離が近づいたり離れたりするのをやきもきしながら見るライトノベルにそろそろ名前がほしいですね.
序盤の展開でちょっとどうかなと思いましたが徐々にエンジンがかかっていつものノリで最高に清々しく読めました.
村上先生の本ってホント読みやすいんですよね.今回もいつもの二倍くらい早く読めました…….
二人の関係が今後どう進展するのか純粋に応援しながら見守りたい,とにかく気になりますね.
過去から遅い来る未来の敵
衝撃の幕開けだった1巻から打って変わって平和な日々が続いていきます.
ただ少年少女たちが抱える葛藤がそう簡単に解消されるはずもなく,徐々に複雑に混乱を極めてそれでもなおもがいて進むさまが妙に焦れったくて楽しいです.
そして次第に頭角が現れる大人たちの陰謀や怪しい伏線の数々……ミステリーです.
ヒロインたちのイキイキとした表情とそれを裏付ける行動力の芯の強さが凄いですね.
努力,友情……そして夢が思春期の彼らにもたらすのは福音か破滅か…….
最後の展開も見事に次巻への期待をもたせつつ終わっているので,行く末を追いかけたいと思います.QT #maburi
高校生は努力のコスパの夢を見るか?
うだつの上がらない状態で成人になった主人公.その背景にはとある同級生の事故死が絡んでいて……というどんより空気から始まるストーリーから想像もつかないほど鮮やかに展開される青春巨編でした.
イラストの雰囲気も話の展開とベストマッチしていてページをめくる手が止まりませんでした.
作品全体に流れる,夢(特に若いときにみるアレ)と努力(コスト)の考え方.
誰しもが妄想して決めて決めて決めてそれでも迷ってきたのが人生で,それに賛美歌を浴びせるような鮮烈な読書体験でした.
ヒロイン達もまたいいですね.天才だけど達観しすぎず等身大でくどすぎずでも真っすぐで……みたいな.
ただ,この作品の魅力が最大限になるためには今後はやはり主人公にかかってるんじゃないかなと思います.
彼がまだまだ助走段階にいる限り,やきもきしたり見守ったりハラハラしたりとそういう気持ちにさせるはずなのでそこでうまくストレスコントロールしてくれたらな切に願います.
読後感も良くてこれは自分が高校生のときに読みたかった一冊でしたね.
作品全体で見てもまだまだ助走段階の1巻目なので今後の展開を楽しみにしつつ早く次の巻を読みたいと思います.
大きいことはいいことです
ひと回り近く年の差カップルのラブコメ攻撃.
いま高校生の読者も,アラサーの読者も巻き込んでいきたいという作者の貪欲な姿勢が見えました.
ヒロインと主人公の尽きず離れずという距離感が絶妙でそこがいちゃいちゃへの説得力だったり臨場感だったりのベースになっています.
ヒロインは文句なしに可愛いのですがいざ三十超えてもこのテンションなのかなと想像したら負けな薄氷の上のヒロインでもあるので今後はそこのバランス感覚が大事になってくる気がしますね.
恋愛は波乱がスパイスだと思うので,今後どのような展開になっていくのか,性癖的な意味でも注視して行きたいと思います.
本当に大事なことが目に見えるとは限らない
新時代の青春バイブル第四弾はスクールカーストに一石を投じる激震の一冊になりました.
相変わらず学校の教室で起きることを理性的に観察しその法則性を納得のいく理屈が補強していますね.
キャラクター同士が息遣いを感じるほどにリアルに動き回っていてだからこそその混沌を説明する言葉が必要で……それが神業的にうまく噛み合っています.
前巻で完璧を演じたヒロインも太刀打ちできないような悪意の渦巻く空間で主人公が洞察力と行動力で挑むというかなり胸熱な展開でした.
この作品がこのデリケートなテーマにどの粒度でどれだけ踏み込んでいくかが気になりますが今までを読んでいれば安心して待てますね.
惜しむべきは次巻へ続くという展開に今回はなっていることです.新刊が待ち遠しい!
錯綜する青春
あらすじ・内容
ぼっちには生き地獄。リア充待望のイベント、修学旅行開始!
星ノ守の衝撃の告白によって、またもやめんどくさい勘違い案件が勃発! と思いきや、自称「察しの良さ」に定評のある天道には今回、解決の秘策があるらしく!? 一方、雨野は修学旅行に向け……バイトを始めた。
読めない展開に読めない妄想をかさねて行き着くところまで行き着いたシチュエーションでした.
身悶えするほどのじれったさとミスリードに一喜一憂しながら読んでいましたが,途中から心の何処かでこんな展開になりそうだとハラハラしながら進めることができました.
キャラクターは目の前のことにひたすらひたむきでだからこそ真っ直ぐではなく回り道することでキレイなストーリーが生まれていますね.
勘違いの起点からその風呂敷を広げるさまはこの作品の醍醐味ですがこの巻は特にすごかったですね.
彼らの青春の行き着く先を想像しつつ次のトンデモ展開に期待したいです.
スクールカーストという残酷で美しい題材
あらすじ・内容
スクールカースト最下層に位置する白根与一は廃部をハンストで抵抗する部員の監視役として図書部に入るよう命じられる。部室では、純真可憐な美少女・黒羽瑞穂が待っていた。その姿に反し、彼女の口からは過激思想発言が止まらない。その中の一つ、スクールカースト粉砕計画に白根は心を動かされ、気がつけば彼女の理解者に? カースト一軍のリア充で黒羽の幼馴染み中禅寺さくらを交え、おかしな図書部の活動が始まる!?
スクールカーストを体制側の一つの問題として扱いながらもそれによって翻弄される少年少女の一喜一憂をコミカルに描いた作品でした.
特殊な単語がたくさん出てきますが主人公のツッコミスキルが優秀なのでとくに引っかからずにスラスラ読めました.
この頃の時代って小さなほころびでも人間関係や生活に大きな傷を負いやすい……だから愛しいと感じるまさに黄金時代なんですよね.
ヒロインがピーキーなんですが宇宙人に感じることなくあくまでこの時代をもがき苦しんで進んでいる一人の女の子に見えたのでそこの造形も良かったです.
チェインコンボによるハメ決まった
あらすじ・内容
天道の決意――「雨野君……こんな関係は、終わりにしましょう」
《シュピール王国》の一件で――「このティッシュ美味しいですね」天道は心がクラッシュしていた。しかし、雨野を信じたい三角は「異議あり! これはいつもの勘違い的なアレです!」某裁判ゲームばりの逆転なるか?
ラブコメ地獄は続くよどこまでもといったところ.
前回のラブコメ的には完全にゲームオーバーなところから起死回生最高の形で見事に挽回した流れをつくり,読者もほっこり.
ラブラブ甘々で青春キュンキュンと楽しんでたところに壁際確定即死コンボ級の衝撃が入ってからの幕引きでした.
ある意味今までのもやもやの一部がきれいに回収されたわけですが,チアキ好きの私からみたら天道さん好きの皆さんとようやくフェアなフィールドに立たせていただけて大変楽しく感じております.
新キャラも含めてキャラクターは半端なく個性を発揮しているのですが,いよいよ諸々でがんじがらめになって動きが取りづらそうなキャラも多く絶妙な塩梅と言えるでしょう.
次はもろもろがしっくりきつつもまたもややきもき甘酸っぱい展開が待ってそうなので,余すところなく楽しもうと思います.
まさしく全滅エンド
あらすじ・内容
『ビバッ! 《シュピール王国》!』既成事実を作るのは誰だ!?
ゲームよりも亜玖璃を優先させた雨野。そんな二人の急接近に焦る天道&上原の秘策とは……「既成事実を作るっきゃないだろう」ゲーム中盤の地味な街感溢れる王国(遊園地)で悪魔的知略戦(ダブルデート)が始まる!
毎回最後のヒキで驚かせてくれる今作ですが今回も特大級の爆弾が落ちて粉微塵になって次回へといったところ.
キャラクターたちは脇役に至るまで細かな動きをしていた印象ですね.
そしてメイン陣のからまわることからまわること……人生はゲームのようにリセットできないとは言えもどかしさが積もりますね.
それぞれの想いをすれ違わせ,絡ませた上で昇華させています.
そしてゲームオーバーに近いこの状況.
ここからどうやって,いやどこに着地させていくのかの期待が高まります.