感想 『やがて恋するヴィヴィ・レイン 7』 世界の変革は優しさとともに


世界の変革は優しさとともに

恋と冒険の世界変革物語,ついに完結ですね.

途中今まで読んできたシーンが走馬灯のように流れてずーーっとジーンと来てました.

作品のテーマとして差別や共存や異文化のコミュニケーションの難しさとかが敷かれているものの,最後はやっぱり少年少女たちの出会いと交流の物語に収斂するその展開が本当に素敵でした.

一人ひとりの想いや力は弱いけれど,重なり交わることで何倍もの力になってやがて運命の瞬間を迎えるような流れるような展開にドキドキが止まりませんでした.

主人公のバランス感覚とヒロインたちのあどけなさや意志の強さやその色とりどりの感情が最大限に純化されて読まされた気分です.

この物語は一つの終焉を迎えつつも,どこか暖かな気持ちと透き通るような空の下で彼らが息づいている,そんな気持ちになりました.とても面白かったです!


感想 『我が驍勇にふるえよ天地 8 ~アレクシス帝国興隆記~』


大戦は続く 否応なしに

帝国を陥落させた主人達が国内安定のため政治に神経を注いでいる裏で遠く離れた場所では因縁と陰謀が渦巻いていました.

前回メインのキャラクター達は過去の因縁含めた精算は済ませたという終わり方なのに,この一冊でここまで話が広がったのは驚くべき演出ですね.

河を挟んでのど派手な三つ巴バトルも激アツですが,相手の裏をかき騙し騙され出し抜かれの軍師バトルも,要チェックですね.
ラスト数ページの衝撃もあり早く続刊が読みたいですね.


感想 『異世界料理道 15』 香辛料の匂いにつられて


香辛料の匂いにつられて

ついに庶民食の王様,カレーの気配が見え隠れする中で,街のキャラクターと森部のキャラクターたちにも次々に新しい関係が生まれています.

前回のマイムというキャラクターは主人公といい塩梅の対比的な構造を生みましたが,今回のレム=ドムはヒロインとの対比になっています.

また半分くらいは掌編になっていて本編の補足に使うという珍しい構成でした.

ただ本編の続きが読みたい気持ちも強くジレンマがありますね.
貴族のロリちゃんにまた登場してほしい今日この頃です.

これだけ一定して面白さが持続している作品もないと思うのでずっと楽しめそうな作品だなと再確認しました.