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『アクセル・ワールド24 -青華の剣仙ー』 修行に次ぐ鍛錬


修行に次ぐ鍛錬

ライトノベルは修行せずにあっという間に強くなって無双してウンタラと叩いてきた人たちにこれでもかと言わんばかりに修行にフォーカスした話を持ってきましたね.

修行だけでもこんなにワクワクするのは作品全体に流れているある種の重たい空気感と合間に描かれる彼らのポジティブでコミカルな対比がいいからなんだと思います.

次々に訪れる困難を乗り越えて強くなってそれでも上から覆いかぶさってくる巨悪と更にどう戦うのか,そういうの飽きさせない作りに浸るのが心地よいんですよね.

とにかく続きが読みたいです.


感想 『ヒトよ、最弱なる牙を以て世界を灯す剣となれ グラファリア叙事詩』


人間とモンスターの関係

独特の世界観とハイファンタジーが織りなす軍師バトル.

逆転の一手と起点が心地よい頭脳戦もそうですが天才と憚れない能力と性格がいかんなく発揮されている主人公が本当に爽快に描かれている作品です.

男性陣が癖があって面白いんですが女性陣がヒロインとメイド,内務長官くらいしか目立っていないので少しテコ入れがほしいなと思っちゃうのは贅沢ですかね.

種族生存のこだわりもなくただ思うがままに理想へと突き進む主人公とポップで爽快なそれでいて残酷な描写がとても魅力的な作品でした.


感想 『ストライクフォール 3』 宇宙の広さと狭さの饗宴


宇宙の広さと狭さの饗宴

大スペクタクル架空スポーツの祭りがここに開演と思わんばかりの盛り上がりが何回も出てきてとても興奮した巻になりました.

主人公が等身大通り越してとても子供っぽい猪突猛進なところが気になる人もいるでしょうけど,そのまっすぐさを垂直線として他のキャラクターたちの魅力が対比的に描かれているのでとてもいきいきと感じました.

女性陣も,大人っぽいところと少女なところが共存していたので前回と比べて彼女たちの魅力の輪郭がはっきりした気がしますね.

そして……ようやく全貌が描かれたストライクフォールという名のスポーツ.

読者としては初めて通しで読むわけですが,試合中こんなにドラママティックで盛り上がるシーンが何回も出てくると圧倒されます.

ジーンとくるシーンが何度もありました.

しかもスピード感のある競技で何度も交差するキャラクター達の戦いは読んでて本当に爽快です.

時代が変わったばかりを描いた今巻ですが,本当の意味での戦いはこれからでしょう.期待したいですね.


感想 『レジェンド・オブ・イシュリーン 6』 未来との邂逅


未来との邂逅

半端ない密度と筆致で描きとられた戦記ファンタジーついに簡潔です.

どれほど見せ場があるのかと思わんばかりの怒涛の展開と各所で巻き起こる戦闘と陰謀.

騙し騙されを繰り返しながら展開するメインストーリーとどれをとっても大満足な最終巻でした.

主人公の等身大感は紙一重で残しながらも周りの魅力的なキャラクターたちの活躍やヒロイン陣の可愛くも切ない葛藤など,キャラクターエンタメとして楽しめるところが本当に多かったです.

エピローグもいい……戦記モノの一番理想の終わり方なのではないでしょうか.

主人公とヒロインの選択と責任のとり方……とてもバランスが良くて最後までしっかりと満足して楽しめる作品でした.


感想 『ウォーター&ビスケットのテーマ2 夕陽が笑顔にみせただけ』 わがままの代償


わがままの代償

幼馴染たちの共演とそれぞれ押し通したいルールの押し付け合いバトルがほんとに楽しいです.

主人公たちがおかれた環境は複雑怪奇なのにもかかわらずそれを歯牙にまるでかけない飄々とした作戦建て,他人に遂行させる能力……どれをとってもポジティブにたちが悪くて最高です.

ヒロイン?の女性陣の気苦労やそれぞれの想いの発露も生々しかったりすっきりほんのり青春でいい塩梅です.

天才たちの流し流され思考バトルの楽しさと状況が魅せる不可解さと世界の謎……いろいろな話の軸があって最後まで全く飽きませんでした.

次巻はまた大きな伏線もあることなので早く読んでみたいですね.


感想 『アクセル・ワールド22 -絶焔の太陽神ー』 抜かりのない戦い


抜かりのない戦い

過去の因縁や戦いの趨勢が一つの地点で結束しましたね.

ただ準備を万端にしているのは味方だけではなく,対立する相手も同様だ……というところが面白いです.

戦う前の想い,策略,仲間……全てをぶつけ合うからこそドラマがあります.

ここに来てキャラクターたちはそれぞれが自分の立ち位置をかなりはっきりさせた印象.

特に王たちの共闘や敵の手痛い反撃など見どころがすごかったです.

今巻もまだまだ長い助走の一部なので早く続きが読みたいです.


感想 『異世界料理道 13』 宿命との邂逅 妄執の終わり


宿命との邂逅 妄執の終わり

料理で織りなす異世界生活もここに来て大きな区切りを迎えました.
様々な思惑とそれぞれの立場が堂々と際立ち,またようやく読めた“料理対決“のアツさ.

料理とは相手への思いやりもあるんだと考えてしまう展開に思わず頷きました.

久々登場のキャラクターもいて華やかだし大団円だしでかなり満足度の高いお腹いっぱいの1巻でした.

次は一区切り後ということでまた新しい話が始まるので,今から楽しみですね.


感想 『異世界料理道 12』 矜持のたまもの


矜持のたまもの


誘拐されていた主人公.

無事に戻るやいなや大きなうねりにまた絡まれてしまうっていう感じの展開です.

今巻でヒロインたちとその他のキャラクター達の関係が少しずつ変化しながら,より密なやり取りがされるのが印象的で,むしろ関係値がいっきにすすまないのがもどかしくもあり楽しくもあります.

いろいろな縁が結ばれながらも肝心なところでトラブルや壁があり,そこを一つ一つ着実にゆっくり超えていくさまがこの作品の醍醐味ですね.

前巻のロリキャラがかなりお気に入りなので次巻また出てきそうなのが楽しみです.

美味しそうな新料理も披露しつつ全体的なバリエーションが増えてきたのでメリハリある料理にも期待です.
新食材を開拓していく楽しさも健在です.


感想 『エイルン・ラストコード 〜架空世界より戦場へ〜 7』


英雄が受け継いだもの

新世代ロボットラノベにふさわしい内容と熱さ,盛り上がりでした.

満を持して投入される火力とお金とそして人命という名の限られたリソース.

しかし敵は強大で絶望を振りまき,誰もが辛い中立ち上がる者達……皆一心に英雄が残した灯火を携えています.

燃える展開が多いかつクライマックスで大爆発するスタイルのため助走がやや辛い展開です.

しかしそれを補って余るほどのカタルシスの開放です.

キャラクターたちも良いです.それぞれに魅せ場があり,脇役としてのかゆいところに手が届く感じが最高にクール.

あまりにも今回開放感高いので逆に次巻が心配になるレベルです.

しかしまだまだ盛り上がる気もしますので今後の展開にも大きな期待をしたいと思います.


感想 『クラウン・オブ・リザードマン 少年は人の身を捨て復讐を誓う』  過去を取り戻せ


過去を取り戻せ


MMORPGで無類の強さ(レベルというよりプレイヤースキルのほう)を誇った主人公のアカウントが突如不正通報により凍結され,しかもそれをやったのがずっと仲間だった少女の通報で……と冒頭から引き込むストーリーでした.

ゲームとしての仕組み上の楽しさというよりは主人公側の暗躍となぜアカウントが凍結されることになったのかのミステリーが両軸で進むことで読ませる作りになっています.

キャラクターが独特の雰囲気で面白く,ただ主人公が少し青臭いのが気になる感じでした.

物語的にはしっかり続きそうな終わり方でしたがヒロインとその周りが少し不完全燃焼ですね.

ゲームとしてはプレイヤースキルが重要なので今後も主人公がかなり活躍しそうです.