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感想 『叛逆せよ! 英雄、転じて邪神騎士 2』 真に邪悪はなんだろう


真に邪悪はなんだろう

荒廃した敗戦国での人間同士の策謀のバカバカしさをシリアスな展開で浮き彫りにしながら目まぐるしく変わる主人公の立場の複雑さに一喜一憂するのがとても楽しかったです.

周辺国を牽制しながら国内の驚異に以下に対応するかというミッションインポッシブル的な視点と,立場や視点が変わるだけでこんなにも美しく感じたり醜くなったりどうしようもなくなったりという人間模様がハッとさせられる軸が素晴らしい作品です.

女性陣のいざというときの気高さや男性陣の芯のある立ち振る舞いも魅力に感じました.

作品としてはまだまだ料理できる場所が多いと思うので主人公の行く末を見守っていきたいのと,残された者たちのそれぞれの末路に思いを馳せながら続刊を待ちたいと思います.


感想 『叛逆せよ! 英雄、転じて邪神騎士』 流される裏側の真実


流される裏側の真実

英雄が救った世界はそこまできれいなものじゃなかった,物事には裏の側面があり光もあれば闇もある……そんなテーマをこれでもかと突き詰めた作品でした.

世界を救ってもそれはある世界に多大な負担をかけることを意味して,それに気付いた主人公流されるだけでなくしっかり考えて対応していくところも面白く読めました.まぁ結構いやだいぶ流されているんですが笑

キャラクター派ポップなデザインになっていてそれが本編の異様に重たいテーマを和らげてバランスをとっている印象です.

次回も主人公は自分の過去が起こした悲劇などを目の当たりにして相対するんでしょうけど,そこが大きな主題として描かれるほどに,この作品の魅力が増していく気がしますね.


感想 『<Infinite Dendrogram>-インフィニット・デンドログラムー 5.可能性を繋ぐ者達』


激突完結

今巻はひっぱってひっぱっての大活躍キャラクターが多かったですね.

それぞれ芯が強いキャラだらけなので時には激突して,裏切って,抱擁して……一喜一憂がとても鮮やかに描かれていてキャラクターの活躍が活き活きしていてとても素晴らしいです.

それぞれのキャラのストーリーがそれぞれのケジメを迎えている上で次回への伏線が貼られているのでワクワクもする感じになってます.

ただ能力がインフレしすぎていてこれから成長楽しむ路線の読み方がどうなるかは少し不安でした.


感想 『我が驍勇にふるえよ天地6 〜アレクシス帝国興隆記〜』


敵の敵は味方

因縁も冷めやらぬ間に味方となって反転,同じ敵を見据えて進むという驚くべき展開を見せました.

政局が絡んだ戦争は背景の説得力がますのでいろいろ浮き彫りにしやすくていいですね.

世界一の軍事大国が相手なので新しい役者が出るわ出るわで目まぐるしかったです.

女性陣もカラッとしているタイプやそうじゃないのやらいろいろいて可愛いです.どの娘も気持ちの良い,気風が良いので楽しいですね.

まだまだ序盤戦,これから勢いが増していきそうなので新キャラの姫傭兵との絡みも楽しみです.


感想 『レジェンド・オブ・イシュリーン 5』 それぞれの背負う道


それぞれの背負う道


いよいよ本格化する国を守るための攻勢.

各地で巻き起こる戦いに恋に裏切りにと混乱した状況を作り出す主人公達.

キャラクターが魅力的だからこそ失われたときの輝きも尊いですね.

余韻の作り方が良くてあっさりしているところも良い意味で想像力を掻き立てられました.

国と個人がそれぞれできることと変わっていく関係性の中の確かな絆にスポットが当たっていて見ていてやきもきしたり感動したりするのも良かったです.

いよいよ全面衝突が待ってそうな次巻,綺麗なクライマックスが見れることを期待しています.


感想 『クラウン・オブ・リザードマン 少年は人の身を捨て復讐を誓う』  過去を取り戻せ


過去を取り戻せ


MMORPGで無類の強さ(レベルというよりプレイヤースキルのほう)を誇った主人公のアカウントが突如不正通報により凍結され,しかもそれをやったのがずっと仲間だった少女の通報で……と冒頭から引き込むストーリーでした.

ゲームとしての仕組み上の楽しさというよりは主人公側の暗躍となぜアカウントが凍結されることになったのかのミステリーが両軸で進むことで読ませる作りになっています.

キャラクターが独特の雰囲気で面白く,ただ主人公が少し青臭いのが気になる感じでした.

物語的にはしっかり続きそうな終わり方でしたがヒロインとその周りが少し不完全燃焼ですね.

ゲームとしてはプレイヤースキルが重要なので今後も主人公がかなり活躍しそうです.


感想 『やがて恋するヴィヴィ・レイン 3』 裏切りと恋の夜


裏切りと恋の夜

あらすじ・内容

ルカは皇位継承を巡る闘争へと巻き込まれ…。

ウルキオラ暴動から三年……。神聖リヴァノヴァ帝国においてルカはジェミニらと共に帝国最強の独立混成連隊として勇名を馳せていた。ルカの編み出した新戦術は三次に及ぶ「ドル・ドラム戦役」においてその威力を発揮し、帝国軍総司令官ヴラドレン皇太子はルカに作戦会議への参加を許可する。
だが皇帝の血を引くジェミニも皇太子を排除すべく暗躍を開始、ルカは皇位継承を巡る闘争へと巻き込まれる……。

「子どもだった。見た夢が幼すぎた。あの約束は世界を破壊してしまう」

「飛空士シリーズ以上!」との声も上がってきた、魅力的なキャラクター設定で圧倒的話題の一大軍事戦記。さらにさらに加速する恋と会戦の物語、第三巻。

戦術は兵力を凌駕するのが常ですね.快進撃が止まりません.

戦争で活躍することで中央に入り込めたルカとジェミニですがそこはとんでもなくクセの強いキャラクターたちがひしめく魑魅魍魎の巣です.

再開の約束,現場にいるキャラクターたちの想い,そして裏切り……大胆な構図と駆け引きが見事な演出になっていて大きな大局のうねりとしても素晴らしいです.

主人公のルカは優秀なのですが決定的に運命に翻弄される宿命にあるので周りがほっとかずこれからも激動の人生を歩みそうですね.

そして王女との約束.

次巻も時代の大きな転換点で少年少女たちがどんな波乱を巻き起こして相対するのか見届けたいと思います.


感想 『ストライクフォール 2』 競争の意味を問う


競争の意味を問う

あらすじ・内容

競うことは、争うことなのか。

史上、類を見ない“ルール違反”。
雄星は処分決定を待つ間、二軍練習場へと送られる。

前代未聞のスキャンダルを起こした異邦人に、選手たちはただただ冷たかった。無数の敵意にさらされる雄星に、二軍監督、ユウキ・プラバッキーは告げる。

「ここの連中がお前に冷たいのは、弟のことだけでも、ペナルティのことだけでもねえよ。みんな、パワーの時代が怖いのさ。おまえはストライクフォールの次の時代そのものだからな」

あの日、雄星のもたらした慣性制御技術は、ストライクフォールをまったく別の競技に変えてしまったのだ。

「おまえに残された道は、二つだ。時代を殺した男として恨まれながら勝者になるか、それとも、誰かがそうした勝者として栄光を掴むのを、指をくわえて見ているかだ」

同じく懲罰で試合機会を奪われたアデーレ。
ストライクシェルの整備を学びはじめた環。
みな、大切なものを失った傷を抱えながら、新たな戦いを始めている。
なら――俺は。
めまぐるしく変化する世界、「戦争」と「競技」の狭間で。
雄星は、ストライクフォールともう一度向き合う。

兄弟の憧れを、答えをこの手に“掴む”ために。

SF界の俊英が放つ疾走スペースグラフィティ、待望の第2弾!!

すべてのことが文字通り戦争に近いスポーツ競技の中でエンターテイメントになりうる要素,少年少女だったり関係性だったりを詰め込んだ贅沢な作品です.

衝撃の1巻目直後から2巻はスタート.事後処理と新しいチャレンジの目の前で葛藤し挫折を味わう主人公……王道ですがなかなかエグい味付けになってます.

もがいている主人公は等身大な若者そのものなんですが何処までも前向きなのに弱さを認め悔しがる様がありありと描写されているのでストレスがかかります.

しかしそれでも前を向き続け諦めないところがスカッとしますし周りも何処か憎めない奴らで清々しいですね.

ロボット,宇宙,スポコン,挫折となかなか挑戦的な今作ですが今後もしっかり追いかけたいと思います.


感想 『異世界料理道 7』 街の喧騒と狩人の誇り


街の喧騒と狩人の誇り

あらすじ・内容

スン家支配も崩壊し、新たな秩序と目標をもって道を歩み始めた森辺の民たち。新しく縁を結んだ森辺の民たちに『料理』を教えつつも、休んでいた町での商売を再開したアスタ。彼は新メニューを引っ提げ、ついに宿への料理の提供という、大きな第一歩を踏み出すのであった。

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一難去ってまた一難といった感じになりました.

大きな罪が暴かれて一時は落ち着くかと思った波乱が,更に大きな波乱としてキャラクターたちに降りかかりました.

いいなぁと思ったのが断罪の考え方.
今だけと正義では理想は叶えられず,罪が生じた原因と行って起こるこれからのことこそが本質の理解を助ける,そんな教えにしっくりときました.

種族の波乱もまた魅力の一つですが,着々と進む食からの侵攻もまたいい感じになってきましたね.

色恋や料理の可能性などまだまだ気になるところが多いのでいろいろなところにスポットを当てて欲しいところですね.


感想 『我がヒーローのための絶対悪 3』絶対悪の証明


絶対悪の証明.

あらすじ・内容

悪が身を賭して救おうとした正義のゆくえ。 沖名武尊が二代 目ヘルヴェノム卿となり、半年が経過していた。 家族同然の水町佐和子を手にかけ、悪に堕ち続けた事件。月杜MATビルで繰り広げたガイムーンとの激しき 闘争。そして旧リヴァイアサンの元幹部である第一種の怪人ビートリガたちとの殺し合い。 それらの苛烈な闘争を経てもなお、争いは終わることなく、さらに 激しさを増していく。それらを殲滅し取り込んでいく二代目ヘルヴェノム卿は、名実ともに怪人(オルタ)たちを束ねる絶対悪(アルケマルス)となっていた。  すべてはガイムーンを倒すため。幼なじみである天羽ミアをガイムーンの呪縛から解き放つため、武尊は果てなき闘争を続けている。 一方で、正義の化身と して覚醒を続けるミアは本来自身が持ち合わせているヒーローとしての感覚と「正義を行使する」というマインドセットのズレの影響で頭痛に悩まされていた。  そんな止まらない進化を不安に感じているミアの前に、フクロウを模った仮面した怪人が現れ事態を急変させる――。 絶対悪になった少年は果たして最愛の 少女を救うことができるのか。そして悪に堕ち続けた武尊の運命は――。青春ヒーローピカレスクロマン、最終巻!!

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壮大な叙情詩が終わりを迎えたような読後感が清々しい気持ちです.

一人の英雄と一人の悪が交差することによって綺麗なシンクロをはたしていてまるで決められたパズルのピースのような心地よさにつながっています.

キャラクター一人ひとりの“芯”がそれぞれの領域で輝いていて連鎖反応して魅力を増しているイメージです.

ラストバトルも勧善懲悪を見事に皮肉ったジーンとくるシーンになっていてそれでいてしっかりと心に爪痕残すような読み応えを演出していて素晴らしかったです.

彼と彼女の物語は続いて行くでしょうけどこれ以上の描写は無粋でしょう.

安らかなる絶対悪に祝福あれ.