感想 『ソードアート・オンライン21 ユナイタル・リングI』 いきなりサバイバル伝説


いきなりサバイバル伝説

大掛かりな仕掛けが終わって一段落すると思いきやまたとんでもない仕掛けの引き出しが披露されて脱帽しました.

典型的なMMORPGの文脈から一気にサバイバルオンラインゲーへのスイッチでキャラクターたちと読者の“混乱”とも呼べる戸惑いが共有されてとても新鮮な読書体験でした.

ヒロインたち含めて長い間かけて成長した彼らの軌跡が見事に結実して物語が進んでいる感覚と,各キャラクター平等に展開が進む中で知恵と勇気と機転で突き進む冒険感が言いしれぬハラハラドキドキ感となって心地よかったですね.

まだまだ物語は序章とのことなので超人気作ですがしっかり追いかけたいと思います.


感想 『ゴブリンスレイヤー 7』 故郷の穢れと別れ


故郷の穢れと別れ

冒険と冒険の間に揺れるルールと真理がひかる1巻でした.

抜け道や裏技はたくさんあれど,真っ直ぐなのはいつも気持ちだけで身体や想いはついてこれないやきもきと,それでも前に進むヒロインズが印象的でした.

エルフという長命の種族の死生観など確かなベースを感じるそのずっしりとした雰囲気が相変わらず魅力的な作品ですね.


感想 『君死にたもう流星群2』 過去から遅い来る未来の敵


過去から遅い来る未来の敵

衝撃の幕開けだった1巻から打って変わって平和な日々が続いていきます.

ただ少年少女たちが抱える葛藤がそう簡単に解消されるはずもなく,徐々に複雑に混乱を極めてそれでもなおもがいて進むさまが妙に焦れったくて楽しいです.

そして次第に頭角が現れる大人たちの陰謀や怪しい伏線の数々……ミステリーです.

ヒロインたちのイキイキとした表情とそれを裏付ける行動力の芯の強さが凄いですね.

努力,友情……そして夢が思春期の彼らにもたらすのは福音か破滅か…….
最後の展開も見事に次巻への期待をもたせつつ終わっているので,行く末を追いかけたいと思います.QT #maburi


感想 『精霊幻想記 12.戦場の交響曲』 少女の淡い後悔


少女の淡い後悔

展開がゆっくりな前半と打って変わって後半の怒涛の盛り上がり.気持ち良いですね.

ストーリーの展開が進む中でたまに挿入される少女の後悔と強い憧れの念がなんともいじらしく描かれていてこの巻全体のコントラストになっていました.

ヒロインたちも今回は個性的なところは抑えられていて,だけど活躍はしていてとバランスがよかったです.

そして主人公の強さが爽快!敵もいい具合に小賢しくてページめくるのが進む進む.

少女の後悔と憧れがどんな結末に着地するのかとても楽しみでありながらも,いろいろなキャラクターの心の揺れ動きに着目しつつ続きを早く読みたいです.