感想 『いづれ神話の放課後戦争』 くっころ戦乙女と代理戦争


くっころ戦乙女と代理戦争

あらすじ・内容

その眼で、屈服させろ――高潔なる神々を、世界のルールまでも

放課後、絶海の学園で、密かに行われる神話代理戦争――7つの神話の神々をその身に宿す適合者たちは、世界の掟〈唯一神〉の座を争う。だが一人イレギュラーがいた。神々に復讐を誓う魔眼使いの学園生活が今始まる!

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学園という閉じた折の中での神々の代理戦争に巻き込まれる復讐者の主人公.

設定はオーソドックスな代理戦争ものですが各神話体系の薀蓄や能力の工夫で盛り上がりを演出していたのが良かったです.

今回のヒロインの一人である戦乙女が愚直真面目な真っ直ぐな娘で本当読者に優しいです.くっころがイイ!

主人公の能力がハーレム向けなのでこのまま進むのか,意外性が出てくるのかを楽しみにしたいですね.


感想 『折れた聖剣と帝冠の剣姫 2』 国起こしファンタジー討伐編


国起こしファンタジー討伐編

あらすじ・内容

互いに助けあって、新たな国を興すことを決意したルシードと ファルシェーラ、コンスタンスの三人。期限つきのドラゴンとの契約に焦り、資金繰りに苦慮しつつも、三人は次の段階へ踏みだす機会をうかがっていた。 そ んなおり、エルドーム王国からの使者がファルシェーラのもとを訪れる。 使者の名はエルドームの第五王女、リュシール。 エルドームの鉱山から、劫炎禍の 異名を持つ炎の魔物イフリートが現れ、魔物を倒すためにファルシェーラが持つ聖剣の力を借りたいのだという。 申し出を受け、エルドームへと向かうルシー ドたちだが、その行く手にはイフリートの眷族たちが立ちはだかる。 同じ王女の立場から友情をはぐくむコンスタンスとリュシールの未来は、そしてイフリー ト復活の裏に潜む陰謀とは――

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前回が物語の下地を作ったとするならば,今回はその発展でしょうか.

重厚な語り口かつ本格的な描写なので久しくなかったあのハイファンタジー読んでる!って言う感覚になりました.

大物の魔物を討伐して名声を手に入れる……そのために一人の少女と出会ったのが象徴的でした.

結局人が出会うことによって物語というのは走り出すわけですから,出会いと別れの物語であるともいえますね.

最後のヒキもちょうど良い塩梅で,理不尽感は特にありませんでした.

戦闘描写もリアリティがあったので手に汗握りますね.


感想 『セブンキャストのひきこもり魔術王』 在宅しながら無双


在宅しながら無双

あらすじ・内容

一人七役にして七体一役、世界最強の魔術師はひきこもり!?

魔術師ブランは、魔術学園に通う学生ながら、魔術で造った分身に出席を代行させ、自分は朝から二度寝を決め込む完全無欠のひきこもりである。しかしその正体は、世界最強の七魔術師――『セブンキャスト』だった!?

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本体が引きこもっている代わりに分身が色々な役割で大活躍!というコンセプトなんですが,思ったよりも引きこもり要素というか印象がなかったです.

ダラダラしたいという割にはいざというところでしっかり生身で出動する主人公はいいカッコ出来てはいるのですが悪く言えば芯がないような印象を受けました.

ヒロインはみんな可愛く,また敵役の娘も憎めない感じで良いですね.

1巻目で中々大規模な進行だった感じではあるもののしっかり伏線ははられていました.合う人と合わない人がはっきり出ないタイプの作品です.


感想 『セブンスターズの印刻使い 3』 冒険の結末と陰謀


冒険の結末と陰謀

あらすじ・内容

バイトの為に訪れた迷宮で襲い掛かってきた《七曜教団》の 《木星》アルベルを退けたアスタは、離れていた仲間と合流して事態を把握すべく、迷宮のさらに奥へと進む。そして、そんな彼の前に立ちはだかったのは、先 ほどまで一緒に冒険していた同級生・ピトス=ウォーターハウスだった――。本格異世界ダンジョンファンタジー、激動の第3巻!!

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話としては伏線を張りまくって最後にドでかいヒキを作って終わったので少しモヤモヤです.

ただこの作品の醍醐味であるダンジョン戦が綺麗に終わったのが良かったですし,それぞれのキャラクターの思惑や思想がしっかり描かれていた点は満足です.

主人公が思ったよりも足手まといで周りがしっかりフォローする感じですが,今回は少しその特異なところが漏れ出ていたのでそこも良かったです.

また次の巻から新しいステージだと思いますが規格外の敵,一端もまだ見せていない陰謀……そしてロリと見どころがたくさんありそうでワクワクしますね.


感想 『0.2ルクスの魔法の下で』 薄暗い魔法のつぼみ


薄暗い魔法のつぼみ

あらすじ・内容

嘘吐き少年と不良少女が織りなす、学園ミステリックファンタジー。
GA文庫大賞≪奨励賞≫受賞作。

藤倉リザはこの世界でたった一人の“魔法使い”
僕は彼女を――不幸にする。
「どうやってその字を読んだの? この世界の文字じゃないのに」
ある日高校生の東圭輔は、校内で有名な不良娘、藤倉リザの前でうっかり異世界の文字を読んでしまう。
リザは誰もが美少女と認めるが、跳ねっ返りで友達がいない孤高の存在。
そして自称“あちら側の世界”の魔法使い……の孫娘。
“あちら側の世界”に憧れる彼女は、祖母の遺産を紐解き世界を渡る手伝いをしろと付きまとうが――。
「幽霊少女がユニコーンの角を盗んだに違いないわ。あなたも手伝いなさい!」
嘘吐き少年と不良少女が織りなす、学園ミステリックファンタジー。
GA文庫大賞≪奨励賞≫受賞作。

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イラストと本文が完全融合でも果たしてるのかと言わんばかりの相性の良さです.

ヒロインはうざいと可愛いのいい感じのバランスのところにいるうざ可愛いポジションでお得な感じです.

主人公は暗く,のらりくらりと出来るタイプなのにお腹に闇かかえてますと言った印象.こういうの好きな人は良いですね.

この作品の最大の特徴と言えばそのどんどん返しと学園ミステリー部分でしょうね.

何を書いてもネタバレになるので読んで確かめてみてはいかがでしょうか.


感想 『りゅうおうのおしごと! 3』 鼓動する才能


捌き捌かれ.生き様の熱さ

あらすじ・内容

「あいも師匠と一緒に『おーるらうんだー』めざしますっ!!」

宿敵≪両刀使い≫に三度敗れた八一は、更なる進化を目指して≪捌きの巨匠≫に教えを乞う。
一方、八一の憧れの女性・桂香は、研修会で降級の危機にあった。
急激に成長するあいと、停滞する自分を比べ焦燥に駆られる桂香。
「私とあいちゃんの、何が違うの?」
だが、あいも自分が勝つことで大切な人を傷つけてしまうと知り、勝利することに怯え始めていた。
そして、桂香の将棋人生が懸かった大事な一戦で、二人は激突する――!
中飛車のように正面からまっすぐぶつかり合う人々の姿を描く関西熱血将棋ラノベ、感動の第三巻!!

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鼓動する才能.

生きることと将棋を打つことが同義になってしまった棋客達が己が命と魂を削り合って奏でる合奏が心地よかったです.

特にその正面から見える部分とそれぞれが抱える苦悩,嫉妬からくる闇な部分のコントラストが映えていて読んでいてこっちが身を乗り出してしまいました.

勝つことこそがそこにいる意味.
将棋盤の前に座ったら最後,あるのは純粋に研ぎ澄まされた飽くなき探究心と経験と命をかけた戦いだけ.

人類の進歩に貢献しない……と記述がありますがそこに確かなせめぎあいがある限り,ドラマと進歩が生まれる……そんな実感が得られる巻でした.最高です.

桂香さん愛おしい.


感想 『異世界詐欺師のなんちゃって経営術』 嘘のつけない世界で詐欺


嘘のつけない世界で詐欺.

あらすじ・内容

『このすば』の暁なつめ推薦! この異世界転生&口先経営コメディに注目を!

「パイオツ、カイデー!」

日本にその名を轟かせた大詐欺師のヤシロ。悪運尽きた彼が16歳の少年として転生したのは『嘘が吐けない巨大都市』だった。嘘を嫌う『精霊神』により嘘吐きは【カエル】にされてしまう世界だという。

偽造通貨所持を疑われ、衛兵に追われて粗末な店に飛び込んだヤシロは、息をのむような巨乳の美少女ジネットになぜか歓待されて――!?

『このすば』の暁なつめ推薦! 『小説家になろう』&『カクヨム』発、口八丁な経営コメディ開幕!

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詐欺師というステータスは言いしれぬ重い過去を持っているもので,それが異世界でのシチュエーションにいい感じに混ざってちょうど良い塩梅で雰囲気を作っていたのが良かったです.

ヒロインも最高にクール.
清々しいほどの天然で守ってあげたくなる感じがとても出ていました.

設定を読んだ印象ではどうなるんだろうと思いましたが,蓋を開けたらとても安心して読んでられる内容になっていてこれからの展開にも期待が持てそうです.

いい感じのゲス野郎といい感じのヒロインのピンチ,そして主人公の機転ご合わされば無敵の魅力になりますね.
お話も熱くて良かったので追いかけたいと思います.

一点だけ許せなかったのはつるペタサブヒロインにロリ服ツインテールをさせたのに挿絵がなかったことです.詐欺だ!


感想 『フェアリーテイル・クロニクル 5』 ダンジョンその後


ダンジョンその後……

あらすじ・内容

エルフの森編、その後編は「フェアクロ激闘編」!?

エルフの娘・アルチェムと共に森の神・アランウェンの神殿へ向かう宏達。一行は異界化したダンジョンに手を焼くが、やがてアランウェンの元へと……!? 「フェアクロ激闘編」開幕! モノづくりもがんばります!!

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相変わらずまったりでもそれなりにさくさく進むゆるさでダンジョン攻略.

ただ今巻は全体的にエピローグと伏線バリという印象が強く,次巻に結論を残すといった形で落ち着いています.

新キャラもほとんどなくやはり全体的に準備回.

ただもろもろの事象が起きている背景が丁寧に描写されていたのでそこは良かったです.


感想 『フェアリーテイル・クロニクル 4』 エルフの里でえろえるふ


エルフの里でえろえるふ

あらすじ・内容

待望の新章突入。エルフの森へ向かう宏達を待つものは!?

異世界に飛ばされてすでに半年以上が経過していた。宏達は元の世界に帰る手段を探るべくウルスを離れることに。目指すは森の神・アランウェンの神殿があるエルフの森。そこで待つのは波乱の物語? お宝素材!?

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うってかわって本格冒険本格ダンジョン!な巻でした.

それっぽいお色気担当のエルフちゃんが投入されたおかげで恋のバトルにもいろいろと波紋があったのが微笑ましいです.

また本格的なダンジョン攻略とあって,バトルよりもどちらかというと進行上の工夫みたいなところに焦点があたっていたのが嬉しかったです.

かなり気になるヒキかなと思いますがしっかりとした着地点を熱望です.


感想 『フェアリーテイル・クロニクル 3』 ひとつの終わりと新たな出会い


ひとつの終わりと新たな出会い

あらすじ・内容

大ヒット御礼。今をときめく「生産系」ファンタジー、第三弾!

VRMMO『フェアリーテイル・クロニクル』によく似た異世界に飛ばされてきた東宏(あずまひろし)と藤堂春菜(とうどう・はるな)。至高の職人・宏の空気読まない異世界ライフは今日も続く!

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大トリのボスもマイペースに撃破して,ゆるゆる生産異世界ライフは変わらずといったところ.

ファンタジー要素とそれをぶち壊す生産要素がマッチすると解説も楽しい要素が生まれるところに個性があって素敵です.

主人公の女嫌いが思った以上に恐ろしいほど足を引っ張るのでびっくり.

綺麗な着地を期待しつつ,またゆるゆるな進行を見せて欲しいですね.