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感想 『強くてニューサーガ 2』 白熱の魔族戦


白熱の魔族戦

あらすじ・内容

超話題沸騰中の“強くてニューゲーム”ファンタジー、待望の 第二章! 滅びの運命を変える為、前世の記憶と実力を駆使して英雄を目指す魔法剣士カイル。王女からの信頼を得たカイルとその仲間達は、使者として鉱山都 市カランを訪れる。しかしそこでは住民の行方不明事件が続発しており、ついには伝説の“魔王殺しの聖剣”を持つ都市長も姿を消してしまう。王女の依頼を果 たし、更には聖剣を手に入れる為に都市長の行方を追うカイル達。そんな彼等の前に、恐るべき仇敵・魔族と邪悪な陰謀が立ち塞がるのだった――

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この作品の最大の魅力は妙に駆け引きにリアリティが求められている点ですね.

だまし騙されと本来味方も敵もどんどん駆使するべき考え方がしっかりと正面から描かれています.

敵一人ひとりもいきいきとしていて,それぞれに芯が通っているので気が抜けず,またそれが駆け引きの臨場感につながっでいます.

ひとつの国を舞台にした戦いが終わり,また次の国へ.

エゲツない主人公達の動向をまた楽しみたいと思います.


感想 『命がけのゲームに巻き込まれたので嫌いな奴をノリノリで片っ端から殺してやることにした 2』 最凶最悪のクズコンビ


最凶最悪のクズコンビ

あらすじ・内容

電脳ランドでのデスゲーム後、様々な人に傷痕を残しながらも 平然と過ごしていた新井和馬。そんなある日、彼は鉄山徹子に孤島で行われるギャンブルゲームへと誘われる。人間の人生をいともたやすく壊す大金を賭け、和 馬と徹子はチーム『クズ』として島へと乗り込むのであった。あの最凶のクズコンビが帰ってきた!! 爽快頭脳バトルサスペンス第2回戦!

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あいも変わらず,二転三転する展開についていったと思いきやゲーム盤そのものをひっくり返された感じの独特な異彩を放つ作品です.

主人公もさることながら,ヒロインの刺すところでは刺す性格が物語のスパイスとして完全に機能している点も見逃せませんね.

単純なルールのゲームを人間に,それもクズ人間にやらせるとここまでドラマが生まれるのかという驚きと,いいぞもっとやれという気持ちに溢れます.

前巻とは違って気になる引き続きのヒキなので,最後まで見届けたいです.


感想 『東京侵域:クローズドエデン 03.人類の敵VS人類の敵』 侵攻こそが意志


侵攻こそが意志!

あらすじ・内容

どれだけ傷ついても、どれだけ絶望に囚われても、戦うことを諦めない。

決死の“東京”侵入で、“スポット”と“ハーメルン”への手 がかりを失った蓮次たち。活路を求める叶方は最後の手段――人気アイドルKANATAとして救務庁に潜入する。しかし、“奪還派”の起こしたクーデターに 巻き込まれ!? 一方、別行動を取る蓮次にも救務庁の刺客が迫り、決死の逃亡劇が始まる。全世界を敵に回しても走り続ける蓮次。命をかけて希望を繋ぐ叶 方。送る者と征く者――二人の魂と絆をかけた戦いが始まる!!

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読み終わってもしばらく興奮が収まりません.

戦いと日常.双方を奪われてかせられた新たな任務は達成困難な茨で埋め尽くされた道.

離れていても深く理解し合い結ばれた二人の絆が最高にアツくクールでなんて言うかもうお前らもっとやれ!と思わず身を乗り出してしまいます.

前巻から引き続きの木村アルテミスちゃんもドギつくて身悶えするほど狂ってて好きすぎます.

繰り返しになりますが何よりも主人公二人のシンクロとそれを追従する息もつかせぬ展開が見事なハラハラドキドキを生んでいます.

読んだあとの高揚感と興奮も他の作品にはない醍醐味でした.

取り戻した希望と反逆のコンテキスト.
ぜひバトンを繋いでほしい作品です.

絶対続巻出してほしいです.


感想 『ゴブリンスレイヤー 2』 ただひたすらに貫く


ただひたすらに貫く

あらすじ・内容

蝸牛くも×神奈月昇が贈るダークファンタジー。
圧倒的人気のWeb作品、早くも2巻が発売!

発売後、即大増刷のヒット作『ゴブリンスレイヤー』。
5月25日発売の「月刊ビッグガンガンVol.06」よりコミカライズ(漫画:黒瀬浩介)連載開始!
「どうか、わたくしどもの街を救っては頂けないでしょうか」
「救えるかどうかは、わからん。だが、ゴブリンどもは殺そう」
ある日、ゴブリンスレイヤー指名の依頼書が冒険者ギルドに届いた。
差出人は水の街――辺境一栄える至高神の都の大司教だった。
大司教はかつて魔神王を打ち倒した金等級の一人として、剣の乙女と呼ばれる英雄でもあった。
彼女いわく、水の街の中に何故か小鬼が出るという。
ゴブリンスレイヤーは妖精弓手、女神官、蜥蜴僧侶、鉱人道士とともに水の街の地下迷宮に挑む!
「この小鬼禍は、人為的なものだ」
蝸牛くも×神奈月昇が贈るダークファンタジー第2弾!

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ゴブリンを倒す背中がたくましすぎてカッコイイ.

凄惨を極める醜きゴブリンが本当に邪悪に描かれていて恐怖を覚えるレベルです.

それを考えて考えて工夫して工夫して虐殺をする主人公がある種狂っている感じなんですが,相変わらずその背景が言動の重みと説得力につながっている構成でアツくなります.

キャラクターも固有名詞ではないものの個性がかなり豊かでコロコロ変わる表情と言葉に楽しくなります.

前巻は1巻完結のような展開でしたが今回は伏線もたくさん出てきていよいよ世界観が広がっているので,またその芯で貫いているところをどんどん読んでいきたいですね.


感想 『精霊幻想記 4』 流転する異世界


流転する異世界

あらすじ・内容

両親の故郷カラスキを出立したその足で、ラティーファたちの待つ精霊の里を訪れたリオ。里の民たちから熱烈な歓待を受けた後、情報収集目的でシュトラール地方へと向かったリオは、その道中に見かけた巨大な光の柱に導かれ、奴隷にされかけていた三人の男女を助けるのだが――なんとその中の一人は、リオの前世である天川春人の初恋の少女で!?

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すでに何人か現世からの異世界召喚者がいることが明かされていましたが,この巻で一気に事態が進んだ感がありますね.

戦闘がどれもサクッと終わっているのがあっさりしていたのは残念でしたが,その分今後の大きな伏線だったりキャラクターの機微だったりが細かく描かれているのでそこは良かったです.

ようやく強敵っぽい人が現れたり,え,あの人が!?といったキャラクターがチラッと出てきたりと今後が楽しみになる要素が満載でした.

ただ,せっかくの異世界なのでより世界観が広がっていくような展開を今後も期待したいと思います.


感想 『命がけのゲームに巻き込まれたので嫌いな奴をノリノリで片っ端から殺してやることにした 1』 最悪最高の後出しジャンケン


最悪最高の後出しジャンケン

あらすじ・内容

新井和馬は気が付くと見知らぬ空間にいた。突如現れた「ナナ シ」により、クラスメイトや教師たちと生き残りを懸けたゲームをさせられることを知った和馬は、超高校級の女優・鉄山徹子をパートナーに、その頭脳を武器 に嬉々としてゲームに臨むのであった。第9回HJ文庫大賞「大賞」受賞作が満を持してついに登場!

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こういった作品が大賞を取ること自体がクールすぎです.HJ見直しました.

バトルロワイヤルでゲームを通して殺し合えーな作品でライトノベルでは割と昔からある題材ではあるものの,作者のセンスとキャラクターの言動でしっかりと唯一無二な作品に仕上がっています.

まず最後のゲーム以外は非常にルールがシンプルで,だからこそキャラクター同士,さらには読者に対してもフェアな空気が出ている点がとても良かったです.

また主人公が最高.いや最低か.

どこまでもひん曲がった芯が魂の中心をビシぃと貫いていて見ていて気持ち悪いほどにいい味出してます.

エンターテイメントとして成立させること自体が難しい題材と思ってますが,読みやすさや爽快さを演出する工夫が随所に勝手ながら感じました.素晴らしい.

しかもこれ続巻あるんですね……難しいでしょうがぜひ追いかけたいと思いました.

だけどこれ,個人的におすすめできる人が本当に限られますね!


感想 『無職転生 10』 結婚は墓場


結婚は墓場

あらすじ・内容

前世ではありえなかった!? 幸せすぎる甘い新婚生活!!

三年間の険しい闘病生活を終え、新居探し、披露宴、研究の手伝いと忙しい毎日を送っていたルーデウス。ある日、一通の手紙が届くが、その内容はなんと……!? 人生やり直し型転生ファンタジー、第十弾登場!

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やり直し系と銘打っているだけあって,人生の大イベントである結婚をしっかり描いたのが単純に興味深かったです.

いろいろといざこざが残る伏線がいくつか置かれたものの,概ねイチャイチャとシリアスがバランスよく展開していたという印象です.

特にバトル描写は少なめだったものの,鬼気迫るところはしっかりと圧が高まっていたので飽きずに楽しめました.

特に後半にかけて様々なところで色々な事態が進行している事がわかったので,世界の広がりを感じれました.

幸せいっぱいではあるもののどこかわだかまりが残る部分もある.

主人公の今後の波乱な展開に期待しています.


感想 『いづれ神話の放課後戦争』 くっころ戦乙女と代理戦争


くっころ戦乙女と代理戦争

あらすじ・内容

その眼で、屈服させろ――高潔なる神々を、世界のルールまでも

放課後、絶海の学園で、密かに行われる神話代理戦争――7つの神話の神々をその身に宿す適合者たちは、世界の掟〈唯一神〉の座を争う。だが一人イレギュラーがいた。神々に復讐を誓う魔眼使いの学園生活が今始まる!

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学園という閉じた折の中での神々の代理戦争に巻き込まれる復讐者の主人公.

設定はオーソドックスな代理戦争ものですが各神話体系の薀蓄や能力の工夫で盛り上がりを演出していたのが良かったです.

今回のヒロインの一人である戦乙女が愚直真面目な真っ直ぐな娘で本当読者に優しいです.くっころがイイ!

主人公の能力がハーレム向けなのでこのまま進むのか,意外性が出てくるのかを楽しみにしたいですね.


感想 『折れた聖剣と帝冠の剣姫 2』 国起こしファンタジー討伐編


国起こしファンタジー討伐編

あらすじ・内容

互いに助けあって、新たな国を興すことを決意したルシードと ファルシェーラ、コンスタンスの三人。期限つきのドラゴンとの契約に焦り、資金繰りに苦慮しつつも、三人は次の段階へ踏みだす機会をうかがっていた。 そ んなおり、エルドーム王国からの使者がファルシェーラのもとを訪れる。 使者の名はエルドームの第五王女、リュシール。 エルドームの鉱山から、劫炎禍の 異名を持つ炎の魔物イフリートが現れ、魔物を倒すためにファルシェーラが持つ聖剣の力を借りたいのだという。 申し出を受け、エルドームへと向かうルシー ドたちだが、その行く手にはイフリートの眷族たちが立ちはだかる。 同じ王女の立場から友情をはぐくむコンスタンスとリュシールの未来は、そしてイフリー ト復活の裏に潜む陰謀とは――

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前回が物語の下地を作ったとするならば,今回はその発展でしょうか.

重厚な語り口かつ本格的な描写なので久しくなかったあのハイファンタジー読んでる!って言う感覚になりました.

大物の魔物を討伐して名声を手に入れる……そのために一人の少女と出会ったのが象徴的でした.

結局人が出会うことによって物語というのは走り出すわけですから,出会いと別れの物語であるともいえますね.

最後のヒキもちょうど良い塩梅で,理不尽感は特にありませんでした.

戦闘描写もリアリティがあったので手に汗握りますね.


感想 『セブンキャストのひきこもり魔術王』 在宅しながら無双


在宅しながら無双

あらすじ・内容

一人七役にして七体一役、世界最強の魔術師はひきこもり!?

魔術師ブランは、魔術学園に通う学生ながら、魔術で造った分身に出席を代行させ、自分は朝から二度寝を決め込む完全無欠のひきこもりである。しかしその正体は、世界最強の七魔術師――『セブンキャスト』だった!?

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本体が引きこもっている代わりに分身が色々な役割で大活躍!というコンセプトなんですが,思ったよりも引きこもり要素というか印象がなかったです.

ダラダラしたいという割にはいざというところでしっかり生身で出動する主人公はいいカッコ出来てはいるのですが悪く言えば芯がないような印象を受けました.

ヒロインはみんな可愛く,また敵役の娘も憎めない感じで良いですね.

1巻目で中々大規模な進行だった感じではあるもののしっかり伏線ははられていました.合う人と合わない人がはっきり出ないタイプの作品です.