解釈の戦い
とんでも技術ととんでも魔法の応酬でまれに見るど派手な展開になりました.
未知の技術や神秘が出てきたときに解明して解釈して対抗する独特の戦闘スタイルが見せ場でしょうか.
あと水着回なのですがこの作品において色恋要素がほとんどないというか強く出してないので純粋なサービスといった印象.
次回から異世界から飛び出して現代編ということで裾野がグッと広がります.
どんな展開を見せるのか予想がつきませんね.
開陳の次は提示
あらすじ・内容
最強の現代魔術師 VS 最強の中二病!?
親友の英傑召喚に巻き込まれ、異世界に転移した現代の魔術師・八鍵水明(やかぎすいめい)。幼なじみの朽葉初美(くちばはつみ)を襲う普遍の使徒との邂逅を果たした水明は、ネルフェリア帝国にて遮那黎二(しゃなれいじ)と合流し、二人で覚醒した安濃瑞樹(あのうみずき)――否、九天聖王イオ・クザミに頭を悩ませる。次いで知らされた、魔族による帝国への襲撃。参陣しようとする水明だったが、帝国十二優傑に難色を示されてしまう。リリアナ、イオ・クザミと共にやむなく模擬戦を行うも、なんなく力を認めさせ、魔族を迎え撃つ水明だったが、そこへまたもや普遍の使徒(ウニベルシタス)が姿を現し……!?
異世界魔法と現代魔術が交錯する異世界ファンタジー、炉心を灯す第7巻!
もとの世界が異世界を静かに侵食しているジリジリ感ご示された今巻でした.
立場も違えば信念も違う組織及び個人がそれぞれの想いをガソリンにしてこれよとばかりに活躍する色々動いた展開でしたね.
殴り合いの肉弾戦もいいんですがこの理屈のこねりあいというか,わがままな方が勝つみたいな戦闘描写のアイデンティティーが強くてかなり読んでて楽しいです.
過去の因縁も追いかけてきていよいよ混迷が極まってきた世界を主人公達がどうやって工夫しながら突き進んでいくのかこれからも楽しみですね.
空翔ける少年の軌跡
あらすじ・内容
第21回[春]スニーカー大賞《優秀賞》受賞作。
「あの雲が、本当のことを全部隠してるんだ」
常に上空を覆う雲によって、空の青さを知らない世界。
雲を払えるのは《ヘクセ》と呼ばれる魔法使いの少年少女だけ。
並外れた飛行技術を持つ少年カリムは、幼馴染みで当代随一の《ヘクセ》揺月と再会する。
しかし彼女はある病により、昔とはまるで別人で……?
「高く飛べない」少年と「空でしか生きられない」少女の邂逅が、世界の色を変えていく。
第21回スニーカー大賞《優秀賞》受賞作。
病の描き方や世界観の雰囲気作りが本当に丁寧でそれがイラストとベストマッチしたと言っても過言ではないですね.
イラストは本当にどれも素敵で基本的にキャラクター一人の一枚絵なのに引き込まれる魅力があります.泣き顔フェチになりそう!
ストーリーとしては独特の世界観の一つの儀式を巡って過去のトラウマにを克服する話.
青春時代の輝きとそれに伴う影の部分がまっすぐ描かれているので,スッキリとした読後感を楽しめました.
ただそれぞれのキャラクターにもう少し踏み込んで見てほしかったというのも正直なところです.
在宅しながら無双
あらすじ・内容
一人七役にして七体一役、世界最強の魔術師はひきこもり!?
魔術師ブランは、魔術学園に通う学生ながら、魔術で造った分身に出席を代行させ、自分は朝から二度寝を決め込む完全無欠のひきこもりである。しかしその正体は、世界最強の七魔術師――『セブンキャスト』だった!?
本体が引きこもっている代わりに分身が色々な役割で大活躍!というコンセプトなんですが,思ったよりも引きこもり要素というか印象がなかったです.
ダラダラしたいという割にはいざというところでしっかり生身で出動する主人公はいいカッコ出来てはいるのですが悪く言えば芯がないような印象を受けました.
ヒロインはみんな可愛く,また敵役の娘も憎めない感じで良いですね.
1巻目で中々大規模な進行だった感じではあるもののしっかり伏線ははられていました.合う人と合わない人がはっきり出ないタイプの作品です.
冒険の結末と陰謀
あらすじ・内容
バイトの為に訪れた迷宮で襲い掛かってきた《七曜教団》の 《木星》アルベルを退けたアスタは、離れていた仲間と合流して事態を把握すべく、迷宮のさらに奥へと進む。そして、そんな彼の前に立ちはだかったのは、先 ほどまで一緒に冒険していた同級生・ピトス=ウォーターハウスだった――。本格異世界ダンジョンファンタジー、激動の第3巻!!
話としては伏線を張りまくって最後にドでかいヒキを作って終わったので少しモヤモヤです.
ただこの作品の醍醐味であるダンジョン戦が綺麗に終わったのが良かったですし,それぞれのキャラクターの思惑や思想がしっかり描かれていた点は満足です.
主人公が思ったよりも足手まといで周りがしっかりフォローする感じですが,今回は少しその特異なところが漏れ出ていたのでそこも良かったです.
また次の巻から新しいステージだと思いますが規格外の敵,一端もまだ見せていない陰謀……そしてロリと見どころがたくさんありそうでワクワクしますね.
歴史を“活かす”戦い
あらすじ・内容
運命を、やりなおせ。 必敗の歴史を勝利へと更新する、リライト・ファンタジー!
それでも人類は、敗北した。 “魔術”と“機工”が両立する 世界に突然現れた人類の天敵“異海鬼獣(リヴァイアサン)”。未曾有の脅威を前に“魔術師”と“機工師”は初めて手を組み、文明は一気に加速し――それで も。歴史の歩みはあと一歩、決定的に遅かった。 だから、俺たちはやりなおす。 全てが滅びた絶望の赤い海から、過去へ。 逆行し、遡生し――技術の結晶 たる“魔術機工(デハイド)”を手に「あの日」へ向かって。この世界を再び走り抜け、かつて手が届かなかった何もかもへ、もういちど手を伸ばして。 歴史 を、運命を、書き変えてみせる。
文字通り過去に戻ってやり直す魔法と機械が交差する世界の物語でした.
ヒロインも主人公も陣営に別れながら必死に歴史をトレースする前半部.
結構ストレスたまりましたがそれも未来のためかなと考えてたら一気に後半歴史が動いてメリハリが出てきて楽しかったです.
ヒロインの我慢の人なんだけどシーンによっては人間っぽくなるのが魅力的でした.
ただ主人公が少し猪突猛進でいい意味で熱い悪い意味で考えなしなところがあるのでそこは好みが分かれるところではないでしょうか.
なんにせよ一気に事態と歴史が動いた以上,この先は一筋縄では行かなそうです.
天災ロリ強襲!
あらすじ・内容
学園迷宮の攻略後、アスタの下に、かつての仲間である《七星 旅団》の七番目《天災》メロ=メテオヴェルヌが来訪する。一流の冒険者として未だ活躍している彼女だが、家に転がり込んできた時には無一文。彼女がいるこ とでお金が心もとなくなったアスタは、高額のバイト料につられて郊外のダンジョンへ、メロと共に赴くことになったのだった――。
あいもかわらずキャラよし設定よしテンポよしの好印象.
新キャラのロリやお姉さんや生意気ガールも素敵でした.
また前巻が前哨戦と言わんばかりの世界の広がりを感じましたのでわくわくが加速しました.
特に良かったのがダンジョンのシーン.この作品の醍醐味ですね.
パーティを組んで進み,不意打ちやアシストなど,どんどんこれからもダンジョンシーンを増やして欲しいところです.
世界の秘密の一端が見え隠れする中,どうやって主人公達が立ち向かうのか.楽しみですね.
覇道系ファンタジーの系譜です.
あらすじ・内容
借金返済のため日々依頼をこなす、勤労魔術師の少年ヨアキム は、巨額の報酬に釣られて《竜に閉ざされし牢獄都市》へと向かった。依頼の内容は、都市中央の廃城で時を止められているという《災厄の魔女》を解放するこ と。喋る猫ラウナシカと共に、竜の咆哮が轟く都市に潜入した彼は、そこで自らの運命を変える三人の少女と出会うのだった――
見た目は普通なのに一クセも二クセもあるキャラクターが次々に出てきて,更に頑固.
主人公も割りと王道な設定なのに何故かかなりひねくれてます.
舞台が閉鎖された城下町の,竜と騎士が守っていて,魔女が幽体でうろつくような魅力的な場所なので次巻以降どんな展開になるのか少し不安ですがわくわくもしますね.
厨二くさい武器と敵も魅力の1つなので,そこも期待したいと思います.
現代……? と言うには隔離された孤島学園での魔術戦.
あらすじ・内容
魔術師ロウエン・カフ・エグゼンプリオは、人類で最初に魔術 を生みだした伝説の存在。魔王討伐の旅を終えて祖国に帰ろうとした彼は、科学の力を借りた《現代魔法》が主流の世界に召喚されてしまう。召喚主を名乗る少 女マリアがロウエンを下僕にするべく支配魔術をかけるが――手違いが発生。逆にマリアがロウエンの下僕となることに……! 最強の古代魔術師がマイペース に現代魔法学院を生きる第二の英雄譚、開幕!
吸血鬼と魔術とタイムスリップと科学と魔道具とわりと盛り沢山なので設定好きの中でも軽めのノリが好きな方は馬が合うと思います.
ただ過去の因縁やシリアス路線が本調子に感じなかったので,それはこれからの巻で容量を増していくのでしょう.
あとヒロインの性格に賛否両論でしょうね.特に序盤.
正論吐きたくなるキャラというより理不尽なキャラという雰囲気が出ているので苦手な人は苦手なのではないでしょうか.
世界は広く,醜くも美しい.そんな広がりを感じました.
あらすじ・内容
愛する家族を取り戻せ。“人生やり直し型”ファンタジー第三弾!
魔力災害に巻き込まれたルーデウスは、エリスと共に見知らぬ場所へ転移していた。不安が募るルーデウスの側に怪しい人影が……。それは師匠ロキシーに「絶対に近づくな」と警告されていたスペルド族だった!!
とんでも展開から空けてこの巻,舞台をガラッと変えてサバイバルだったり街クエストだったりと盛りだくさんでした.
また時系列もあっという間にどんどん進んでテンポが良いです.
モンスターや魔族の人々を使って差別の哲学を語りつつ,それぞれの世界の住民がたしかにこの世で生きていることがしっかり浮き彫りになっていました.
まだまだ旅の終わりが見えない駆け出しの巻です.
いつカタルシスを味わえるのかを期待しています.