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感想 『青春ブタ野郎はハツコイ少女の夢を見ない』 未来への道筋は一つじゃない


未来への道筋は一つじゃない

あらすじ・内容

翔子のついた優しい嘘。麻衣が願った真剣な思い。咲太が選んだ答えとは――!?

「わたしはね咲太君。大好きな人には幸せになってほしいんです」初恋の人、翔子から教わった優しさ。「ふたりで幸せになるわよ」今を支えてくれる、恋人の麻衣から学んだ勇気。高校二年生の冬、今と過去を支えてくれた大切な人たちが幸せになれる未来を求め、咲太は歩み始める――。新たなる未来へ踏み出すシリーズ第7弾!

闘病少女との思い出を手にしながら悲劇に向き合う主人公.

前巻の衝撃の最後からの流れでシリアスな展開後続いて読んでいてまさにハラハラドキドキでした.

キャラクターたちもそれぞれが自分と,そして自分の大切な人の未来へ想いを張り巡らせながらも前に進む様子がジーンときますね.

そしてしばらく落ち着いていたヒロインのヒロイン力が天元突破のヒロイン状態になっていました.素晴らしい!

それぞれの手にした結末と日常がどのような展開をこれから見せていくのかを楽しみにしています.
(と言うよりこの流れで続くんですね……)


感想 『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない』 命がそこに在る奇跡


命がそこに在る奇跡

あらすじ・内容

初恋相手「翔子」と中学生「翔子」。ついに明かされる「二人の翔子」の秘密とは――? シリーズ第6弾!

「ふ たりはいつから同棲してるの?」 こたつを囲んで左には初恋相手の翔子、右には現在進行形でおつきあい中の麻衣。クリスマスまで1ヶ月をきったその日、や むなく始まった翔子との同居生活が麻衣にばれ、咲太は人生最大の窮地に立たされていた。そんな中、中学生翔子が病状の悪化により入院していることが発覚す る。「おとなになることは、わたしにとっての夢でした」 そう語る翔子の運命は――。麻衣と咲太の仲に入った亀裂の行方、そしてついに解き明かされる「大 人翔子」と「中学生翔子」の秘密。空と海に囲まれた町で始まる僕らの恋の物語、緊迫のシリーズ第6弾がついに登場!

青春とはその言葉を知っていても本人たちが本当の意味で実感するのは青春じゃなくなってから……という残酷さと命の大切さが見事にテーマとして融合していました.

大切な時代だからこそ大切な想いや悩みやなによりも成長がそこにあります.

親友や恋人……そして初恋の人などとの関係が不思議な現象とからまってより強調されていて,その強烈な色鮮やかさの中でものすごいドラマが淡々と進行するすごい作品です.

キャラクターたちも今までにないような表情をそれぞれが見せていて,ようやく腹割ったといった印象です.それがグッと魅力を増してみせるんですよね!

そしてこの強烈なラストは健在です.

次の巻を読むまでは絶対に死ねませんね.


感想 『命がけのゲームに巻き込まれたので嫌いな奴をノリノリで片っ端から殺してやることにした 1』 最悪最高の後出しジャンケン


最悪最高の後出しジャンケン

あらすじ・内容

新井和馬は気が付くと見知らぬ空間にいた。突如現れた「ナナ シ」により、クラスメイトや教師たちと生き残りを懸けたゲームをさせられることを知った和馬は、超高校級の女優・鉄山徹子をパートナーに、その頭脳を武器 に嬉々としてゲームに臨むのであった。第9回HJ文庫大賞「大賞」受賞作が満を持してついに登場!

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こういった作品が大賞を取ること自体がクールすぎです.HJ見直しました.

バトルロワイヤルでゲームを通して殺し合えーな作品でライトノベルでは割と昔からある題材ではあるものの,作者のセンスとキャラクターの言動でしっかりと唯一無二な作品に仕上がっています.

まず最後のゲーム以外は非常にルールがシンプルで,だからこそキャラクター同士,さらには読者に対してもフェアな空気が出ている点がとても良かったです.

また主人公が最高.いや最低か.

どこまでもひん曲がった芯が魂の中心をビシぃと貫いていて見ていて気持ち悪いほどにいい味出してます.

エンターテイメントとして成立させること自体が難しい題材と思ってますが,読みやすさや爽快さを演出する工夫が随所に勝手ながら感じました.素晴らしい.

しかもこれ続巻あるんですね……難しいでしょうがぜひ追いかけたいと思いました.

だけどこれ,個人的におすすめできる人が本当に限られますね!


感想 『されど僕らの幕は上がる。 Scene.2』


キラキラが見つかる青春活劇

あらすじ・内容

『台本』の謎が明かされるとき、すれ違った彼らの行く末は――?

リアリティ番組に隠された過去の事件を探るうちに、涼太は自らの不自然な記憶に気づく。事件の鍵が見え始めた矢先、ひなたが突然「卒業する」と言いだして――!? 「本当の自分」を探す少年少女のビターな青春譚。

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活劇型青春ドキュメンタリー,ここで閉幕.

読めば読むほど明かされる謎とそれに伴って揺れ動く少年少女達の生き生きとした様が印象的でした.

時には鬱々としながら,時には無理をしながら,それでも前を向いて明日をつかもうとする彼らにグイグイ引き寄せられました.

どこかひねくれながらも,なぜか身近にいそうなキャラクターの作る空気が独特で良い物を読みました.

物語の謎は読んでいくうちに予想出来るのですが,それでもなお色褪せない青春の輝きが確かに描かれていました.

今日もどこかで彼らは悩みながらもがいて明日を生きている,そんな後味の残る作品です.


感想 『されど僕らの幕は上がる。Scene.1』


ミステリアス青春活劇.

あらすじ・内容

人生に『台本』なんて存在しない。だから、俺たちの今を、××と呼ぶんだ。

憧れのアイドルひなたに会うため、リアリティーTV「シェアハウス」に参加した涼太。苛烈なひなたの素に戸惑いながら慣れ始めたのも束の間、サポートしてくれていた琴の卒業で『台本のない青春』は崩れていき…!?

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テレビ番組として集められた少年少女たちキャストがその生活を通して自分自身を見つめ直していく正道な路線と,番組そのものが抱えている不思議な雰囲気の謎がだんだん紐解かれていく裏の路線がすごくいい感じのバランスで良かったです.

キャラクターも一クセある造形で魅力的に感じました.

主人公力高いなぁなぁ主人公がキラキラしていく中で見つけた真実が気になっていくでしょう.


感想 『青春ブタ野郎はシスコンアイドルの夢を見ない』


家族という存在の希望と絶望,そして憧れのモチーフからのクライマックス進行が素晴らしい!

あらすじ・内容

麻衣さんの中身がシスコンなアイドル妹に? フツーな僕らのフシギ系青春ラブコメ、絶好調の第4弾!

二学期。麻衣先輩との久々の逢瀬に浮かれる咲太を待っていた のは、非情にも「あんた、誰?」という麻衣の言葉だった。 どうやら思春期症候群により、麻衣の中身が誰かと入れ替わってしまったらしい。その相手とは、 金髪ギャルメイクの新人アイドル豊浜のどか。彼女は麻衣の異母妹で、母親と喧嘩をして家出し、麻衣のマンションに転がり込んできたのだという。 元に戻れ ない二人は、お互いの振りをして生活を送ることに。麻衣は入れ替わってしまった原因に心当たりがあり、のどかも麻衣に言いたいことがあるようで――?  ちょっと待て、もしかして解決しないと麻衣さんとのいちゃいちゃはおあずけ!? けどまあ、中身が麻衣さんならアイドルと付き合うってのもありかもな あ……。 フツーな僕らのフシギ系青春ラブコメ、「お姉ちゃんの体をエロい目で見んな!」なシリーズ第4弾!

 

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キャラクターの活き活きしたところだけでなくその裏側に潜む昏い気持ちを浮き彫りにしながら,一つ一つの掘り下げがいっそ清々しい程ですね.

少女二人の側面から青春のひと時という窓を覗き,浮かんできた壮絶な切ない気持ち.
その上でより深く踏み込んだ切り口がなぜか爽快な気持ちになるのはこのシリーズ通しての不思議な感覚です.

またヒキが相変わらずズルいので早く続きを下さい.


感想 『青春ブタ野郎はロジカルウィッチの夢を見ない』 儚さと強さが若さの特権


ロジカルウィッチは可愛い寂しがり屋の普通の女の子でしたね……

あらすじ・内容

素直になれないロジカル女子・理央がふたりになっちゃった!? フツーな僕らのフシギ系青春ラブコメ第3弾!

夏休み直前、咲太の前に、初恋の牧之原翔子と同じ名前、同じ 顔をした女子中学生が現れる。でも本当なら翔子は女子大生のはず。混乱に陥る咲太に、またも不思議現象・思春期症候群が忍び寄る。 「この世界に私がふた りいるんだ」 なぜかふたりに増えてしまった科学部所属のクール女子・理央。咲太は片方の理央を自宅にかくまうことになり、まさかのプチ同棲生活が開始す る。さらに麻衣先輩まで泊まり込むと言い出したから、咲太の夏休みは大混乱に。「私は私が嫌いなんだよ」 そして、理央が抱える痛みとは――。空と海に囲 まれた町で起こる僕らの恋の物語『青春ブタ野郎』シリーズ第3弾。

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相変わらずの切なさと芯の強さが同居した最高のバランスで成り立っています.すごすぎです.
自傷や寂しさというのは若い世代から切っても切れないものなので正面からぶつかってくれて逆にとても清々しかったです.
彼も彼女も気付いた気持ちはやっぱり色褪せないものだろうし,そのうち風化することもあるだろうけどだからこそ愛おしい.
2つに分かれても,やっぱり一つに合流する.
そんな儚さと強さが若さの特権なんだなと再確認しました.