「ラブコメ」タグアーカイブ

感想 『青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない』進路と未来は違う意味


進路と未来は違う意味

おるすばんないもうとが前とか後ろとか見ながらそれでも一歩踏みだすさまをこれでもかって筆致で描いた一冊でしたね.

言ってしまえば当たり前なんですが,自分の進路を自分で決めることすら縛られている現代の社会が変わろうとする中で,特殊な事情を抱える思春期の兄妹が出した結論は,ほんの少し後ろ向きで,ほんの少しあたたかいものです.それもいい.それがいい.

あと,いろいろな困難を乗り越えていちゃいちゃレベルが上がった主人公カップルにも注目です.

相変わらずヒキが気になる終わり方なのでいろいろいい方向に行くことに期待しつつハラハラドキドキで次の巻に向かいたいと思います.


感想 『弱キャラ友崎くん Lv.6.5』 揺れ動く思春期の蠢動


揺れ動く思春期の蠢動

思春期特有の取るに足らないからこそ美しい葛藤,悩みが鮮明に色鮮やかに描かれている短編集.

本編では類推するしかないヒロインたち(一部男)の考えている内部を覗き込むことでより一層本編での想像が進みそうな最高のサポートとも言える巻でした.

みな順当に幼さがあってそれを何かで覆っててだからこそ愛しいそんな時期の輝きをきれいに,それも丁寧に切りとっているのはさすがですね.

本編の次の巻はまた波乱の展開が予想されるので良い助走ができました.


感想 『ちょっぴり年上でも彼女にしてくれますか?〜好きになったJKは27でした〜』


大きいことはいいことです

ひと回り近く年の差カップルのラブコメ攻撃.

いま高校生の読者も,アラサーの読者も巻き込んでいきたいという作者の貪欲な姿勢が見えました.

ヒロインと主人公の尽きず離れずという距離感が絶妙でそこがいちゃいちゃへの説得力だったり臨場感だったりのベースになっています.

ヒロインは文句なしに可愛いのですがいざ三十超えてもこのテンションなのかなと想像したら負けな薄氷の上のヒロインでもあるので今後はそこのバランス感覚が大事になってくる気がしますね.

恋愛は波乱がスパイスだと思うので,今後どのような展開になっていくのか,性癖的な意味でも注視して行きたいと思います.


感想 『弱キャラ友崎くん Lv.6』 恋をすることの難しさ


恋をすることの難しさ

人生ハードモードを見事なロジックで攻略する青春活劇の第6弾.

前回とんでもない人間離れした動きを魅せたヒロインの凄さはそのままにどこまでも等身大の視点で人生の攻略法を進めていく手腕は流石です.

今回主人公は本気で自分の恋や想い,そして他人の想いをも踏み込んで向き合うことになりました.

キャラクターたちは誰しもが特別でキラキラした想いを持っていて,その輝きを文化祭という特大青春ドラマ装置が何倍にも増幅させています.

成長とか恋とか不器用さとかそんな不安定な要素を抱えながらもちゃんと前を向いて進んだり後退したりする主人公が応援したくなりますね.

最後にとんでもない爆弾を落としていったヒロインもいるのでそれを考えつつ次回はスッキリ魅せてくれることを大期待です.


感想 『せきゆちゃん(嫁)』 急転直下の石油押し


急転直下の石油押し


石油(美少女)をほりあてててんやわんやのラブコメディ.

石油ほりあてて金持ちになるって字面だけなら夢があるんですが準備や流通に途方もないハードルと運も必要なのに,そこは適度にファンタシーにしつつ作者の言う通りきれいにボーイミーツオイルにまとめています.

ヒロインのせきゆちゃんの造形がとてもしっかりしていてとにかくかわいい.

ストーリーどころかところどころのシーンと台詞回しですらツッコミどころ満載でそれを楽しむ作品です.

続くとしたら新キャラテコ入れでしょうしドタバタ劇がまた楽しめそうですが随所のアブラネタがものすごい勢いで出てくるのでストックが尽きないか逆に心配ですね.


感想 『弱キャラ友崎くん Lv.4』 本当に大事なことが目に見えるとは限らない


本当に大事なことが目に見えるとは限らない


新時代の青春バイブル第四弾はスクールカーストに一石を投じる激震の一冊になりました.

相変わらず学校の教室で起きることを理性的に観察しその法則性を納得のいく理屈が補強していますね.

キャラクター同士が息遣いを感じるほどにリアルに動き回っていてだからこそその混沌を説明する言葉が必要で……それが神業的にうまく噛み合っています.

前巻で完璧を演じたヒロインも太刀打ちできないような悪意の渦巻く空間で主人公が洞察力と行動力で挑むというかなり胸熱な展開でした.

この作品がこのデリケートなテーマにどの粒度でどれだけ踏み込んでいくかが気になりますが今までを読んでいれば安心して待てますね.

惜しむべきは次巻へ続くという展開に今回はなっていることです.新刊が待ち遠しい!


感想 『友人キャラは大変ですか?』 友人というなの概念存在


友人というなの概念存在

あらすじ・内容

出会っちまったぜ、俺の理想の主人公に!

俺の友達、火乃森龍牙。高校に入ってできた、気の置けない親友。

龍牙の第一印象は、「アニメとかに出てくる主人公っぽい奴」だった。そしてその思いは、すぐに確信に変わった。
まず、こいつは過去をほとんど話さない。で、よく授業を抜け出す。帰ってきたかと思えば、唇から血を流してたり、制服のあちこちが破けてたりする。

そして龍牙の周りには常に美少女がいる。学園のアイドル、雪宮汐莉。剣の達人であるクールビューティー、蒼ヶ崎怜。謎の転校生、エルミーラ・マッカートニー。こいつらが龍牙の前に現れると、俺は非常に疲れる。それぞれが龍牙と絡むたび、「お、おいリューガ! どうしてお前が雪宮さんと知り合いなんだよ!」とか、「う、麗しの剣士である蒼ヶ崎さんが、わざわざ教室までリューガに会いに!?」とか、「エ、エ、エルミーラさん! リューガなんかのドコがいいんスかぁ!」とか、必死に騒ぎ立てる羽目になるからだ。

……じゃあ何でやるのかって? それは俺、小林一郎が友人のプロだからだ。
主人公の中の主人公、火乃森龍牙を支える親友キャラこそが、俺の生き様だからだ。

――ベストフレンダー小林が贈る名助演ラブコメ、開幕!


日常と非日常が交差する異能バトルライトノベルで一人だけとんでもない次元で戦っている主人公本当にすごい.

この作品の文脈はどれだけ「友人キャラ」もとい自分自身の役割を全うするのかという主題に素晴らしいアプローチをしています.

キャラクターたちは無自覚にそれぞれの役割をこなしています.主人公,幼馴染,吸血鬼,巫女などキャラ付すればいくらでも出て来る中一生懸命ですよ.

しかしこの作品ではメタフィクション的にそれを俯瞰した視点で動き回れるキャラクターを用意することでびっくりするくらいコミカルで奥が深い物語にしています.

とんでもない設定や新キャラがどんどん出てくる中で友人キャラという役割にしがみついて四苦八苦する主人公いや友人の切磋琢磨は見ているだけで面白いですし意図しないところで色々なフラグを立ててしまっているところも笑えます.

メタフィクション的な表現の新たな極地であるこの作品は本当にユニークですね.


感想 『キミもまた、偽恋(オタク)だとしても。1〈下〉』


はっきり系オタクの恋模様

あらすじ・内容

「隠れオタク」と「隠れ腐女子」の恋愛って、結構たいへんです。

「隠れオタク」として高校デビューを果たした村上政樹は、「隠れ腐女子」の長島薫子と「偽装恋人」関係を続けていた。二人ともがオタクであることを知らぬまま。自分がオタクであることをバラさないよう、慎重に。デートの約束も取り付け、順調に恋人としてのイベントを積み重ねる二人。だが、二人が本当に楽しみにしていたイベントは別にあった。それこそがオタクの祭典、同人誌即売会! オタクの血が騒ぎ、理性を失う空間。そこで二人は同時に居合わせてしまい……。そして、同人誌即売会後に二人にとっての初デート当日を迎えることに!? 政樹と薫子の「偽装恋人」関係と彼らの「秘密」の行方は!?

三人称で妙に理屈っぽくすすむ二人のつかず離れずな見ていてじれったいラブコメっぷりがあいかわらず魅力の作品です.

オタクとして,というよりむしろ隠れオタクとしてのイベントを着々とこなしつつ少しずつほんの僅かな距離を縮めていくスタイルですね……あぁじれったい!

キャラクターは誰も彼もいい意味で淡々としていて理屈付けがしっかりしている感じ.

偶然のすれ違いをいかにたくさん演出するかが肝になると思いますので今後もじれったい甘酸っぱい恋愛模様を楽しめそうですね.


感想 『ゲーマーズ!7 ゲーマーズと口づけデッドエンド』 錯綜する青春


錯綜する青春

あらすじ・内容

ぼっちには生き地獄。リア充待望のイベント、修学旅行開始!

星ノ守の衝撃の告白によって、またもやめんどくさい勘違い案件が勃発! と思いきや、自称「察しの良さ」に定評のある天道には今回、解決の秘策があるらしく!? 一方、雨野は修学旅行に向け……バイトを始めた。

読めない展開に読めない妄想をかさねて行き着くところまで行き着いたシチュエーションでした.

身悶えするほどのじれったさとミスリードに一喜一憂しながら読んでいましたが,途中から心の何処かでこんな展開になりそうだとハラハラしながら進めることができました.

キャラクターは目の前のことにひたすらひたむきでだからこそ真っ直ぐではなく回り道することでキレイなストーリーが生まれていますね.

勘違いの起点からその風呂敷を広げるさまはこの作品の醍醐味ですがこの巻は特にすごかったですね.

彼らの青春の行き着く先を想像しつつ次のトンデモ展開に期待したいです.


感想 『弱キャラ友崎くん Lv.3』 カラフルに映る風景


カラフルに映る風景

あらすじ・内容

こんなの弱キャラの夏じゃねえ!

怒濤の一学期が終わり、夏休み。
薄々特訓漬けになる気はしていたが、日南葵というリア充モンスターは俺の予想のはるか先をいっていた。

「まあ簡単に説明するとね、優鈴と中村をくっつけようって合宿なのよ」

BBQからの川遊びからの男女お泊まり。まあ、リア充を絵に描いたようなイベントだなと思う。問題はただひとつ。そこに俺も参加するということである。なにこの圧倒的違和感。
男同士のトークも頑張れって日南の意図は分かるけど、中村となに話したらいいんだよ……。さらに、日南のスパルタは止まらない。

「この夏の目標は、『菊池さんと付き合うこと』ってところね」

いやいやいや、それもうほとんど最終目標だろ! 俺の夏休み、どうなっちゃうの!?
バイト、合宿、デート……弱キャラにあるまじき、充実した夏が始まる!!

『このライトノベルがすごい!2017』で新作部門3位にランクインした超話題作、待望の続刊!! 弱キャラが挑む人生攻略論第3弾!

超実用的青春バイブル第3巻

デートにバイトに合宿に花火大会と半端なく押し寄せるリア充の波にタジタジになる僕らが弱キャラ代表の友崎くんの命運やいかに.

とんでもなく納得感あるやり取りとともに繰り出される“リア充の理屈”が読者に圧倒的説得力を与えています.

キャラクターが抱えているそれぞれの想い……というより悩みが凝縮されて造形されたカタチと取り繕ったカタチのどれもが本物で,だからこそキラキラ輝いてるように見えます.

強敵揃いのラインナップの中で友崎が本当に等身大でまっすぐぶつかって行ってるのがジーンときましたし,そこが大きな魅力ですよね.

友崎と一緒に弱キャラからの成長を歩んでいけるし,だからこそ周りの魅力をひしひしと感じました.

モノクロがカラフルになる魔法……さらなる主人公の成長と活躍に期待です.