「リア充」タグアーカイブ

感想 『千歳くんはラムネ瓶のなか』 リア充の静かな爆発


リア充の静かな爆発

リア充がリア充足るためにどこまで太い芯をはるかという命題を突きつけられた感覚でした.

一つ一つはこれまでの同種の作品のエッセンスを丁寧に織り交ぜていきながら,この作品独自のテーマも魅力的に描かれていました.

同時代にこれほど学校生活の参考になる作品が出てきて今の中高生が羨ましいですね.


感想 『同棲から始まるオタク彼女の作りかた』 共闘ラブコメの良い文脈感


共闘ラブコメの良い文脈感

お互いの目標のためにドタバタ共闘するんだけど徐々に距離が近づいたり離れたりするのをやきもきしながら見るライトノベルにそろそろ名前がほしいですね.

序盤の展開でちょっとどうかなと思いましたが徐々にエンジンがかかっていつものノリで最高に清々しく読めました.

村上先生の本ってホント読みやすいんですよね.今回もいつもの二倍くらい早く読めました…….
二人の関係が今後どう進展するのか純粋に応援しながら見守りたい,とにかく気になりますね.


感想 『リア充になれない俺は革命家の同志になりました 1』


スクールカーストという残酷で美しい題材

あらすじ・内容

スクールカースト最下層に位置する白根与一は廃部をハンストで抵抗する部員の監視役として図書部に入るよう命じられる。部室では、純真可憐な美少女・黒羽瑞穂が待っていた。その姿に反し、彼女の口からは過激思想発言が止まらない。その中の一つ、スクールカースト粉砕計画に白根は心を動かされ、気がつけば彼女の理解者に? カースト一軍のリア充で黒羽の幼馴染み中禅寺さくらを交え、おかしな図書部の活動が始まる!?

スクールカーストを体制側の一つの問題として扱いながらもそれによって翻弄される少年少女の一喜一憂をコミカルに描いた作品でした.

特殊な単語がたくさん出てきますが主人公のツッコミスキルが優秀なのでとくに引っかからずにスラスラ読めました.

この頃の時代って小さなほころびでも人間関係や生活に大きな傷を負いやすい……だから愛しいと感じるまさに黄金時代なんですよね.

ヒロインがピーキーなんですが宇宙人に感じることなくあくまでこの時代をもがき苦しんで進んでいる一人の女の子に見えたのでそこの造形も良かったです.


感想 『弱キャラ友崎くん Lv.2』 努力の化物は退治できない


努力の化物は退治できない

あらすじ・内容

弱キャラの第2ステージは生徒会選挙!?

人生はクソゲー……ではないのかもしれない。少なくとも良ゲーであることは認めてもいい。学園のパーフェクトヒロインこと日南葵と付き合う(そういう意味ではない)ようになって、俺、友崎文也の価値観は根底からひっくり返されることになった。まあまだ神ゲーとは認めてないんだが、このゲームの最強プレイヤーである日南の指導のもと、レベルアップに励む日々だ。

季節は初夏。生徒会選挙の時期。日南が会長に立候補するのは当然として……え、みみみも出るの!? みみみをサポートすることになった俺は、これまでの経験をもとに日南に挑むが――?

発売即重版の話題沸騰作!! ちょっぴりレベルアップした弱キャラが挑む人生攻略論第2弾!

超現実系リア充バイブルの第2巻.今回もかなり楽しめました.

相変わらず素で使えそうなノウハウもさることながら個人的には確かに成長した主人公を実感できたのが良かったです.

ただ,今回主人公は裏方的な役割を担うことが多く,実際は女の子達の青春の葛藤や苦悩を描いていました.

まだ若いからこそ終わりの見えない恐怖,そして隣との比較から生じる妬みに悩み,時には挫折し,時には仲間と傷を舐めあって前に進む.

この輪の中にもがきながら食らいつく主人公のひょうひょうとしたバランス感覚やヒロインの人外感も作品の魅力を増している気がします.

レベルがどんどん上がっていく僕らの主人公ですが,次回は恋愛方面にも盛り上がりを期待しています.


感想 『弱キャラ友崎くん(Lv.1)』 人生ハードモード、だから攻略しがいがある


人生ハードモード だから攻略しがいがある

あらすじ・内容

こ れが人生(クソゲー)攻略の最前線!人生はクソゲー。このありふれたフレーズは、残念ながら真実だ。だって、人生には美しくシンプルなルールがない。ある のは理不尽と不平等だけ。自由度が高いなんてのは強者の言い分で、弱者には圧倒的に不利な仕様でしかない。だから、クソゲー。あまたのゲームに触れ、それ らを極めてきた日本屈指のゲーマーである俺が言うんだから間違いない。――だけどそいつは、俺と同じくらいゲームを極めてなお、「人生は神ゲー」と言い きった。生まれついての強キャラ、学園のパーフェクトヒロインこと日南葵。しかも、「この人生(ゲーム)のルールを教えてあげる」だって? ……普通は、 そんなの信じない。だけど日南葵は、普通なんて枠にはまったく嵌まらないやつだったんだ! 第10回小学館ライトノベル大賞優秀賞受賞作。弱キャラが挑む 人生攻略論ただし美少女指南つき!

キャラクターは誰もが魅力的で吸い込まれるし,展開も凄くバランス感覚が良くて,さらに描写の説得力感が心地良いレベルまで洗練されています.

小説としての完成度が高いと感じることもさることながら,荒削りで粗野なところも残しているような,そんな感覚になれる作品です.

自分が学生時代なら明日からの登校する気持ちが変わっちゃいそうなそんなパワーが秘められていること感じました.素晴らしいですね.

人生をゲームに見立てるだけでここまで理論武装できるポイントがあるのかと単純に感心しましたし,一つ一つの点が密度高く再現性があるのでそれが線に繋がる状態になっています.

文脈作りがしっかりしているので気になる伏線も多く,これからが楽しみな作品でもあります.

これからのライトノベルを引っ張る作品にぜひ成長して欲しいですね.おにただ!


感想 『ゲーマーズ! 3 星ノ守千秋と初恋ニューゲーム』


こじらせ系ラブコメの金字塔!

あらすじ・内容

「探してみろ。エロスの全てをそこに置いてきた」by《変態王》

「ここまで探して、どうして無いのよ!」――《伝説のエロゲー》を探求する第三十七代生徒会長コノハ。生徒会室に眠る秘宝を求め、このエロゲーマニアが所属する楽園の名は――私立碧陽学園生徒会という。

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今回も勘違いと鋭い洞察が複雑に絡み合った見事なじれったい展開でめちゃくちゃドキハラでした.

チアキちゃんの動きの可愛さと切なさで張り裂けそうです.

また残念系リア充ラブコメのお約束も丁寧にたどっていて全くストレスなく進みます.

人生ゲームになぞられた彼・彼女達の恋が見事な着地を収めることを期待しつつ,続巻に思いをはせたいと思います.


感想 『おまえをオタクにしてやるから、俺をリア充にしてくれ! 13 大学生編』


テンポが良すぎる大学生リア充ラブコメディは今日も元気でした.

あらすじ・内容

学園祭で長谷川と柏田が急接近……!?

学祭で某S●S団的な映像を作ることになった俺は、脚本担当になった長谷川と二人一緒に過ごすことが多くなっていた。恋ヶ崎も応援してくれて、完成を楽しみにしていたのに、なんでこんな誤解が……?

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かわいい女の子たちがもちろん魅力なのですが,なんと言ってもこの恐ろしいまでのテンポと読みやすさです.

前回の方が全然修羅場でしたが,今回は今回でリア充満喫の影に見え隠れする切ない恋心がキュートです.

一周回って役者が出揃ったラブコメですが,この先どんな風雲急を告げるのか.

今から楽しみです.


感想 『ゲーマーズ!』 こじれにこじらせてそのまま爆走


このテンプレ展開を踏襲しつつも,こじれにこじらせてそのまま爆走する流れが心地良いです.

あらすじ・内容

ゲーム好きなぼっち少年と、ゲーマーたちの錯綜青春ラブコメ!!

ゲーム好きでぼっちな高校生、雨野景太。そんな彼が、「……私に付き合って、ゲーム部に、入ってみない?」美少女、天道花憐に声をかけられ――。ゲーム部の日常が始まると思いきや!? 勘違い錯綜青春ラブコメ!!

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ゲーマーたちは自らの矜持と信念があってそれが青春時代特有の甘酸っぱさで化学反応起こしている感じですね.

一つ一つの個性が面白いくらいに暴走してて見ていて飽きない作りになってます.

しかし彼らの青春時代はまだまだこれからといったところ.

これだけぐるぐるになってるので,何が起こるかわからないところを楽しみたいと思います.


感想 『妹さえいればいい。 2』 やりたい放題でお届けする創作系ラブコメ


やりたい放題でお届けする創作系ラブコメ第二弾といったところです.

あらすじ・内容

俺達はアニメの原作を書いてるんじゃない! 妹バカの小説 家・羽島伊月は、人気シリーズ『妹法大戦』最新巻の執筆に苦戦していた。気分転換のためゲームをしたり混浴の温泉に行ったりお花見をしたり、担当への言い 訳メールを考えたりしながら、どうにか原稿を書き進めていく伊月。彼を取り巻く可児那由多やぷりけつ、白川京や義弟の千尋といった個性的な面々も、それぞ れ悩みを抱えながら日々を生きている。そんな中、伊月の同期作家で親友・不破春斗の『絶界の聖霊騎士』のテレビアニメがついに放送開始となるのだが――。  妹と全裸に彩られた日常コメディ、第2弾登場!!※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。

 

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編集部のすぐそばでだべってワイワイやっているのは前巻とほとんど変わらないのですが,締め切りやアニメ化に対する作家の気持ちなどより筆者の実体験?に一歩踏み込んだシチュエーションが興味深かったです.

ただ,苦手なTRPGのリプレイがそのまま載ってたりとかなり人を選ぶ構成になっていたイメージ……つらめでした.

それはそうと,これだけリア充じゃないようでリア充な雰囲気も珍しいですよね.


感想 『おまえをオタクにしてやるから、俺をリア充にしてくれ! 12(大学生編)』


リア充爆発しろと満を持して言える巻でした.

あらすじ・内容

サークル参加で挑む夏コミ! 同人誌の統括は――俺がやるの!?

漫研で夏コミへのサークル参加を決めたが……時間がない! 恋ヶ崎にムラサキさん、小豆ちゃんも手伝ってくれることになり、合宿を行うも――あれ、お酒で変なテンションになってない!? ……締切、間に合うよね?

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春から夏にかけての大学生のリア充イベントを順繰りにクリアしつつオタクイベントも王道でガッツリと進行した満足のいく1巻でした.

遠距離恋愛特有のラブラブ感の演出もそうだし,ラブコメのひとつひとつのドキドキ感が丁寧に描かれているのにもかかわらずするっと読めちゃうのが不思議な作品です.

恋にバイトにサークルと大忙しですが主人公のこの平凡感が心地良いですね.