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感想 『弱キャラ友崎くん Lv.4』 本当に大事なことが目に見えるとは限らない


本当に大事なことが目に見えるとは限らない


新時代の青春バイブル第四弾はスクールカーストに一石を投じる激震の一冊になりました.

相変わらず学校の教室で起きることを理性的に観察しその法則性を納得のいく理屈が補強していますね.

キャラクター同士が息遣いを感じるほどにリアルに動き回っていてだからこそその混沌を説明する言葉が必要で……それが神業的にうまく噛み合っています.

前巻で完璧を演じたヒロインも太刀打ちできないような悪意の渦巻く空間で主人公が洞察力と行動力で挑むというかなり胸熱な展開でした.

この作品がこのデリケートなテーマにどの粒度でどれだけ踏み込んでいくかが気になりますが今までを読んでいれば安心して待てますね.

惜しむべきは次巻へ続くという展開に今回はなっていることです.新刊が待ち遠しい!


感想 『アサシンズプライド 暗殺教師と無能才女』 可愛い生徒に腹黒教師


可愛い生徒に腹黒教師の合わせ技.

あらすじ・内容

暗殺教師の矜持にかけて――少女の存在価値を世界に示せ

貴族のみが化物と戦う力・マナを持つ世界。青年クーファは、公爵家に生まれながら無才の少女メリダの才能を見出すため、家庭教師として派遣される。彼女に才能がなければ、暗殺――という、裏の任務を負って……。

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ものすごくデジャブを感じましたが何のその.
すごくスカッとする展開で楽しめました.

ヒロインの落ちこぼれ設定は何かと腑に落ちませんでしたが,先天性のビハインドを打ち崩す過程が良かったですね.

ただ彼女の可能性の高さをもう少しうまく丁寧に見せて欲しかったのが正直なところです.

後は世界観の広がりがかなり壮大なのでそこがファンタジア文庫の色にマッチしている気がします.

次は脇役に焦点を当てて他のキャラがイキイキしているところも読んでみたいですね.


感想 『明日、今日の君に逢えなくても』 淡いようで力強い。芯があるようで掴みどころがない。


淡いようで力強い.芯があるようで掴みどころがない.そんな作品でした.

あらすじ・内容

1/3のキス 夢から醒めてしまうなら、せめて幸福な結末を。

俺のたったひとりの妹は三人いる。女の子らしく可愛らしい藍里。明るく活発で走ることが大好きな茜。ロックを愛好し、確かな自分の世界を持つ蘭香。これは一つの身体を持つ三人の妹との日々、その最後の記憶の物語。

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四人(一人?)の少女とその周りが織りなすハートフル青春群像劇と言った感じです.

泣くまで行かないけどかすかに淡雪のような感覚を心に残す,不思議な作品です.

幸せについて考えたかったり,人に優しくなりたい方などに普通におすすめです.


感想 『青春ブタ野郎はおるすばん妹の夢を見ない』 妹よ、永遠なれ!


妹よ永遠なれ!

あらすじ・内容

おうち大好き妹から重大発表! お兄ちゃんのためにお留守番卒業!?な、シリーズ第5弾!

中間試験間近のこの日、咲太は朝からあることに悩まされてい た。 『明日、七里ヶ浜の海で会えないかな、翔子さんより』 初恋の相手、翔子から手紙が届いたのだ。しかも咲太は、おつきあいしている麻衣さんにそのこ とを話せないでいた。またもやこれは波乱の予感!? ――と思ったら、今度はおうち大好きな妹のかえでから、突然の重大発表が! その内容は「学校に行 く」というもの。 いじめが原因で家から出られなくなったかえでが掲げた目標に、咲太は全面協力を決意。麻衣さんもまた力を尽くしてくれることに。しか し、2年間まともに外に出なかったかえでにとって、目標到達への道はなかなか険しく――。 フツーな僕らのフシギ系青春ラブコメ、おうち大好きかえでが 「お兄ちゃんのためにお留守番卒業!」なシリーズ第5弾!

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身近な異性である最強属性プラス保護欲を完全に肯定する設定の無敵さ…….

トラウマによって引きこもっている家族への愛ゆえの無力さと希望にすがる様がまっすぐ描かれていて,痛々しさと切なさがずっと続くなんとも不思議な気分になりました.

ハッピーエンドを切に願うものの,うまくかみ合ってくれないもどかしさでページめくりが止まらないです.

また毎回ヒキが凄いんですが,今回も見事な修羅場ヒキでこれまた悶々と新刊を待つことになりそうです.

とにかく切なく,ジーンときたい方はぜひ.


感想 『ラン・オーバー』 スクールカーストを瓶底から眺めて


表紙詐欺と普通に思いました.

あらすじ・内容

湊里香が転校してきてから、クラスは一変する。いじめのター ゲットにされても動じない彼女はあるとき伊園を呼び出した。湊に秘密を知られた伊園は、言われるがまま同棲生活をスタートさせる。不思議な彼女は伊園にあ ることを提案する。それはいじめのリーダーカップルに反撃すること。はじめは気乗りしなかった伊園も、次第に湊の意見に賛同するようになる。いじめのター ゲットの原を巻き込み、三人の過激な反逆が始まる。

 

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いじめ復讐モノって何冊か読みましたがラノベではほとんどガガガ文庫の領域だと思ってました……
スクールカーストを瓶底から眺めている気持ちにもれなくありつけますが,後味は当然良くないです.
ただ復讐される側が本当に救いようのないやつらなのでいろいろ飲み込めるという感じ.
ドス黒い思春期の感情を集めてそのままどこかに放置したような突き放し方もどこか哀愁漂ってます.
犠牲になった彼らにも救いは来るのでしょうか.