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感想 『弱キャラ友崎くん Lv.6』 恋をすることの難しさ


恋をすることの難しさ

人生ハードモードを見事なロジックで攻略する青春活劇の第6弾.

前回とんでもない人間離れした動きを魅せたヒロインの凄さはそのままにどこまでも等身大の視点で人生の攻略法を進めていく手腕は流石です.

今回主人公は本気で自分の恋や想い,そして他人の想いをも踏み込んで向き合うことになりました.

キャラクターたちは誰しもが特別でキラキラした想いを持っていて,その輝きを文化祭という特大青春ドラマ装置が何倍にも増幅させています.

成長とか恋とか不器用さとかそんな不安定な要素を抱えながらもちゃんと前を向いて進んだり後退したりする主人公が応援したくなりますね.

最後にとんでもない爆弾を落としていったヒロインもいるのでそれを考えつつ次回はスッキリ魅せてくれることを大期待です.


感想 『吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる 5』


極甘エピソードにとんでもないラスト(あとがきのこと)

あらすじ・内容

演劇×吸血鬼のドラマティック青春ノベル、第5弾!!

「交際は――認められないわ」心を通わせ、恋人同士になった 綾音と詩也に、いち子からまさかのNG宣言! 交際を隠すため、「つきあってない」と言い張る羽目になる二人。だが次のバレンタイン公演は『ロミオとジュ リエット』。舞台の上でなら甘い関係を演じられると思う詩也だったが、そこには別の問題が――!? 初詣にバレンタイン、ホワイトデー、そしてカレナたち の卒業式。冬から春へ。つきあい始めた二人と周囲の人々が織りなす、極甘なエピソード!

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次々と現れるラブコメイベントに読者が胃もたれすると思いきや,甘酸っぱさと切なさでキュンキュンするのがすごいところです.

永遠の愛という哲学的なテーマをほのかに活かしつつ,青春の輝きを淡く描かれているのが素晴らしい.

また恋模様もこれからいよいよ!というところで続きが読めなくなるのは本当に残念です.

読者は正直に.
作品は裏切らない.

ということでこの点数にしました.


感想 『葵くんとシュレーディンガーの彼女たち』 世界を変えるのは,いつだって世界を感じられる自分


世界を変えるのは,いつだって世界を感じられる自分.

あらすじ・内容

葵くんと並行世界の二人の幼なじみのひと夏の青春SFラブストーリー開幕!

睡眠こそ至上の喜びと豪語する少年、葵。彼には幼い頃から、 眠るたびに並行世界を行き来する、誰にも言えない大きな秘密があった。 そしてある朝、葵の何気ない一言から二人の幼なじみ真宝とほえむのいる世界は「重 なり合い」はじめて……ひと夏の騒動が重ねていく、二つの世界と幼なじみの心。最後に残るのは、真宝か、ほえむか、それとも――夏の終わりに贈るSF青春 ラブストーリー。

 

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読む前から自分好みの作品なんだろうなと思いながら読みました.
予想通りの素晴らしさです.

若い世代には少し難解なんですが,だからこそ若い世代に読んでほしい作品ですね.

セカイ系として押さえるべき所は押さえつつ,一つ一つ文字通り揺れ動く世界と心情が重ね合わせの状態になってストーリーがとてもしっくり来ました.

決してSFなだけでなく,そこは重要じゃないんだ,あくまで等身大の問題提起こそが主題なんだと私個人は感じました.

いろいろな感想が読みたくなる作品ですね.


吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる 4 感想


ため息しか出ないですね.甘酸っぱくてほろ苦い,青春のきらめきをひしひしと感じる作品です.

内容紹介

綾音と距離をおくことを選んだ詩也。
“素直な後輩”を演じる彼に綾音が動揺を隠しきれずにいるところへ、
さらにいち子が、クリスマス公演は「チーム・デネブ」を脱退したカレナを客演に迎え、
ダブルヒロインで行うと発表!
演目は『エロスとプシケー』、神と人間の恋物語。謎を秘めた詩也と正体を隠す愛の神エロスが重なり、
綾音は演技が出来なくなってしまい――!?
互いを想いながらすれ違う二人、それを見つめる赤い瞳の少女。
彼らの想いが交錯する第4弾!!

 

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主人公とヒロインのじれったい恋模様の裏ではしっかり今回の演劇の題材がモチーフ化されていて終盤見事にシナジーというか,シンクロするのがとても気持ちよかったです.

また脇役がとっても良い味出してます!
今回特に良かったのはカレナ様の取り巻きです.グッと身近に感じれました.

ずっと焦がれたシーンがようやくお披露目になった今,主人公とヒロインがどんな選択をこれからとっていくのか.
次回は短編集らしいですが,またどんないちゃいちゃを見せてくれるのか.楽しみですね.


吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる 3 感想


めまぐるしく変わる展開に淡い恋模様.盛り上がりすぎて始終ドキドキしっぱなしでした.

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毎回前半の演技練習シーンとそれに折り重なる伏線が次々に回収される後半の本番演劇シーンで最高にカタルシスが得られるのが素晴らしいですね.
徐々に明らかになる雫ちゃんの気持ちや,すれ違うヒロインと主人公の想いがスパイスになって目が離せないですね.
あと不遇ヒロインも.私は好きですよ!
他のキャラクターもどんどん掘り下げてほしいですね.


吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる 2 感想


読んでも読んでも止まらないほどのめり込みました.

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今回特に素晴らしかったのは新ヒロインのギャル.
もう最高なキャラしてて拍手したいです笑
個人的にこういう傷負いまくってて虚勢はりまくってて猫かぶりまくってる女子は大好物です.
それぞれの恋愛模様と演劇,ファンタジーが密接に絡まり合ってクライマックスに突入するこの勢いが,さすがの一言です.

いろいろ謎も残り,面白そうな伏線もたくさんあるので今か今かと楽しみにしたいと思います.
まさに読者というより,観客ですね.


吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる 1 感想


不思議ミステリーな野村美月先生には珍しく,不可思議なしっとりラブコメできましたね.

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全体的に漂う雰囲気作りはさすがといえます.完全なお決まりワールドが展開していてとても心地よいですね.
今回は演劇がテーマですがそれに吸血鬼要素,哲学が見事に化学反応起こしてマッチしていてハラハラドキドキしました.
そしてヒロインがデカくて巨乳!新鮮でした.でも何ですかねこの可愛い生き物は.
野村先生が描くキャラクターは魅力もそうですし,一生懸命なところがいいんですよね.
心が持ってかれるというか.

主人公がすごいことになったことから始まるこのシリーズ.今後の展開も楽しみです!