【名作小説をライトノベルで盛り上げてみた】走れメロス編


某所に触発され唐突に挑戦してみる.

私以上に酔狂なラノベクラスタがいたら是非自分でもチャレンジしてみてください.


 

 

 

 

メロスは激怒した。

 

 必ず、かの邪智暴虐じゃちぼうぎゃくの王を除かなければならぬと決意した。

 

 

メロスには政治がわからぬ。

 

 

メロスは、村の牧人である。

 

笛を吹き、羊と遊んで暮して来た。

 

けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。

 

メロスには父も、母も無い。女房も無い。十六の、内気な妹と二人暮しだ。

(中略)

 

 

セリヌンティウスは、すべてを察した様子で首肯うなずき、刑場一ぱいに鳴り響くほど音高くメロスの右頬を殴った。殴ってから優しく微笑ほほえみ、

 

「メロス、私を殴れ。同じくらい音高く私の頬を殴れ。
私はこの三日の間、たった一度だけ、ちらと君を疑った。生れて、はじめて君を疑った。
君が私を殴ってくれなければ、私は君と抱擁できない。」

 

 メロスは腕にうなりをつけてセリヌンティウスの頬を殴った。
「ありがとう、友よ。」二人同時に言い、ひしと抱き合い、それから嬉し泣きにおいおい声を放って泣いた。

 

 

群衆の中からも、歔欷きょきの声が聞えた。暴君ディオニスは、群衆の背後から二人の様を、まじまじと見つめていたが、やがて静かに二人に近づき、顔をあからめて、こう言った。

 

「おまえらの望みはかなったぞ。おまえらは、わしの心に勝ったのだ。信実とは、決して空虚な妄想ではなかった。どうか、わしをも仲間に入れてくれまいか。どうか、わしの願いを聞き入れて、おまえらの仲間の一人にしてほしい。」

 

 どっと群衆の間に、歓声が起った。
「万歳、王様万歳。」

 

 ひとりの少女が、のマントをメロスに捧げた。メロスは、まごついた。佳き友は、気をきかせて教えてやった。

「メロス、君は、まっぱだかじゃないか。早くそのマントを着るがいい。この可愛い娘さんは、メロスの裸体を、皆に見られるのが、たまらなく口惜しいのだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミスマルカ興国物語 エックス (角川スニーカー文庫)

 

 勇者は、ひどく赤面した。

(古伝説と、シルレルの詩から。)

 


 

今最後がやりたかっただけだろって言ったやつ屋上.

 

 

 


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