「1巻目」タグアーカイブ

感想 『<Infinite Dendrogram>-インフィニット・デンドログラムー 1.可能性の始まり』 


可能性への道標

あらすじ・内容

各プレイヤーの行動や性格、プレイスタイルによって独自に能力が進化するシステム<エンブリオ>。人と間違うような、確かにその世界に息づくNPCたち<ティアン>。そんな夢のようなシステムを備えたダイブ型VRMMO<Infinite Dendrogram>は、瞬く間に一大ムーブメントとなって世界を席巻し、数多くのユーザーがこのゲームを楽しんでいた。大学受験を終えて東京で一人暮らしを始めた青年・椋鳥玲二もまた、受験勉強の終了を記念して、かねてより兄に誘われていた<Infinite Dendrogram>を起動する――。

レベル,スキル,アイテムボックスにアイテムドロップ……オーソドックスなスキル性システムに理解のし易いシンプルな説明ですっと世界に入りやすかったです.

自分の可能性を目に見える形で示してくれるVRMMOの世界で待ち受ける利己的な,どこまでも人間らしい陰謀や無邪気なイベントの数々.

裏側にある設定がしっかりしているので特に違和感も感じずに読むことができました.

キャラクターは1巻にしては多いと感じたものの,一人一人の個性が面白いので見ていて気持ち良いです.

まだまだ戦闘シーンも見足りないので次巻からはどんどん事態が深刻化していくことを求めます.


感想 『ヴァンパイア/ロード』 絶えず冷静 まさに沈着


絶えず冷静 まさに沈着

あらすじ・内容

「貴方を救出に参上いたしました、我らが王<ロード>」特殊な血液型を持つ男子高校生・神鎚黎<みづちれい>は、早くに両親を事故で亡くしたものの、引き取られた先の養父母や義理の妹にも恵まれ、充実した生活を送っていた。しかし謎の襲撃者に命を狙われたことで、その穏やかな日常は一変する。激しい戦闘の最中、混乱する黎の前に現れた美しき吸血鬼<ヴァンパイア>の少女・リーリヤ。彼女は黎へと膝を折り、絶対の忠誠を誓ってみせた。この瞬間から、黎は吸血鬼<ヴァンパイア>たちの争いの中心――王<ロード>として敵対勢力の殲滅を決意する!!

凄絶なシチュエーションで吸血鬼の王になった人間の主人公と,派閥に分かれて暗躍する吸血鬼達のハードル知略アクションといった趣です.

主人公がとにかくいい!
とんでもない状況なのに常に冷静沈着で文字通り“器が大きい”感じで新鮮なタイプです.

ヒロインたちは魅力的なもののクセというか個性は抑えられていてだからこそ主人公が際立っています.

アクションシーンも結構凝っていて迫力がありますし,本格的で理屈的な吸血鬼の設定も相まって本当にしっかりとした印象があります.

今後は戦いが激化するでしょうし,敵もまだ本気を出していなさそうです.楽しみ.


感想 『いつかの空、君との魔法』 空翔ける少年の軌跡


空翔ける少年の軌跡

あらすじ・内容

第21回[春]スニーカー大賞《優秀賞》受賞作。

「あの雲が、本当のことを全部隠してるんだ」
常に上空を覆う雲によって、空の青さを知らない世界。
雲を払えるのは《ヘクセ》と呼ばれる魔法使いの少年少女だけ。
並外れた飛行技術を持つ少年カリムは、幼馴染みで当代随一の《ヘクセ》揺月と再会する。
しかし彼女はある病により、昔とはまるで別人で……?
「高く飛べない」少年と「空でしか生きられない」少女の邂逅が、世界の色を変えていく。
第21回スニーカー大賞《優秀賞》受賞作。

病の描き方や世界観の雰囲気作りが本当に丁寧でそれがイラストとベストマッチしたと言っても過言ではないですね.

イラストは本当にどれも素敵で基本的にキャラクター一人の一枚絵なのに引き込まれる魅力があります.泣き顔フェチになりそう!

ストーリーとしては独特の世界観の一つの儀式を巡って過去のトラウマにを克服する話.

青春時代の輝きとそれに伴う影の部分がまっすぐ描かれているので,スッキリとした読後感を楽しめました.
ただそれぞれのキャラクターにもう少し踏み込んで見てほしかったというのも正直なところです.


感想 『我が驍勇にふるえよ天地』 武勇と采配とぶつかり合い


武勇と采配とぶつかり合い

あらすじ・内容

「さあ、あなた様の帝国を創りましょう」

天下無双――アレクシス大帝、レオナート一世の驍勇は真実そう評される。
しかし、後に大陸統一を果たす彼も、若き日には“吸血皇子”の汚名を着せられ、故郷を奪われた、武骨で不器用な青年でしかなかった。
これは、大反撃の物語である。
再起を誓ったレオナートはまさに一騎当千!
そして一本気な彼に惹かれて集うは、神とも魔物とも例えられる数多の名将、賢者、才媛、奇才。
やがて彼らは腐敗した祖国を呑みこむ一大勢力となり、群雄する大国全てと渡り合っていく!
痛快にして本格――多士済々の英雄女傑、武勇と軍略が熱く胸を焦がすファンタジー戦記、堂々開幕!!

各地域の才能たちが互いに切磋琢磨してぶつかり合う群雄割拠のスペクタクル.

割とリアル志向な展開でしかしどんでん返しや意外な展開もあるので目が離せないストーリーになってます.

この第1巻は恋愛要素が少なめになっていますが,とあるカップルのとあるシーンがかなり衝撃的でした.何それヤバイ.

キャラクターひとりひとりがそれぞれの野心をもって相対するので手に汗握りますし,それでいて清々しいほどの真っ直ぐさを兼ね備えている作品なので読後感が本当にスッキリです.

次回は少し日常パートも読みたいなと思いつつ,覇道の行く末を見守りたいですね.


感想 『メロディ・リリック・アイドル・マジック』 新時代アイドルの幕開け


新時代アイドルの幕開け

あらすじ・内容

僕らの街に降りそそぐアイドルという魔法 東京都沖津区(とうきょうとおきつく)――国民的アイドルグループ・LEDに叛旗をひるがえした女子高生アイドルたちがしのぎを削る街。 高校入学に合わせて学生寮に入った「吉貞摩真(よしさだなずま)」はそこが沖津区アイドルたちの根拠地であることを知る。しかし彼にはアイドルを好きになれない理由があった。 一方、同じ寮で暮らす「尾張下火(おわりあこ)」は、学校一の美少女「飽浦(あくら)グンダリアーシャ明奈(はるな)」に誘われ、アイドルグループを結成する。しかし彼女にはアイドルにまつわる暗い過去があった。 言葉にできない二人の秘密が交錯するとき、アイドルの持つ真の力が明らかになる。メロディアスでリリカルなアイドル・熱血ラブコメディ、登場!

一人の女の子と男の子を中心に,それぞれが輝いたり色を失ったりするさまをそれぞれの居場所で描いている作品.

アイドルをキーにして人の孤独と後悔,希望や情念が強く前に押し出されているので,まるで強めの風に吹かれたような印象になりました.さすがですね.

それぞれが因縁や振り返りたくなる過去を持ちながらも目の前の舞台で懸命に輝こうとするその姿はまさしく熱血アイドルですが,後味はびっくりするくらいスッキリです.

彼女たちが描く軌跡がどのようなものになるかを見届きたいと思いつつ,少し不安と期待が入り混じった感じになりますね.


感想 『俺を好きなのはお前だけかよ』 化けの皮が剥がれる瞬間


化けの皮が剥がれる瞬間

あらすじ・内容

最近のラブコメは凄すぎだろ。よりにもよって、お前だけが俺を好きなのかよ!?

こ こで質問。ある日突然、複数の美少女とラブコメイベントが発生したらどうする? もちろん迷わずラッキースケベるよね? でも、もしスケベると自分の人生 が終わるとしたら……どうする? 俺こと如月雨露は、今その状況にいます。「一人の男が、何人もの女の子とバカップルのようなことをする。それなのに、特 別な関係じゃないと言い切る。これで周りに納得してもらえるのは、ラブコメの主人公ぐらいですよ?」 そういえば俺はモブだった! 俺がラブコメの主人公 だったら、許されたのにぃぃぃぃ! つーか、可愛い系幼馴染みのひまわりとクール美人なコスモス会長の二人とは、『あの一件』で気まずい関係になったの に、なんで俺はひまコスと、こんなラブラブ体験してるんだ!? 相変わらずエスパーな根暗眼鏡少女ことパンジーよ、お前はまざってこんでええ。俺は今もお 前のことは大っ嫌いだから。彼の身に一体何が!? 一年前の高校野球地区大会決勝戦にまつわる真(新)ヒロイン?も登場し、予断は許さぬ第二巻!

青春期の少年少女が腹の裏で抱えている汚いところとか純粋なところとかがにじみ出ていたところが良かったです.

三人ヒロインが出てそれぞれに裏の想いや何よりも“至らなさ”があってそれがとても彼女たちの魅力を増しています.

また親友のサンちゃんが憎めないんですよね.ある意味彼が狂言回しのように立ち回ったお陰で物語がグッと深いものになりました.

主人公もいい.

適度に等身大で,打算的で,曲げないところは曲げないのが良いですね.

今後も一方通行な恋の模様が描かれていきそうな作品ですが,他のヒロインをもっと深堀してほしいですね.


感想 『イグニッション・ブラッド』 鮮血の激闘


鮮血の激闘!

あらすじ・内容

人類の存亡をかけた戦場で、若き英雄の銀刃が閃く――!!

かつて吸血鬼と呼ばれた種族〈至高の血族〉――彼らに対抗する部隊エクイテスに所属する十影は、圧倒的な戦闘力をもって至高の血族を畏怖させる若き英雄だった。だが、異端の少女との出会いが彼の運命を一転させる!

種族感の確執とロマンスとバトルが見事にバランス良く配合された物語でした.

キャラクターも女性陣は生き生きとしてますし,男性陣もひとクセもふたクセもありそうな塩梅でこれから先も波乱が起きそうです.

テーマ的にはもう少し敵陣営の背景を濃く描いてほしかったですね.

人間と吸血鬼の種族を超えた絡みと,そこで生まれる軋轢なんかも楽しめそうです.

そういう意味ではダブルヒロインみたいな構成はなかなかうまいですね.片方が弱過ぎるのが気になりますが……
今後もバランス良い展開を期待します.


感想 『テンプレ展開のせいで、おれのラブコメが鬼畜難易度』


随所にテンプレ哲学を感じる

あらすじ・内容

この恋は、テンプレすぎて新次元。

結野奏汰は幼なじみに恋する普通の少年。ところが突然降臨した『テンプレの神様』の加護により、お約束ラブコメ展開で想い人と急接近……できなくて!? さらに自称許嫁が押しかける、望まぬラブコメの幕が開く!

作者の前作の心地よいテンションのキャラクターはそのままに,色々なテンプレシチュエーションをある意味批判的にネタにしてポンポン出していく展開は爽快です.

テンプレートはテンプレートだと思われるまでが“お約束”なのか,そうではなくその安定感こそが求められているものなのか……しかし誰しもがテンプレートをテンプレートだと思わない時代があったはずです.
(例えば初見で空から女の子が降ってくる展開はやっぱり新鮮に感じるはずですよね)

そんな時代から“色褪せない”のもテンプレートの魅力なはずで,それがなんとも哲学的に感じるんですよね.

ただ一つ言えるのは,どんなテンプレ展開だとしてもキャラクターたちは一人一人必死に動いているということで,それが物語にちゃんと華を添えていることです.

ヒロイン二人はどちらも違った魅力があって甲乙付けがたいのですがやはり幼馴染を応援してしまいます.

今後はまた違ったテンプレ展開が楽しめそうな作品なので期待しています.


感想 『非オタの彼女が俺の持ってるエロゲに興味津々なんだが…』


エロゲへの信念

あらすじ・内容

私をあなたの……奴隷(カノジョ)にしてほしいの

エロゲ好きの高校生・一真は、学校一の秀才にして、美少女優等生の水崎萌香に告白される。しかも、萌香は一真好みの『ヒロイン』になるため頑張ると宣言!? 「私を……調教してくれる?」 これ、なんてエロゲ?

主人公がエロゲへの愛をもっておいしいシチュエーションに待ったをかけるお話でした.

キャラクターはどれも可愛く生き生きとしていてきれいに描かれていて悪い人がいない優しい世界でした.

それだけにもう少し後半の盛り上がりもハード目の展開にしてほしかったのが好みとしてはありました.

あとはどれだけ主人公が魂込めて趣味に燃え上がれるのかをもっと読んでみたかったですね.


感想 『殺人探偵・天刀狼真』  探偵でも開けない夜はない


探偵でも開けない夜はない

あらすじ・内容

「バ ケモノ専門の探偵だ。疑ってんならググれカス!」 人間の姿をした人間ならざる者『ホロ』と共存する白瑠璃市(しろるりし)。 「天刀狼真(アマトウロウ マ)」は姉を殺すことを目標に生きる、怪事件専門の探偵。 彼が白瑠璃市の路地裏にある寂れたバーへ足を運ぶと、そこで複数の惨たらしい死体を発見する。  同日同時刻。ギャング組織「クロノス」のリーダー「黒野弥人(くろのやひと)」は、生まれてから一度も外の世界に触れたことがないという不思議な少女、 「姫川蛍(ひめかわほたる)」と出会う。 狼真と黒野。やがて二人は邂逅することになる――。 殺人事件の犯人と姫川蛍の謎に迫るため、ゲス探偵とお人好 しギャングが、近未来都市を舞台にバカ騒ぎ! 痛快バディミステリー! ――市長は、擬似人格CPU?

人ならざる者同士のバトル&ミステリー.

丁寧な群像劇のような作りでそれぞれのキャラクターが抱えている過去なや想いがストーリーへとても深みを与えていました.

そのため,誰が主人公でどう解決するかのようなそういう感覚がなく,ある種の雑多なそれでいてスピーディーな展開になってます.ストレスはありません.

CPUでAIな市長がいい感じに狂言回しポジションでしかも一番人間味があって面白かったです.

話が進むにつれてどんどん明らかになる謎と新しい驚きを楽しみながら,キャラクター同士の新年のぶつかり合いとバトルを楽しむ,いい感じにエンタメ小説でした.