辺境の地であたたまる
大きな戦いのあとに訪れる安寧でも語るべき物語はあるんですね.
邪竜退治のあとの町おこし.いろいろなトラブルがあってもどこかほっこりするシーンが続きました.
主人公の周りだけでなく主人公も自分の物語を一歩先に進ませたのが読者としても一緒に喜べるような,そんな素敵なお話でした.
寓話のようなかといってそれほどくだけない不思議な雰囲気を持った作品だなと再確認しました.
居場所を取り戻す物語
異世界召喚からの戦争巻き込まれからの陰謀巻き込まれという正統派異世界召喚戦記モノです.
前世の知識は全然生かさず位置から勉強していくスタイルはどぎまぎするもののそれなりの緊張感と迫力の演出が良い味を出しています.
ヒロインのメリハリがもう少し欲しかったところですが,少女のようなときと凛とした時のギャップを今後出してくれたら魅力的だなぁと思おました.
外敵と内敵が政治的にも武力的にも様々な問題をもたらしそうでまだほんの序章という印象です.
ただもともと居場所が現代になかった主人公が経験を通して成長していくところがしっかりとした印象を作品全体に与えているので続きが楽しみです.
局地戦も大決戦も映える
あらすじ・内容
「戦は伝説伝承≪ドラマ≫で決まるのです」
第1巻が大反響につき発売直後に重版決定!!
『ワルブレ』のあわむら赤光が放つ、痛快にして本格なるファンタジー戦記です!第2巻はますますスケールアップ!
敵も味方も魅力的なキャラクターがどんどん登場し、驍勇の舞台はさらに広がります。
いま最も熱く胸焦がす、痛快戦記をお楽しみください。ボロロロスでの激戦を制し、吸血皇子の呼び名を名誉あるものへと変えつつあるアレクシス侯レオナート。
時を同じくして、大陸南部より憎き四公家の一角・グレンキースが挙兵したとの報せが届く。
その大軍は名だたるブレアデト“教導”傭兵団に鍛え抜かれ、まさしく精強無比。
レオ達はこの強敵を迎え討つべく南征を決意する。だが、その先で出会ったのは、四公家の手から逃れてきた幼い姫と白銀の騎士。
二人がレオに求めた、唯一つの願いとは――?集えよ! 誇れよ! レオナートの御旗と共にある栄光を!
痛快にして本格なるファンタジー戦記、英雄女傑入り乱れる第2弾!!
豪傑の豪傑による豪傑のための英雄譚!
反乱軍を無事に平定した主人公達を待ち受けたのはさらなる反乱と美女率いる凄腕の傭兵団.
殺し殺され,謀り謀られながらも英傑たちをひきつけてやまないカリスマの戦いが気持ちの良いくらいの大きなスケールで描かれています.
キャラクターも1巻と同じく皆ブレずに確固たる個性を放っていますし,なにより敵がいいですね!ゲスな敵や勇敢な敵などそれぞれがイキイキしていました.
大手柄を経てさらなる高みへ向かう主人公達.
その先にはまたとんでもない巨悪が待ち構えていそうなので,期待して待ちたいと思います.
強きものがかかる病
あらすじ・内容
悪に慈悲を、闇に光を――、
灯火の神に導かれ、《最果ての聖騎士》は絶望へと歩み出す。死 者の街を出て北に。ウィルが初めて接触した人類社会の最果ては、魔獣が跋扈し、困窮する人々が暮らす無法の土地だった。そんな絶望に触れるも神の啓示に耳 を傾け、その薄闇のなかに光を灯すことを決意した。そして都市との流通や交易を活性化させることと、魔獣を退治できる冒険者たちを招き入れるため、友人と なったハーフエルフのメネルドールとともに、北の都市に向かう。
そして道中、商人の男トニオや小人の楽師ビィを加え、向かった街では何かに改造され凶暴化したワイバーンと遭遇し、ウィルはこれを撃破する。初めて英雄と して認知され、都市の統治者から騎士の称号を授かる。そして《最果ての聖騎士》の名が南辺境で知られ始めるようになり……!?
過去に出逢うお話.
1巻での想いが綺麗に回収される構成でストンと物語が胸に入ってきました.
旅と出会いはひょんなことから世界をぐんぐん広げてくれるもので,活力を感じました.
また強さと弱さ,そしてそれを扱う人間の芯の扱いについてとても感慨深い気持ちにもなりました.
純粋な友情や出会いと関係のバランス,それ後どんなに尊いものなのかを考えさせられますね.
どこまでも広がっていくこの世界と主人公の旅路がどこに向かおうとしているのかを今後も注目していきたいと思います.
大討伐活劇と化したこの巻.
前数巻からのストレス展開助走からの大ジャンプで読んでて躍動感すら感じました.
あらすじ・内容
大人気WEB小説、激闘と活劇の第七幕
度重なる死に一度は心を折られ、しかしレムの言葉に再起を誓ったナツキ・スバル。『死に戻り』した記憶を活かし、スバルは王選候補者であるクルシュやアナスタシアを巻き込み、魔獣『白鯨』の討伐に打って出る。
主人公の過去……というよりループ前の記憶がキーとなる展開が続きますが,当然“過去”というものは等しく誰にでもあるものであることを真摯に感じる展開でしたね.
初登場と比べて最高にアツいおっさんキャラになったヴィルヘルムさんを筆頭に,各キャラの魅力がそれぞれインフレして素晴らしい開放感が醸し出されています.
まだまだ本題が残っていますが,手札は十分,こっからまた大いなるあがきを魅せてくれそうなことを期待しています.
絶望を,くぐった分だけ,強くなる.
想いも意思も……運命さえ乗り越えてほしいです.