現実は非情 だからこそあがく価値がある
職業モノの一番濃い部分を更に濃縮してぶつけてきた実質の最終巻ですかね.
初っ端から学生読者を置き去りにする展開と描写に圧倒されます.
次々に主人公たちに訪れる新たなハードルを知力と人脈,時には社内政治や相手のメンツすら利用してなりふり構わず進んでいく彼らの生き様がひたすら先輩社会人としてカッコイイです.
それぞれのキャラクターたちもここぞとばかりに見せ場があり最終巻に相応しい立ち回りだったのではないでしょうか.
恋愛面での進展が全くないので後日談エピソードなどをリアルに所望したいです.
この作品はいわば社会人への讃歌なのですが安直なそれだけでなくリアルな負の側面やあまり良くない人間関係なども描くところで,苦しいところからそれでもあがいていく現代人へのエールでもあった気がします.
このような傑作が終わることを寂しがりつつまた彼らと何処かで出会える気もします.