「将棋」タグアーカイブ

感想 『りゅうおうのおしごと! 7』 師弟の絆 家族の絆


師弟の絆 家族の絆

血がつながっていなくても,何かで繋がって絆になり,家族になれる.そんな実感を得られた巻でした.

強さと本来持つべき弱さだったり,若さと老い,勝利と敗北など,正反対のモチーフがたくさん出てきてそれぞれがそれぞれを補完してくれているような相互作用がある物語でしたね.

戦略やルール,慣習なども含めて将棋というものを通して家族の絆や人々の人生に対する向き合い方をこんなにも熱く描いているのが素晴らしいですよね.

ドラマチックな展開の興奮も冷めぬ内に,次のドラマの予兆も描かれていてまだまだ目が話せなさそうです.


感想 『りゅうおうのおしごと! 6』 焦りは禁物


焦りは禁物


それぞれがそれぞれの想いを抱えながら将棋道を真っ直ぐ突っ走る今作.

前巻の大一番から打って変わって複雑に絡み合うキャラクターたちの関係性模様も楽しいですし,将棋うんちくも磨きがかかっていました.

神様や魂といったモチーフとともに目に見えない気合いとか想いとかが溢れ出して止まらない感じの表現が相変わらず素晴らしいです.

AIが台頭してコンピューター将棋が隆盛してきた中で一歩踏み込んだ描写も印象的です.

小学生の娘さん達もいろいろな初体験をしながら踏みとどまらずに前向きに頑張っているのも微笑ましいです.
次巻へのヒキは強くはないですが,またアニメ化や昨今の将棋情勢によって盛り上がること間違いなしなので,引き続き注目していきたいですね.


感想 『りゅうおうのおしごと! 4』  魔物が潜む夏の陣


魔物が潜む夏の陣

あらすじ・内容

人生で最も熱い夏が今、始まる。

「わたし、もっともっと強くなって……絶対に勝ちますっ!!」
小学校が夏休みに入ったその日、あい達は東京を目指していた。
目的は――最大の女流棋戦『マイナビ女子オープン将棋トーナメント』。
女流棋士やアマチュア強豪がひしめくその大会を、あいと天衣は破格の才能を武器に駆け上がって行く。
一方、その師匠はというと……弟子に隠れて美人女流棋士と将棋番組でイチャイチャしたかと思えば、その翌日は別の女の子と原宿で手繋ぎデート!? しかもそのお相手は……銀子!?

将棋に全てを捧げた女性達が織りなす灼熱の祭典を描いた第四巻!
人生で最も熱い夏が今、始まる。

将棋盤に向かい合う棋士たちの息遣いまでもが伝わってきそうな濃密な巻でした.

場面や勝負どころが複数出てくるのに,どれもが濃くそして後味がしっかりした構成で驚きます.

それぞれの魂を削りながら相対し,命をすり減らして対局する様がありありと伝わってきて読んでいるこっちも一緒になって一喜一憂してしまいました.

姉弟子や前回のヒロインとも呼べる桂香さんがさらに生き生きと表情を晒していたのでこれから楽しみなキャラです.

もちろん小学生の二人もすごいんですけどね!可愛すぎです.

さて,主人公の状況はまさにこれからが山場.
恋も将棋もクライマックスな展開になることを期待しています!


感想 『りゅうおうのおしごと! 3』 鼓動する才能


捌き捌かれ.生き様の熱さ

あらすじ・内容

「あいも師匠と一緒に『おーるらうんだー』めざしますっ!!」

宿敵≪両刀使い≫に三度敗れた八一は、更なる進化を目指して≪捌きの巨匠≫に教えを乞う。
一方、八一の憧れの女性・桂香は、研修会で降級の危機にあった。
急激に成長するあいと、停滞する自分を比べ焦燥に駆られる桂香。
「私とあいちゃんの、何が違うの?」
だが、あいも自分が勝つことで大切な人を傷つけてしまうと知り、勝利することに怯え始めていた。
そして、桂香の将棋人生が懸かった大事な一戦で、二人は激突する――!
中飛車のように正面からまっすぐぶつかり合う人々の姿を描く関西熱血将棋ラノベ、感動の第三巻!!

image

鼓動する才能.

生きることと将棋を打つことが同義になってしまった棋客達が己が命と魂を削り合って奏でる合奏が心地よかったです.

特にその正面から見える部分とそれぞれが抱える苦悩,嫉妬からくる闇な部分のコントラストが映えていて読んでいてこっちが身を乗り出してしまいました.

勝つことこそがそこにいる意味.
将棋盤の前に座ったら最後,あるのは純粋に研ぎ澄まされた飽くなき探究心と経験と命をかけた戦いだけ.

人類の進歩に貢献しない……と記述がありますがそこに確かなせめぎあいがある限り,ドラマと進歩が生まれる……そんな実感が得られる巻でした.最高です.

桂香さん愛おしい.


感想 『されど僕らの幕は上がる。 Scene.2』


キラキラが見つかる青春活劇

あらすじ・内容

『台本』の謎が明かされるとき、すれ違った彼らの行く末は――?

リアリティ番組に隠された過去の事件を探るうちに、涼太は自らの不自然な記憶に気づく。事件の鍵が見え始めた矢先、ひなたが突然「卒業する」と言いだして――!? 「本当の自分」を探す少年少女のビターな青春譚。

image

活劇型青春ドキュメンタリー,ここで閉幕.

読めば読むほど明かされる謎とそれに伴って揺れ動く少年少女達の生き生きとした様が印象的でした.

時には鬱々としながら,時には無理をしながら,それでも前を向いて明日をつかもうとする彼らにグイグイ引き寄せられました.

どこかひねくれながらも,なぜか身近にいそうなキャラクターの作る空気が独特で良い物を読みました.

物語の謎は読んでいくうちに予想出来るのですが,それでもなお色褪せない青春の輝きが確かに描かれていました.

今日もどこかで彼らは悩みながらもがいて明日を生きている,そんな後味の残る作品です.


感想 『りゅうおうのおしごと! 2』 ロリおかわり!


ロリおかわり!

あらすじ・内容

『のうりん』の白鳥士郎最新作! 監修に関西若手棋士ユニット『西遊棋』を迎え最強の布陣で贈るガチ将棋押しかけ内弟子コメディ第二弾!

「私はあなたを師匠だなんて呼ばないから」
『竜王』九頭竜八一の前に現れた黒衣の少女は高飛車にそう言い放った。
夜叉神天衣。小学4年生。
弟子と同じ『あい』という名を持つJSの教育を将棋連盟会長より依頼された八一は密かに特訓を施す。
だがそれが弟子にバレた時――かつてない修羅場が訪れた!
「ししょう……? だれですか? その子……?」
はじめてのライバル、はじめての修羅場、そしてはじめての家出……
幼い師弟に訪れた危機を乗り越え、二人のあいを救うことができるか!?
悲しみの雨に閉ざされた少女達の心に、若き竜王の角が虹を描く!!

image

次々に現れるロリイベントの猛攻とそれが彩る熱い頭脳バトル!

相変わらずの半端ない取材に裏付けされた濃厚な描写が相まってどれも高いクオリティーでバランスされています.すごい.

新キャラクターの娘もかわいい.いやとにかくかわいい.ツンツンしている生意気系なんですがしいて言うならまぁ
かわいいですね.

成長にはライバルが必要.

理屈はわかるのですがそこでライバル側の視点も入れて切磋琢磨の演出が行われているのがミソですね.

一つ一つのやり方が正しいとは限らない.
しかしその最善をめぐって何人もの魂と記録,記憶が積み重なっているという感覚がありありと感じられました.

次も作者が最も書きたいものが出るということで今から楽しみです!


感想 『りゅうおうのおしごと!』 ロリ力と棋力が咬み合わさり最強に見える


ロリヒロインこそが世界の真理や……
ボードゲームが題材になると途端に超スポ根になりますね.

あらすじ・内容

『のうりん』の白鳥士郎最新作! 監修に関西若手棋士ユニット『西遊棋』を迎え、最強の布陣で贈るガチ将棋押しかけ内弟子コメディ、今世紀最強の熱さでこれより対局開始!!

玄関を開けると、JSがいた――
「やくそくどおり、弟子にしてもらいにきました!」
16歳にして将棋界の最強タイトル保持者『竜王』となった九頭竜八一の自宅に
押しかけてきたのは、小学三年生の雛鶴あい。きゅうさい。
「え? ……弟子? え?」
「……おぼえてません?」
憶えてなかったが始まってしまったJSとの同居生活。ストレートなあいの情熱に、
八一も失いかけていた熱いモノを取り戻していく――

『のうりん』の白鳥士郎最新作! 監修に関西若手棋士ユニット『西遊棋』を迎え、
最強の布陣で贈るガチ将棋押しかけ内弟子コメディ、今世紀最強の熱さでこれより対局開始!!

image

歴史もあって魅力的な文化としての下地もあるので全く素人でも結構違和感なく題材に浸れました.

また恐ろしいほどのヒロインの可愛さ.

キャラクターが気持ちの良いほどの真っ直ぐな気持ちで将棋に向き合っているので,こちらも素直な気持ちで応援したり等身大に感じたりできるのが良かったです.

ロリ力と棋力が咬み合わさり最強に見える今作.

堂々とした展開にこれからも期待したいです.