「冒険者」タグアーカイブ

感想 『俺たちは異世界に行ったらまず真っ先に物理法則を確認する』


高専生のドヤ顔

オタクなどのマイノリティーに属している側の人間はたまに周りに発散してもらいたくなるものです.

持っている知識を思う存分に開陳したい,そして自分に最大限注目して理解して認めてほしい……こんな欲求です.
この作品はそうした欲望が合致した人にとってはかなりの精度で満たされるようにできていますね.

それぞれのキャラクターの苦悩もそれに即した内容になっていてシンパシーを感じやすくなっていて丁寧な作りです.

次の展開でどんな知識が披露されるのか,そんな楽しみ方が出来そうですね.


感想 『サークルクラッシャーのあの娘、ぼくが既読スルー決めたらどんな顔するだろう』


見事な破壊っぷり

あらすじ・内容

[男4人女1人の旅団(サークル)]+[サークルクラッシャー1人]=!?

“巌窟王(ダンジョンマスター)”によって隠された莫大な財宝・七氏族軍資を横取りするため、旅団(サークル)が鎬を削る冒険者時代。白魔道士ユーリは“軍資に一番近い旅団”と称される猛者五人のうちのひとりにして本の蒐集家だったが、迷宮の奥深くに封印されていた美女・クリスティーナの旅団参加によって、旅団の人間関係は滅茶苦茶になってしまう……!
[男4女1の旅団(サークル)]+[女1]=修羅場(クラッシュ)!?

「……私のこと好きですよね? ですから、好きです」

人間関係をことごとくしかも全自動で破壊する危険な女性の極地のようなキャラクター造形に脱帽です.

それなりの時間をかけて絆を育んだ関係良好な熟練冒険者たちがある少女と出会うことで完全に関係が崩壊していくさまをファンタジーが舞台でありながら何処か現代にも通じる筆致で描いています.

どのキャラクターも濃い味付けで一緒になって一喜一憂できますし,それぞれに等身大なところが少しあるのでそこもバランスがいいですね.

続きが出るかどうかは微妙な終わり方ですが,もしあるとしたら今作以上のサークルクラッシャーぶりを発揮してもらいたいですね.


感想 『ゴブリンスレイヤー 3』 冒険だけが冒険じゃない


冒険だけが冒険じゃない

あらすじ・内容

コミック版も同時発売!

「ところで、ほら、えと、明後日、収穫祭が、あるじゃないですか――予定、空いてますか?」
「……ゴブリン」
「あ、ゴブリン以外です」

秋、辺境の街は収穫祭を間近に控えていた。
そんな中、神殿の仕事で忙しそうな女神官、ある出来事で拗ねる妖精弓手、祭の準備に参加する鉱人道士、蜥蜴僧侶と、それぞれの日常を過ごす冒険者たち。
そしてゴブリンスレイヤーもまた“日常”を過ごしていたのだが……。

依頼の減るゴブリン退治、現れる三人の来訪者、祭の裏で暗躍する計画とは!?
「素人め、教育してやる」
蝸牛くも×神奈月昇が贈るダークファンタジー第3弾!

祭りの喧騒とそれぞれの恋路がくっきり描かれていた今巻,とても満足しました.

1巻の頃と比べて主人公の気持ちの良いくらいの冷徹さは鳴りを潜めて,その本質はベースにあるもののより人間らしさが際立つストーリーだったと思います.

女性陣の生き生きとした表情が良い!

ゴブリンはやはり恐ろしいですが工夫と知恵で冷静に対処する楽しさはそのままに作品の魅力がキャラクターによって増していると言った印象です.

次も冒険や他のキャラクターにスポットライトが当たることを期待しつつ,次巻を待ちたいと思います.


感想 『ゴブリンスレイヤー 2』 ただひたすらに貫く


ただひたすらに貫く

あらすじ・内容

蝸牛くも×神奈月昇が贈るダークファンタジー。
圧倒的人気のWeb作品、早くも2巻が発売!

発売後、即大増刷のヒット作『ゴブリンスレイヤー』。
5月25日発売の「月刊ビッグガンガンVol.06」よりコミカライズ(漫画:黒瀬浩介)連載開始!
「どうか、わたくしどもの街を救っては頂けないでしょうか」
「救えるかどうかは、わからん。だが、ゴブリンどもは殺そう」
ある日、ゴブリンスレイヤー指名の依頼書が冒険者ギルドに届いた。
差出人は水の街――辺境一栄える至高神の都の大司教だった。
大司教はかつて魔神王を打ち倒した金等級の一人として、剣の乙女と呼ばれる英雄でもあった。
彼女いわく、水の街の中に何故か小鬼が出るという。
ゴブリンスレイヤーは妖精弓手、女神官、蜥蜴僧侶、鉱人道士とともに水の街の地下迷宮に挑む!
「この小鬼禍は、人為的なものだ」
蝸牛くも×神奈月昇が贈るダークファンタジー第2弾!

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ゴブリンを倒す背中がたくましすぎてカッコイイ.

凄惨を極める醜きゴブリンが本当に邪悪に描かれていて恐怖を覚えるレベルです.

それを考えて考えて工夫して工夫して虐殺をする主人公がある種狂っている感じなんですが,相変わらずその背景が言動の重みと説得力につながっている構成でアツくなります.

キャラクターも固有名詞ではないものの個性がかなり豊かでコロコロ変わる表情と言葉に楽しくなります.

前巻は1巻完結のような展開でしたが今回は伏線もたくさん出てきていよいよ世界観が広がっているので,またその芯で貫いているところをどんどん読んでいきたいですね.


感想 『灰と幻想のグリムガル level.8 そして僕らは明日を待つ』 絆が試される、怒涛の展開


絆が試される,怒涛の展開!

あらすじ・内容

幾多の危機を越えグリムガルへの帰還を果たしたハルヒロた ち。しかし、戻ってきたとはいえ、出口の先は人間族の勢力圏から遠く離れた土地だった。偵察に出たハルヒロとユメは、幸運にもクラン「暁連隊 (DAYBREAKERS)」に所属する〝颱風(タイフーン)〟ロックスたちと出会う。だが彼らはある目的のため、オークや不死族の集団と戦っており、ハ ルヒロたちも、更には残っていたランタとメリイ、クザクとシホルの4人も別々に行動し、戦闘に巻き込まれてしまう。
ようやく戻ってきた世界でも、待っていたのは仲間と更なる出会いと戦いだった。灰が舞い、幻想を越えた先に何が待つのか、いまはまだ誰も知らない。

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前回も相当大変な困難がパーティを襲いましたが今回もハンパなかったです.

ハラハラとドキドキでページをめくる手が止まらず最後まで一気読みでした.

仲間のあり方,戦いの哲学,絆の多様性などただでさえ広がっていた世界がまたさらにグッと実感が増してものすごいところまで深まった気がします.

特にあるキャラクターの立ち振る舞いや考え方など,謎も多く考えさせられます.

異世界は平等で,当然自分たちだけでなく“相手”も存在するしその時を生きています.

数ある多くの選択から何かを選び,何かを捨てて,成長して戦って笑い合って悲しんで……どこまでも等身大な冒険がこの作品の最大の魅力なのかなとやはり強く感じますね.

当然このヒキでは続きが気になりすぎるので早急な供給を求めます.


感想 『ゴブリンスレイヤー』無慈悲に。徹底的に。


無慈悲に,徹底的に.

あらすじ・内容

「ゴブリン以外に用はない」
これは、小鬼を殺すだけの男が「冒険者」になることを願う物語。

「俺は世界を救わない。ゴブリンを殺すだけだ」
その辺境のギルドには、ゴブリン討伐だけで銀等級(序列三位)にまで上り詰めた稀有な存在がいるという……。
冒険者になって、はじめて組んだパーティがピンチとなった女神官。それを助けた者こそ、ゴブリンスレイヤーと呼ばれる男だった。
彼は手段を選ばず、手間を惜しまずゴブリンだけを退治していく。そんな彼に振り回される女神官、感謝する受付嬢、彼を待つ幼馴染の牛飼娘。そんな中、彼の噂を聞き、森人(エルフ)の少女が依頼に現れた――。

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偏執的なまでのこだわりとそれに足る理由が見事な説得力を生み,物語とキャラクターに力を与えていました.

ゴブリンという誰もが倒した(殺した?)ことのある敵を題材にし,その恐怖やリアルさを余すところなく演出してのけたという印象です.面白い!

一つ一つ伏線のピースや冒険のTipsも面白いのですが,やっぱり明るいところと重厚な暗いところのギャップが心躍らせますね.

また登場人物の言葉の端々から感じられる世界観と魅力が心地よかったです.

ジーンとするシーンもあり,またいい感じに終わっているようで,最後まで見届けたいとも思いました.

今日もどこかで町娘が攫われてる,そこに現れる使い古した鎧の影……ゴブリンスレイヤーは今日もどこかで小鬼を震えさせていそうです.


感想 『リーングラードの学び舎より 2』 必然、伏線もてんこ盛り


教師教官モノの面白さは残しつつ世界観,設定の開陳で物語がかなり広がりましたね.

あらすじ・内容

最強の新米教師、次なるミッションは「金稼ぎ」!?

「節制?」「はい。掲示板に節制の協力を求める告知がありました」
前代未聞の計画「義務教育」を進めるリーングラード学園で、意外な問題が浮上した。それはまさかの『予算不足』。
外部との取引に何者かの妨害工作が行われ、このままでは学園の経営も危ぶまれる事態に。
ヨシュアンは自分の生徒たちが独自に金儲けを企み始めるのを的確にオシオキしつつ、学園全体を巻き込んで対策を検討し始める。
それは「生徒たちの自主性も活かしつつ、学園の経済活動を活発化させる」という秘策で――!?
破天荒な教師と生徒たちがファンタジー学園物語、二時間目の授業スタート!

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生徒たちの可愛さもさることながら,教師陣の魅力がどんどん掘り下げられていくさまが面白かったです.

今回はバトルシーンも濃厚で頭に残るだけではなく,この先の展開を更に魅力的に描く予感も感じられて満足度が高いです.

必然,伏線もてんこ盛りだったので回収が待ち遠しいですね.

しかし毎回微妙に厚いのが地味に効いてます……


感想 『無職転生 3』 世界は広く、醜くも美しい


世界は広く,醜くも美しい.そんな広がりを感じました.

あらすじ・内容

愛する家族を取り戻せ。“人生やり直し型”ファンタジー第三弾!

魔力災害に巻き込まれたルーデウスは、エリスと共に見知らぬ場所へ転移していた。不安が募るルーデウスの側に怪しい人影が……。それは師匠ロキシーに「絶対に近づくな」と警告されていたスペルド族だった!!

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とんでも展開から空けてこの巻,舞台をガラッと変えてサバイバルだったり街クエストだったりと盛りだくさんでした.

また時系列もあっという間にどんどん進んでテンポが良いです.

モンスターや魔族の人々を使って差別の哲学を語りつつ,それぞれの世界の住民がたしかにこの世で生きていることがしっかり浮き彫りになっていました.

まだまだ旅の終わりが見えない駆け出しの巻です.

いつカタルシスを味わえるのかを期待しています.