「無口」タグアーカイブ

感想 『この世界がゲームだと俺だけが知っている 2』


バグで育むこころ


とんでもない理不尽を乗り切るのが魅力のこの作品,今回も思わずほう経験が生きたなと言いたくなる展開が目白押しです.

新ヒロインは存在そのものがバグから生まれたというひどい感じですが無表情ながらもどこか魅力的で可愛く感じるから不思議です.

前巻のキャラもしっかり出てきてストーリーに絡むので満足感高いです.もっと活躍してほしい.

そして過去のストーリーの焼き直しのシナリオが素晴らしい.

ゲームは経験が命ですね……次回も波乱の展開を希望します.


感想 『ゴブリンスレイヤー 5』 かくも過酷な冒険なり


かくも過酷な冒険なり

あらすじ・内容

シリーズ累計50万部突破!
蝸牛くも×神奈月昇が贈るダークファンタジー第5弾!

「…………取り戻さないと」
「……何を、ですかな」
「すべてを。喪った物を、すべて」
ゴブリン退治から消息を絶った令嬢剣士を探して欲しい――剣の乙女の依頼を受けて、北方の雪山に向かうゴブリンスレイヤーたち一行。
しかし、襲撃される寒村、謎の礼拝堂、今回のゴブリンの群れに違和感を覚えるゴブリンスレイヤー。
「……学習した、だと?」
仲間の痛手を越えて洞窟探索を終えた一行は、あるものを見つける。
「外なる、智恵の神。覚知神……」
何者かに統率されたゴブリンの巣くう古代の砦にゴブリンスレイヤーたちが挑む!
蝸牛くも×神奈月昇が贈るダークファンタジー第5弾!

ゴブリンスレイヤー5
この世の邪悪を詰め込んだゴブリンという種族ととにかく対峙していくこのシリーズ.

冒頭からしてエグい.しかし当然だという納得感もあります.

冒険者による冒険はどれだけの敵,自分たちの作戦や準備があったとしてもリスクはゼロにできないという1巻の頃からの哲学は残しつつ,同じく原点回帰というかヒロインの一人である女神官のルーキー時代と新キャラクターを対比させることで成長も描いていましたね.

キャラクターたちは絶望的な状況でも明るくポジティブに笑顔を作っています.

その理由もしっかり描写することでそれは経験と技術に裏付けられた確固たる強さであることが読んでてありありとわかりました.

まだまだ裏ではたくさんの設定がありそうな伏線もはられていたので今後の展開も目が離せなさそうですね.


感想 『愚者のジャンクション(side friendship)』 来たるべき復讐を描くスクールサスペンス


恐るべき筆致と来たるべき復讐を描くスクールサスペンス……

あらすじ・内容

『悪党』は誰か――その復讐は、伝染する。耳目口司、衝撃の問題作!

「この学園の悪党に復讐を」都内有数の進学校に書かれた”エーミール”による復讐声明。『飼育部』の十文字は、惨殺された後輩の無念を晴らすべく犯人=エーミールの謎を追うが!? 本当の悪党を知るとき、彼は――

 

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淡々と進む展開がどんどん加速していって最後のクライマックスではページをめくる手が止まりませんでした.

絶対の友情という新しい法が生んだ復讐の鬼.

どこか人間離れしたキャラクター達は,やっぱりどこか人間らしい気もします.

ぶっ飛んでる奴らをしっかり作品の枠にはめて見事に描ききっています.
素晴らしい!

しかしこの終わりは卑怯です.次の巻もすぐに読まねば……


感想 『葵くんとシュレーディンガーの彼女たち』 世界を変えるのは,いつだって世界を感じられる自分


世界を変えるのは,いつだって世界を感じられる自分.

あらすじ・内容

葵くんと並行世界の二人の幼なじみのひと夏の青春SFラブストーリー開幕!

睡眠こそ至上の喜びと豪語する少年、葵。彼には幼い頃から、 眠るたびに並行世界を行き来する、誰にも言えない大きな秘密があった。 そしてある朝、葵の何気ない一言から二人の幼なじみ真宝とほえむのいる世界は「重 なり合い」はじめて……ひと夏の騒動が重ねていく、二つの世界と幼なじみの心。最後に残るのは、真宝か、ほえむか、それとも――夏の終わりに贈るSF青春 ラブストーリー。

 

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読む前から自分好みの作品なんだろうなと思いながら読みました.
予想通りの素晴らしさです.

若い世代には少し難解なんですが,だからこそ若い世代に読んでほしい作品ですね.

セカイ系として押さえるべき所は押さえつつ,一つ一つ文字通り揺れ動く世界と心情が重ね合わせの状態になってストーリーがとてもしっくり来ました.

決してSFなだけでなく,そこは重要じゃないんだ,あくまで等身大の問題提起こそが主題なんだと私個人は感じました.

いろいろな感想が読みたくなる作品ですね.