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感想 『りゅうおうのおしごと! 3』 鼓動する才能


捌き捌かれ.生き様の熱さ

あらすじ・内容

「あいも師匠と一緒に『おーるらうんだー』めざしますっ!!」

宿敵≪両刀使い≫に三度敗れた八一は、更なる進化を目指して≪捌きの巨匠≫に教えを乞う。
一方、八一の憧れの女性・桂香は、研修会で降級の危機にあった。
急激に成長するあいと、停滞する自分を比べ焦燥に駆られる桂香。
「私とあいちゃんの、何が違うの?」
だが、あいも自分が勝つことで大切な人を傷つけてしまうと知り、勝利することに怯え始めていた。
そして、桂香の将棋人生が懸かった大事な一戦で、二人は激突する――!
中飛車のように正面からまっすぐぶつかり合う人々の姿を描く関西熱血将棋ラノベ、感動の第三巻!!

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鼓動する才能.

生きることと将棋を打つことが同義になってしまった棋客達が己が命と魂を削り合って奏でる合奏が心地よかったです.

特にその正面から見える部分とそれぞれが抱える苦悩,嫉妬からくる闇な部分のコントラストが映えていて読んでいてこっちが身を乗り出してしまいました.

勝つことこそがそこにいる意味.
将棋盤の前に座ったら最後,あるのは純粋に研ぎ澄まされた飽くなき探究心と経験と命をかけた戦いだけ.

人類の進歩に貢献しない……と記述がありますがそこに確かなせめぎあいがある限り,ドラマと進歩が生まれる……そんな実感が得られる巻でした.最高です.

桂香さん愛おしい.


感想 『愚者のジャンクション -side evil-』 復讐の哲学


光と闇の不安定さ,そして復讐の哲学.

あらすじ・内容

その事故は、起こるべくして起きた。すべての真相が明かされる『解決』編!

なぜ、十文字はエーミールになれなかったのか。事件のスター ト地点はいったいどこにあったのか。物語を解明する『役割』は――名探偵にはない。起こるべくして起きた事故を、真の探偵である彼は周回遅れで目撃する。 “事件”の全容を目撃せよ。

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ヘルマン・ヘッセやハンブラビを軸におきなから少年少女の葛藤と陰謀,想定外と工夫が描かれていて最高にクールな作品に仕上がっています.

前半巻で描かれていた事件が後半違う側面を持って全く違う表情になり,完成するさまのカタルシスが素晴らしい.

“周回遅れで目撃する”という表現が妙に腑に落ちてしまうのと気持ち悪さと青春の爽やかさが謎の融合と化学反応を見せていてとにかくすごいです!

彼と彼女が何に間に合って何に間に合わなかったのかは読んでみてほしいのと,前巻読んでこの巻読まないのはとにかくもったいないです.

完結っぽいのが残念ですが一クセも二クセもあるキャラクター,悪党たちが今日もどこかで笑いながら謳歌していると考えつつ,次の作品にも期待したいと思います.


感想 『愚者のジャンクション(side friendship)』 来たるべき復讐を描くスクールサスペンス


恐るべき筆致と来たるべき復讐を描くスクールサスペンス……

あらすじ・内容

『悪党』は誰か――その復讐は、伝染する。耳目口司、衝撃の問題作!

「この学園の悪党に復讐を」都内有数の進学校に書かれた”エーミール”による復讐声明。『飼育部』の十文字は、惨殺された後輩の無念を晴らすべく犯人=エーミールの謎を追うが!? 本当の悪党を知るとき、彼は――

 

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淡々と進む展開がどんどん加速していって最後のクライマックスではページをめくる手が止まりませんでした.

絶対の友情という新しい法が生んだ復讐の鬼.

どこか人間離れしたキャラクター達は,やっぱりどこか人間らしい気もします.

ぶっ飛んでる奴らをしっかり作品の枠にはめて見事に描ききっています.
素晴らしい!

しかしこの終わりは卑怯です.次の巻もすぐに読まねば……


新米社長のパーフェクトゲーム 感想


幼馴染の姫君,天才のロリ妹,二つ名持ちの?天然巨乳に経済に逆転劇にパワードスーツに精霊に陰謀渦巻く政治劇とキたもんだ.

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しかもそれを見事にまとめ上げています.凄い!
盛り沢山なのに全然カオスな感じがなくて逆にスカッとするような展開で魅せてきました.
この後の展開も目が離せないだろうし,彼らの行く末,主人公の過去,世界を変えるさまを見届けたい!
純粋にワクワクする極上のエンタメでした.