「ライトノベル」カテゴリーアーカイブ

感想 『黒の召喚士 1』 古今東西気苦労の絶えない召喚士


古今東西気苦労の絶えない召喚士

あらすじ・内容

この男――戦闘狂にして最強!!!
クセになる爽快感! 痛快“成り上がり”バトルファンタジー

見 知らぬ場所で目を覚ました男には、ここがどこなのか、自分が誰なのか、全く記憶がなかった。ガイド役に尋ねてみると、異世界へ転生する権利を得た自分が、 前世の記憶をすべて引き換えにしてレアスキルを獲得、“召喚士ケルヴィン”として転生を果たしたらしい。しかも、この世界の女神メルフィーナまで配下に従 えており――!?
そして、始まる冒険者ライフ。『古城の悪霊騎士』『潜窟の悪魔』――次々に現れる強敵を前に自然とこぼれる笑みは、まさにバトルジャンキーの証だった!!
黒のローブを身に纏った重度のバトルジャンキーが、仲間と共に“英雄”へと成り上がる爽快バトルストーリー、堂々の開幕!!

戦っては仲間を増やし,ワイワイやっていくスタイル,嫌いではないです.

戦闘描写もしっかりしているしヒロインたちも可愛いです.

ただやはりスキル性の世界観だとそのスキルそのものがわちゃわちゃしてしまって頭に入ってこないですね……いろいろ気にしてしまうとダメかもしれません.

ジェラールという騎士の幽霊?がお気に入りです.もっと見せ場があってもいいかと.

今後はどんなモンスターやキャラクターが出てくるのかというところにも注目したいですね.


感想  『楽園への清く正しき道程 3(庶民出身の国王様がまたご愛妾を)』 淡い恋心が結ぶ縁


淡い恋心が結ぶ縁

あらすじ・内容

野村美月のファンタジー・ハーレム(予定)コメディ、錯綜する第3弾!!

可 愛いお嫁さんを迎えたのに、王妃との間に世継ぎの男児が誕生するまではいちゃいちゃ禁止と申し渡されてしまったルドヴィーク。そんな中、国王を敬愛する女 騎士エヴァリーンに縁談が持ち上がる。結婚したら国王様の騎士ではいられないと思い詰めた彼女は、フロリンという強力な助っ人を得て、思いを伝えるべく大 奮闘! また幼なじみのエヴァリーンの結婚話に焦った公爵令嬢のテレーゼも暴走し――!?

それぞれのキャラクターが秘めていた想いが,発散するところはされて,拗れるところは拗れて,また更に溜め込まれたものは濃くなっていった今巻でした.

メインヒロインの暗躍とも言える活躍で展開が進んでいたこのシリーズですが,主人公もしっかり成長し,また周りに恵まれることによってかなり積極的に行動していけるようになった様が見れた巻でもありましたね.

貴族平民といった理解しやすい要素と,女心や陰謀などといった要素が絡んで物語に深みが増していました.

そして女性キャラクターが本当に魅力的でたまりません.
あのキャラクターが今回こんなに可愛くなるとは!

後半の急展開には驚きましたがそれもまたスパイスととらえたいですね.


感想 『嫌われ者始めました 〜転生リーマンの領地運営物語〜』 真面目系嫌われファンタジー


真面目系嫌われファンタジー

あらすじ・内容

WEB版に大幅加筆&書き下ろしエピソード満載!

プ ログラマーの榕木丈治は、ある日突然異世界に転生してしまう。しかもそこは、丈治が開発に携わったシミュレーションRPGの世界で、自分をモデルにしたお 邪魔キャラジョージになっていて……!? チート無し、ヒロイン達の好感度はマイナス。だが、ゲームの物語通りに進めば、ジョージに待っているのは悲惨な 最期だ。黙って待ってはいられない。物語が始まる魔王出現の時までに、生き抜くための力をつけてやる――! 嫌われ者の戦いが、今始まる!!

至って真面目なサラリーマン主人公がすいも甘いも知り尽くして枯れた精神で織りなす嫌われ進行.

徹底的にヒロインの魅力を出し惜しみするスタイルがすごく良かったです.

内政系の描写もバランスが良い塩梅で適度にスカッとする仕上がりになっていますね.

いろいろなキャラクターと知り合いつつマイペースに社畜根性出していく主人公には不思議な魅力がありますね.

惜しむべくは間違った選択をしていないのにヒロインに嫌われてしまうところでしょうか.

そこらへんの関係修復もいい感じにカタルシスに変わってくれることを期待しつつ,続巻を待とうと思います.


感想 『アサシンズプライド 2』 才能は未だ枯れず


才能は未だ枯れず

あらすじ・内容

名門校との交流戦に、暗殺教師の背任を疑う侵入者の影が躍る――

能力者養成校交流戦の開催期間中、学生は学園内に泊まるのが習わし。メリダもクーファやエリーゼとのお泊まりに胸躍らせるが、上級生しか選ばれないはずの交流戦の代表に選抜されてしまう。これは何者かの罠!?

様々な思惑が見事な交差をしながら閉鎖された学校で行われるお祭りバトル.

ゲーム的な設定がしっかりとシンプルな理解に役立っているところが相変わらず好印象です.

ヒロインが少し印象薄めですが,その分新キャラ達がとてもキラキラしていて読んでいて飽きませんでした.

シーン毎にこだわりが感じられたのでそこが今後もぐんぐん伸びてきそうなので楽しみです.


感想 『キミもまた、偽恋だとしても。 1 上』 偽の恋と秘匿な気持ち


偽の恋と秘匿な気持ち

あらすじ・内容

「理想のヒモ生活」渡辺恒彦が描く、次なる理想のヒロインとは……。
「ねぇ。わたしの秘密、バレてないよねっ!?」「俺の秘密、バレてないよな!?」

関 東圏のとある田舎町。岩下学園に越境入学して間もなく、村上政樹は学級委員の長島薫子に「偽装恋人」になって欲しいと頼まれる。薫子の家は地元では知らな い人のいない旧家。お見合いを回避するための手段として偽装恋人の役を頼んだのだ。しかし、政樹が薫子の親に紹介されると思わぬ事実が発覚! それは村上 家こそが長島家の主筋の直系だったこと。そして、あれよあれよという間に、婚約まで話が進んでしまい、2人は引くに引けない状態になってしまって……!?
そんな二人にはそれぞれ相手に対して、一つだけ大きな秘密を抱いていた。それは「隠れオタク」「隠れ腐女子」という秘密であった。

オタクと非オタクで揺れるオープンマインドな少年少女の青春を描きつつ,奇妙なシチュエーションがまさに王道なニセコイラブコメがガツッときた作品.

正直クリーンヒットです.

ヒロインのテンパり腐女子お嬢様な面が可愛いのと主人公の冷静に世渡り上手そうなのにどこか詰めが甘いところがいい感じにハーモニーとなって展開に魅力を足してます.

サブキャラクターもなかなか魅力的なので次回はどんどん活躍して引っ掻き回して欲しいところです.

コテコテのラブコメの胸やけするようなところは薄めて,ドタバタ勘違いラブコメの側面を強調したような展開もなかなか好印象です.


感想 『武に身を捧げて百と余年。エルフでやり直す武者修行 8』 ロリババァと温泉


修行とロリババァと温泉と

あらすじ・内容

明鏡止水の境地に至る方法を握るのは――スラヴァの元恋人!?

スラヴァが垣間見た異質な力――明鏡止水。この境地の秘密を握るのは獣人の国のヤナギという人物らしいが、スラヴァとは前世からの因縁があるらしく……「恋人を100年も待たせおって! さあ、一緒になろうぞ!」

新キャラが最高に可愛い巻でした.

千年を超えて生きている武術の達人なのに恋に積極的で妙に少女的なのに確かにロリババァとか最高過ぎます.

全体的に修行の展開でしたがそれだけに“成長”や“気付き”が多く,物語としてはかなり充実していたのではないでしょうか.

武術のひとつの境地に触れてまた一歩進んだ主人公達ですが,チラチラと伏線が散りばめられつつ,全体的には非常に心温まる流れでした.

そんな中でも迫力のあるバトルシーンは健在です.

ただ新必殺技の扱いづらさが凄い……


感想 『29とJK 〜業務命令で女子高生と付き合うハメになった〜』 純度の高い社畜の魂の叫び


純度の高い社畜の魂の叫び

あらすじ・内容

29歳とJK、“禁断の”年の差ラブコメ、はじまる!

目つきは怖いが会社では一目置かれている29歳社畜・槍羽鋭二。
ゲームや漫画が好きで、休日のネカフェを癒やしに日々を生き抜いている。

ある日、槍羽は《あること》で説教した女子高生・南里花恋からコクられてしまう。
14も年下とは付き合えないとキッパリ振るが、後日社長から呼び出され――「業務命令。孫の花恋との交際を命ずる」。

なんなんだこの会社!? 絶対に辞めてやる!(入社以来17回目)
だが始まってしまうJKとの交際。妹が、元カノが、会社の部下が、世間の目が槍羽の前に立ちはだかる!

29歳とJK、“禁断の”年の差ラブコメ、はじまる!

タイトルとは裏腹にきっちりと真っ直ぐな社会人ラノベとして物語が仕上がっている印象です.

主人公が私の同世代……というより完全に同い年なだけあって半端ないシンパシーを感じました.

それだけでなく次々と巻起こる困難にぶつかり,諦めずにひたむきに向き合っていく主人公は,読み手として揺さぶられました.意地と意志が本当にすごい.

私個人としては何度も涙腺に来たり喉元が熱くなりました.素晴らしいものを読ませていただきましたね.

キャラクターもいい.
主人公の魅力もさることながらヒロイン(達)のいきいきとした表情と何よりその信念がいい.

作品として大人の汚い部分と若さの純粋な部分が理想や夢といったテーマで綺麗に対比されていてとても高いクオリティーを感じました.

経験や年齢で雁字搦めになった大人たちにエールをおくるような,送られたような.そんな力強い作品でした.

懐かしい思い出やネタもクリーンヒットしましたし(同年代どころか同い年だから当たり前かもしれませんが……)久々にこんなにカッチリ琴線に触れた作品に出会いましたね.

願わくばすべてのサラリーマン,夢を諦めもがいている人や,掴もうともがいている人に届いてほしい.そんな素晴らしい作品でした.


感想 『無職転生 11』  兄妹不仲 雨降って地固まる


兄妹不仲 雨降って地固まる

あらすじ・内容

兄、妹2人に翻弄される!?

パウロからノルンとアイシャを任されたルーデウス。年頃の妹二人との生活は、問題の連続だった。接し方に悩む中、彼が思い出したのは前世の自分と兄のことで……。人生やり直し型転生ファンタジー第十一弾、開幕!

学園編のある意味最後を飾ったのは再開した肉親たち.

ドタバタでもなくコメディでもなく,淡々と暗めに進む日常編も独特なんですが,その後の冒険パートがまた世界観がどんどん広がってそのギャップがメリハリとして凄くいい味出してます.

人生山あり谷あり,選択の連続ですが,不安な二人旅ルートは果たして吉と出るか凶とでるか.

そしてあらたな出会いも.

全体的にワクワクパートが多くて嬉しかったです.次回もぜひ!


感想 『弱キャラ友崎くん(Lv.1)』 人生ハードモード、だから攻略しがいがある


人生ハードモード だから攻略しがいがある

あらすじ・内容

こ れが人生(クソゲー)攻略の最前線!人生はクソゲー。このありふれたフレーズは、残念ながら真実だ。だって、人生には美しくシンプルなルールがない。ある のは理不尽と不平等だけ。自由度が高いなんてのは強者の言い分で、弱者には圧倒的に不利な仕様でしかない。だから、クソゲー。あまたのゲームに触れ、それ らを極めてきた日本屈指のゲーマーである俺が言うんだから間違いない。――だけどそいつは、俺と同じくらいゲームを極めてなお、「人生は神ゲー」と言い きった。生まれついての強キャラ、学園のパーフェクトヒロインこと日南葵。しかも、「この人生(ゲーム)のルールを教えてあげる」だって? ……普通は、 そんなの信じない。だけど日南葵は、普通なんて枠にはまったく嵌まらないやつだったんだ! 第10回小学館ライトノベル大賞優秀賞受賞作。弱キャラが挑む 人生攻略論ただし美少女指南つき!

キャラクターは誰もが魅力的で吸い込まれるし,展開も凄くバランス感覚が良くて,さらに描写の説得力感が心地良いレベルまで洗練されています.

小説としての完成度が高いと感じることもさることながら,荒削りで粗野なところも残しているような,そんな感覚になれる作品です.

自分が学生時代なら明日からの登校する気持ちが変わっちゃいそうなそんなパワーが秘められていること感じました.素晴らしいですね.

人生をゲームに見立てるだけでここまで理論武装できるポイントがあるのかと単純に感心しましたし,一つ一つの点が密度高く再現性があるのでそれが線に繋がる状態になっています.

文脈作りがしっかりしているので気になる伏線も多く,これからが楽しみな作品でもあります.

これからのライトノベルを引っ張る作品にぜひ成長して欲しいですね.おにただ!


感想 『クロニクル・レギオン 5』 大陰謀とそれぞれの思惑


大陰謀とそれぞれの思惑

あらすじ・内容

災 厄の英雄、平将門(たいらのまさかど)復活!! 征継(まさつぐ)の記憶を取り戻すため、皇都東京への訪問を決意した志緒理(しおり)。だが、時を同じく して皇都東京では女皇照姫(じょおうてるひめ)が災厄の英雄・平将門を復活させてしまう!! 将門の率いる二千騎ものレギオン“零式(れいしき)”によ り、武力で実権を握る照姫だが、将門にはさらにおそるべき秘密が隠されていた……!! 志緒理と共に皇都入りした征継は、ついに記憶を取り戻す鍵となる人 物、神君徳川家康(しんくんとくがわいえやす)と邂逅を果たす。だが家康の放つ意外な言葉に迷いを感じて……!? いっぽう虎視眈々と巻き返しを狙うエド ワード率いる大英帝国も、ある密約をもとに次なる計画を立てていた……。 幻想と歴史がクロスする覇道戦記、混沌と激突の第五巻!!

ありとあらゆるキャラクターの思惑が交差し,反発し,同調しと盛りだくさんでお届けされた大スペクタクルなストーリー.

適度に挟まれるキャラクター同士の掛け合いという名のご褒美シーンの数々.

どれをとってみてもサービス精神が感じられて最高ですね.

ヒロインに関しても,真っ直ぐなだけじゃない,女の子の怖くて黒いところがいいバランスで描かれていて一層の魅力に感じました.

男たちの世界の表現もイイ!
豪快な奴もいれば,静かに燃えるタイプもいる……それぞれが混乱する中でチャンスをもぎ取ろうと活躍する,まさに英雄譚にふさわしい展開だったのでは無いでしょうか.

次回更に事態が加速して大戦争になるとのことで戦々恐々で楽しみにしたいと思います.