それぞれの背負う道
各地で巻き起こる戦いに恋に裏切りにと混乱した状況を作り出す主人公達.
キャラクターが魅力的だからこそ失われたときの輝きも尊いですね.
余韻の作り方が良くてあっさりしているところも良い意味で想像力を掻き立てられました.
国と個人がそれぞれできることと変わっていく関係性の中の確かな絆にスポットが当たっていて見ていてやきもきしたり感動したりするのも良かったです.
いよいよ全面衝突が待ってそうな次巻,綺麗なクライマックスが見れることを期待しています.
目まぐるしく変わる戦場
緻密な策略とそれぞれの思惑が組み合わさることでとんでもない化学反応になります.
細かい機微や人を手のひらの上でいかに踊らせるかみたいなところを地で行くような描写の細かさにスケール感が合わさってものすごい豪快かつ繊細な作品になっています.すごい.
1巻の頃の主人公の頼りない感じはなりを潜めていて軍師として恐ろしいレベルになってます.
戦場も目まぐるしく変化していますが,そこでうごめいている人に注目したいですね.誰も彼もときに利己的でときに信心深く,敵やときに味方まで出し抜こうとします.そこがいいんですよね.
ヒロインがやけに乙女になったり,対抗馬はイジイジしていたりと恋愛面も気になります.
今後もまだまだ物語がスケールアップしそうなのでそこを考えつつ,物語を構成する人物たちそれぞれの思惑による掻き乱しにも期待したいと思います.
大陰謀とそれぞれの思惑
あらすじ・内容
災 厄の英雄、平将門(たいらのまさかど)復活!! 征継(まさつぐ)の記憶を取り戻すため、皇都東京への訪問を決意した志緒理(しおり)。だが、時を同じく して皇都東京では女皇照姫(じょおうてるひめ)が災厄の英雄・平将門を復活させてしまう!! 将門の率いる二千騎ものレギオン“零式(れいしき)”によ り、武力で実権を握る照姫だが、将門にはさらにおそるべき秘密が隠されていた……!! 志緒理と共に皇都入りした征継は、ついに記憶を取り戻す鍵となる人 物、神君徳川家康(しんくんとくがわいえやす)と邂逅を果たす。だが家康の放つ意外な言葉に迷いを感じて……!? いっぽう虎視眈々と巻き返しを狙うエド ワード率いる大英帝国も、ある密約をもとに次なる計画を立てていた……。 幻想と歴史がクロスする覇道戦記、混沌と激突の第五巻!!
ありとあらゆるキャラクターの思惑が交差し,反発し,同調しと盛りだくさんでお届けされた大スペクタクルなストーリー.
適度に挟まれるキャラクター同士の掛け合いという名のご褒美シーンの数々.
どれをとってみてもサービス精神が感じられて最高ですね.
ヒロインに関しても,真っ直ぐなだけじゃない,女の子の怖くて黒いところがいいバランスで描かれていて一層の魅力に感じました.
男たちの世界の表現もイイ!
豪快な奴もいれば,静かに燃えるタイプもいる……それぞれが混乱する中でチャンスをもぎ取ろうと活躍する,まさに英雄譚にふさわしい展開だったのでは無いでしょうか.
次回更に事態が加速して大戦争になるとのことで戦々恐々で楽しみにしたいと思います.
大混乱な戦争の最中に紡ぎ出される,愛の物語.
あらすじ・内容
「二度とわたしを、姫なんて呼ばないで」 最後に水浴びをし たのは、いつだったか。五日前? もっとか。十日前……? ハイジ・バランは、まだ、生きています。 大王都カバラからなんとか脱出したものの、帝国の軍 勢は既にデスティニア公国へも進軍していた。大軍で押し寄せる帝国軍にサクラたちは少数精鋭で立ち向かう……! 血が滾(たぎ)って色々躍る大戦詩幻想交 響曲(ファンタジックウォーシンフォニー)、運命が軋む4巻!!
今巻は特に,今まで敵だった側の方にも焦点が大きくあたっているのでメリハリがついてとてもワクワクしました.
またサクラサイドにそれがガンガンとクロスしていくので読んでいて飽きませんね.
主人公が段々と精悍な側面も見せるようになったので成長を感じられて微笑ましいです.
後半にかけてまた大きな爆弾,陰謀,つまりは伏線がものすごい勢いで増えたので続きでしっかり回収してくれることを期待しています.