「感想」カテゴリーアーカイブ

感想 『灰と幻想のグリムガル level.7 彼方の虹』 新しい世界 それぞれの居場所


新しい世界.それぞれの居場所.

あらすじ・内容

異界をさまようチームハルヒロ、過去最大のピンチ!?

『黄昏世界』から脱出したハルヒロたちは、グリムガルとも異 なる『太陽の昇らない世界』にへと足を踏み入れた。なんの情報もないまま、それでも仲間を率いるハルヒロ。幸いなことに、異界の住民たちが住み着く村を発 見し、ひとまずの安全を確保できたものの、過酷な環境に問題は山積みだった。更に最も必要とする「グリムガルに帰る方法」はまだ手がかりさえも見つからな い。
自分たちは帰ることができるのか、そして時たま頭をよぎる本当に『帰る』場所は違うところなのでは、という感覚。様々な想いを胸に抱きつつ、ハルヒロたちは、異界の探索を進めていく。灰の中をさまよい、行き着く先には――

image

手探りで進んでいく冒険と仲間とのリアルなやり取りが今回も最高にキマってました.

また世界の広がりとそこに確かにある存在たちがしっかりと自分を主張している様がありありと畫かれているので,緊張感が途切れないのも大きな魅力になっています.

危機に次ぐ危機を主人公達が一つ一つ知恵と魂を絞りながら駆け抜ける様は自然とこちらも手に汗握ってしまいましたね.

一冊に詰めた濃い話に大満足しながらも,更に更にと渇望してしまう,そんな魅力が詰まった巻だと思います.


感想 『最強ゲーマー、異世界にて実況プレイ中』


ゲーマーの矜持と箱庭の甘寧.

あらすじ・内容

ゲーマー魂で、異世界を攻略せよ!!

「……ハードモードにも程があるだろ!?」
古今東西あらゆるゲームをやり込んだ俺、高坂葵は『ゲームが得意な方を優遇』という怪しげな求人広告を見つけ--気がついたら、異世界に放り込まれていた。そこは何もない渓谷のドン底で、あるのはスコップとツルハシのみ。
詰んだ……って思ったら、なにやらこの世界では、まるでゲームのように地形を拡張したり、作ったアイテムの売買ができたりするらしい!? なるほど、そういうことなら、いままで鍛えた俺のゲーマー魂をいっちょ発揮してみますか!!
「さあ攻略を始めよう。せっかくの異世界送りなら楽しまないとな!」

image

主人公の芯の通りが素晴らしいです!

獣耳ヒロインを筆頭とする可愛いキャラクターと異世界召喚の特有の手探り感がかなりマッチして良い雰囲気を演出しています.

監視からの実況がスムーズに行くことを願いつつ,この先どんな無理難題や困難が主人公に降りかかるのか,それを想像しつつ彼の持ち前のブレなさで乗り越えるんだろうなと予想しつつ,期待したいと思います.


感想 『エイルン・ラストコード 〜架空世界より戦場へ〜 3』 外堀がどんどん魅力を増す


ヒートロボット列伝第三章!

あらすじ・内容

とにかく熱くて、火傷する、新世代ロボットライトノベル第三弾!

氷室義塾の活躍は大きな注目を浴び、アメリカからデータ採取のため無人島遠征の依頼を受ける。だが謎の武装組織、さらにマリスが来襲。無事これを退けるものもエイルンが全治3ヶ月の重傷を負ってしまい……!?

image

相変わらず主人公サイドでなく,その外堀がどんどん魅力を増していく展開が心地よかったです.

闘いの熱さとは裏腹にクールとウィットに富んだ日常パートがいい感じのバランスを生んでいい感じです.

とくに女性キャラの心の揺り動きが中々進展があってハラハラドキドキできて良かったです.

まだまだ回収しきれていない伏線と各サイドの思惑がいろいろ絡んで複雑なテイストが出ているので,はやくスッキリする展開を希望しています.


感想 『精霊幻想記 2』 旅は道連れ、ロリ獣耳


旅は道連れ,ロリ獣耳.

あらすじ・内容

ベルトラム王国を出奔し、両親の故郷である東の地を目指して 一人旅をするリオ。その道中、彼は貴族が差し向けてきた暗殺者である狐獣人の奴隷少女ラティーファと戦闘し、これを返り討ちにする。さらにリオは、ラ ティーファを縛る隷属魔術を解呪するのだが――自由の身になった彼女はひとりぼっちは嫌だと主張し、リオの旅への同行を申し出て!?

image

ここで核弾頭級の可愛いキャラ持ってこられました.

東へ東へと街を順繰りして旅をしているわくわく感はそのままに,また里での生活や忍び寄る陰謀の影などがスパイスになってました.

キャラクターが一気に増えましたがちゃんとそれぞれが立っていて,今後の活躍に期待できそうです.

どんどん強くなる主人公がどんな魅力的な存在へと成長していくのかも楽しみですね.


感想 『されど僕らの幕は上がる。Scene.1』


ミステリアス青春活劇.

あらすじ・内容

人生に『台本』なんて存在しない。だから、俺たちの今を、××と呼ぶんだ。

憧れのアイドルひなたに会うため、リアリティーTV「シェアハウス」に参加した涼太。苛烈なひなたの素に戸惑いながら慣れ始めたのも束の間、サポートしてくれていた琴の卒業で『台本のない青春』は崩れていき…!?

image

テレビ番組として集められた少年少女たちキャストがその生活を通して自分自身を見つめ直していく正道な路線と,番組そのものが抱えている不思議な雰囲気の謎がだんだん紐解かれていく裏の路線がすごくいい感じのバランスで良かったです.

キャラクターも一クセある造形で魅力的に感じました.

主人公力高いなぁなぁ主人公がキラキラしていく中で見つけた真実が気になっていくでしょう.


感想 『ゲーマーズ! 3 星ノ守千秋と初恋ニューゲーム』


こじらせ系ラブコメの金字塔!

あらすじ・内容

「探してみろ。エロスの全てをそこに置いてきた」by《変態王》

「ここまで探して、どうして無いのよ!」――《伝説のエロゲー》を探求する第三十七代生徒会長コノハ。生徒会室に眠る秘宝を求め、このエロゲーマニアが所属する楽園の名は――私立碧陽学園生徒会という。

image

今回も勘違いと鋭い洞察が複雑に絡み合った見事なじれったい展開でめちゃくちゃドキハラでした.

チアキちゃんの動きの可愛さと切なさで張り裂けそうです.

また残念系リア充ラブコメのお約束も丁寧にたどっていて全くストレスなく進みます.

人生ゲームになぞられた彼・彼女達の恋が見事な着地を収めることを期待しつつ,続巻に思いをはせたいと思います.


感想 『異界神姫との再契約 2』 再構築ファンタジー


2姫目も一筋縄では行かない再構築ファンタジー.

あらすじ・内容

極上の武器≪ヒロイン≫を魅せてやるよ――

「お断りだ」 次なる神魔――ゼスカを求めて北方へと向かっ たトーイだったが、現在では商会当主として活動する彼女には取り付く島もなかった。やがてゼスカの商会と反乱軍の関係が判明し、トーイは神魔と帝国の間に 立たされるが――そんな折、かつての戦友との再会を果たす。「俺は一度、てめえと闘り合いたえと思ってたんだよ」 滅びた里の『勇者』であり、かつては戦 友として背中を預けた青年。英雄と勇者の邂逅は、果たして世界になにをもたらすのか。変わりゆくものへの愛を問う二周目異世界ファンタジー、第2弾も戦っ て口説いて惚れさせる!!

image

これ完全に浮気したあとの夫の再構築話を壮大なファンタジーでラッピングに成功していますね.

英雄に並び立つ存在として勇者が出てきたり,別の異世界召喚のキャラクターが出てきたりと,対比が印象的な巻でした.

ヒロインが毎回別のタイプで可愛いのが素晴らしいのですが外堀の脇キャラもしっかりいい味出てて心地良いですね.

あとは読者がイラッとくる名悪役がいればいいのですが……それは次回以降に期待します.


感想 『ここは異世界コンビニ デモン・イレブン』 コンビニあるある×異世界×ほっこり


コンビニあるある×異世界×ほっこり.

あらすじ・内容

異世界ワーキングコメディ開店!

異世界に転移してしまったコンビニ、デモン・イレブン。店内で食べ物を奪い合う王たちや、立ち読みに執念を燃やす勇者、深夜に孤独なグルメを始める魔王などを相手に今日も、高校生アルバイトたちは奮闘する!

image

一貫してギャグや突飛な展開で笑わせつつ,最後はほっこりで締める見事な手腕.

コンビニならではの要素と異世界のエッセンスが見事に化学反応して独特な雰囲気と明るさを演出しています.

またキャラクターが一クセも二クセもあって見ていて飽きないのと,前作から続くやるときはやる系ツッコミ主人公が小気味よいテンポでやり取りしているので気持ち良く読めました.

まだ掘り下げていないキャラも多いのでしっかり続いてくれると嬉しいですね.


感謝 『デート・ア・ライブ 13 二亜クリエイション』


オタクで頑固でハートフルヒロインをこのタイミングでの出してくるのは凄いです.

あらすじ・内容

第9の精霊、オタクで漫画家の二亜をデレさせろ!?

士道は道ばたで空腹により倒れていた第9の精霊、二亜と出会う。二亜をデレさせるため、オタクデートをすることになる士道だが……。「私――二次元にしか恋したことないんだ」衝撃の事実が発覚し――!?

image

しかも壮絶な過去を持ち,真実に最も近い情報を持ち,攻略難易度が高いときましたか……素晴らしいですね.

そしてついに明かされようとしている精霊の秘密.

狂三や黒幕が暗躍する中,主人公達がどんな希望の光を見せてくれるのかが楽しみですね.

またどんどん華やかになっているメンバーのサービスシーの豊富さも楽しみです笑


感想 『愚者のジャンクション -side evil-』 復讐の哲学


光と闇の不安定さ,そして復讐の哲学.

あらすじ・内容

その事故は、起こるべくして起きた。すべての真相が明かされる『解決』編!

なぜ、十文字はエーミールになれなかったのか。事件のスター ト地点はいったいどこにあったのか。物語を解明する『役割』は――名探偵にはない。起こるべくして起きた事故を、真の探偵である彼は周回遅れで目撃する。 “事件”の全容を目撃せよ。

image

ヘルマン・ヘッセやハンブラビを軸におきなから少年少女の葛藤と陰謀,想定外と工夫が描かれていて最高にクールな作品に仕上がっています.

前半巻で描かれていた事件が後半違う側面を持って全く違う表情になり,完成するさまのカタルシスが素晴らしい.

“周回遅れで目撃する”という表現が妙に腑に落ちてしまうのと気持ち悪さと青春の爽やかさが謎の融合と化学反応を見せていてとにかくすごいです!

彼と彼女が何に間に合って何に間に合わなかったのかは読んでみてほしいのと,前巻読んでこの巻読まないのはとにかくもったいないです.

完結っぽいのが残念ですが一クセも二クセもあるキャラクター,悪党たちが今日もどこかで笑いながら謳歌していると考えつつ,次の作品にも期待したいと思います.