「新作」カテゴリーアーカイブ

感想 『二線級ラブストーリー』 強烈トライアングルラブコメ


半端ないテンションで描かれる強烈トライアングルラブコメ.

あらすじ・内容

高校二年生の松尾家之助は、親友で生徒会長の完璧超人一ノ瀬 秋、憧れのクラスメイトで書記の月本紗姫とともに生徒会に所属し、平凡ながらも楽しい高校生活を送っていた。そして家之助は紗姫への想いを自覚する。だ が、どうやら紗姫は秋のことが好きな様子。どうすべきか悩む家之助だったが、そんなさなかに秋のとんでもない秘密を知ってしまう! その結果、家之助の、 紗姫のそして秋の想いは複雑に絡み合って――?

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まず変態とかそういうの通り越して哲学的ですらありますね.

青春は本気でやるからこそ面白い.

手加減なんて出来ない彼らが切った張った惚れた突っぱねたをやっているさまはかなり爽快です.

好きって伝えることの大切さや,伝えるだけじゃない,愛されるための責任……いろいろなことが詰まった作品だなと感じました.

彼と彼女たちの恋路がこの先どんなぶっ飛びを魅せるのが気になりますが,妹さんの苦労が知れますね笑


感想 『ゲーマーズ!』 こじれにこじらせてそのまま爆走


このテンプレ展開を踏襲しつつも,こじれにこじらせてそのまま爆走する流れが心地良いです.

あらすじ・内容

ゲーム好きなぼっち少年と、ゲーマーたちの錯綜青春ラブコメ!!

ゲーム好きでぼっちな高校生、雨野景太。そんな彼が、「……私に付き合って、ゲーム部に、入ってみない?」美少女、天道花憐に声をかけられ――。ゲーム部の日常が始まると思いきや!? 勘違い錯綜青春ラブコメ!!

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ゲーマーたちは自らの矜持と信念があってそれが青春時代特有の甘酸っぱさで化学反応起こしている感じですね.

一つ一つの個性が面白いくらいに暴走してて見ていて飽きない作りになってます.

しかし彼らの青春時代はまだまだこれからといったところ.

これだけぐるぐるになってるので,何が起こるかわからないところを楽しみたいと思います.


感想 『七星のスバル』 ノスタルジー漂う青春オンラインゲームアクション


ノスタルジー漂う青春オンラインゲームアクション.

あらすじ・内容

また、皆に会いたいよ。 かつて、世界的人気のMMORPG 《ユニオン》において、伝説となったパーティがあった。名を、スバル。小学生の幼なじみたちで結成されたそのパーティは、〈センス〉システムを中核に置く 《ユニオン》において比類なき才能を発揮、瞬く間に勇名を馳せた。ところが、プレイヤーがゲーム中に息を引き取る事故が発生。この人死事件をきっかけに、 《ユニオン》はサービスを終了してしまう。 ……時は流れ、6年後。かつてスバルの中心として活躍した天羽陽翔(あもう・はると)は、ダメダメな高校生に なっていた。性格はひねて、友達はおらず、何事にもやる気がない。だが、クラスメイトに巻き込まれる形でログインした新生《リユニオン》のなかで、陽翔は 信じがたい“再会”を果たす。スバルの仲間であり、リアルの幼なじみだった少女、空閑旭姫(くが・あさひ)――6年前、ゲーム中に死んだはずの彼女が、そ こにいた。「きっと夏の病だ。それかシステムエラー。むしろバグ!」「あははっ。もう陽翔ってばどうしたの。顰めっ面なんて似合わないよ?」――伝説は再 び動き出す。革新的青春バトルオンライン!

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他のMMORPGとは違って明確に“過去”を意識した構成になっているのが特徴でしょうか.

悲劇によって切り裂かれた幼なじみたちが,時間を経てかつての関係と決別して,新しい関係を築き上げる物語です.

そして幼なじみの“存在の謎”がひとつのキーになって世界観の掘り下げをしている点が良いですね.

ただメインキャラ以外の脇キャラ達の行動原理が割と謎で何度も頭に疑問符が出ました.

ヒロインに対してゲームなのに奴隷になれとか俺のものになれみたいなやつがわんさか出てくるんですが,ゲームなのになぜそんなことができると思ってしまうんだろう?
やだって言われたらそこで終わりじゃないのでしょうか……?
リアル割れでもしてるのでしょうか.

謎です.


感想 『異世界ラ皇の探求者 01』 ラーメンマシマシラブコメディ


ラーメンマシマシラブコメディのゴロの良さがいいですね.

あらすじ・内容

第6回GA文庫大賞奨励賞受賞の、異世界ラーメンマシマシラブコメディ!

「ひゃう!? 兄上様、こ、これは」 メイがまるで死刑の宣告を受けた罪人のように震え、ドンブリを前に泣き出しそうな瞳でチャーを見た。「大丈夫だ。のびるから早く食え」 「本当に大丈夫なのでしょうか……」 現世でラーメン屋を26店開店し、そのすべてを半年以内に潰してきた主人公・チャー。そんな彼が記憶を残したままで生まれ変わったのは、なんとファンタジーの世界だった!? ライバル不在のこの世界で、一番美味と聞いたドラゴンの肉のチャーシューを作り、ラーメン道を極めようとするチャーの野望は叶うのか!? 第6回GA文庫大賞奨励賞受賞のラーメンよりヒロイン推しな異世界ラーメンマシマシラブコメディ!

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異世界グルメモノの中でも話が割と斜めに走っているのが印象的でした.

特にグルメ路線のシチュで別に特に食べたい気にもならないのが特徴でしょうか.

その分キャラクターのコミカルなやり取りとバトルが濃い目でした.

個人的には求めていたものとは少しズレていたのですが,まさにラーメンの好みと同じでこういう塩梅のバランスが合う人には波長が良い感じになるのではないでしょうか.


感想 『筺底のエルピス』 設定と信念が化学反応


設定に無駄が全くなく,それが確かな重厚感となって噛み締められる作品でした.

あらすじ・内容

人類の存亡をかけた影なる戦い。殺戮因果連鎖憑依体――古来より『鬼』や『悪魔』と呼ばれてきたその存在は、感染する殺意であり、次元の裏側から送り込まれた人類絶滅のプログラム。日本の暗部である《門部》は、不可視の存在を網膜に投影する改造眼球『天眼』と、時を止める超常の柩『停時フィールド』を武器とし、そのプログラムを追い立て、狩り、そして葬り続けてきた鬼狩りの組織だ。時は現代。百刈圭(ももかり・けい)と、乾叶(いぬい・かなえ)――心に傷を抱えて戦う二人が遭遇したのは、歴史上、たった六体しか確認されていない《白鬼》だった。叶の親友に憑依したその鬼を巡って組織が揺れる中、黒ずくめの刺客《ゲオルギウス会》が動き始める。それは日本を守護する《門部》と同じように、ヨーロッパで連綿と戦い続けてきたもうひとつの鬼狩りの組織――バチカンの狩人たちだった。《白鬼》とは何か。二つの組織の衝突はいかなる戦いを引き起こすのか。そして、滅亡を防ぐ希望はあるのか。人類の存亡をかけて戦う、影なる戦士たちの一大叙事詩が、いま語られる。気鋭・オキシタケヒコが描く異能バトルアクションシリーズ。イラストは各方面で活躍中のtoi8が担当。※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。

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特に門部という組織の設定がしっかりしていて,和風なのにSFなガジェット,同様な他の組織とのモチーフの比較などとにかく凝ってる印象です.

能力も性質はシンプルなんだけど,そのいろいろなパラメーターで魅せてくれそうな感じです.

異能バトルでありながらSFの空気をまとっていて,更にはキャラクターたちのいきいきとした信念が化学反応していました.

素直に面白かったです.


感想 『我がヒーローのための絶対悪』盛り上がり,深まり,加速する


硬派も硬派なヒーローモノ.

あらすじ・内容

正義と悪に彩られた青春ヒーローピカレスク。日本のどこかにある地方都市、月杜市。どこにでもある規模のその街には1つだけ、他の街とは違っているところがある。それは1人のヒーローが街を守っているというところだ。普段は女子高生として生活している少女・澪。彼女は悪の組織『禍嶽社リヴァイアサン』の怪人が街の平和を乱すとき、ヒーローに変身し日夜戦うのであった。そんな澪のヒーロー活動を見守る幼馴染の少年・武尊。なんの取り柄もない平凡な高校生である彼だが、武尊にはある秘密があった――それは、彼こそが禍嶽社リヴァイアサンの総帥・ヘルヴェノム卿なのである。武尊の目的。それはガイムーンとして生きる宿命を背負わされ、悪と戦わないと生きられない澪のために、宿敵として立ちはだかり続けることだった。悪の首領とヒーローの関係は2人をどんな運命へと導くのか。最愛の者を守るため、最愛の者と戦い続ける、正義と悪に彩られた青春ヒーローピカレスクロマンここに誕生!イラストを担当するのは、「艦隊これくしょん -艦これ-」の敵艦デザインや「レーシングミク 2014 ver.」公式イラストを手がける実力派イラストレーター、おぐち

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半端を許さない描写の数々とそのキャラクターたちのいきいきとした精神性を見事になぞった物語が演出していて調和です調和!

彼女のために絶対悪という概念を覗いた少年と,ド級ヘビーな過去を背負って邁進する等身大さを残すヒーローの少女.

盛り上がり,深まり,加速する関係性が見どころですよねー.
興奮しました.

怪人たちや陰謀渦巻くバックボーンなどまだまだ見どころをたくさん残しているのでどんどん追い駆けたいと,素直に感じる一冊でした.


感想 『飽くなき欲の秘蹟』 軋轢をまっすぐ描く


異能の売買をする不思議な職業の,かなり不思議な人たちが織りなすハートフルボッコなストーリー.

あらすじ・内容

もしかしてお姉さん、異能持ちですか? 僕――世杉見識は目を放すとすぐサボる、意識の低いアルバイトである。自慢することではない。 バイト開始当初は、「能転売業なんてうさんくさ過ぎる、すぐに逃げよう」なんて思っていたけど、異能関係者は変わっている人が多くて、ちょっと楽しいと感じている。 異能というのは――超能力とか秘蹟とか、そんな呼ばれ方をする、とにかく不思議な力のことだ。それは人の願いと共に現れ、いつのまにか消えていく、一時の奇跡である。 そう稀少なものでもないが、誰もが自由に手にできるわけではない。だから、持たない者は皆こう言う――自分も欲しい。欲しいと思う人がいるのなら、そこにビジネスチャンスは生まれる。異能を売りたい人と、異能が欲しい人を結ぶお仕事――異能転売業はこうして成立した。 僕の働く秘蹟商会もそんな異能転売業社の一つである。店舗は埼玉の片隅にある古い建物。働いているのは店長とアルバイトの僕二人だけ。まだまだ規模は小さいが、明日の成功を夢見て僕らは日夜奮闘している。「さてと・・・・・・ポンコツかわいい店長のために、異能力保有者を捜しに行きますか」第6回小学館ライトノベル大賞審査員賞受賞作。

 

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異能はあくまでモチーフかついわゆる「マクガフィン」であって,本当に描きたいのは人間模様なんだということがすごく伝わってきたのでそこが一番良かったです.

みんな悩み,というか欲?を思春期でもいつでも持っていて,それが具現化した時の軋轢をまっすぐ描いてて好感持てます.

これからヤバめな話がどんどん展開されるんだけど,ボンドガールみたいにヒロインがどんどん出てくる予感しかしないのでそれが心配ですね.


感想 『賢者の孫』 異世界の住民たちのレベルをグッと下げる


型破りファンタジーと銘打たれた俺つえー転生モノでしたね.

あらすじ・内容

《規格外》主人公の型破り異世界ファンタジーライフが今始まる!

事故で死んだはずの青年が、赤ん坊の姿で異世界に転生! そ して救国の英雄「賢者」マーリン・ウォルフォードに拾われた彼は、シンと名付けられる。孫として育てられたシンはマーリンの技術を吸収し、驚くべき力を習 得するのだが、十五歳となった時に祖父【マーリン】は言った「常識を教えるの忘れとった」! かくして常識と友達を得るためアールスハイド高等魔法学院に 入学するシンだったが――。《規格外》な少年の型破り異世界ファンタジーライフ、ここに開幕!!

 

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読者のレベルと主人公のレベルのバランスを取りつつ,この異世界の住民たちのレベルをグッと下げることで常識破りというものが表現されているイメージです.

スラッと読めて良かったんですが流石に周りの主人公に対する評価がぐんぐん上がって,たいそう驚かれているさまが続いて少しきつかったです.

その上で主人公の常識は読者であるこちらと等身大設定なので周りのキャラと次元が違いすぎて逆に違和感が……という印象を途中から持ってしまいました.

ヒロインは可愛く,ただまだまだ魅力を出すには紙幅が足りてないと感じたのでこの先に期待といったところでしょうか.


感想 『骸骨騎士様、只今異世界へお出掛け中 1』


タイトル通りなんだけど,骸骨である理由が鎧を脱げない事にしか使われていない!

あらすじ・内容

骸骨騎士による無自覚世直しファンタジー!

MMORPGプレイ中に寝落ちしてしまい、目覚めるとゲームキャラの姿で見知らぬ異世界に放り出されていた「アーク」。
その姿とは、見た目は鎧、中身は全身骨格の骸骨騎士!?
──正体がバレたら、モンスターと勘違いされて討伐対象になりかねない!
目立たず傭兵として過ごすことを決意したアークだが、目の前の悪事は捨て置けなかった。
襲撃された貴族の美少女たちを救出! 軍隊出動レベルのモンスターを討伐!!
さらには、盗賊たちを殲滅──!? と、ゲームで鍛えたスキルで快刀乱麻の大活躍!
そんなある日、彼はダークエルフの美女アリアンに雇われ、囚われたエルフ族の奪還作戦に協力することに。
だが、その裏には王族の策謀が渦巻いており──!?
最強の骸骨騎士による無自覚””世直し””異世界ファンタジー、ここに参上!!

 

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個性豊かなキャラクターたちが生き生きと動き回っていてメリハリが付いているのが印象的でした.
種族をまたがる陰謀や,宗教などまだまだ話が広がる要素がたくさんあるのでワクワクする俺つえーが見れる気がしますね.
例によって主人公が強すぎるので,周りのキャラクターがどう魅力的に映すのかがキモになりそうです.


感想 『詐欺師キッドの英雄演武 1』 嘘の中で輝く,「本物」とは


嘘に次ぐ嘘の中で輝く,「本物」とは……

あらすじ・内容

詐欺師なのに《人類の英雄》!?
異世界コンゲームファンタジー、開幕!

「――おたくの魔法、騙りに堕ちたぜ」
 文明が発展し、神の不在が囁かれ始めた時代。伝説の英雄を騙って悪徳貴族から金銭をだまし取って暮らす詐欺師のキッドは、ある少女に協力を依頼される。 「お願いします、キッド様。あなたにも参戦して頂きたいのです。神ユグラティアの制定せし戦い、“神儀演武”に。」なんと伝説は真実を伝えており、キッド とその仲間は世界を統べる7つの種族の戦い、神儀演武に巻き込まれていく。
 これは嘘から始まり『本物』へと至る、綻びだらけの英雄譚。詐欺師キッドの虚実織り交ぜた最高のショータイム、いよいよスタート!

 

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トライバルな戦いで煽ってくれるのは先人切ってる他の作品があるので非常にスムーズに読めました.
嘘というテーマの反対がそのまま裏のモチーフになっているのも良かったです.

キャラクターも魅力的でよく描けているのですが,それだけにメインヒロインのことが気に入らないと割ときつい読者もいそうです.
このペースでガンガン展開していくなら個人的には理想のテンポです.
敵も展開もまだまだ本番ではないのでしっかり見届けたいですね.