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感想 『我がヒーローのための絶対悪 2』 闘争の意味と自我の確立


闘争の意味と自我の確立.

あらすじ・内容

少年は悪へと身を落とし続ける――。 正義のヒーロー・ガイ ムーンの勝利に終わった、あの正義と悪の激闘から二週間。 かつて正義に屈したと思われていた悪の総帥の出現に人々は恐怖したものの、時間が経つにつれて また月杜市は平穏を取り戻しつつある。悪の組織・新生リヴァイアサンもそれ以来、表立った活動は控えていた。だが二代目ヘルヴェノム卿――沖名武尊はまだ ガイムーン打倒を諦めてはいなかった。 一方そのころ、二代目ヘルヴェノム卿の存在を重く見たリヴァイアサンの元幹部である第一種たちはヘルヴェノム卿の 抹殺を画策。さらにミアも本来味方であるはずの【財団】の思惑により思いがけないピンチに晒されてしまうこととなる――。 第一種、【財団】、そして新た な存在「外種」。さまざまな試練が立ち塞がる中、武尊はガイムーンの正体・天羽ミアという最愛の少女を救うため、どれだけ自身が傷つこうと、月杜市のすべ てを巻き込み絶対悪であることを渇望し続ける――。 青春ヒーローピカレスクロマン、新たな波紋を生む第二巻!

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重厚な雰囲気はそのままで,新しい切り口をたくさん用意してくれました.

ヒーローモノの勧善懲悪では終わらず,その哲学そのものをしっかり物語に沿わせているのがとても魅力的な作品だと改めて感じました.

キャラクターの抱えているものの質をしっかり緩急つけることでそれぞれの闘いに幅と厚みが出ています.

今後も彼と彼女と外野の闘争は苛烈をきわめること必至なわけですがいい今時に着地してくれと願わずにはいられませんね.


感想 『我がヒーローのための絶対悪』盛り上がり,深まり,加速する


硬派も硬派なヒーローモノ.

あらすじ・内容

正義と悪に彩られた青春ヒーローピカレスク。日本のどこかにある地方都市、月杜市。どこにでもある規模のその街には1つだけ、他の街とは違っているところがある。それは1人のヒーローが街を守っているというところだ。普段は女子高生として生活している少女・澪。彼女は悪の組織『禍嶽社リヴァイアサン』の怪人が街の平和を乱すとき、ヒーローに変身し日夜戦うのであった。そんな澪のヒーロー活動を見守る幼馴染の少年・武尊。なんの取り柄もない平凡な高校生である彼だが、武尊にはある秘密があった――それは、彼こそが禍嶽社リヴァイアサンの総帥・ヘルヴェノム卿なのである。武尊の目的。それはガイムーンとして生きる宿命を背負わされ、悪と戦わないと生きられない澪のために、宿敵として立ちはだかり続けることだった。悪の首領とヒーローの関係は2人をどんな運命へと導くのか。最愛の者を守るため、最愛の者と戦い続ける、正義と悪に彩られた青春ヒーローピカレスクロマンここに誕生!イラストを担当するのは、「艦隊これくしょん -艦これ-」の敵艦デザインや「レーシングミク 2014 ver.」公式イラストを手がける実力派イラストレーター、おぐち

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半端を許さない描写の数々とそのキャラクターたちのいきいきとした精神性を見事になぞった物語が演出していて調和です調和!

彼女のために絶対悪という概念を覗いた少年と,ド級ヘビーな過去を背負って邁進する等身大さを残すヒーローの少女.

盛り上がり,深まり,加速する関係性が見どころですよねー.
興奮しました.

怪人たちや陰謀渦巻くバックボーンなどまだまだ見どころをたくさん残しているのでどんどん追い駆けたいと,素直に感じる一冊でした.


感想 『CtG 3』 親子の絆……というテーマに対して.


前回も驚きましたが今回もとんでもない波乱で幕を開けました.

あらすじ・内容

ネトゲ嫁×幼馴染×本当の嫁!? VRMMO子育てファンタジー最新刊!

「わたしの娘を引き取りに来たわ!」ハルハの“本当の”母親を名乗る少女・日下秋理。秋理の登場で、遊と美遙と冬風との関係が更に複雑に!! おまけに、秋理は人類全てを巻き込む壮大な秘密を遊に打ち明けて!?

 

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親子の絆……というテーマに対して安直なアプローチをせずにSF的なところ,肉体面・精神面と多様な方向から見事に描ききっていて大満足です!

子供がどんどん成長するのが楽しみでもあり,寂しさでもあり,誇りにもなる.1巻2巻と危機を乗り越えた彼と彼女らはもう無敵なのかもしれませんね.
完結ということで寂しいですが,蓋を開けたらこんなにも多様な楽しみ方ができる作品も珍しいと感服しています.
次回作も待ち遠しいですね.