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感想 『リーングラードの学び舎より 3』 教師の矜持、生命の価値


教師の矜持.生命の価値

あらすじ・内容

教師が生徒を守るため、『本気』を出した時、術式の嵐が吹き荒れる!!

「教師らしく帝国相手に教鞭を振るってきます。全力で物理的な方向に」
前代未聞の計画「義務教育」を進めるリーングラード学園では今日もトラブルが続いていた。資金不足、外部からの妨害、生徒たちの思わぬ行動などに振り回さ れる教師ヨシュアンだったが、忍び込んでいた密偵の殺害という事件が起こり、学園を不穏な空気が包んでいた。元凶の排除に動いていたヨシュアンだったが、 解決の前に生徒の一人、マッフルが、学園外部からの策略に巻き込まれてしまう。マッフルを救うため、王国最強の術式師【輝く青銅】がその真価を発揮する!
新米教師と生徒たちが紡ぐ異世界の学園物語、三時間目は隣国に殴りこみ!?

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田舎系中世義務教育ファンタジー第三弾ですが早々に波乱の展開です.

個人的に気になったのは,主人公や諸々のプライドだったりトラウマだったりが確かに現在を形作っていて,それが周囲やいろいろなところに伝染していくさまです.

いや伝染とは少し違うかもしれません.
確かに過去があり,それで今がある.そして信念が生まれた……とどのキャラクターにも背景があると感じられて深いですね.

信念が,芯があるからこそ本気で激昂したり命をかけて動けると.

生徒たちの成長も見どころな作品なのですが,行動哲学だったりバトルシーンの読み応えがしっかり作品に色濃く浮かんでおるのが素晴らしいですよね.


感想 『飽くなき欲の秘蹟』 軋轢をまっすぐ描く


異能の売買をする不思議な職業の,かなり不思議な人たちが織りなすハートフルボッコなストーリー.

あらすじ・内容

もしかしてお姉さん、異能持ちですか? 僕――世杉見識は目を放すとすぐサボる、意識の低いアルバイトである。自慢することではない。 バイト開始当初は、「能転売業なんてうさんくさ過ぎる、すぐに逃げよう」なんて思っていたけど、異能関係者は変わっている人が多くて、ちょっと楽しいと感じている。 異能というのは――超能力とか秘蹟とか、そんな呼ばれ方をする、とにかく不思議な力のことだ。それは人の願いと共に現れ、いつのまにか消えていく、一時の奇跡である。 そう稀少なものでもないが、誰もが自由に手にできるわけではない。だから、持たない者は皆こう言う――自分も欲しい。欲しいと思う人がいるのなら、そこにビジネスチャンスは生まれる。異能を売りたい人と、異能が欲しい人を結ぶお仕事――異能転売業はこうして成立した。 僕の働く秘蹟商会もそんな異能転売業社の一つである。店舗は埼玉の片隅にある古い建物。働いているのは店長とアルバイトの僕二人だけ。まだまだ規模は小さいが、明日の成功を夢見て僕らは日夜奮闘している。「さてと・・・・・・ポンコツかわいい店長のために、異能力保有者を捜しに行きますか」第6回小学館ライトノベル大賞審査員賞受賞作。

 

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異能はあくまでモチーフかついわゆる「マクガフィン」であって,本当に描きたいのは人間模様なんだということがすごく伝わってきたのでそこが一番良かったです.

みんな悩み,というか欲?を思春期でもいつでも持っていて,それが具現化した時の軋轢をまっすぐ描いてて好感持てます.

これからヤバめな話がどんどん展開されるんだけど,ボンドガールみたいにヒロインがどんどん出てくる予感しかしないのでそれが心配ですね.