「感想」カテゴリーアーカイブ

感想 『フェアリーテイル・クロニクル 3』 ひとつの終わりと新たな出会い


ひとつの終わりと新たな出会い

あらすじ・内容

大ヒット御礼。今をときめく「生産系」ファンタジー、第三弾!

VRMMO『フェアリーテイル・クロニクル』によく似た異世界に飛ばされてきた東宏(あずまひろし)と藤堂春菜(とうどう・はるな)。至高の職人・宏の空気読まない異世界ライフは今日も続く!

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大トリのボスもマイペースに撃破して,ゆるゆる生産異世界ライフは変わらずといったところ.

ファンタジー要素とそれをぶち壊す生産要素がマッチすると解説も楽しい要素が生まれるところに個性があって素敵です.

主人公の女嫌いが思った以上に恐ろしいほど足を引っ張るのでびっくり.

綺麗な着地を期待しつつ,またゆるゆるな進行を見せて欲しいですね.


感想 『フェアリーテイル・クロニクル 2』 スキル性の相性の良さ


スキル性の相性の良さ

あらすじ・内容

モノづくり系ファンタジー第2弾! 宏の異世界ライフは続く…

異世界に飛ばされて以来、厄介事続きの宏と春菜。ファーレー ン王国の王太子から依頼を受け、王女エレーナの治療を請け負う。まさかそれが王国の一大事に発展するとは思いもよらず……!? まったりモノづくり系異世 界ファンタジー、待望の第二弾! 至高のクラフト職人・宏の空気読まない異世界ライフは今日も続く!

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典型的なスキル性の物語なのに設定開陳にストレスがないのは重要ですよね.

前回ちら見せした敵側の傀儡系女子キャラが思ったよりもどうしようもなくて逆に燃えますね.

戦闘シーンは派手ではなく設定の折り合い合戦なのですが,そうと割り切れば非常にわかりやすいのでそこもストレスない感じでした.

いよいよ敵の暗躍が本格化しそうなので主人公達の持ち前ののらりくらりでどうやってやり過ごすのかがみものです.


感想 『フェアリーテイル・クロニクル 1』 MMOモノづくり系


MMOモノづくり系

あらすじ・内容

ヘタレ男と美少女が綴る「モノづくり系」異世界ファンタジー!

《電子版限定オリジナルショートストーリー収録!》不慮の事 故で飛ばされた異世界は、人気VRMMO『フェアリーテイル・クロニクル』そっくりの世界だった。ゲーム内で生産職人として高いスキルを保持していた宏 は、そこで再会したクラスメイトの春菜と共に自給自足の生活を開始することになるのだが……!? 「モノづくり系」異世界ファンタジーの始まり始まり。

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MMOへの異世界召喚物では珍しく,主人公の戦闘能力ではなくクリエイティビティで勝負するタイプ.

この手の話で重要なのは1巻目でやるゲームのシステムや世界のルール,主人公の適正などの説明シーンなんですが,この作品ではストレスなく必要十分な量を適度な頻度のバランスで渡してくれる感じです.

そのバランス感覚が自分に合っていたのと,起こるイベントをのらりくらりとしながらも自分の考えでガンガン進むさまが心地よかったです.

キャラクターの個性としてはそこまで強烈じゃないのですが,これから掘り下げられると思いますので今後に期待です!


感想 『NO FATIGUE 〜24時間戦える男の転生譚〜 3』


精神と信仰の関係性

あらすじ・内容

0歳からの24時間無双ファンタジー、第三弾!

女神アトラゼネクより“24時間疲れない”能力【不易不労(ふえきふろう)】を授かった加木智紀(かぎとものり)。悪神の力で転生した通り魔を倒すため、彼は子爵家の四男エドガーとして、異世界で第二の人生を歩み出した。
悪神の息が掛かった暗殺教団<八咫烏(ヤタガラス)>。わずか1歳足らずにしてその首領ガゼインに見込まれたエドガーは、教団への潜入を果たす。
そこで出会ったのは、ダークエルフの少女エレミアをはじめ、暗殺任務をこなさせるために洗脳され、労働と戦闘訓練を課せられている子どもたちだった。
彼女たちを助け出すことを心に誓ったエドガーは、次々と明らかになる教団の真実を前に、ついに反撃の狼煙を上げるが……!?
「俺はサンタマナを潰し、俺のための王国を打ち立てる。――一緒に来ねーか?」
逆転に次ぐ逆転、先行き予測一切不能! 激動のクライマックスを迎える暗殺教団編の他、書き下ろしエピソード満載の第3巻登場!!

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今回は何故か各キャラクターの内面の深堀とその信仰するものの不安定さにかなり踏み込んでいました.

大きな区切りのクライマックスだったのですが,バトルがかなり盛り上がって迫力がありましたね.

スキル性の醍醐味でもある豊富な選択肢のどれで裏をかくか……といったところも見どころでした.

ヒロインだけでなく,各女性キャラクターの強かったり怖かったりするところが強調されていて,また深く読み応えがありました.

いよいよ現世とライバルの動きが徐々に明らかになり,陰謀感が増したので,次回はぜひそこら辺のハラハラドキドキを楽しみたいと思います.


感想 『終末なにしてますか? もう一度だけ、会えますか? 01』


紡がれし,妖精たちの未来

あらすじ・内容

数年後の浮遊大陸群。次代の黄金妖精たちによる新シリーズ開幕!

〈人間〉は規格外の〈獣〉に蹂躙され滅びた。〈獣〉を倒しう るのは、〈聖剣〉(カリヨン)を振るう黄金妖精(レプラカーン)のみ。戦いののち、〈聖剣〉は引き継がれるが、力を使い果たした妖精たちは死んでゆく。 「誰が恋愛脳こじらせた自己犠牲大好きよ!」「君らだ君ら! 自覚ないのかよ自覚は!」廃劇場の上で出会った、先輩に憧れ死を望む黄金妖精と、嘘つき堕鬼 種(インプ)の青年位官の、葛藤の上に成り立つ儚い日常。次代の黄金妖精たちによる、新シリーズ開幕!

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前シリーズの雰囲気はそのままに,面白い立場のキャラクターにスポットライトを当てることで世界がググっと広がりました.

セリフ一つ一つからキャラクターの粋な個性がにじみ出ていてとてもセンスが良いですね.

またこのしっとりとした世界観の雰囲気が前作からDNAとして受け継がれていて,全体のベースとして相当な安定感を演出しています.
まぁ実質6巻目ですからね.

新キャラクターも癖があって魅力的ですし,前作のキャラクターが出てくれると嬉しいですし,いいとこ取りな美味しさがありますね.


感想 『終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか? 05』


受け継がれる意思.

あらすじ・内容

数多の犠牲によって訪れた平穏。終末に零れる涙。シリーズ完結。

ヴィレムは約束を守れず〈月に嘆く最初の獣〉(シヤントル) の結界は崩壊した。正規勇者(リーガル・ブレイブ)の命と引き替えに長い眠りについていた幼い星神(ほしがみ)は、その余波で空魚紅湖伯(カーマインレイ ク)とはぐれ、記憶を封じられたびれむと共に仮初めの平穏な日々を過ごす。その日、〈穿ち貫く二番目の獣〉(アウローラ)が浮遊大陸に降り注ぐことになる までは――。〈獣〉に対するのは、アイセアとラーントルク。死にゆく定めの少女妖精たちと青年教官の、終末最期の煌めき。次代に受け継ぐ第一部、幕。

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一人の青年と大勢のロリっ娘妖精たちの終末ファンタジー,ここに終焉.(でも続くんじゃよ)

壮大な伏線を絶妙にはっきりしない状態で回収する点がちょっとソワソワしますが,これまでの苦難とか苦労を思うとジーンときますね.

特に最後の戦闘シーン……最高です.このシーンのために前4巻はあったのではないかと思うくらいです.

ヒロイン正妻枠(と最後まで信じて疑わなかった)のクトリにまた逢いたいけど,希望というか可能性を残したエピローグでした.

キャラクターの温かいやり取りと切ない世界観が魅力の今作ですが,同舞台の新作が始まるということなので,早く読みたいと思います.


感想 『強くてニューサーガ』 英雄に慈悲はない


英雄に慈悲はない

あらすじ・内容

インターネット上で話題沸騰の“強くてニューゲーム”ファン タジー、待望の書籍化!激戦の末、魔法剣士カイルはついに魔王討伐を果たした…と思いきや、目覚めたところはなんと既に滅んだはずの故郷。そこでカイル は、永遠に失ったはずの家族、友人、そして愛する人達と再会する――人類滅亡の悲劇を繰り返さないために、前世の記憶、実力を備えたカイルが、仲間達と共 に世界を救う2周目の冒険を始める!

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明るいセリフの文体と濃密なバトル描写,無慈悲な行動と新鮮な気持ちになれた作品です.

またそれらがかなりいいバランスで成り立っているのでストレスもありませんでした.

しかし緊迫感のある展開もしっかり起こるので,ドキドキしながら楽しむことができました.

登場人物たちも,パッと見の印象とは裏腹な一面が各自にあり,それが一クセも二クセもあるような感覚になるので物語の深みを増しています.

一山超えてのエピローグだったので,このまま最後までどう走っていくのかが楽しみです.


感想 『おまえをオタクにしてやるから、俺をリア充にしてくれ! 14 大学生編』 遠距離恋愛の醍醐味


遠距離恋愛の醍醐味

あらすじ・内容

桃に会いに行くため――ついに柏田、北海道へ!

学園祭以来、桃の関係はずっとギクシャク……そんなとき、声優の深瀬愛のマネージャーバイトの打診が。そうだ! これで旅費を貯めて、桃のいる北海道の大学まで行ってやる!  ……って、なんで長谷川も北海道に!

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今回も本当にさっくり読めました.

遠距離恋愛だからこそ訪れる苦悩とそれを前向きにひたむきに突き進む主人公の様子が甘酸っぱいのなんのですね.

また何とも言えない三角関係なのかどうなのかといった空気がほんのり切なさを演出していて,ラブコメにいい感じの花を添えていました.

結局人間割り切ることはできないのですが,キャラクターたちの潔いところと葛藤するところの対比が綺麗に見せられていて見ていてドキドキできました.

着々とクライマックスに向かっているともいえますね.

いろいろと決着するのが楽しみです.


感想 『骸骨騎士様、只今異世界へお出掛け中 3』 うっかり骸骨の大暴れ


うっかり骸骨の大暴れ

あらすじ・内容

アリアン(美女)に魔の手が迫る時、最強の“世直し”が炸裂する!
「召喚! 【炎獄魔人(イフリート)】――!!」

気が付くと、2m超の骸骨騎士姿で異世界にお出掛けしていたアーク。彼は道中で出会ったダークエルフの美女アリアン、獣耳忍者少女のチヨメに協力し、人族に囚われたエルフ族や獣人(山野の民)達を解放していく。
ついに全ての囚われたエルフ族の居場所を知ったアークは、早速アリアンと共に目的地へと向かう。しかし、見た目とは裏腹にドジな彼は、うっかり道に迷って しまい――研究者であるエルフのために魔獣を捕獲! 海賊の魔の手から人々を救出!? 討伐隊と共にオーガの大群を一掃??!! と、横道に逸れつつも、 種族を跨っての大活躍!
ようやく最終目的地「神聖レブラン帝国」に到着したアーク達。しかし、魔獣呪術師のフンバがアリアンに迫ってくる上に、なんと五本首の魔獣ヒュドラまで呼び寄せて……!?
「五分で片をつける。召喚! 【炎獄魔人(イフリート)】??!!」
お待ちかね、秘技「召喚魔法」発動! 最強の骸骨騎士による“無自覚”世直し異世界ファンタジー、第三弾がド派手な召喚魔獣対決と変わらずの人情満載で参上!!

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今回も主人公が天然な感じで半端ない力を駆使して異世界を謳歌しています.正直楽しい.

旅の目的は割りと重い感じなのですが,主人公の天然冷静な感じとヒロインたちの正統派な感じがマッチしてちゃんとエンタメな明るさになっている点を評価したいです.

新キャラが出てきましたがまだまだサブのスポット参戦といったところ.

じわじわと風呂敷が広がっているのでそろそろ綺麗にまとまるところも読んでみたい気がしますね.


感想 『呪術法律家ミカヤ』 ファンタジー法廷、ここに開廷


ファンタジー法廷,ここに開廷.

あらすじ・内容

十七歳で呪術法律家の資格を取った天才少女ミカヤ。そんな彼 女の初仕事は史上最悪の暗殺者、アイスフェルドの弁護だった。 絶対に精霊呪術を通さない完全密室の“精霊殺しの箱”。その中で死んでいた人権活動家サラ サンテ。彼を殺した容疑で捕まったアイスフェルドだが、ミカヤには冤罪を主張するのだった。初めは半信半疑のミカヤだったが、皮肉屋で、つかみ所のないア イスフェルドのアドバイスに触発されながら、次第に彼の無罪を確信し、ある真実へと辿り着く。 真犯人は誰なのか? サラサンテはなぜ殺されたのか? 大 陸史上最大の法廷劇が幕を開け、アイスフェルドへの判決が下される時が来る――!!

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ライトノベルで法廷劇というのもいくつか今までありましたが,この作品の特筆すべきはやはりキャラクターがここでもかというくらいタっていることでしょう!

唯我独尊なアイスフェルドをはじめ,検事,騎士といった脇キャラ含めてみんな愛くるしいキャラクターです.

特にヒロインのミカヤがまっすぐ芯の通った女の子なので読んでいて爽快ですし,苦悩して苦悩して前に進む姿がいいですよね.

かなりの大舞台で大事件な1巻目ですが,また舞台を変えてドタバタな法廷劇もぜひ見たいものです.