真に邪悪はなんだろう
荒廃した敗戦国での人間同士の策謀のバカバカしさをシリアスな展開で浮き彫りにしながら目まぐるしく変わる主人公の立場の複雑さに一喜一憂するのがとても楽しかったです.
周辺国を牽制しながら国内の驚異に以下に対応するかというミッションインポッシブル的な視点と,立場や視点が変わるだけでこんなにも美しく感じたり醜くなったりどうしようもなくなったりという人間模様がハッとさせられる軸が素晴らしい作品です.
女性陣のいざというときの気高さや男性陣の芯のある立ち振る舞いも魅力に感じました.
作品としてはまだまだ料理できる場所が多いと思うので主人公の行く末を見守っていきたいのと,残された者たちのそれぞれの末路に思いを馳せながら続刊を待ちたいと思います.