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感想 『やがて恋するヴィヴィ・レイン 3』 裏切りと恋の夜


裏切りと恋の夜

あらすじ・内容

ルカは皇位継承を巡る闘争へと巻き込まれ…。

ウルキオラ暴動から三年……。神聖リヴァノヴァ帝国においてルカはジェミニらと共に帝国最強の独立混成連隊として勇名を馳せていた。ルカの編み出した新戦術は三次に及ぶ「ドル・ドラム戦役」においてその威力を発揮し、帝国軍総司令官ヴラドレン皇太子はルカに作戦会議への参加を許可する。
だが皇帝の血を引くジェミニも皇太子を排除すべく暗躍を開始、ルカは皇位継承を巡る闘争へと巻き込まれる……。

「子どもだった。見た夢が幼すぎた。あの約束は世界を破壊してしまう」

「飛空士シリーズ以上!」との声も上がってきた、魅力的なキャラクター設定で圧倒的話題の一大軍事戦記。さらにさらに加速する恋と会戦の物語、第三巻。

戦術は兵力を凌駕するのが常ですね.快進撃が止まりません.

戦争で活躍することで中央に入り込めたルカとジェミニですがそこはとんでもなくクセの強いキャラクターたちがひしめく魑魅魍魎の巣です.

再開の約束,現場にいるキャラクターたちの想い,そして裏切り……大胆な構図と駆け引きが見事な演出になっていて大きな大局のうねりとしても素晴らしいです.

主人公のルカは優秀なのですが決定的に運命に翻弄される宿命にあるので周りがほっとかずこれからも激動の人生を歩みそうですね.

そして王女との約束.

次巻も時代の大きな転換点で少年少女たちがどんな波乱を巻き起こして相対するのか見届けたいと思います.


感想 『86―エイティシックス―』 自由の果ての自由


自由の果ての自由

あらすじ・内容

第23回電撃小説大賞《大賞》受賞作、堂々発進! 最終選考委員と、編集部一同をうならせたエンターテイメントノベルの真・決定版!

サンマグノリア共和国。そこは日々、隣国である「帝国」の無人兵器《レギオン》による侵略を受けていた。しかしその攻撃に対して、共和国側も同型兵器の開発に成功し、辛うじて犠牲を出すことなく、その脅威を退けていたのだった。 そう――表向きは。 本当は誰も死んでいないわけではなかった。共和国全85区画の外。《存在しない“第86区”》。そこでは「エイティシックス」の烙印を押された少年少女たちが日夜《有人の無人機として》戦い続けていた――。死地へ向かう若者たちを率いる少年・シンと、遥か後方から、特殊通信で彼らの指揮を執る“指揮管制官(ハンドラー)”となった少女・レーナ。二人の激しくも悲しい戦いと、別れの物語が始まる――!


安全な場所にいる差別の加害者と死と隣り合わせにいる被害者との交流を通して明かされる世界の謎,喪失と絶望,そして自由とは何かを考えさせる哲学的なテーマ……大変楽しめました.

人を人扱いしないことで精神的にもリソース的にも問題解決した内陸の人々がいかに堕落しているのをありありと描写することで行動的には相当束縛されている外の兵士たちの生き生きとした表情が際立つようになっています.

ヒロインと主人公の交流で様々な事実が明かされていくのですがそれが本当にわくわくする内容で毎回新鮮な驚きがありました.

どうしようもない状況の中なのでキャラクターたちは一様に重々しいものを背負っているのですがそれを吹き飛ばすような強い意志,生命力に溢れていて読んでいて気持ちよかったです.

差別する側とされる側……果たしてどちらが自由で高潔なのか……エピローグは必見です.

この一冊で完結してはいるものの続きも出るようなので大変楽しみにしています.


感想 『やがて恋するヴィヴィ・レイン 2』 恋の盛り上がりと二人の距離


恋の盛り上がりと二人の距離

あらすじ・内容

飛空士の犬村小六による超話題作、第2巻!

近衛連隊を追われたルカは放浪の末、リヴァノヴァ皇帝の侍女の子である旧友ジェミニとの再会を果たす。昔の借りを返すためジェミニの庇護下に入ったルカだが、ジェミニの思惑はルカの想像を遙かに超えて、ガルメンディア王国を揺るがす大事件が勃発する……。

「災厄の魔王」ルカと「褐色の皇帝」ジェミニ。
一千年にひとりと称される巨大な軍事的才能が、眩いばかりの才能と才能の相克を世界史に刻む。そして王女ファニアもまた、自らの意志により歴史の表舞台へ……。

「いつかこの国で革命を起こす。きみにもう一度、会うために」。

第1巻の発売直後から早くも話題沸騰の評判作品、加速する恋と会戦の物語、早くも第2巻が登場です!

どれだけひどい戦争や残虐さを描写しようともしっかり恋の気配を感じる今巻でした.素晴らしい.

機械兵と歩兵を組み合わせた独特の戦闘技術が発展しているので激しくもユニークな描写が生々しくも楽しくなっています.

戦略も独特なものと定番なものが出てくるのでハラハラドキドキして読めます.

そしてキャラクターが本当にいい……王女のファニアが本当にヒロイン力が高くて今回びっくりしました.

幸せになってほしい.というか幸せになってほしいキャラしかいないです笑

暗躍する大人たち,見え隠れする天上人達の影.

運命の出会いや再会を経て更に時代の奔流に飲み込まれていく主人公達から目が離せません.


感想 『やがて恋するヴィヴィ・レイン 1』 戦争に咲く恋の香り


戦争に咲く恋の香り

あらすじ・内容

飛空士シリーズの犬村小六、最新シリーズ!

「ヴィヴィ・レインを見つけて」

彼女の願いを叶えるため、スラム街の少年は旅に出る。限られた命を生きる人造の少女と、意志を持つ機械兵。滅びゆく王国の姫、性別不詳の天才操縦士、皇帝に捨てられた子ども……。
旅の途中、それぞれの傷を抱えた仲間たちと出会い、やがて少年は「災厄の魔王」と称され、楽園に支配された世界へ反逆の旗を翻す。
ヴィヴィ・レインを探す、ただそれだけだった小さな旅はいつしか時代のうねりとなり、世界を変革する戦いへ――。

傷だらけの少年少女が織りなす恋と会戦の物語、開幕。

大切な人との出逢いと別れ……そこから諦めずに少年が追い求めるものの先に何があるんでしょうか.

空から落ちてきた少女と少年が出会うところから繋がる運命の残酷さと人の縁と一生懸命にもがく意思がなんとも素晴らしい雰囲気を作っています.

世界観設定も見事.なんでこんな世の中なんだろう,誰が裏で糸引いてるんだろう,どうやって世界は回ってるんだろうと想像が止まりません……ジブリ的な楽しさがありますよね.

王女が本当にお気に入りで,こんないじらしくそれでいて凛とした姿勢を保つキャラもなかなかいませんよね.久々に萌えでした.

戦争は終わらず数々の展開を残しつつ,世界の謎とキャラクター達の心の持って行き方など気になる見どころが今後も多そうですが何と言っても最後の伏線ですよね.
すべてが楽しみです.


感想 『緑陽のクエスタ・リリカ 魂の彫塑』 正統派シティアドベンチャー


学園モノかと思いきや,正統派なシティアドベンチャーが始まりました.

あらすじ・内容

英雄になれなくても、誰かのための勇者になれる。

魔術の才能がからっきしな少年、ジゼル。《識者達の学院》を自主退学した彼が目指すのは、冒険者だった。手始めに冒険者の集う酒場へと赴いたジゼルだったが、とある事件に巻き込まれ依頼を受けることに……。

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一つ一つの繊細かつ正道な謎解きと,ファンタジーバトル,駆け引き.

またガジェットもシンプルながらもこだわりも感じるし,キャラクターもいきいきとして芯が通っているのが良かったです.

落ちこぼれなのに,考えることをやめない主人公のあがきが応援したくなるし,また抱えた過去と向きあうキャラクターたちが魅力的に感じました.a

まだまだ展開が進められそうな要素が多いので楽しみです.


感想 『獣娘小隊にやる気なし司令官が着任しました。』 昼行灯主人公×獣耳少女な戦記モノ


昼行灯主人公×獣耳少女な戦記モノ.

あらすじ・内容

砦は山奥。部下はケモミミな娘たち――最高の左遷先を守るため、怠け者は采配を振るう!

暇すぎて出世ができない最悪の左遷先『アリ地獄基地』。そこ こそが怠惰を愛する男・リオンにとって最高の勤務地だった! しかし意気揚々と着任するも獣人種の兵を束ねる人狼族の少女ルガルが彼のやる気のない態度に 猛反発。さらに獣人と人間が対立し、砦には不穏な空気が漂っていた。そんなある日、リオンがルガル達と外出している間に、砦が敵国によって占拠されてしま う! 嘆くルガルのためリオンが打ち出した秘策とは!? 獣娘ファンタジー軍記、開幕!

 

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非常にオーソドックスないい感じの琴線を攻めてきていて全くストレスのない展開.
クセはあるけど可愛いヒロインたち.
バランスが良くてサラッと読めました.

ただ不満を言うならもう少しヒロインたちにガンガンスポットを当ててくれたほうが好みですね.

これから過去などを素材にして展開していくのでしょうが,キャラクターの魅力を最大限楽しみたいと思います.