「感想」カテゴリーアーカイブ

感想 『東京侵域:クローズドエデン 2』 背中を預けた相棒から伝わる自分と同じ熱量


手探りで進む異界の廃墟で,背中を預けた相棒から伝わる自分と同じ熱量.

あらすじ・内容

希望と絶望のボーイミーツガール第2弾!

“臨界区域・東京”に戻ってきた蓮次たち。しかし、対立する救務庁の待ち伏せで叶方の命が危険に。更には“金色の糸”も出現する! 蓮次と叶方は“ハーメルン”を倒し、大切な人を取り戻せるか――!?

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バディモノのアツいところをここまでかとギュッと濃縮した素晴らしく満足度の高い作品でした.

パートナーがいることの心強さと二人で一つの目的へがむしゃらに,まっすぐ,脇目も振らずに突き進む力強さと哀愁が見事にマッチして,作品の魅力になってます.

2巻では次々と明らかになる新事実や,新たな敵,陰謀や苦悩など切り取られた側面が相互に化学反応してまたひとつの雰囲気を作っているのが印象的でした.

個人的には今回強敵として登場したあのキャラは大好きなのでまたガンガン登場させて欲しいですね.

ゼロからではなく,次は“イチ”からのやり直し.
未来へ繋ぐ彼らの挑戦からまだまだ目が話せません.


感想 『仮面魔女の解放戦記』 少女の一から始めるレジスタンス


絶望からの反撃.少女の一から始めるレジスタンス.

あらすじ・内容

反乱軍リーダーは、心優しきお姫様!? すえばしけん先生×マニャ子先生のコンビで贈 る、王道ファンタジーがGA文庫に登場!! 異世界に飛ばされてしまった魔術師・秋輔は、偶然、傭兵に殺されそうになっていたカティアを助ける。秋輔は彼 女を無事に逃がすために辺境の村へと送り届けるが……。

「力を貸してください、秋輔様!」 異世界から飛ばされてき た魔術師の少年、阿由葉秋輔は、帝国に追われるエテイル王国の姫カティアと出会う。カティアに請われた秋輔は、魔術で村に駐屯する軍勢を退けるが、帝国の 再侵攻と村の包囲という最悪の状況を招いてしまう。絶望するカティア。だが、秋輔はそんな彼女に真逆の提案をする! 「『村一つ護れればいい』では、村一 つも護れないんだよ。帝国そのものを消滅させなきゃね」 秋輔はカティアに常識を覆す意外な策を授け、共に戦うことを約束する。 「秋輔様が支えてくれる なら……、本物の護り手になれるかもしれない」 異世界から来た最恐魔術師と弱小解放軍の進撃譚、ここに開幕!!

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異世界召喚モノでありながら元世界とのバランスを見事に取りつつ魅力を増すことに成功しています.
とにかく素晴らしい.

魔術などのファンタジー設定もシンプルでわかりやすく,またキャラクター達の信念とか人間味が渾然一体となって全体の盛り上げに寄与しています.

ヒロインも可愛いのですがやはりこの主人公の魅力ですよね.
冷酷さとあたたかさと,背負った確かな重さがよく伝わります.

いよいよ本格的に物語が発展するいいところで終わっているのでぜひ末永い作品に育って欲しいです.


感想 『異世界料理道 4』 大前提の“美味しそう”が詰まってる


まず今回も,グルメモノにおいて大前提の“美味しそう”が詰まっていて素晴らしい.

あらすじ・内容

ルティムの婚儀の宴も終了し、自身の森辺の民としての在り方 を見つめなおすアスタ。そんな彼の前に、またもや風体の怪しい男・カミュア=ヨシュが姿を現す。町では忌避されているギバ肉を食べてみたいというカミュア にギバ料理を振る舞ったアスタだが、料理を食べて感動したカミュアに町でギバ料理の屋台を出さないかという、驚くべき提案を受けるのだった。

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舞台はすっかり森辺から宿場町に移り,今度は屋台料理……というよりファーストフードが中心の展開へ.

しかしながら芯は変わらず肉料理,そしてそれをキーにして街と森との間の確執がしっかり浮き彫りになっています.

味覚と同じで人間性も主義主張も千差万別な人々の中で,料理の持つ素晴らしさ,その暴力的なまでの説得力が心地良いですね.

ビジネスがいよいよ本格化してきたので事態が急展開を迎えそうです.

かっこよく可愛いヒロイン達の動向も気になりますね.


感想 『二線級ラブストーリー』 強烈トライアングルラブコメ


半端ないテンションで描かれる強烈トライアングルラブコメ.

あらすじ・内容

高校二年生の松尾家之助は、親友で生徒会長の完璧超人一ノ瀬 秋、憧れのクラスメイトで書記の月本紗姫とともに生徒会に所属し、平凡ながらも楽しい高校生活を送っていた。そして家之助は紗姫への想いを自覚する。だ が、どうやら紗姫は秋のことが好きな様子。どうすべきか悩む家之助だったが、そんなさなかに秋のとんでもない秘密を知ってしまう! その結果、家之助の、 紗姫のそして秋の想いは複雑に絡み合って――?

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まず変態とかそういうの通り越して哲学的ですらありますね.

青春は本気でやるからこそ面白い.

手加減なんて出来ない彼らが切った張った惚れた突っぱねたをやっているさまはかなり爽快です.

好きって伝えることの大切さや,伝えるだけじゃない,愛されるための責任……いろいろなことが詰まった作品だなと感じました.

彼と彼女たちの恋路がこの先どんなぶっ飛びを魅せるのが気になりますが,妹さんの苦労が知れますね笑


感想 『クロニクル・レギオン 3』 このシチュエーション、燃えるしかない


正面衝突で大激戦なこのシチュエーション.燃えるしかない.

あらすじ・内容

皇国の若き志士たち、ついに歴史の表舞台に立つ! 獅子心王 リチャード一世の襲撃から辛くも駿河を守り切った征継(まさつぐ)たち。だが息つく暇もなく、大英帝国軍が東海道地方の州都・名古屋を陥落させてしまう!  壊滅状態の東海道州を立て直すため、東海道総督の座を立夏(りっか)が継承し、駿河を臨時州都とした新東海道将家が成立。さらに皇女志緒理(しおり)は 歴史の表舞台に立つため、東方ローマ帝国の大元帥カエサルをも巻き込んだ大胆な賭けに出る! ついに軍の中心に躍り出た志緒理。腹心の将として、新東海道 軍特務騎士団「新撰組」の副長に就任した征継。そしてローマが呼び寄せた謎めいた新たな復活者(リザレクト)……。 大英帝国軍指揮官・黒王子(ブラック プリンス)エドワードが本陣を構える箱根にて、ついに両陣営が全面衝突する!

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またラブコメ路線もしっかりとそれも着々と進展していてドキドキの展開に.
特に印象的だったのが今回本格的に恋のバトルに参戦してきた立夏さんで,出遅れた自覚もありながら積極性を見せてグッと魅力が上がった気がします.

三大ヒロインのスポットライトの浴び方も素晴らしかったのですが,男連中の策略と暴力のぶつかり合いもとにかくド派手で面白かったです.

軍略のぶつかり合いと巨大兵士たちの派手なバトルが更に磨きかかって作品全体が華やいでいる印象ですね.

また作品最大の謎である主人公の招待もかなりヒントが出された印象.

盛り上がっています.


感想 『ゲーマーズ!』 こじれにこじらせてそのまま爆走


このテンプレ展開を踏襲しつつも,こじれにこじらせてそのまま爆走する流れが心地良いです.

あらすじ・内容

ゲーム好きなぼっち少年と、ゲーマーたちの錯綜青春ラブコメ!!

ゲーム好きでぼっちな高校生、雨野景太。そんな彼が、「……私に付き合って、ゲーム部に、入ってみない?」美少女、天道花憐に声をかけられ――。ゲーム部の日常が始まると思いきや!? 勘違い錯綜青春ラブコメ!!

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ゲーマーたちは自らの矜持と信念があってそれが青春時代特有の甘酸っぱさで化学反応起こしている感じですね.

一つ一つの個性が面白いくらいに暴走してて見ていて飽きない作りになってます.

しかし彼らの青春時代はまだまだこれからといったところ.

これだけぐるぐるになってるので,何が起こるかわからないところを楽しみたいと思います.


感想 『俺が魔族軍で出世して、魔王の(娘の)心を射止める話 4』


綺麗に終わった前巻から一転,怒涛の新展開のあった巻になりました.

あらすじ・内容

「マヤを、陛下と呼ぶな!」「魔王の娘」から「魔王」へ!で も、マヤ様の乙女心は変わらない!?苦労多きナオヤは新たな戦いへ!シリーズ累計4万部突破の人気「成り上がりファンタジー」新章突入!【あらすじ】日本 から異世界に戻ったナオヤは戦士将に復帰する。マヤも正式に魔王陛下に就任し、新たな治世が築かれようとしていた。そんな平和が訪れたと思ったのも束の 間、ルクレシオン帝国軍が侵攻を開始。ナオヤは彼らを迎え撃つべく、新たな部隊を再編するが、そこは一癖も二癖もある奴らばかりで、すんなりとはいかな い。魔王として帝都に残るべきマヤまで遠征に同行すると言い出す始末。同時に、裏では新たな勢力が動き始めたばかりか、そのうちの一人はどうやらナオヤと 同じような立場のようで……。成り上がっても、まだまだ道半ば。苦労多きナオヤの未来は!?成り上がりファンタジー新章突入!書き下ろし「番外編」収録!

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異世界召喚モノでありながら,他にも複数の世界存在していることは示唆されていましたが,それをメインのお話に盛り込んできたといった感じでしょうか.

気になった点として,新キャラ達はいきいきとしているのですが,以前からいるキャラについてはその分少し薄くなってしまったなという印象です.

相変わらず等身大さを維持している主人公に好感が持てますが,その分周りとの関係性のギャップあるやり取りを楽しむのがこの作品のツボだと思いました.


感想 『Re:ゼロから始める異世界生活 7』 絶望の数だけ強くなる


大討伐活劇と化したこの巻.
前数巻からのストレス展開助走からの大ジャンプで読んでて躍動感すら感じました.

あらすじ・内容

大人気WEB小説、激闘と活劇の第七幕

度重なる死に一度は心を折られ、しかしレムの言葉に再起を誓ったナツキ・スバル。『死に戻り』した記憶を活かし、スバルは王選候補者であるクルシュやアナスタシアを巻き込み、魔獣『白鯨』の討伐に打って出る。

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主人公の過去……というよりループ前の記憶がキーとなる展開が続きますが,当然“過去”というものは等しく誰にでもあるものであることを真摯に感じる展開でしたね.

初登場と比べて最高にアツいおっさんキャラになったヴィルヘルムさんを筆頭に,各キャラの魅力がそれぞれインフレして素晴らしい開放感が醸し出されています.

まだまだ本題が残っていますが,手札は十分,こっからまた大いなるあがきを魅せてくれそうなことを期待しています.

絶望を,くぐった分だけ,強くなる.
想いも意思も……運命さえ乗り越えてほしいです.


感想 『七星のスバル』 ノスタルジー漂う青春オンラインゲームアクション


ノスタルジー漂う青春オンラインゲームアクション.

あらすじ・内容

また、皆に会いたいよ。 かつて、世界的人気のMMORPG 《ユニオン》において、伝説となったパーティがあった。名を、スバル。小学生の幼なじみたちで結成されたそのパーティは、〈センス〉システムを中核に置く 《ユニオン》において比類なき才能を発揮、瞬く間に勇名を馳せた。ところが、プレイヤーがゲーム中に息を引き取る事故が発生。この人死事件をきっかけに、 《ユニオン》はサービスを終了してしまう。 ……時は流れ、6年後。かつてスバルの中心として活躍した天羽陽翔(あもう・はると)は、ダメダメな高校生に なっていた。性格はひねて、友達はおらず、何事にもやる気がない。だが、クラスメイトに巻き込まれる形でログインした新生《リユニオン》のなかで、陽翔は 信じがたい“再会”を果たす。スバルの仲間であり、リアルの幼なじみだった少女、空閑旭姫(くが・あさひ)――6年前、ゲーム中に死んだはずの彼女が、そ こにいた。「きっと夏の病だ。それかシステムエラー。むしろバグ!」「あははっ。もう陽翔ってばどうしたの。顰めっ面なんて似合わないよ?」――伝説は再 び動き出す。革新的青春バトルオンライン!

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他のMMORPGとは違って明確に“過去”を意識した構成になっているのが特徴でしょうか.

悲劇によって切り裂かれた幼なじみたちが,時間を経てかつての関係と決別して,新しい関係を築き上げる物語です.

そして幼なじみの“存在の謎”がひとつのキーになって世界観の掘り下げをしている点が良いですね.

ただメインキャラ以外の脇キャラ達の行動原理が割と謎で何度も頭に疑問符が出ました.

ヒロインに対してゲームなのに奴隷になれとか俺のものになれみたいなやつがわんさか出てくるんですが,ゲームなのになぜそんなことができると思ってしまうんだろう?
やだって言われたらそこで終わりじゃないのでしょうか……?
リアル割れでもしてるのでしょうか.

謎です.


感想 『軍オタが魔法世界に転生したら、現代兵器で軍隊ハーレムを作っちゃいました!? 4』


キャラもツールもガンガンインフレする現代兵器異世界アクション第四弾.

あらすじ・内容

救いを求める王女の手を取り、ハイエルフ王国壊滅の予言を覆せ!

「勇者様! どうか祖国をお救いください!」そう言ってリュートの前に現れたのは、ハイエルフ王国の王女リースとメイドのシア。国を救うという大規模な戦闘の予感に、リュートは新たな“現代兵器”投入を決意する!

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ゲスキャラがちょくちょく出てきてくれてやられてくれるので程度なバランスのストレスで相変わらずさくさく読めてしまうのが良いですね.
テンポも個人的にはちょうど良かったです.

ただやはり全く軍オタ知識がない状態で読んでいるのでどんどん濃くなる描写に戸惑い気味でした.

いろいろな伏線も散りばめられてまだまだこれから盛り上がるといった感じなので,置いてかれないように頑張ろうと思います.