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感想 『近すぎる彼らの、十七歳の遠い関係』 同居から始まる淡い青春


同居から始まる淡い青春

あらすじ・内容

多感に揺らめく十七歳を映し出す、恋愛ストーリー登場。

母と二人で暮らす家で、遠い親戚の女子、和泉里奈と同居する ことになった坂本健一。里奈の控えめな性格や気遣い、女子校育ちの無防備さは、他人との距離に悩む健一に、初めて思春期の性を意識させる。同じ十七歳の女 子と一つ屋根の下で生活していることを友人達にも隠そうとしていた健一だが、幼い頃からの腐れ縁、森由梨子に知られてしまい、彼女との距離感にも微かな変 化がもたらされることに――。多感に揺らめく十七歳を映し出す、恋愛ストーリー。

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親戚だけど遠い親戚で,同居だけど遠い距離感.

なんていうか始終不思議な雰囲気であとがきで作者が言っているように“描写を読む”作品だと感じました.

ダブルヒロインなんですか幼馴染がイイ!
この強気なんだけど距離感つかめなくて暴走しちゃう感じが最高ですね.

淡いしかし梅雨特有のしっとりとした描写なんですか,どこか透明感を残したような読み応えでほんとに雰囲気作りが素晴らしい作品です.

キャラクターたちもいきいきとしているので彼らの青春がどんな着地を見せるのか今から楽しみですね.


感想 『超飽和セカンドブレイヴズ』 超飽和する勇気と常識


超飽和する勇気と常識

あらすじ・内容

罪を背負った勇者失格の少年が、それでも真の勇者を目指すブレイヴパンク・ファンタジー!

始祖勇者と魔王の戦いから幾星霜。いまや、全人類に「勇者因 子」が行き渡り、人々が洩れなく勇者化して、職業的勇者──「セイヴズ」と呼ばれる「プロ」たちが世に溢れ返る、そんな勇者飽和時代。 にも拘わらず、自 らを「勇者因子を持たない例外」と嘯く少年、草壁ジョウは、ある夏の日、重い決意を胸に大都市スプリーヴィルの土を踏む。「セイヴズの聖地」と謳われるこ の街で、今度こそ「プロ勇者になる」という幼き日の夢に、諦めの踏ん切りをつけるために……。 しかし、そんなジョウの前に現れたのは、弱冠十四歳にして 現役のプロ勇者〈プリマステラ〉。「世界勇者協会」からジョウの世話役に任じられたという彼女は、なぜか事あるごとジョウを「お兄ちゃん」呼ばわりするワ ケありのチョロインで!? マギテク万能が隆盛を極め、有象も無象も勇者化した近未来的異世界で、互いに迷いを抱えた少年と少女は、それでも真の勇者を目 指す! 挫折と栄光のブレイヴパンク・ファンタジー!

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始終パンクな物語の運びで一本芯が通った展開という印象です.

主人公がいい感じにアツい感じで,ヒロインが綺麗にクールにアシストできる感じのバランスがいい塩梅です.

敵も一筋縄ではいかないというか,しっかり物事を考えて自分たちなりの正義をかざしてくるあたりもぶつかり合いをここまでかというくらい演出していますし,見事な飽和状態な雰囲気を作り出しています.

次はまさかの学園編ということでまたもやいろいろと面白いことが起こりそうで楽しみなんですが,主人公がバカっぽく見えるところも多々あるので成長に期待しています!


感想 『明日、今日の君に逢えなくても』 淡いようで力強い。芯があるようで掴みどころがない。


淡いようで力強い.芯があるようで掴みどころがない.そんな作品でした.

あらすじ・内容

1/3のキス 夢から醒めてしまうなら、せめて幸福な結末を。

俺のたったひとりの妹は三人いる。女の子らしく可愛らしい藍里。明るく活発で走ることが大好きな茜。ロックを愛好し、確かな自分の世界を持つ蘭香。これは一つの身体を持つ三人の妹との日々、その最後の記憶の物語。

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四人(一人?)の少女とその周りが織りなすハートフル青春群像劇と言った感じです.

泣くまで行かないけどかすかに淡雪のような感覚を心に残す,不思議な作品です.

幸せについて考えたかったり,人に優しくなりたい方などに普通におすすめです.


感想 『おまえをオタクにしてやるから、俺をリア充にしてくれ! 13 大学生編』


テンポが良すぎる大学生リア充ラブコメディは今日も元気でした.

あらすじ・内容

学園祭で長谷川と柏田が急接近……!?

学祭で某S●S団的な映像を作ることになった俺は、脚本担当になった長谷川と二人一緒に過ごすことが多くなっていた。恋ヶ崎も応援してくれて、完成を楽しみにしていたのに、なんでこんな誤解が……?

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かわいい女の子たちがもちろん魅力なのですが,なんと言ってもこの恐ろしいまでのテンポと読みやすさです.

前回の方が全然修羅場でしたが,今回は今回でリア充満喫の影に見え隠れする切ない恋心がキュートです.

一周回って役者が出揃ったラブコメですが,この先どんな風雲急を告げるのか.

今から楽しみです.


感想 『東京侵域:クローズドエデン 2』 背中を預けた相棒から伝わる自分と同じ熱量


手探りで進む異界の廃墟で,背中を預けた相棒から伝わる自分と同じ熱量.

あらすじ・内容

希望と絶望のボーイミーツガール第2弾!

“臨界区域・東京”に戻ってきた蓮次たち。しかし、対立する救務庁の待ち伏せで叶方の命が危険に。更には“金色の糸”も出現する! 蓮次と叶方は“ハーメルン”を倒し、大切な人を取り戻せるか――!?

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バディモノのアツいところをここまでかとギュッと濃縮した素晴らしく満足度の高い作品でした.

パートナーがいることの心強さと二人で一つの目的へがむしゃらに,まっすぐ,脇目も振らずに突き進む力強さと哀愁が見事にマッチして,作品の魅力になってます.

2巻では次々と明らかになる新事実や,新たな敵,陰謀や苦悩など切り取られた側面が相互に化学反応してまたひとつの雰囲気を作っているのが印象的でした.

個人的には今回強敵として登場したあのキャラは大好きなのでまたガンガン登場させて欲しいですね.

ゼロからではなく,次は“イチ”からのやり直し.
未来へ繋ぐ彼らの挑戦からまだまだ目が話せません.