「ライトノベル」カテゴリーアーカイブ

感想 『俺が魔族軍で出世して、魔王の(娘の)心を射止める話 4』


綺麗に終わった前巻から一転,怒涛の新展開のあった巻になりました.

あらすじ・内容

「マヤを、陛下と呼ぶな!」「魔王の娘」から「魔王」へ!で も、マヤ様の乙女心は変わらない!?苦労多きナオヤは新たな戦いへ!シリーズ累計4万部突破の人気「成り上がりファンタジー」新章突入!【あらすじ】日本 から異世界に戻ったナオヤは戦士将に復帰する。マヤも正式に魔王陛下に就任し、新たな治世が築かれようとしていた。そんな平和が訪れたと思ったのも束の 間、ルクレシオン帝国軍が侵攻を開始。ナオヤは彼らを迎え撃つべく、新たな部隊を再編するが、そこは一癖も二癖もある奴らばかりで、すんなりとはいかな い。魔王として帝都に残るべきマヤまで遠征に同行すると言い出す始末。同時に、裏では新たな勢力が動き始めたばかりか、そのうちの一人はどうやらナオヤと 同じような立場のようで……。成り上がっても、まだまだ道半ば。苦労多きナオヤの未来は!?成り上がりファンタジー新章突入!書き下ろし「番外編」収録!

image

異世界召喚モノでありながら,他にも複数の世界存在していることは示唆されていましたが,それをメインのお話に盛り込んできたといった感じでしょうか.

気になった点として,新キャラ達はいきいきとしているのですが,以前からいるキャラについてはその分少し薄くなってしまったなという印象です.

相変わらず等身大さを維持している主人公に好感が持てますが,その分周りとの関係性のギャップあるやり取りを楽しむのがこの作品のツボだと思いました.


感想 『Re:ゼロから始める異世界生活 7』 絶望の数だけ強くなる


大討伐活劇と化したこの巻.
前数巻からのストレス展開助走からの大ジャンプで読んでて躍動感すら感じました.

あらすじ・内容

大人気WEB小説、激闘と活劇の第七幕

度重なる死に一度は心を折られ、しかしレムの言葉に再起を誓ったナツキ・スバル。『死に戻り』した記憶を活かし、スバルは王選候補者であるクルシュやアナスタシアを巻き込み、魔獣『白鯨』の討伐に打って出る。

image

主人公の過去……というよりループ前の記憶がキーとなる展開が続きますが,当然“過去”というものは等しく誰にでもあるものであることを真摯に感じる展開でしたね.

初登場と比べて最高にアツいおっさんキャラになったヴィルヘルムさんを筆頭に,各キャラの魅力がそれぞれインフレして素晴らしい開放感が醸し出されています.

まだまだ本題が残っていますが,手札は十分,こっからまた大いなるあがきを魅せてくれそうなことを期待しています.

絶望を,くぐった分だけ,強くなる.
想いも意思も……運命さえ乗り越えてほしいです.


感想 『七星のスバル』 ノスタルジー漂う青春オンラインゲームアクション


ノスタルジー漂う青春オンラインゲームアクション.

あらすじ・内容

また、皆に会いたいよ。 かつて、世界的人気のMMORPG 《ユニオン》において、伝説となったパーティがあった。名を、スバル。小学生の幼なじみたちで結成されたそのパーティは、〈センス〉システムを中核に置く 《ユニオン》において比類なき才能を発揮、瞬く間に勇名を馳せた。ところが、プレイヤーがゲーム中に息を引き取る事故が発生。この人死事件をきっかけに、 《ユニオン》はサービスを終了してしまう。 ……時は流れ、6年後。かつてスバルの中心として活躍した天羽陽翔(あもう・はると)は、ダメダメな高校生に なっていた。性格はひねて、友達はおらず、何事にもやる気がない。だが、クラスメイトに巻き込まれる形でログインした新生《リユニオン》のなかで、陽翔は 信じがたい“再会”を果たす。スバルの仲間であり、リアルの幼なじみだった少女、空閑旭姫(くが・あさひ)――6年前、ゲーム中に死んだはずの彼女が、そ こにいた。「きっと夏の病だ。それかシステムエラー。むしろバグ!」「あははっ。もう陽翔ってばどうしたの。顰めっ面なんて似合わないよ?」――伝説は再 び動き出す。革新的青春バトルオンライン!

image

他のMMORPGとは違って明確に“過去”を意識した構成になっているのが特徴でしょうか.

悲劇によって切り裂かれた幼なじみたちが,時間を経てかつての関係と決別して,新しい関係を築き上げる物語です.

そして幼なじみの“存在の謎”がひとつのキーになって世界観の掘り下げをしている点が良いですね.

ただメインキャラ以外の脇キャラ達の行動原理が割と謎で何度も頭に疑問符が出ました.

ヒロインに対してゲームなのに奴隷になれとか俺のものになれみたいなやつがわんさか出てくるんですが,ゲームなのになぜそんなことができると思ってしまうんだろう?
やだって言われたらそこで終わりじゃないのでしょうか……?
リアル割れでもしてるのでしょうか.

謎です.


感想 『軍オタが魔法世界に転生したら、現代兵器で軍隊ハーレムを作っちゃいました!? 4』


キャラもツールもガンガンインフレする現代兵器異世界アクション第四弾.

あらすじ・内容

救いを求める王女の手を取り、ハイエルフ王国壊滅の予言を覆せ!

「勇者様! どうか祖国をお救いください!」そう言ってリュートの前に現れたのは、ハイエルフ王国の王女リースとメイドのシア。国を救うという大規模な戦闘の予感に、リュートは新たな“現代兵器”投入を決意する!

image

ゲスキャラがちょくちょく出てきてくれてやられてくれるので程度なバランスのストレスで相変わらずさくさく読めてしまうのが良いですね.
テンポも個人的にはちょうど良かったです.

ただやはり全く軍オタ知識がない状態で読んでいるのでどんどん濃くなる描写に戸惑い気味でした.

いろいろな伏線も散りばめられてまだまだこれから盛り上がるといった感じなので,置いてかれないように頑張ろうと思います.


感想 『異世界ラ皇の探求者 01』 ラーメンマシマシラブコメディ


ラーメンマシマシラブコメディのゴロの良さがいいですね.

あらすじ・内容

第6回GA文庫大賞奨励賞受賞の、異世界ラーメンマシマシラブコメディ!

「ひゃう!? 兄上様、こ、これは」 メイがまるで死刑の宣告を受けた罪人のように震え、ドンブリを前に泣き出しそうな瞳でチャーを見た。「大丈夫だ。のびるから早く食え」 「本当に大丈夫なのでしょうか……」 現世でラーメン屋を26店開店し、そのすべてを半年以内に潰してきた主人公・チャー。そんな彼が記憶を残したままで生まれ変わったのは、なんとファンタジーの世界だった!? ライバル不在のこの世界で、一番美味と聞いたドラゴンの肉のチャーシューを作り、ラーメン道を極めようとするチャーの野望は叶うのか!? 第6回GA文庫大賞奨励賞受賞のラーメンよりヒロイン推しな異世界ラーメンマシマシラブコメディ!

image

異世界グルメモノの中でも話が割と斜めに走っているのが印象的でした.

特にグルメ路線のシチュで別に特に食べたい気にもならないのが特徴でしょうか.

その分キャラクターのコミカルなやり取りとバトルが濃い目でした.

個人的には求めていたものとは少しズレていたのですが,まさにラーメンの好みと同じでこういう塩梅のバランスが合う人には波長が良い感じになるのではないでしょうか.


感想 『放浪勇者は金貨と踊る 2』 すっきり爽快の騙し合いファンタジー


サクッと読めてすっきり爽快の騙し合いファンタジー第二弾.

あらすじ・内容

詐欺師を騙す元勇者の、次なる敵は――元仲間!?

魔王を打倒して平和になった世界では、詐欺師がはびこっていた。悪辣な詐欺師を騙し返し、金を取り戻してやる冒険者ヨルは、なんと実は元勇者で……そして、ヨルは元仲間であるシャノワールと再び対峙することに!?

image

今回も契約書ないし契約自体の穴をついての騙し合いや,ちょっとしたバトル,過去の因縁などこの作品らしさご詰まった1巻でした.

勇者が守るべきものについて驚くべき泥臭さで描いているのがミソですよね.

しかしこんなに面白いのに今回で終わりですか……
非常に残念です.

勇者様とお人好しな面々は今日も何処かで,がめつい商人と騙し騙されの攻防をしているのでしょうと想像しつつ,この作品へ思いを馳せたいと思います.


感想 『筺底のエルピス』 設定と信念が化学反応


設定に無駄が全くなく,それが確かな重厚感となって噛み締められる作品でした.

あらすじ・内容

人類の存亡をかけた影なる戦い。殺戮因果連鎖憑依体――古来より『鬼』や『悪魔』と呼ばれてきたその存在は、感染する殺意であり、次元の裏側から送り込まれた人類絶滅のプログラム。日本の暗部である《門部》は、不可視の存在を網膜に投影する改造眼球『天眼』と、時を止める超常の柩『停時フィールド』を武器とし、そのプログラムを追い立て、狩り、そして葬り続けてきた鬼狩りの組織だ。時は現代。百刈圭(ももかり・けい)と、乾叶(いぬい・かなえ)――心に傷を抱えて戦う二人が遭遇したのは、歴史上、たった六体しか確認されていない《白鬼》だった。叶の親友に憑依したその鬼を巡って組織が揺れる中、黒ずくめの刺客《ゲオルギウス会》が動き始める。それは日本を守護する《門部》と同じように、ヨーロッパで連綿と戦い続けてきたもうひとつの鬼狩りの組織――バチカンの狩人たちだった。《白鬼》とは何か。二つの組織の衝突はいかなる戦いを引き起こすのか。そして、滅亡を防ぐ希望はあるのか。人類の存亡をかけて戦う、影なる戦士たちの一大叙事詩が、いま語られる。気鋭・オキシタケヒコが描く異能バトルアクションシリーズ。イラストは各方面で活躍中のtoi8が担当。※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。

image

特に門部という組織の設定がしっかりしていて,和風なのにSFなガジェット,同様な他の組織とのモチーフの比較などとにかく凝ってる印象です.

能力も性質はシンプルなんだけど,そのいろいろなパラメーターで魅せてくれそうな感じです.

異能バトルでありながらSFの空気をまとっていて,更にはキャラクターたちのいきいきとした信念が化学反応していました.

素直に面白かったです.


感想 『武に身を捧げて百と余年。エルフでやり直す武者修行 5』


1巻からの待望の親子シーンでした.感動です.

あらすじ・内容

最高潮の武術大会! 父と娘――実現する師弟対決の結末は!?

順調に大会を勝ち進み、ついに激突するスラヴァとアルマ! エルフの英雄であり、かつての弟子でもある彼女の成長にスラヴァは心躍らせる。一方、大会の裏では「昏い色の結晶」を利用した企みが暗躍しており……!?

image

前巻からの引き続きでのこの巻.
濃密な戦闘描写もさることながら,スピード感の表現も素晴らしいものがありますね.

キャラクターが崩壊しているのが約一名いますが,気にしないことにします.

特に良かったのがライバルとの再戦の話.
バトルモノで同じ相手との戦闘はどうしても難しくなりがちですが,息遣いすら聞こえてきそうなテンポの良い筆致で大興奮です!というよりお腹いっぱいです.

山場をひとつ超え,また色々な謎と伏線を残しているので,このドップリな空気を残しつつ,主人公の目指す最強の二文字をこれからも追いかけたいですね.


感想 『我がヒーローのための絶対悪』盛り上がり,深まり,加速する


硬派も硬派なヒーローモノ.

あらすじ・内容

正義と悪に彩られた青春ヒーローピカレスク。日本のどこかにある地方都市、月杜市。どこにでもある規模のその街には1つだけ、他の街とは違っているところがある。それは1人のヒーローが街を守っているというところだ。普段は女子高生として生活している少女・澪。彼女は悪の組織『禍嶽社リヴァイアサン』の怪人が街の平和を乱すとき、ヒーローに変身し日夜戦うのであった。そんな澪のヒーロー活動を見守る幼馴染の少年・武尊。なんの取り柄もない平凡な高校生である彼だが、武尊にはある秘密があった――それは、彼こそが禍嶽社リヴァイアサンの総帥・ヘルヴェノム卿なのである。武尊の目的。それはガイムーンとして生きる宿命を背負わされ、悪と戦わないと生きられない澪のために、宿敵として立ちはだかり続けることだった。悪の首領とヒーローの関係は2人をどんな運命へと導くのか。最愛の者を守るため、最愛の者と戦い続ける、正義と悪に彩られた青春ヒーローピカレスクロマンここに誕生!イラストを担当するのは、「艦隊これくしょん -艦これ-」の敵艦デザインや「レーシングミク 2014 ver.」公式イラストを手がける実力派イラストレーター、おぐち

image

半端を許さない描写の数々とそのキャラクターたちのいきいきとした精神性を見事になぞった物語が演出していて調和です調和!

彼女のために絶対悪という概念を覗いた少年と,ド級ヘビーな過去を背負って邁進する等身大さを残すヒーローの少女.

盛り上がり,深まり,加速する関係性が見どころですよねー.
興奮しました.

怪人たちや陰謀渦巻くバックボーンなどまだまだ見どころをたくさん残しているのでどんどん追い駆けたいと,素直に感じる一冊でした.


感想 『スカイ・ワールド11』 ハーレムヘイト管理MMORPGの金字塔


ハーレムヘイト管理MMORPGの金字塔,堂々完結ですね.

あらすじ・内容

共闘の末、開かれた第一軌道への扉!

第一軌道島アイオーンにたどり着いたジュンたちは、サクヤのために残された希望をついに掴んだ! 願いが叶うと歓喜するメンバーにアイオーンの主・コノハは告げる――「サクヤという冒険者は、このままでいい」と。

 

image

この作品は自分も思い入れがあって,MMOにおける楽しさだったりキャラクターの魅力だったりクエストのモチーフの旨さだったりを再発見するきっかけだったので寂しいですが全体通してかなり満足な作品でした.

オチや世界の真相は結構意外だったのですが,まぁこういう因果も納得できなくもないと腑に落ちました.

バトルも一杯でこってりでもあったのですが,リアルな世界が薄い描写なのに思ったよりもしっかり影響濃く描かれているのが印象的でしたね.

ベテラン作家の安定したエンディングと言ったところでしょうか.お疲れ様でした.