「ライトノベル」カテゴリーアーカイブ

感想 『龍と狐のジャイアント・キリング 1』 劣勢からの一点攻勢


劣勢からの一点攻勢

あらすじ・内容

日ノ本共和国は今、強大な軍事力を有する大帝国の侵攻を受け、滅亡の危機を迎えていた。帝国が誇る最新鋭の巨大鋼鉄機兵を前に、もはや反撃は不可能と思われる中、共和国軍に所属する少年・七舎龍一郎(ななやりゅういちろう)は単独で国内を巡り、帝国打倒の為の切り札を集めることに成功する。その切り札とは、神霊種と呼ばれる旧く尊きモノたちだった! 炎を操る狐の一族の姫・狐貂(こてん)を筆頭に、各々が一騎当千の実力を備える神霊種たち。龍一郎が指揮する彼らの介入で圧倒的劣勢から一転、共和国は勝利への道を進み始める!!

平和な国が突如戦火に見舞われる,圧倒的戦力差を覆すチームもののけの英雄譚といったところですね.

狐っ娘の元気一杯なところや怪しい美女雪女,脳筋おっさん,無自覚根暗巨乳と個性的なキャラクターが目白押しでみていて飽きなかったです.

愛する国を守るためにどんな手を使ってでも奮起して最低な劣勢を覆す流れが最高でした.

一つ一つ丁寧さを重ねた展開と確かな熱さを随所に入れてくれる気配りも印象的.

次の戦いが彼らに待っているのでしょうからどんな展開を目指して突き進むのかが楽しみですね.


感想 『モンスター娘のお医者さん』 モン娘のいる診療所


モン娘のいる診療所

あらすじ・内容

いろんな“モン娘”大集合! 医師グレンは魔族と人間が共存する街「リンド・ヴルム」で助手であるラミア族のサーフェとともに診療所を営んでいる。 モンスター娘たちから連日さまざまな診察依頼が舞いこみ、その評判は上々だ。 あるときは闘技場のケンタウロスの不調を見抜いて求婚されたり、またあるときはマーメイドのエラに手を突っ込んで触診したり、フレッシュゴーレムの体のキワドイ部分を縫合したり…。グレンとしてはただただ真剣に治療にあたっているだけである。 そんな日常の中に、突如としてハーピーの卵を狙う賊が現れて…? モンスター娘をこの上なく愛する小説家と絵師が満を持して放つ“モン娘”診察奮闘記!!

フェチの極みをついたかゆいところに手が届く設定と描写が好奇心をくすぐってきます.

人間でありながらモンスターに深い造形を持ち,その豊富な知識と技術でモンスターを治療する主人公グレン.

しかし毎回毎回モンスター娘とくんずほぐれつしながらイチャイチャと言うなの真剣な治療をしているのでもう辛抱たまらないですね.

助手のラミア女子も普段クールなのに暴走系で可愛くていいですね.

どんどん追加されるモンスター娘にも目が話せませんが,人とモンスターの文化の摩擦や考え方の違いなど細かいところがどんどん発展していくのに期待です.


感想 『弱キャラ友崎くん Lv.3』 カラフルに映る風景


カラフルに映る風景

あらすじ・内容

こんなの弱キャラの夏じゃねえ!

怒濤の一学期が終わり、夏休み。
薄々特訓漬けになる気はしていたが、日南葵というリア充モンスターは俺の予想のはるか先をいっていた。

「まあ簡単に説明するとね、優鈴と中村をくっつけようって合宿なのよ」

BBQからの川遊びからの男女お泊まり。まあ、リア充を絵に描いたようなイベントだなと思う。問題はただひとつ。そこに俺も参加するということである。なにこの圧倒的違和感。
男同士のトークも頑張れって日南の意図は分かるけど、中村となに話したらいいんだよ……。さらに、日南のスパルタは止まらない。

「この夏の目標は、『菊池さんと付き合うこと』ってところね」

いやいやいや、それもうほとんど最終目標だろ! 俺の夏休み、どうなっちゃうの!?
バイト、合宿、デート……弱キャラにあるまじき、充実した夏が始まる!!

『このライトノベルがすごい!2017』で新作部門3位にランクインした超話題作、待望の続刊!! 弱キャラが挑む人生攻略論第3弾!

超実用的青春バイブル第3巻

デートにバイトに合宿に花火大会と半端なく押し寄せるリア充の波にタジタジになる僕らが弱キャラ代表の友崎くんの命運やいかに.

とんでもなく納得感あるやり取りとともに繰り出される“リア充の理屈”が読者に圧倒的説得力を与えています.

キャラクターが抱えているそれぞれの想い……というより悩みが凝縮されて造形されたカタチと取り繕ったカタチのどれもが本物で,だからこそキラキラ輝いてるように見えます.

強敵揃いのラインナップの中で友崎が本当に等身大でまっすぐぶつかって行ってるのがジーンときましたし,そこが大きな魅力ですよね.

友崎と一緒に弱キャラからの成長を歩んでいけるし,だからこそ周りの魅力をひしひしと感じました.

モノクロがカラフルになる魔法……さらなる主人公の成長と活躍に期待です.


感想 『追伸 ソラゴトに微笑んだ君へ』 追憶を追う青春ミステリー


追憶を追う青春ミステリー

あらすじ・内容

俺のちっぽけな嘘が、キミとの日常を綴り出していた――

二学期初日。篠山マサキは“彼だけが記憶を持たない”美少女優等生・風間ハルカと出会った。正体を掴むべく彼女を探り始めるが、なぜかハルカの行動は、マサキが何気なく綴った葉書の内容と深く関わっていて――。

根底のギミックはありきたりに感じながらも確かな筆致で瑞々しく描かれている主人公達の青春がほんとに眩しいです.

教室に突如現れた記憶にない少女.

彼女の正体という大きなミステリーを軸に少年少女の葛藤や目の前の人生への向き合い方がまっすぐ展開されています.

ヒロインも主人公もいい意味で清々しくキャラクターとしてスッキリしている感じです.

この一冊で完結といえるものの,忘れていたあの爽やかさを感じたい人は手に取ると良いですね.


感想 『我が驍勇にふるえよ天地 3 〜アレクシス帝国興隆記〜』


吸血英雄 喀血す

あらすじ・内容

レオ様、これは天の時を掴む戦いです!

クロード帝国各地で勃発した、未曽有の大叛乱を征伐したレオナート。
その武功により、広大なるディンクウッド州を下賜され、彼の常勝軍とともに州都レームへ入城を果たす。
季節は冬。レオナートは在りし日の伯母を思い浮かべ、最良の領主足らんとする。大州を完全に掌握し、憎きアドモフ帝国に対抗すべく着実に力を蓄える日々。しかし、春を待たずして、軍靴の音が北より押し寄せる。アドモフ、来襲――!
「天におわすロザリア様よ、ご照覧あれ――全軍突撃!!」
魔法なし! 痛快にして本格なるファンタジー戦記、これぞ“吸血皇子”の伝説伝承たる激震の第3弾!

ものすごい事態がものすごい怒涛の展開で迫ってきました.

常勝無敗の伝説を英雄がどのように築き上げるさまを目の当たりにできるこの作品ですが,それにしても容赦がない.

繰り出される武勇と戦略.

時には手練を発揮して,知略を練り,それでいて時には正面突破するなどまさしく怒涛の展開にふさわしい大満足の巻でした.

女子の可愛さは抑えられているものの,ハラハラする展開や歴史が動くさまを描くスケール感などが息をつく暇もないですね.

フォークロア.この物語の行く末が気になりまくりです.


感想 『ゲーマーズ!6 ぼっちゲーマーと告白チェインコンボ』 チェインコンボによるハメ決まった


チェインコンボによるハメ決まった

あらすじ・内容

天道の決意――「雨野君……こんな関係は、終わりにしましょう」

《シュピール王国》の一件で――「このティッシュ美味しいですね」天道は心がクラッシュしていた。しかし、雨野を信じたい三角は「異議あり! これはいつもの勘違い的なアレです!」某裁判ゲームばりの逆転なるか?

ラブコメ地獄は続くよどこまでもといったところ.

前回のラブコメ的には完全にゲームオーバーなところから起死回生最高の形で見事に挽回した流れをつくり,読者もほっこり.

ラブラブ甘々で青春キュンキュンと楽しんでたところに壁際確定即死コンボ級の衝撃が入ってからの幕引きでした.

ある意味今までのもやもやの一部がきれいに回収されたわけですが,チアキ好きの私からみたら天道さん好きの皆さんとようやくフェアなフィールドに立たせていただけて大変楽しく感じております.

新キャラも含めてキャラクターは半端なく個性を発揮しているのですが,いよいよ諸々でがんじがらめになって動きが取りづらそうなキャラも多く絶妙な塩梅と言えるでしょう.

次はもろもろがしっくりきつつもまたもややきもき甘酸っぱい展開が待ってそうなので,余すところなく楽しもうと思います.


感想 『<Infinite Dendrogram>-インフィニット・デンドログラムー2.不死の獣たち』


想いは死なず

あらすじ・内容

決闘都市ギデオンへと辿り着いたレイは、手に入れた特典防具の性能実験をしたり、ガチャを引いたりしながら自らの能力向上に努めていた。そんな中彼は、ギデオン周辺で最近子供を攫う非道な組織『ゴゥズメイズ山賊団』がはびこっていることを知る。偶然知り合ったプレイヤー・ユーゴー、キューコと共に、子供の救出と山賊団の討伐へと向かうレイ。そこにはまたしてもイレギュラーな事態が待ち受けていて――!! 超人気VRMMOファンタジー、待望の第2巻!!

子供を攫い,喰らい,身銭を稼ぐという極悪非道を絵に書いたような敵とふとしたきっかけで出来た友情の絆が印象的な巻でした.

世界の広がりを無限に感じるほか,制約やルールも多く工夫が楽しそうな世界ですね.

新キャラクターも個性的なのですが敵のいい感じの強敵感とアイテムのフレーバーの香ばしさがわくわくを増大させます.

次回からぐぐっと物語が加速しそうなので大混戦みたいなものも読みたいと期待しつつ待ちたいと思います.


感想 『精霊幻想記 6.逢魔の前奏曲』  逃避行の先に英雄道


逃避行の先に英雄道

あらすじ・内容

大貴族との望まぬ政略結婚から無事にセリアを救出したリオは、物資の補給と当初の目的であった【勇者召喚】についての情報を集めるべく、大都市アマンドを訪れる。その最中「父親に自分の無事を伝えたい」というセリアの願いを叶えるため、リオはクレール伯爵邸への潜入を試みることに! 一方、セリアの結婚式に出席していた貴族令嬢リーゼロッテは、拠点であるアマンドへ戻る途中、ベルトラム王国の勇者・坂田や王女フローラらと予期せぬトラブルに巻き込まれてしまい!?

見事な花嫁強奪からあけて今度は本筋の冒険へ.

情報収集とともに世界の広がりを見せるやいなやかつてのキャラクターたちや新キャラクターのオンパレードと豪華な巻になりました.

各キャラクターにしっかり見せ場を作ることもさることながら,見せ場のときの他のキャラクターの動きがしっくりくるのでそれがまた魅力を引き出しています.

展開がどれもテンションが上がるものが多く,またお約束の中にもこの作品らしい仕掛けやユーモアがあるので飽きさせませんね.

陰謀や様々なキャラクターの思惑がうごめく中,ものすごく楽しみな要素もたくさんあったので,早く読みたくて待ち遠しいです.


感想 『異世界魔法は遅れてる! 7』 開陳の次は提示


開陳の次は提示

あらすじ・内容

最強の現代魔術師 VS 最強の中二病!?

親友の英傑召喚に巻き込まれ、異世界に転移した現代の魔術師・八鍵水明(やかぎすいめい)。幼なじみの朽葉初美(くちばはつみ)を襲う普遍の使徒との邂逅を果たした水明は、ネルフェリア帝国にて遮那黎二(しゃなれいじ)と合流し、二人で覚醒した安濃瑞樹(あのうみずき)――否、九天聖王イオ・クザミに頭を悩ませる。次いで知らされた、魔族による帝国への襲撃。参陣しようとする水明だったが、帝国十二優傑に難色を示されてしまう。リリアナ、イオ・クザミと共にやむなく模擬戦を行うも、なんなく力を認めさせ、魔族を迎え撃つ水明だったが、そこへまたもや普遍の使徒(ウニベルシタス)が姿を現し……!?
異世界魔法と現代魔術が交錯する異世界ファンタジー、炉心を灯す第7巻!

もとの世界が異世界を静かに侵食しているジリジリ感ご示された今巻でした.

立場も違えば信念も違う組織及び個人がそれぞれの想いをガソリンにしてこれよとばかりに活躍する色々動いた展開でしたね.

殴り合いの肉弾戦もいいんですがこの理屈のこねりあいというか,わがままな方が勝つみたいな戦闘描写のアイデンティティーが強くてかなり読んでて楽しいです.

過去の因縁も追いかけてきていよいよ混迷が極まってきた世界を主人公達がどうやって工夫しながら突き進んでいくのかこれからも楽しみですね.


感想 『異世界料理道 9』 別れと出会い……


別れと出会い……

あらすじ・内容

ついに領主サイクレウスと森辺の民の会合が開始され、過去の事件とスン家の因縁が白日の者となる日も近づいていた。一方、ようやく屋台を通常営業することが出来るようになったアスタは、友人・シュミラルの所属する銀の壺が、次なる商談の旅に出ることを知る――。

お得意様だった賑やかなキャラクターたちが離れ,それぞれの想いを胸に秘めながらまた新たなステージに進んでいく.

どうしようもない陰謀や巨悪は潜んでいるものの,確かに前を向いて進んでいける道がある.

そんな光明が示された巻でしたね.

あらゆる出来事の裏側では確かな息遣いがしっかりとベースにあって,想いをしっかりと育んでる様がバランス良く描かれていてそれがなんとも心地よい.

話の盛り上がりは激しくないもののきれいにまとまっているおかげで読後感が爽やかでした.

それでいて続きがとても気になる終わり方なのではやく読みたいです.