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感想 『アクセル・ワールド 20』  時代のうねりが加速する


時代のうねりが加速する

あらすじ・内容

最終決戦迫る最新刊!!

「――行くぞ、レイン!!」「――来い、ロータス!!」 《災禍の鎧》、《バックドア・プログラム》、《ISSキット》、そして《災禍の鎧マークII》――。加速世界にあまたの悲劇と混乱をもたらしてきた謎の組織《加速研究会》。その表の顔は、六大レギオンの一角として港区エリアを支配する白のレギオン《オシラトリ・ユニヴァース》だった。全ての元凶にして黒幕、白の王《ホワイト・コスモス》との決戦を前に、黒雪姫率いる《ネガ・ネビュラス》は赤のレギオン《プロミネンス》との合併会議に臨む。ネガ・ネビュラスからの出席者十一名に対して、プロミネンスは総勢三十三名。実に三倍もの規模を誇る大レギオンの全貌を初めて目の当たりにし、圧倒されるハルユキだったが、会議は序盤から思わぬ展開を辿る。「シルバー・クロウ!! ネガ・ネビュラス代表として、オレと戦え!!」 初対面のバーストリンカーに、いきなり戦いを挑まれたハルユキの選択は――!? いっぽう、ニコと黒雪姫も、禁断の《王》対《王》の戦いへと突き進む。対峙する二人は、二つのレギオンをまとめあげることができるのか――!?

大きな流れ同士が合流し,更に巨大な流れとなって怒涛の展開を見せた巻でした.

前巻が謎の開示と過去の集約だとしたら今巻は確かな一歩で謎に迫り,激動の流れで前に進んだ巻ですね.

無数のキャラクターたちがそれぞれのアイデンティティーをぶつけるところも魅力的なのですが,やはり成長した主人公とその仲間の頼もしさから見る“前に進んでいる“感じがいいんですよね.

いよいよ敵の本拠地にたどり着いたわけですがやはり一筋縄では行かなそうです.

提示された新たな謎とともに風雲急を告げそうな次巻に期待です.


感想 『アクセル・ワールド 19』 絆が集まり,総和になる


絆が集まり,総和になる

あらすじ・内容

加速世界の≪果て≫――その謎に迫る!

黒雪姫が卒業してしまう前に、≪加速世界≫の果て――≪ブレイン・バースト≫のクリア条件を知るため、ハルユキはスカイ・レイカーと共に≪帝城≫へと赴いた。 絶対不可侵であるはずのそこには、何故か陽気に二人を迎える黒の剣士、グラファイト・エッジの姿が!? 困惑するハルユキだったが、≪帝城の住人≫トリリード・テトラオキサイドとも合流し、四人+1エネミー(メタトロン)で深部へと進んでいく。 そして、ハルユキはついに知る。七番星『揺光』の神器≪ザ・フラクチュエーティング・ライト≫が≪帝城≫に鎮座する意味を……。 加速世界の謎を知り現実世界へと帰還したハルユキを待っていたのは、最終決戦間近の≪ネガ・ネビュラス≫へと続々集う、頼もしい仲間たちだった。 過去最大のキャラクター&アバターが登場する最新刊

次々と明かされる新事実と,そこから新たに生まれた無数の謎…….

加速世界の始まりと終わりの場所で主人公達がうけとめた様々なことが物語を一層際立った仕上がりにしていますね.

また後半の展開もアツい……続々と集まるかつての縁と絆を結んだ相手が仲間となって強大な敵に向かうシチュエーションはまさに求めていたものです!
しかし男女比が……笑

一人ひとりが傷を抱えつつもたしかに前に進んでいく.そんな力強いアクセル・ワールドらしい巻でした.

次回からいよいよ決戦なのでどんな展開を迎えるのか楽しみです.


感想 『アクセル・ワールド 18』 英傑集結の巻


英傑集結の巻

あらすじ・内容

ついに実装の≪宇宙ステージ≫で、≪あの黒い双剣士≫との壮絶バトル!

白のレギオンに挑むため、黒雪姫率いる≪ネガ・ネビュラス≫は、緑のレギオン≪グレート・ウォール≫との休戦及び共闘を申し出た。 緑の本拠地・渋谷第二エリアにて、緑の王≪グリーン・グランデ≫、その幹部集団≪シックス・アーマー≫と対峙するハルユキたち。しかし会談が開始される直前、思いがけない人物が乱入してくる。 そのアバターは、黒雪姫と同じく、真っ黒な姿で、二本の剣を携えていた。 グラファイト・エッジ。元≪ネガ・ネビュラス≫の幹部≪四元素≫の一人。両レギオンに浅からぬ因縁を持つそのバーストリンカーが二人の王に持ちかけた、驚くべき提案とは――!? いっぽう、赤の王≪スカーレット・レイン≫ことニコも、加速世界と赤のレギオンの未来を見据えて独自に動き出す!! ついに≪宇宙≫ステージも実装!? な禁断の最新刊登場!

かつての仲間が今日の友……その逆もまたあり得ると言った様相の巻でした.

長期シリーズですが伏線がこれでもかというくらいにガシガシとばらまかれていていつ回収するのかとわくわくしつつも謎が深まるばかりです.

MMORPGものと同じく,現実世界と加速世界での感じ方の違い,匿名であることによって生まれる軋轢……などが物語の機微として見事に表現されていました.

不穏に沈黙する強大巨悪な敵と着々と前に進む主人公達のどちらがより深く,そして速いのか.

加速世界の趨勢からまだ目が離せなさそうです.


感想 『ソードアート・オンライン 17』 群雄割拠 乱闘乱舞


群雄割拠 乱闘乱舞

あらすじ・内容

ついに現実世界のプレイヤーたちがアンダーワールドに到達し……!

――≪光の巫女≫アリス。――≪闇の軍勢≫すべてを犠牲にしてでも、我が手中に収める。≪最終負荷実験≫二日目。整合騎士による命がけの奮闘により劣勢になった≪ダークテリトリー軍≫は、卑劣な手段で反抗を開始する。アンダーワールドを外部から観測していた米軍傭兵・クリッターが、現実世界の人間たちを最終決戦に投入する。全米のゲームコミュニティサイトで≪本格派VRMMOゲームのベータテスター募集≫と称し、騙してログインさせたプレイヤー数は、五万人を超えた。闇の軍勢の増援に、絶体絶命となる≪人界軍≫。スーパーアカウント・ステイシアでログインしたアスナ一人では到底太刀打ちできなかった。そこに、アンダーワールドで言い伝えられてきた創世の神々が舞い降りる。白く輝く太陽神ソルスと、優しく暖かい地母神テラリア。その二柱は、シノンとリーファの姿をしており……。

ライトノベル最高峰のこの作品.

ヒロインたちが続々と投下されてかなりの豪華な顔ぶれのサービス無双と思いきや,蓋を開けたらストレス展開の連発でなんともいえない展開に.

助走が長いほうが高く飛べますが続きはどんな感じになるのか,前巻と同じく混乱が続いているので全く予想がつきません.

賛否両論別れる中国と韓国の登場ですが個人的には非常にニュートラルな気持ちで読めました.逆にこの程度の煽りで心動かされるのもどうかなと.

ヒロインたちだけでなく今までの脇キャラクターたち誰もが信念のかたまりで,確かに息づいていて,そこであがき苦しみもがき掴み取ろうとするその空気感が相変わらずすごいですね.

きれいな着地を期待する次巻ではそれぞれ個々の物語もしっかりした決着を求ていきたいですね.


感想 『なれる!SE 15 疾風怒濤?社内競合』 人生の選択は苦い


人生の選択は苦い

あらすじ・内容

今度のミッションは立華&藤崎が相手の社内競合案件!? 萌えるSE残酷物語、波乱の展開!

目指せ!上場企業!? なんとスルガシステムが株式公開の準備に入るという。その体制づくりのため総務部への誘いを受けた工兵は、いずれは役員として経営陣に……という途方もない話を前に、自らのキャリアについて思い悩む。とはいえSEの仕事も待ったなし。アサインされたのは、総合商社二社のシステム統合という大きな案件。しかも提案作業のパートナーはかつてのライバル、アルマダ・イニシアティブの次郎丸で!? さらに、その案件は別ルートから立華&藤崎コンビも受注を狙う、社内競合案件だった! 果たして工兵は、最強の敵に勝てるのか!? 昨日の敵は今日の友、昨日の友は今日の敵!? 萌えるSE残酷物語、風雲急を告げる第15弾!

主人公が自分の行き先を葛藤し苦悩する一連の流れを描く今巻.

重い選択ほど両皿に載っているものは双方同じく重いんですよね.

職業ものの物語は時々ドキッとするような展開になって主人公と一緒に苦悩する気分を味わうことができるのが渋いです.

今回主人公は専門職に突き進むのかそれとも管理職への道に行くのかの選択を迫られていますが出てくる一つ一つのイベントがその尊い悩みをとてつもなく盛り上げている構成でした.

仕事がそれなりにできるようになって,周りが見え始めてそのギャップに驚いたり燃え上がったり……若いっていいなぁとしみじみ楽しめるところもポイントです.

専門用語のオンパレードもここまで付き合った読者にとってはファンタジーの呪文の応酬みたいなものでしょう.むしろ心地よいです.

巨大案件がまだまだ前哨戦みたいですし,いよいよ選択のときが近づいてきました.

悩みの先には何が待っているのか,一緒になって見届けたいと思います.


感想 『やがて恋するヴィヴィ・レイン 2』 恋の盛り上がりと二人の距離


恋の盛り上がりと二人の距離

あらすじ・内容

飛空士の犬村小六による超話題作、第2巻!

近衛連隊を追われたルカは放浪の末、リヴァノヴァ皇帝の侍女の子である旧友ジェミニとの再会を果たす。昔の借りを返すためジェミニの庇護下に入ったルカだが、ジェミニの思惑はルカの想像を遙かに超えて、ガルメンディア王国を揺るがす大事件が勃発する……。

「災厄の魔王」ルカと「褐色の皇帝」ジェミニ。
一千年にひとりと称される巨大な軍事的才能が、眩いばかりの才能と才能の相克を世界史に刻む。そして王女ファニアもまた、自らの意志により歴史の表舞台へ……。

「いつかこの国で革命を起こす。きみにもう一度、会うために」。

第1巻の発売直後から早くも話題沸騰の評判作品、加速する恋と会戦の物語、早くも第2巻が登場です!

どれだけひどい戦争や残虐さを描写しようともしっかり恋の気配を感じる今巻でした.素晴らしい.

機械兵と歩兵を組み合わせた独特の戦闘技術が発展しているので激しくもユニークな描写が生々しくも楽しくなっています.

戦略も独特なものと定番なものが出てくるのでハラハラドキドキして読めます.

そしてキャラクターが本当にいい……王女のファニアが本当にヒロイン力が高くて今回びっくりしました.

幸せになってほしい.というか幸せになってほしいキャラしかいないです笑

暗躍する大人たち,見え隠れする天上人達の影.

運命の出会いや再会を経て更に時代の奔流に飲み込まれていく主人公達から目が離せません.


感想 『やがて恋するヴィヴィ・レイン 1』 戦争に咲く恋の香り


戦争に咲く恋の香り

あらすじ・内容

飛空士シリーズの犬村小六、最新シリーズ!

「ヴィヴィ・レインを見つけて」

彼女の願いを叶えるため、スラム街の少年は旅に出る。限られた命を生きる人造の少女と、意志を持つ機械兵。滅びゆく王国の姫、性別不詳の天才操縦士、皇帝に捨てられた子ども……。
旅の途中、それぞれの傷を抱えた仲間たちと出会い、やがて少年は「災厄の魔王」と称され、楽園に支配された世界へ反逆の旗を翻す。
ヴィヴィ・レインを探す、ただそれだけだった小さな旅はいつしか時代のうねりとなり、世界を変革する戦いへ――。

傷だらけの少年少女が織りなす恋と会戦の物語、開幕。

大切な人との出逢いと別れ……そこから諦めずに少年が追い求めるものの先に何があるんでしょうか.

空から落ちてきた少女と少年が出会うところから繋がる運命の残酷さと人の縁と一生懸命にもがく意思がなんとも素晴らしい雰囲気を作っています.

世界観設定も見事.なんでこんな世の中なんだろう,誰が裏で糸引いてるんだろう,どうやって世界は回ってるんだろうと想像が止まりません……ジブリ的な楽しさがありますよね.

王女が本当にお気に入りで,こんないじらしくそれでいて凛とした姿勢を保つキャラもなかなかいませんよね.久々に萌えでした.

戦争は終わらず数々の展開を残しつつ,世界の謎とキャラクター達の心の持って行き方など気になる見どころが今後も多そうですが何と言っても最後の伏線ですよね.
すべてが楽しみです.


感想 『ゴブリンスレイヤー 4』 箸休めな十編


箸休めな十編

あらすじ・内容

「このライトノベルがすごい!2017」文庫新作ランキング1位! 文庫ランキング第5位!

「ゴブリンよりは、よほど危険だ。だが魔神どもとは比べるべくもない」
国王署名入りの依頼「悪魔の塔」の討伐に重戦士、槍使い、ゴブリンスレイヤーの三人が挑む――。
「ね、ぶらぶらしよっか」
ゴブリンスレイヤーのいない休日、牛飼娘は女神官と街を散策する――。
「見てなさい。私が世界の一つ二つ、救ってあげるから!」
妖精弓手は冒険のない日、受付嬢の提案で、聖騎士を演じる――。
「森人と一緒に冒険に行けぇ?」
種族を超えた共闘、これは彼と出会う前の三人の冒険――。
辺境の街で紡がれる、十の物語。
蝸牛くも×神奈月昇が贈るダークファンタジー第4弾!

名前も出てこないのにたしかに個性を放っているキャラクターたちが一人一人出てきては人生を垣間見させてくれるような,そんな気持ちになる巻でした.

どのキャラも癖があるので名前がなくてもしっかりと息遣いを感じてすごいです.

心の動きが鮮明なのでときに凄惨だしときにほっこりするしで読んでいて飽きない作りになってます.

ただナンバリングタイトルなのに時系列的には2.5巻とも言うべき感だったのが残念でした.

恋模様や主人公のブレなさの面白さは健在なので楽しく物語が進展することを期待しています.


感想 『龍と狐のジャイアント・キリング 1』 劣勢からの一点攻勢


劣勢からの一点攻勢

あらすじ・内容

日ノ本共和国は今、強大な軍事力を有する大帝国の侵攻を受け、滅亡の危機を迎えていた。帝国が誇る最新鋭の巨大鋼鉄機兵を前に、もはや反撃は不可能と思われる中、共和国軍に所属する少年・七舎龍一郎(ななやりゅういちろう)は単独で国内を巡り、帝国打倒の為の切り札を集めることに成功する。その切り札とは、神霊種と呼ばれる旧く尊きモノたちだった! 炎を操る狐の一族の姫・狐貂(こてん)を筆頭に、各々が一騎当千の実力を備える神霊種たち。龍一郎が指揮する彼らの介入で圧倒的劣勢から一転、共和国は勝利への道を進み始める!!

平和な国が突如戦火に見舞われる,圧倒的戦力差を覆すチームもののけの英雄譚といったところですね.

狐っ娘の元気一杯なところや怪しい美女雪女,脳筋おっさん,無自覚根暗巨乳と個性的なキャラクターが目白押しでみていて飽きなかったです.

愛する国を守るためにどんな手を使ってでも奮起して最低な劣勢を覆す流れが最高でした.

一つ一つ丁寧さを重ねた展開と確かな熱さを随所に入れてくれる気配りも印象的.

次の戦いが彼らに待っているのでしょうからどんな展開を目指して突き進むのかが楽しみですね.


感想 『モンスター娘のお医者さん』 モン娘のいる診療所


モン娘のいる診療所

あらすじ・内容

いろんな“モン娘”大集合! 医師グレンは魔族と人間が共存する街「リンド・ヴルム」で助手であるラミア族のサーフェとともに診療所を営んでいる。 モンスター娘たちから連日さまざまな診察依頼が舞いこみ、その評判は上々だ。 あるときは闘技場のケンタウロスの不調を見抜いて求婚されたり、またあるときはマーメイドのエラに手を突っ込んで触診したり、フレッシュゴーレムの体のキワドイ部分を縫合したり…。グレンとしてはただただ真剣に治療にあたっているだけである。 そんな日常の中に、突如としてハーピーの卵を狙う賊が現れて…? モンスター娘をこの上なく愛する小説家と絵師が満を持して放つ“モン娘”診察奮闘記!!

フェチの極みをついたかゆいところに手が届く設定と描写が好奇心をくすぐってきます.

人間でありながらモンスターに深い造形を持ち,その豊富な知識と技術でモンスターを治療する主人公グレン.

しかし毎回毎回モンスター娘とくんずほぐれつしながらイチャイチャと言うなの真剣な治療をしているのでもう辛抱たまらないですね.

助手のラミア女子も普段クールなのに暴走系で可愛くていいですね.

どんどん追加されるモンスター娘にも目が話せませんが,人とモンスターの文化の摩擦や考え方の違いなど細かいところがどんどん発展していくのに期待です.