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感想 『エイルン・ラストコード 〜架空世界より戦場へ〜  6』 衝撃の結末のその後 炎の継承


衝撃の結末のその後 炎の継承

あらすじ・内容

とにかく熱くて、火傷する、新世代ロボットライトノベル第六弾!

エイルンが殺害されて一年。マリスの侵攻が活発化し、人類は窮地に追い詰められていた。第二部スタート。とにかく熱くて、火傷する、新世代ロボットライトノベル第六弾!

前巻の衝撃の結末から幕が上がり,第二部がスタート.

世界の悪意が暴かれ,最悪の一歩手前で右往左往する若者たち.

月日は流れてそれぞれがもがき苦しむ中,新たな狼煙と受け継がれた炎の輝きがどんどん鮮明になっていく快感がありました.

アニメで言うと分割2クールの最初な感じなのですがここまでアツくさせてくるのはさすがといったところです.

特筆するべきキャラクターの魅力の高さ.悩み苦しみ,それでもひたすらに前を向いてときには誰かの背中を追いかけ,過去に向き合い,戦いをやめないその意志の輝き……素晴らしいです.

胸を打つその在り方もそうなのですがまた世界を取り巻く絶望的な状況もいいですね.

内外の敵がいてそれぞれに思惑があり,第三の第四の勢力が現れてますます確固たるキャラクターたちのアイデンティティーが試されています.

そしてロボットもので定番の上位機体への乗り換えイベント……最高ですね.

血が滾る展開と巨悪の陰謀,害悪な怪物たちに輝ける若い力.

壮絶な幕開けになった第二部からも目が離せなさそうです.


感想 『龍と狐のジャイアント・キリング  2.空飛ぶ機兵の大胆な墜とし方』


下克上ほっこりバトル

あらすじ・内容

龍一郎の指揮のもと、狐貂を筆頭とした神霊種たちの活躍により、敗戦寸前から一転、息を吹き返した日ノ本共和国。一方、この事態を重く見た帝国側は、これまで数々の戦果を上げてきた最強の切り札を関東戦線へと送り込む。これに対抗すべく龍一郎は、カラス天狗たちの隠れ里を訪ねるのだが、そこに居たのは峰葉心と名乗る美少女ただ一人だけで!?一騎当千の力を持つ神霊種たちを導き、大帝国の巨大鋼鉄機兵を撃滅する激熱必至のファンタジー戦記、第二幕!!

今回も強大な敵をいかに工夫して倒すか……という背景の骨子はそのままに新キャラのポジティブな感じと既存キャラのしっかりした掘り下げが丁寧に描写されていて満足です.

作品に出てくる神霊種のキャラクターたちは誰も彼も可愛く強くそして何処か不器用に表現されていて読んでいてほっこりする要素満載です.

新キャラのカラス天狗ちゃんも愛くるしくなかなかピーキーな動きをしますね.恋のバトルにも波乱を起こしてくれそうです.

関東の戦線が一旦落ち着いたので他の地方や帝国のさらなる動きが気になる続きです.

次巻にも爽快な下克上を期待です.


感想 『やがて恋するヴィヴィ・レイン 2』 恋の盛り上がりと二人の距離


恋の盛り上がりと二人の距離

あらすじ・内容

飛空士の犬村小六による超話題作、第2巻!

近衛連隊を追われたルカは放浪の末、リヴァノヴァ皇帝の侍女の子である旧友ジェミニとの再会を果たす。昔の借りを返すためジェミニの庇護下に入ったルカだが、ジェミニの思惑はルカの想像を遙かに超えて、ガルメンディア王国を揺るがす大事件が勃発する……。

「災厄の魔王」ルカと「褐色の皇帝」ジェミニ。
一千年にひとりと称される巨大な軍事的才能が、眩いばかりの才能と才能の相克を世界史に刻む。そして王女ファニアもまた、自らの意志により歴史の表舞台へ……。

「いつかこの国で革命を起こす。きみにもう一度、会うために」。

第1巻の発売直後から早くも話題沸騰の評判作品、加速する恋と会戦の物語、早くも第2巻が登場です!

どれだけひどい戦争や残虐さを描写しようともしっかり恋の気配を感じる今巻でした.素晴らしい.

機械兵と歩兵を組み合わせた独特の戦闘技術が発展しているので激しくもユニークな描写が生々しくも楽しくなっています.

戦略も独特なものと定番なものが出てくるのでハラハラドキドキして読めます.

そしてキャラクターが本当にいい……王女のファニアが本当にヒロイン力が高くて今回びっくりしました.

幸せになってほしい.というか幸せになってほしいキャラしかいないです笑

暗躍する大人たち,見え隠れする天上人達の影.

運命の出会いや再会を経て更に時代の奔流に飲み込まれていく主人公達から目が離せません.


感想 『やがて恋するヴィヴィ・レイン 1』 戦争に咲く恋の香り


戦争に咲く恋の香り

あらすじ・内容

飛空士シリーズの犬村小六、最新シリーズ!

「ヴィヴィ・レインを見つけて」

彼女の願いを叶えるため、スラム街の少年は旅に出る。限られた命を生きる人造の少女と、意志を持つ機械兵。滅びゆく王国の姫、性別不詳の天才操縦士、皇帝に捨てられた子ども……。
旅の途中、それぞれの傷を抱えた仲間たちと出会い、やがて少年は「災厄の魔王」と称され、楽園に支配された世界へ反逆の旗を翻す。
ヴィヴィ・レインを探す、ただそれだけだった小さな旅はいつしか時代のうねりとなり、世界を変革する戦いへ――。

傷だらけの少年少女が織りなす恋と会戦の物語、開幕。

大切な人との出逢いと別れ……そこから諦めずに少年が追い求めるものの先に何があるんでしょうか.

空から落ちてきた少女と少年が出会うところから繋がる運命の残酷さと人の縁と一生懸命にもがく意思がなんとも素晴らしい雰囲気を作っています.

世界観設定も見事.なんでこんな世の中なんだろう,誰が裏で糸引いてるんだろう,どうやって世界は回ってるんだろうと想像が止まりません……ジブリ的な楽しさがありますよね.

王女が本当にお気に入りで,こんないじらしくそれでいて凛とした姿勢を保つキャラもなかなかいませんよね.久々に萌えでした.

戦争は終わらず数々の展開を残しつつ,世界の謎とキャラクター達の心の持って行き方など気になる見どころが今後も多そうですが何と言っても最後の伏線ですよね.
すべてが楽しみです.


感想 『龍と狐のジャイアント・キリング 1』 劣勢からの一点攻勢


劣勢からの一点攻勢

あらすじ・内容

日ノ本共和国は今、強大な軍事力を有する大帝国の侵攻を受け、滅亡の危機を迎えていた。帝国が誇る最新鋭の巨大鋼鉄機兵を前に、もはや反撃は不可能と思われる中、共和国軍に所属する少年・七舎龍一郎(ななやりゅういちろう)は単独で国内を巡り、帝国打倒の為の切り札を集めることに成功する。その切り札とは、神霊種と呼ばれる旧く尊きモノたちだった! 炎を操る狐の一族の姫・狐貂(こてん)を筆頭に、各々が一騎当千の実力を備える神霊種たち。龍一郎が指揮する彼らの介入で圧倒的劣勢から一転、共和国は勝利への道を進み始める!!

平和な国が突如戦火に見舞われる,圧倒的戦力差を覆すチームもののけの英雄譚といったところですね.

狐っ娘の元気一杯なところや怪しい美女雪女,脳筋おっさん,無自覚根暗巨乳と個性的なキャラクターが目白押しでみていて飽きなかったです.

愛する国を守るためにどんな手を使ってでも奮起して最低な劣勢を覆す流れが最高でした.

一つ一つ丁寧さを重ねた展開と確かな熱さを随所に入れてくれる気配りも印象的.

次の戦いが彼らに待っているのでしょうからどんな展開を目指して突き進むのかが楽しみですね.


感想 『ストライクフォール』 兄弟の夢の軌道速度は


兄弟の夢の軌道速度は

あらすじ・内容

SF 界の俊英、ガガガ文庫に電撃参戦!近未来、人類は宇宙に進出し、惨禍のはてに戦争をやめた。……いや、正確には、形を変えた。代理戦争として発展した宇宙 競技、ストライクフォール。広大な宇宙をフィールドに、敵のリーダーを屠るべく戦うチーム闘技に人々は熱狂した。万能の泥、チル・ウエポンによって作られ たストライクシェルに身をつつみ、プレイヤーたちは宙を駆ける。故郷のため、栄誉のため、家族のため、あるいは己が夢のために……。鷹森雄星も、ストライ クフォールに魅せられたひとりだ。弟は、トップリーグでのプロデビューが決まった若き天才、鷹森英俊。幼なじみの環のやさしさに見守られながらも、雄星は 宇宙を目指すが――。「知ってるか、兄貴。宇宙では、あらゆるものが落ちている最中なんだ。――落ち続けるなら、オレはほしいものを手に入れる」なら、翔 ぶ。翔んで、宇宙に手を伸ばす。これは、宇宙を「掴む」兄弟の物語。SF界の俊英が放つ新たなライトSFエンタテイメント!

速度と挫折と矜持が織り成す宇宙スポーツエンターテイメント作品の金字塔になりそうな作品でした.

キャラクター同士の人間ドラマやスポーツ特有の力と駆け引きに支配されたあの感覚,更には重厚な描写に支えられたリアルな質感.
どれをとっても素晴らしかったです.

後半の怒涛の展開が何度読んでも胸が熱くなります.

引き合うように視線が自然と空に惹かれた二人の兄弟とそれを見つめる幼馴染の瞳……しかし運命が彼と彼女たちを待ってはくれない……といったような叙情的な展開もバランスが良く,またバトルの中にリアルで残虐的な暴力とスポーツ感あふれる爽やかさが内在化していて読んでいてとても気持ちよかったです.

続きが気になる!のもそうなんですが,主人公がこれからもどう無謀に突き進むのか,ヒロインたちの恋の行方といろいろ楽しみ要素満載なのでぜひ続いて欲しいですね.


感想 『エイルン・ラストコード 〜架空世界より戦場へ〜 3』 外堀がどんどん魅力を増す


ヒートロボット列伝第三章!

あらすじ・内容

とにかく熱くて、火傷する、新世代ロボットライトノベル第三弾!

氷室義塾の活躍は大きな注目を浴び、アメリカからデータ採取のため無人島遠征の依頼を受ける。だが謎の武装組織、さらにマリスが来襲。無事これを退けるものもエイルンが全治3ヶ月の重傷を負ってしまい……!?

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相変わらず主人公サイドでなく,その外堀がどんどん魅力を増していく展開が心地よかったです.

闘いの熱さとは裏腹にクールとウィットに富んだ日常パートがいい感じのバランスを生んでいい感じです.

とくに女性キャラの心の揺り動きが中々進展があってハラハラドキドキできて良かったです.

まだまだ回収しきれていない伏線と各サイドの思惑がいろいろ絡んで複雑なテイストが出ているので,はやくスッキリする展開を希望しています.


感想 『エイルン・ラストコード 2』 こじ開け掴む,希望の未来の道標


燃えるアツさと情熱でこじ開け掴む,希望の未来の道標!

あらすじ・内容

とにかく熱くて、火傷する、新世代ロボットライトノベル第二弾!

ロボットアニメの世界から西暦2070年の世界へと召喚されたエイルン=バザッド。セレンにまつわる悲しい過去『機兵部初代部長・神無木緑の喪失』が呪縛のように多くの生徒を苦しめていることが判明して……!?

 

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いろいろ素晴らしい点がたくさんあるんですが,一番はやっぱりここぞというタイミングで求めていたシチュエーションが最も求められている状態で与えられるという感覚ですね.

ガチガチのロボットモノなのに,それを通してキャラクターたちの成長が丁寧に描かれているのが良かったです.

ジーンとくるシーンもたくさんあって本当に教科書みたいな作品だなぁとしみじみしました.

まだまだ明かされない謎が多く,またライバルキャラなどのお約束も期待されているので今後も目が離せない作品になりそうです.


『エイルン・ラストコード』 1 感想 至高で嗜好な珠玉の一品


至高で嗜好な珠玉の一品.

内容紹介

これは嘘を真実に、空想を現実に変える、いや変えていった人間達の魂の物語である。
西暦2070年。人類が謎の生命体マリスから襲撃を受けて半世紀以上の時が流れた。
「闘うの……ヤなの。痛いのイヤ……もう全部……ヤなのイヤ……助けて、誰か……」
だがマリスに唯一対抗できる巨大兵器 <黒き魔女> デストブルムのパイロット・セレンは絶望的な戦いに精神を疲弊しきっていた。そんなある日戦場に奇跡が舞い降りる。
国籍不明の謎の戦闘機が出現、この世界に存在し得ない超兵器で、マリスを一掃する。
盛り上がる人類。だが、戦闘機から出てきたのはこの世界での大人気アニメ「ドール・ワルツ・レクイエム」のパイロット、エイルン・バザットそっくりの少年で――。

 

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かつて巨大ロボットテーマでこんなにも大満足な構成で正攻法でパンチを打ってきた作品があっただろうか.
ヒロインたちと主人公,サブキャラに至るまでとにかく良い.
憎めず,それでいて魅力的でイキイキしているのが良い.
そして極限まで研ぎ澄まされたお約束とも言える爽快感はまさに小さい頃に見たロボットアニメそのもののワクワクで,そういう意味では大人にも若い世代にも読んでもらいたい作品です.
挿絵の演出もネタバレになるので言えないが諸々卑怯なレベルです.
ロボットモノに対して特に真摯に向き合った結果の作品とするならば納得のクオリティーです.ずるい.
絶賛したものの,やはり敵が無機的なのが目立ってしまっているのが気になってしまいます.
しかし心配はしていません.作者なら読者が満足する最高のおもてなしを用意してくれていると信じられる,そんな作品でした.