甘く優しい世界で生きるには 2 感想


前巻の雰囲気はそのままに,よりキャラクターを掘り下げた巻と言った印象.

内容紹介

「――俺と勝負しろ! ドイル・フォン・アギニス! 」
不本意ながらも牧場内トップクラスの馬を手に入れたドイルは、リュートから勝負を迫られることに。
ドイルがグレイと同じ班に選ばれたことが納得できない、宣誓の役を奪われさえしなければ自分こそが選ばれていた、とリュートはまくし立てる。
班分けの基準は経歴ではなく、模擬戦での結果であることを説明され沈むリュートだが、つい口から出た本音にドイルの顔色が変わる。
「――ってやる。お前の言う勝負を受けてやる! 」
グレイの制止をふりきり勝負を受けたドイルは、白馬『ブラン』とともに乗馬の練習を開始するのであった。
乗馬の手並みも常人以上のドイルだが、スピードと高さによる恐怖がブランを鈍らせる。
克服のため日々練習に励むドイルに、果たして勝機はあるのか――。
甘く優しい世界で、再起を誓う若者の奮闘劇、第二幕です。

 

image

正直読むのが少しきつかったです.
わりとバトルに重点を置いてみていた分,今回は少し拍子抜けしてしまいました.
あと女性向けかと見紛うばかりの男性陣のからみが少し濃い目で満腹度が高すぎです.
しかしコンセプトがちゃんと固まってる分,まとまりはすごいと思いました.


死線世界の追放者 感想


あらすじの異世界?でピンとこなかったですがすごい搦手で来ましたね.

内容紹介

暴虐の破戒王が討伐され、平和が訪れたエストラント。賊に追われる少女シアリーは逃げ込んだ洞窟で、巨大な氷の塊を見つける。砕けた氷の中から紅蓮の髪の男が現れて――その出会いは平和を揺るがす波乱の始まり!?

 

image

蘇ったかつての四天王と現在の大きな謎を秘めた少女のボーイミーツガールになっているとともに,個性的なキャラの濃い脇役でしっかり丁寧にファンタジーを織り込んでいる印象です.
確かに異世界ものであり,よくある解決後の英雄譚でもあり,また一人の男と少女の克服の物語にもなってます.
最後の風呂敷の広げ方がやや強引に感じられたものの,この主人公ならガンガン突き進んで色々と爽快に壊していってくれるんじゃないかと期待しています.


『サクラ×サク 02 ボクノ願イ叶ヱ給ヘ』 感想 混戦のテイストが更に色濃くなって…


前巻の混戦のテイストが更に色濃くなってどんどん面白さを増しています!

内容紹介

帝国領ファウラス城市攻略!立ちはだかるは、サクラの妹ナズナ!

「本日付で第八公軍第一連隊に着任いたしました、ハイジ・バラン少尉であります!」
サクラにひと目も会えないままハイジ・バランの日々は飛ぶように過ぎてゆく。
帝国の防衛網を切り裂きながら進む第八公軍が目指すは帝国領ファウラス城市。
サクラの下に増援として派遣されたのは、サクラの妹、ナズナ率いる七六旅団。
血が滾って心も躍る本格ファンタジー戦記、待望の二巻!

image

明らかにされた主人公の異能ですが,そうはいっても戦争なのでうまくことは運びません.
一騎当千の能力が出たり,キャラが出たりしているのに事態が色々と斜め方向に突き抜けたりして驚かされるし,飽きない作りになっています.
またヒロインの可愛さとその鋭さが更に際立って,その上ひと癖もふた癖もあるキャラがバンバン投下されるのでドキドキが続いて素晴らしいです.
心情描写だけでなく,セリフからも登場人物の息遣いが聞こえてくるようなそんな感覚も得ました.
どんでん返しに次ぐどんでん返し.
戦士たちの混戦の中で異能の力がどう活用され,攻略されていくのか.
続きが楽しみな作品です.


『エイルン・ラストコード』 1 感想 至高で嗜好な珠玉の一品


至高で嗜好な珠玉の一品.

内容紹介

これは嘘を真実に、空想を現実に変える、いや変えていった人間達の魂の物語である。
西暦2070年。人類が謎の生命体マリスから襲撃を受けて半世紀以上の時が流れた。
「闘うの……ヤなの。痛いのイヤ……もう全部……ヤなのイヤ……助けて、誰か……」
だがマリスに唯一対抗できる巨大兵器 <黒き魔女> デストブルムのパイロット・セレンは絶望的な戦いに精神を疲弊しきっていた。そんなある日戦場に奇跡が舞い降りる。
国籍不明の謎の戦闘機が出現、この世界に存在し得ない超兵器で、マリスを一掃する。
盛り上がる人類。だが、戦闘機から出てきたのはこの世界での大人気アニメ「ドール・ワルツ・レクイエム」のパイロット、エイルン・バザットそっくりの少年で――。

 

image

かつて巨大ロボットテーマでこんなにも大満足な構成で正攻法でパンチを打ってきた作品があっただろうか.
ヒロインたちと主人公,サブキャラに至るまでとにかく良い.
憎めず,それでいて魅力的でイキイキしているのが良い.
そして極限まで研ぎ澄まされたお約束とも言える爽快感はまさに小さい頃に見たロボットアニメそのもののワクワクで,そういう意味では大人にも若い世代にも読んでもらいたい作品です.
挿絵の演出もネタバレになるので言えないが諸々卑怯なレベルです.
ロボットモノに対して特に真摯に向き合った結果の作品とするならば納得のクオリティーです.ずるい.
絶賛したものの,やはり敵が無機的なのが目立ってしまっているのが気になってしまいます.
しかし心配はしていません.作者なら読者が満足する最高のおもてなしを用意してくれていると信じられる,そんな作品でした.


『ライフアライヴ! 4』 感想 大団円の劇場型青春ラブコメでした!


大団円の劇場型青春ラブコメでした!

内容紹介

いよいよ最終決戦の舞台、瀬海学園文化祭が始まった。初日に行われた討論会で千夏陣営、愛梨陣営のマニフェストが出揃い、残すイベントは三日目のミスコ ン、そして五日目、生徒会総選挙の最終投票だけに。「そんなに抱きつかなくていいんじゃないか?」「私たちは恋人なんですから、こうするのが自然なんです よ」支持率を得るための追い込みとして恋人を演じ続けながらも文化祭を楽しんでいた北斗と愛梨だったが、愛梨の様子がどこかおかしい? そして、生徒会総 選挙の行方は――? あさのハジメ×ゆーげんが放つ劇場型青春ラブコメディ、運命の刻が迫る……!

image

間違っている女の子に正論を言うことの気持ちよさってありますよね.
この作品はキャラの掘り下げが物凄くてどのキャラでもジーンとくるようになっているのが本当に凄いです.
青春だし,まっすぐ進める奴もいれば,回り道したり,がんじがらめになったり,立ち止まったりする.それでいいんだよなと肯定してくれるような優しい作品です.
激しく命を燃やしながら一生懸命なキャラ達に励まされるし,素直にこんな青春送ってみたい!と思えました.
そしてゆーげん先生のイラストは本当に素晴らしいですね.今回は口絵も挿絵もかなりのクオリティーでまさに最終巻に相応しい彩りを添えてくれました.
彼と彼女の生活はまだまだ作品の中で続くでしょうが,我々読者はここでリタイヤです.『そこに立ち続ける強さ』を教訓にしたいですね.
お疲れ様でした!