異能の売買をする不思議な職業の,かなり不思議な人たちが織りなすハートフルボッコなストーリー.
あらすじ・内容
もしかしてお姉さん、異能持ちですか? 僕――世杉見識は目を放すとすぐサボる、意識の低いアルバイトである。自慢することではない。 バイト開始当初は、「能転売業なんてうさんくさ過ぎる、すぐに逃げよう」なんて思っていたけど、異能関係者は変わっている人が多くて、ちょっと楽しいと感じている。 異能というのは――超能力とか秘蹟とか、そんな呼ばれ方をする、とにかく不思議な力のことだ。それは人の願いと共に現れ、いつのまにか消えていく、一時の奇跡である。 そう稀少なものでもないが、誰もが自由に手にできるわけではない。だから、持たない者は皆こう言う――自分も欲しい。欲しいと思う人がいるのなら、そこにビジネスチャンスは生まれる。異能を売りたい人と、異能が欲しい人を結ぶお仕事――異能転売業はこうして成立した。 僕の働く秘蹟商会もそんな異能転売業社の一つである。店舗は埼玉の片隅にある古い建物。働いているのは店長とアルバイトの僕二人だけ。まだまだ規模は小さいが、明日の成功を夢見て僕らは日夜奮闘している。「さてと・・・・・・ポンコツかわいい店長のために、異能力保有者を捜しに行きますか」第6回小学館ライトノベル大賞審査員賞受賞作。
異能はあくまでモチーフかついわゆる「マクガフィン」であって,本当に描きたいのは人間模様なんだということがすごく伝わってきたのでそこが一番良かったです.
みんな悩み,というか欲?を思春期でもいつでも持っていて,それが具現化した時の軋轢をまっすぐ描いてて好感持てます.
これからヤバめな話がどんどん展開されるんだけど,ボンドガールみたいにヒロインがどんどん出てくる予感しかしないのでそれが心配ですね.