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なぜライトノベルが馬鹿にされるのか? なぜライトノベルは擁護されているのか?


俄に盛り上がる界隈での何故ライトノベルがバカにされるのか?問題にありとあらゆる武器で切り込むラノベクラスタたち.

私も尻馬に乗ってどの記事にもリンクを送らずに好き勝手エントリ書きますが,とりあえず色々思い出したものをひとつ.

 


 ■そもそも小説(の形態をとっているエンターテイメント)を正当に馬鹿にするコト自体の難易度は高い

 

曲矢さんのエア彼氏 3 (ガガガ文庫)

実際ヲタクコンテンツの中でも屈指の叩きづらさを誇るのが小説を媒体とする作品だと思います.

なんでかというと,他の形態と比べて,内容を楽しむには個人の教養やら知識やら想像力やらがモロにフル動員されるからです.

わかりやすく図にすると以下のようになります

ピラミッド小説漫画 2

小説には独特な「行間を読む」という作業が発生し,結果的に大なり小なりの色々な”解釈”を生みます.

なのでその構造上,同じ小説に対して叩いている人と擁護する人が同時に発生すること自体は実は当たり前なのです.

先ほど叩く難易度が高いと言ったのは実は語弊があって,正確には

しっかり読んだあと,皆が納得する理由で叩く難易度が高い」のであり,

結果的によく噛み砕かずに特に推敲もしてない,そもそもほんとに読んだのかも疑わしい(というより読んでない)感想や先入観が蔓延する意見が沢山出てしまう土壌が元々あるのです.

 

認めましょう.

小説を真面目に楽しんで,わいわい批評すること自体,

実際結構ハードルは高いのです!

(他のエンタメと比べて。)

 

しかしここで改めてライトノベルにフォーカスを当てましょう.

そうです.ライトノベルこそが,

そのハードルを下げる工夫を絶えず行い続けた,

一つの”商売形態”なのです!

 

 

例えばラノベには他の小説エンタメには無い要素があります.

とても大事なものですよ.

そう,

キャラの表紙,カラー口絵,挿絵です.

 

 


 ■想像力,妄想力を力技で補強するイラストの力

 

7秒後の酒多さんと、俺。(4) (ファミ通文庫)

 

雨の日のアイリス (電撃文庫)

 

このイラストの力についてはラノベ読者なら当然容易に実感するところでしょう.

演出として迂遠で曖昧な情景や描写も一気に補強するその威力は

我々読者の理解を強制します.

 

ガガガ文庫 王子降臨2 王子再臨(イラスト完全版)

 

その結果,別に内容を読まなくてもヒロインの可愛さやテイストを確認できるし,

読者同士でも流石にキャラクターの容姿に解釈のズレはなくなるし,

キャラについては比較的語らいやすいですよね.

 

 


 ■長文タイトルはテレビ欄

 

俺の妹がこんなに可愛いわけがない (電撃文庫)

「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」が出た当初は単純にあの「十三番目のアリス」の伏見つかさ先生がなんか長ったらしい作品を出したとしか思わなかったですが,

その後メキメキと売れてそれ以降の長文タイトルの隆盛に一役買ったのは間違いありませんね.

 

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (ガガガ文庫)

 

長文タイトルも新聞のテレビ欄と言ったのは賀東先生でしたか.

つまりは実際の鑑賞前の理解のため.

これもハードルを低くする工夫です.

 

 


 ■フォント芸も特殊配置イラストもテーブル図だってみんな工夫

 

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― GA文庫『のうりん』 挿絵より

 

「のうりん」が我々読者に与えた衝撃は大きいですね.
元々フォントを大きくしたり,太字にしたりする作品はありましたが,

作為的なイラスト配置,フォントをいじるタイミングなど,特に工夫が読者にも明確に伝わる「のうりん」は最高にエキサイティングでしたね.

また去年話題になった「僕は友達が少ない」のテーブルの見取り図の挿入も記憶に新しいですね.

20140607232101

これについても色々と議論が紛糾しましたが,まぁそれはともあれ私が言いたいのは,

結果的に概ね目的が分かりやすい工夫は,ハードルを下げるということです。

 

 


 ■忘れちゃいけないメディアミックス

 

mahosen

 

メディアミックスとラノベは相性がいいです.

一番最初に貼った図を思い出してみてください.

ピラミッド小説漫画 2

小説媒体の原作は非常に多岐にわたる解釈を生みます.

すなわちそれだけ,読者の認識のズレを許容する土台が有るということです.

メディアミックスによって多チャンネルで広がっていけばより多くの人の目に触れる機会も増え,

さらに自分が触れたチャンネルを通してそのコンテンツを消費する上で,

”小説が原作である”ことそのものが作品を楽しむハードルを下げる.

しにがみのバラッド。(実写ドラマ) 全6巻セット [レンタル落ち] [DVD]

魔法少女を忘れない [DVD]

オール・ユー・ニード・イズ・キル ブルーレイ&DVDセット(初回限定生産/2枚組/デジタルコピー付) [Blu-ray]

 


 ■まとめ

 

ライトノベルは何故馬鹿にされるのか?

 

それは普通に考えたら真面目に馬鹿にするのには

(読者同士の想像の介在余地が大きすぎて議論が基本的には発散してしまうほど)

ハードルが高い小説媒体なのに,

ハードル下げて色んな人にわかりやすくして,工夫した結果

簡単に気軽に馬鹿にされるほど台頭したからです.きっと.

 

 

ライトノベルは何故擁護されるのか?

 

それは普通に考えたら真面目に真っ向勝負で擁護するのには

(知らなきゃいけない事が多すぎて)

ハードルが高い小説媒体なのに,

ハードル下げて色んな人にわかりやすくして,工夫した結果

簡単に気軽に擁護できるほど愛されてしまったからです.きっと.

 

 

消えちゃえばいいのに (富士見ファンタジア文庫)

キミとは致命的なズレがある (ガガガ文庫)

 

ここいらで筆置きます.

リココ


魔王軍の軍師はじめました1 感想


舞台が現代と聞いて身構えてしまったが,バトルもさることながら,より精神性とか考え方に重きをおいているのがかなり好印象.

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サクッとしたほんのり俺つえー要素が心地よい.
ヒロインたちも皆かわいいのでドロドロしたのも今後期待したい.


新潮社が「ラノベじゃない×2、本当のことさ~♪」と言ったらラノベクラスタの話題にされたお話


新潮社が新文庫レーベルを創設したことはライトノベル好きの間ではにわかに話題になりましたが,どういうことか「ライトノベルと呼ぶな!」と呼びかけているらしいです.

新潮社、ラノベ作家の新文庫レーベル創設も「ラノベと呼ぶな」! 謎のこだわりでファン混乱

そんなこんなで今日もラノベクラスタの議論の種となったわけです.

確かに私としても「ラノベじゃないよ!」って言われても混乱というよりは違和感を覚えてしまいます.

記事にある通り,ライトノベルの一線級の作家陣を揃え,二次元の美少女を始めとする美麗なイラストを表紙にこしらえてなお叫ばれるのは「ライトノベルではない」という主張.

別にいいじゃんとは思うかもしれないですが,そもそもライトノベルであると主張することや,そういったことがどういう影響を業界に与えるのかということを考えることが楽しくなったのです.

※私としたことが「このライトノベルがすごい!文庫」を忘れていたのですがそれはご愛嬌です.

こういう面白い派生を見せたこの議論ですが,そこで重い腰を上げたのがid:mizunotoriさんです.

そのまとめが以下のリンクになります.

ライトノベルは自称するもの?

それはさておき(おいちゃうんだ)

例えば本屋の本棚の問題がありますよね.

レーベルが放つ「コレはライトノベルではない」という主張はすなわち,本の売り手である書店員さんたちの本に対するゾーニングへ強いメッセージ性を与えることになります.

もちろんいやいやこれだけ豪華な作家がいて,この表紙で……って書店員が思ったらラノベの隣に置かれるし,そもそも一般の書籍棚がない書店(とらのあなとかアニメイトとか)は普通に隣においてますしね.

私はどちらかというとメディアワークス文庫の例がありますし,どれだけ主張をしてもライトノベルの隣に置かれることが多い気もするし,ネット書店の利用が大幅に増えた今じゃあんまり意味のない主張かなという立場だったのですが,この件についてはいろいろな意見があるようですね.

なるほど確かにと思いますね.

それと興味深かったのでご紹介したいのですが,世の中のライトノベルクラスタにはこういう病気があるんですよ.

こういう人,私の周りにかなりの数がいます.同じ作家,同じ絵師,同じ話(一般レーベルに活躍の場を移ったライトノベルがちらほらあります.有名どころで言うと桜庭一樹の「GOSICKシリーズ」とか.)

……どれだけ共通項を持っていてもライトノベルでないという匂いを敏感に嗅ぎ分けて離脱するわけです.

実は私もこの病気のキャリアで,かなりの重度です.なんでなんですかね笑

敵にまわるというのはまた過度な煽り文句なんですが,事実ラノベじゃなくなった(ような匂いがする)だけで買わなくなる人は確かに周りに大勢います.

まぁ私は根っからのライトノベル大好き人間なので,「ラノベだから買う」「ラノベじゃないから買わない」は理解できても,「ラノベだから買わない」と「ラノベじゃないから買う」は根本的には理解できないのかもしれません.

私が共感できないからといって「ラノベと言われるととても恥ずかしくて買うことは出来ないけど,ライトノベルじゃないなら買おうかな」と考える人がいる可能性はゼロではありません,むしろ結構多いのではないかなと思います.

となるとなぜ美麗な二次元イラストを表紙につけたのか……そういうセンスィティブな人は二次元美少女の表紙を持って笑顔の女性書店員レジ係という最強の壁を超える必要があるわけですね.

まったくたまらないシチュエーションですな!ぜひとも今後新潮社さんにはおっぱいとかバーン!と出ているようなものを出して欲しいです.

 

とにかく今日も,ライトノベルクラスタは平和にわいわい議論をしております.

 

 

 

 

ん?「ライトノベルの定義は何?」だって?

 

 

 

 

 

 

てめぇ決着をつけてやる屋上へこい.

 

 

 


ニートだけどハロワにいったら異世界につれてかれた(1)


読めた.

50602

この厚さで1時間半くらいしかかからないほどスラスラ.
スキルリセットやハーレムのために奴隷を買う展開はテンプレなの?と思わずうーむと.
ヒロインみんな可愛いことが出版の絶対条件だというのはちゃんと感じれる.
ハロワどこ行った.


ニートだけどハロワにいったら異世界につれてかれた(2)


イチャコラしすぎ.

50600

まぁこの手の作品には必要すぎる要素なのかもしれない…….
スキルリセット型の話はよく見ますけど展開が似通いますね.
そろそろ取得スキルが多すぎて全然把握できなくなってる.
話の展開的にあのスキル取ればいいのにと読者に思われちゃうとストレス要素になるのでそこをどう料理するかという点が重要かも.
あと言いたいのは,

女神官はそんな簡単にえっちしません!


ニートだけどハロワにいったら異世界につれてかれた(3)


うって変わってだいぶバトル要素が増えてきた.

50601
だけど相変わらずのすごいイチャコラ成分.
ただ結婚がファンタジーすぎたかなぁと.
結婚指輪と婚約指輪は概念的に違うものだというのもわかってないのかも.
取材力か調査力にステ振って欲しい.

ほぼ大団円だけどこっからどう転がすかが腕の見せ所でしょうね.


【電撃文庫】ミス・ファーブルの蟲ノ荒園〈アルマスギヴル〉4


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3巻と4巻を一気読み.
魂と信念のぶつかり合いを、圧倒的な濃密描写のバトルが彩らせている.
文句なしの満点.
電撃文庫で一番好きな作家かもしれない.

とにかく非の打ち所がなく,キャラも話しの流れも描写も全てが腑に落ちて頭に猛烈な後味を残す危険な書物.
最高.