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感想 『やがて恋するヴィヴィ・レイン 1』 戦争に咲く恋の香り


戦争に咲く恋の香り

あらすじ・内容

飛空士シリーズの犬村小六、最新シリーズ!

「ヴィヴィ・レインを見つけて」

彼女の願いを叶えるため、スラム街の少年は旅に出る。限られた命を生きる人造の少女と、意志を持つ機械兵。滅びゆく王国の姫、性別不詳の天才操縦士、皇帝に捨てられた子ども……。
旅の途中、それぞれの傷を抱えた仲間たちと出会い、やがて少年は「災厄の魔王」と称され、楽園に支配された世界へ反逆の旗を翻す。
ヴィヴィ・レインを探す、ただそれだけだった小さな旅はいつしか時代のうねりとなり、世界を変革する戦いへ――。

傷だらけの少年少女が織りなす恋と会戦の物語、開幕。

大切な人との出逢いと別れ……そこから諦めずに少年が追い求めるものの先に何があるんでしょうか.

空から落ちてきた少女と少年が出会うところから繋がる運命の残酷さと人の縁と一生懸命にもがく意思がなんとも素晴らしい雰囲気を作っています.

世界観設定も見事.なんでこんな世の中なんだろう,誰が裏で糸引いてるんだろう,どうやって世界は回ってるんだろうと想像が止まりません……ジブリ的な楽しさがありますよね.

王女が本当にお気に入りで,こんないじらしくそれでいて凛とした姿勢を保つキャラもなかなかいませんよね.久々に萌えでした.

戦争は終わらず数々の展開を残しつつ,世界の謎とキャラクター達の心の持って行き方など気になる見どころが今後も多そうですが何と言っても最後の伏線ですよね.
すべてが楽しみです.


感想 『我が驍勇にふるえよ天地 3 〜アレクシス帝国興隆記〜』


吸血英雄 喀血す

あらすじ・内容

レオ様、これは天の時を掴む戦いです!

クロード帝国各地で勃発した、未曽有の大叛乱を征伐したレオナート。
その武功により、広大なるディンクウッド州を下賜され、彼の常勝軍とともに州都レームへ入城を果たす。
季節は冬。レオナートは在りし日の伯母を思い浮かべ、最良の領主足らんとする。大州を完全に掌握し、憎きアドモフ帝国に対抗すべく着実に力を蓄える日々。しかし、春を待たずして、軍靴の音が北より押し寄せる。アドモフ、来襲――!
「天におわすロザリア様よ、ご照覧あれ――全軍突撃!!」
魔法なし! 痛快にして本格なるファンタジー戦記、これぞ“吸血皇子”の伝説伝承たる激震の第3弾!

ものすごい事態がものすごい怒涛の展開で迫ってきました.

常勝無敗の伝説を英雄がどのように築き上げるさまを目の当たりにできるこの作品ですが,それにしても容赦がない.

繰り出される武勇と戦略.

時には手練を発揮して,知略を練り,それでいて時には正面突破するなどまさしく怒涛の展開にふさわしい大満足の巻でした.

女子の可愛さは抑えられているものの,ハラハラする展開や歴史が動くさまを描くスケール感などが息をつく暇もないですね.

フォークロア.この物語の行く末が気になりまくりです.


感想 『異世界料理道 9』 別れと出会い……


別れと出会い……

あらすじ・内容

ついに領主サイクレウスと森辺の民の会合が開始され、過去の事件とスン家の因縁が白日の者となる日も近づいていた。一方、ようやく屋台を通常営業することが出来るようになったアスタは、友人・シュミラルの所属する銀の壺が、次なる商談の旅に出ることを知る――。

お得意様だった賑やかなキャラクターたちが離れ,それぞれの想いを胸に秘めながらまた新たなステージに進んでいく.

どうしようもない陰謀や巨悪は潜んでいるものの,確かに前を向いて進んでいける道がある.

そんな光明が示された巻でしたね.

あらゆる出来事の裏側では確かな息遣いがしっかりとベースにあって,想いをしっかりと育んでる様がバランス良く描かれていてそれがなんとも心地よい.

話の盛り上がりは激しくないもののきれいにまとまっているおかげで読後感が爽やかでした.

それでいて続きがとても気になる終わり方なのではやく読みたいです.


感想  『楽園への清く正しき道程 3(庶民出身の国王様がまたご愛妾を)』 淡い恋心が結ぶ縁


淡い恋心が結ぶ縁

あらすじ・内容

野村美月のファンタジー・ハーレム(予定)コメディ、錯綜する第3弾!!

可 愛いお嫁さんを迎えたのに、王妃との間に世継ぎの男児が誕生するまではいちゃいちゃ禁止と申し渡されてしまったルドヴィーク。そんな中、国王を敬愛する女 騎士エヴァリーンに縁談が持ち上がる。結婚したら国王様の騎士ではいられないと思い詰めた彼女は、フロリンという強力な助っ人を得て、思いを伝えるべく大 奮闘! また幼なじみのエヴァリーンの結婚話に焦った公爵令嬢のテレーゼも暴走し――!?

それぞれのキャラクターが秘めていた想いが,発散するところはされて,拗れるところは拗れて,また更に溜め込まれたものは濃くなっていった今巻でした.

メインヒロインの暗躍とも言える活躍で展開が進んでいたこのシリーズですが,主人公もしっかり成長し,また周りに恵まれることによってかなり積極的に行動していけるようになった様が見れた巻でもありましたね.

貴族平民といった理解しやすい要素と,女心や陰謀などといった要素が絡んで物語に深みが増していました.

そして女性キャラクターが本当に魅力的でたまりません.
あのキャラクターが今回こんなに可愛くなるとは!

後半の急展開には驚きましたがそれもまたスパイスととらえたいですね.


感想 『クロニクル・レギオン 5』 大陰謀とそれぞれの思惑


大陰謀とそれぞれの思惑

あらすじ・内容

災 厄の英雄、平将門(たいらのまさかど)復活!! 征継(まさつぐ)の記憶を取り戻すため、皇都東京への訪問を決意した志緒理(しおり)。だが、時を同じく して皇都東京では女皇照姫(じょおうてるひめ)が災厄の英雄・平将門を復活させてしまう!! 将門の率いる二千騎ものレギオン“零式(れいしき)”によ り、武力で実権を握る照姫だが、将門にはさらにおそるべき秘密が隠されていた……!! 志緒理と共に皇都入りした征継は、ついに記憶を取り戻す鍵となる人 物、神君徳川家康(しんくんとくがわいえやす)と邂逅を果たす。だが家康の放つ意外な言葉に迷いを感じて……!? いっぽう虎視眈々と巻き返しを狙うエド ワード率いる大英帝国も、ある密約をもとに次なる計画を立てていた……。 幻想と歴史がクロスする覇道戦記、混沌と激突の第五巻!!

ありとあらゆるキャラクターの思惑が交差し,反発し,同調しと盛りだくさんでお届けされた大スペクタクルなストーリー.

適度に挟まれるキャラクター同士の掛け合いという名のご褒美シーンの数々.

どれをとってみてもサービス精神が感じられて最高ですね.

ヒロインに関しても,真っ直ぐなだけじゃない,女の子の怖くて黒いところがいいバランスで描かれていて一層の魅力に感じました.

男たちの世界の表現もイイ!
豪快な奴もいれば,静かに燃えるタイプもいる……それぞれが混乱する中でチャンスをもぎ取ろうと活躍する,まさに英雄譚にふさわしい展開だったのでは無いでしょうか.

次回更に事態が加速して大戦争になるとのことで戦々恐々で楽しみにしたいと思います.


感想 『東京侵域:クローズドエデン 03.人類の敵VS人類の敵』 侵攻こそが意志


侵攻こそが意志!

あらすじ・内容

どれだけ傷ついても、どれだけ絶望に囚われても、戦うことを諦めない。

決死の“東京”侵入で、“スポット”と“ハーメルン”への手 がかりを失った蓮次たち。活路を求める叶方は最後の手段――人気アイドルKANATAとして救務庁に潜入する。しかし、“奪還派”の起こしたクーデターに 巻き込まれ!? 一方、別行動を取る蓮次にも救務庁の刺客が迫り、決死の逃亡劇が始まる。全世界を敵に回しても走り続ける蓮次。命をかけて希望を繋ぐ叶 方。送る者と征く者――二人の魂と絆をかけた戦いが始まる!!

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読み終わってもしばらく興奮が収まりません.

戦いと日常.双方を奪われてかせられた新たな任務は達成困難な茨で埋め尽くされた道.

離れていても深く理解し合い結ばれた二人の絆が最高にアツくクールでなんて言うかもうお前らもっとやれ!と思わず身を乗り出してしまいます.

前巻から引き続きの木村アルテミスちゃんもドギつくて身悶えするほど狂ってて好きすぎます.

繰り返しになりますが何よりも主人公二人のシンクロとそれを追従する息もつかせぬ展開が見事なハラハラドキドキを生んでいます.

読んだあとの高揚感と興奮も他の作品にはない醍醐味でした.

取り戻した希望と反逆のコンテキスト.
ぜひバトンを繋いでほしい作品です.

絶対続巻出してほしいです.


感想 『セブンスターズの印刻使い 3』 冒険の結末と陰謀


冒険の結末と陰謀

あらすじ・内容

バイトの為に訪れた迷宮で襲い掛かってきた《七曜教団》の 《木星》アルベルを退けたアスタは、離れていた仲間と合流して事態を把握すべく、迷宮のさらに奥へと進む。そして、そんな彼の前に立ちはだかったのは、先 ほどまで一緒に冒険していた同級生・ピトス=ウォーターハウスだった――。本格異世界ダンジョンファンタジー、激動の第3巻!!

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話としては伏線を張りまくって最後にドでかいヒキを作って終わったので少しモヤモヤです.

ただこの作品の醍醐味であるダンジョン戦が綺麗に終わったのが良かったですし,それぞれのキャラクターの思惑や思想がしっかり描かれていた点は満足です.

主人公が思ったよりも足手まといで周りがしっかりフォローする感じですが,今回は少しその特異なところが漏れ出ていたのでそこも良かったです.

また次の巻から新しいステージだと思いますが規格外の敵,一端もまだ見せていない陰謀……そしてロリと見どころがたくさんありそうでワクワクしますね.


感想 『フェアリーテイル・クロニクル 2』 スキル性の相性の良さ


スキル性の相性の良さ

あらすじ・内容

モノづくり系ファンタジー第2弾! 宏の異世界ライフは続く…

異世界に飛ばされて以来、厄介事続きの宏と春菜。ファーレー ン王国の王太子から依頼を受け、王女エレーナの治療を請け負う。まさかそれが王国の一大事に発展するとは思いもよらず……!? まったりモノづくり系異世 界ファンタジー、待望の第二弾! 至高のクラフト職人・宏の空気読まない異世界ライフは今日も続く!

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典型的なスキル性の物語なのに設定開陳にストレスがないのは重要ですよね.

前回ちら見せした敵側の傀儡系女子キャラが思ったよりもどうしようもなくて逆に燃えますね.

戦闘シーンは派手ではなく設定の折り合い合戦なのですが,そうと割り切れば非常にわかりやすいのでそこもストレスない感じでした.

いよいよ敵の暗躍が本格化しそうなので主人公達の持ち前ののらりくらりでどうやってやり過ごすのかがみものです.


感想 『フェアリーテイル・クロニクル 1』 MMOモノづくり系


MMOモノづくり系

あらすじ・内容

ヘタレ男と美少女が綴る「モノづくり系」異世界ファンタジー!

《電子版限定オリジナルショートストーリー収録!》不慮の事 故で飛ばされた異世界は、人気VRMMO『フェアリーテイル・クロニクル』そっくりの世界だった。ゲーム内で生産職人として高いスキルを保持していた宏 は、そこで再会したクラスメイトの春菜と共に自給自足の生活を開始することになるのだが……!? 「モノづくり系」異世界ファンタジーの始まり始まり。

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MMOへの異世界召喚物では珍しく,主人公の戦闘能力ではなくクリエイティビティで勝負するタイプ.

この手の話で重要なのは1巻目でやるゲームのシステムや世界のルール,主人公の適正などの説明シーンなんですが,この作品ではストレスなく必要十分な量を適度な頻度のバランスで渡してくれる感じです.

そのバランス感覚が自分に合っていたのと,起こるイベントをのらりくらりとしながらも自分の考えでガンガン進むさまが心地よかったです.

キャラクターの個性としてはそこまで強烈じゃないのですが,これから掘り下げられると思いますので今後に期待です!


感想 『NO FATIGUE 〜24時間戦える男の転生譚〜 3』


精神と信仰の関係性

あらすじ・内容

0歳からの24時間無双ファンタジー、第三弾!

女神アトラゼネクより“24時間疲れない”能力【不易不労(ふえきふろう)】を授かった加木智紀(かぎとものり)。悪神の力で転生した通り魔を倒すため、彼は子爵家の四男エドガーとして、異世界で第二の人生を歩み出した。
悪神の息が掛かった暗殺教団<八咫烏(ヤタガラス)>。わずか1歳足らずにしてその首領ガゼインに見込まれたエドガーは、教団への潜入を果たす。
そこで出会ったのは、ダークエルフの少女エレミアをはじめ、暗殺任務をこなさせるために洗脳され、労働と戦闘訓練を課せられている子どもたちだった。
彼女たちを助け出すことを心に誓ったエドガーは、次々と明らかになる教団の真実を前に、ついに反撃の狼煙を上げるが……!?
「俺はサンタマナを潰し、俺のための王国を打ち立てる。――一緒に来ねーか?」
逆転に次ぐ逆転、先行き予測一切不能! 激動のクライマックスを迎える暗殺教団編の他、書き下ろしエピソード満載の第3巻登場!!

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今回は何故か各キャラクターの内面の深堀とその信仰するものの不安定さにかなり踏み込んでいました.

大きな区切りのクライマックスだったのですが,バトルがかなり盛り上がって迫力がありましたね.

スキル性の醍醐味でもある豊富な選択肢のどれで裏をかくか……といったところも見どころでした.

ヒロインだけでなく,各女性キャラクターの強かったり怖かったりするところが強調されていて,また深く読み応えがありました.

いよいよ現世とライバルの動きが徐々に明らかになり,陰謀感が増したので,次回はぜひそこら辺のハラハラドキドキを楽しみたいと思います.