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感想 『無職転生 〜異世界行ったら本気だす〜 12』 悲願の達成とその代償


悲願の達成とその代償

あらすじ・内容

父と息子は迷宮へ!! 母の救出は成るか!?

母を救出するため、父パウロと共に迷宮に挑むことになったルーデウス。かつてない脅威を前にした時、父が息子に伝えた予想外の言葉とは!? 異世界で親子の絆を知る、人生やり直し型転生ファンタジー第十二弾!

家族の絆と思い通りに行かないもどかしさで四苦八苦する巻でした.

どんな理由にせよ,落ち込んだ人に差し伸ばされる手は尊いものです.

大転移に関しての話は一旦の帰結を見せたわけですが,正直どうにもしっくりこない終わり方でもやもやしますね.

キャラクターも淡々としているので余計に状況のもどかしさが際立ちます.

次は剣の修行をしているエリスにそろそろ焦点を当ててほしいところです.


感想 『りゅうおうのおしごと! 4』  魔物が潜む夏の陣


魔物が潜む夏の陣

あらすじ・内容

人生で最も熱い夏が今、始まる。

「わたし、もっともっと強くなって……絶対に勝ちますっ!!」
小学校が夏休みに入ったその日、あい達は東京を目指していた。
目的は――最大の女流棋戦『マイナビ女子オープン将棋トーナメント』。
女流棋士やアマチュア強豪がひしめくその大会を、あいと天衣は破格の才能を武器に駆け上がって行く。
一方、その師匠はというと……弟子に隠れて美人女流棋士と将棋番組でイチャイチャしたかと思えば、その翌日は別の女の子と原宿で手繋ぎデート!? しかもそのお相手は……銀子!?

将棋に全てを捧げた女性達が織りなす灼熱の祭典を描いた第四巻!
人生で最も熱い夏が今、始まる。

将棋盤に向かい合う棋士たちの息遣いまでもが伝わってきそうな濃密な巻でした.

場面や勝負どころが複数出てくるのに,どれもが濃くそして後味がしっかりした構成で驚きます.

それぞれの魂を削りながら相対し,命をすり減らして対局する様がありありと伝わってきて読んでいるこっちも一緒になって一喜一憂してしまいました.

姉弟子や前回のヒロインとも呼べる桂香さんがさらに生き生きと表情を晒していたのでこれから楽しみなキャラです.

もちろん小学生の二人もすごいんですけどね!可愛すぎです.

さて,主人公の状況はまさにこれからが山場.
恋も将棋もクライマックスな展開になることを期待しています!


感想 『終末なにしてますか?もう一度だけ、会えますか?(#02)』  次々と迫りくる終末の気配


次々と迫りくる終末の気配

あらすじ・内容

〈聖剣〉セニオリスに適合したラキシュは眠れぬ夜を過ごす――。

〈獣〉の浸食により死にかけた都市ライエル。その外れの森で新たに発生した妖精の子供2人は、リンゴ、マシュマロと名づけられた。
「ふぇどーるーっ!」「ふぇどるー」
「まったく、どうして僕なんかに懐いてるんだか」
ぼやくフェオドール四位武官に、ラキシュは悪戯っぽい笑顔を返す。
彼女らと過ごす日々の中、フェオドールは自らの想いを告げることを決めるが、そこに〈十一番目の獣〉(クロワイヤンス)の『小瓶』が落とされる……。
新シリーズ、第2弾。

少女たちの矜持と嘘つきだけど優しい少年の想いがぶつかるシーンがなんとも切ないですね.

主人公のフェオドールが奇跡みたいなバランス感覚で生きていて見ていてヒヤヒヤします.

ヒロインたちもとんでもない爆弾を抱え,その自己犠牲にも似た精神性も危うく,それが笑っていても幸せそうにしてもなおにじみ出る切なさにつながっていて素晴らしいです.儚い.

そして前作のキャラクターがどんどん出てきてとても嬉しいです.

ファンサービスもあっていい感じの雰囲気を楽しめるのでいい意味で世界観を満喫できてるといえます.
次巻の展開にも期待したいですね.


感想 『セブンスターズの印刻使い 3』 冒険の結末と陰謀


冒険の結末と陰謀

あらすじ・内容

バイトの為に訪れた迷宮で襲い掛かってきた《七曜教団》の 《木星》アルベルを退けたアスタは、離れていた仲間と合流して事態を把握すべく、迷宮のさらに奥へと進む。そして、そんな彼の前に立ちはだかったのは、先 ほどまで一緒に冒険していた同級生・ピトス=ウォーターハウスだった――。本格異世界ダンジョンファンタジー、激動の第3巻!!

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話としては伏線を張りまくって最後にドでかいヒキを作って終わったので少しモヤモヤです.

ただこの作品の醍醐味であるダンジョン戦が綺麗に終わったのが良かったですし,それぞれのキャラクターの思惑や思想がしっかり描かれていた点は満足です.

主人公が思ったよりも足手まといで周りがしっかりフォローする感じですが,今回は少しその特異なところが漏れ出ていたのでそこも良かったです.

また次の巻から新しいステージだと思いますが規格外の敵,一端もまだ見せていない陰謀……そしてロリと見どころがたくさんありそうでワクワクしますね.


感想 『りゅうおうのおしごと! 3』 鼓動する才能


捌き捌かれ.生き様の熱さ

あらすじ・内容

「あいも師匠と一緒に『おーるらうんだー』めざしますっ!!」

宿敵≪両刀使い≫に三度敗れた八一は、更なる進化を目指して≪捌きの巨匠≫に教えを乞う。
一方、八一の憧れの女性・桂香は、研修会で降級の危機にあった。
急激に成長するあいと、停滞する自分を比べ焦燥に駆られる桂香。
「私とあいちゃんの、何が違うの?」
だが、あいも自分が勝つことで大切な人を傷つけてしまうと知り、勝利することに怯え始めていた。
そして、桂香の将棋人生が懸かった大事な一戦で、二人は激突する――!
中飛車のように正面からまっすぐぶつかり合う人々の姿を描く関西熱血将棋ラノベ、感動の第三巻!!

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鼓動する才能.

生きることと将棋を打つことが同義になってしまった棋客達が己が命と魂を削り合って奏でる合奏が心地よかったです.

特にその正面から見える部分とそれぞれが抱える苦悩,嫉妬からくる闇な部分のコントラストが映えていて読んでいてこっちが身を乗り出してしまいました.

勝つことこそがそこにいる意味.
将棋盤の前に座ったら最後,あるのは純粋に研ぎ澄まされた飽くなき探究心と経験と命をかけた戦いだけ.

人類の進歩に貢献しない……と記述がありますがそこに確かなせめぎあいがある限り,ドラマと進歩が生まれる……そんな実感が得られる巻でした.最高です.

桂香さん愛おしい.


感想 『終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか? 05』


受け継がれる意思.

あらすじ・内容

数多の犠牲によって訪れた平穏。終末に零れる涙。シリーズ完結。

ヴィレムは約束を守れず〈月に嘆く最初の獣〉(シヤントル) の結界は崩壊した。正規勇者(リーガル・ブレイブ)の命と引き替えに長い眠りについていた幼い星神(ほしがみ)は、その余波で空魚紅湖伯(カーマインレイ ク)とはぐれ、記憶を封じられたびれむと共に仮初めの平穏な日々を過ごす。その日、〈穿ち貫く二番目の獣〉(アウローラ)が浮遊大陸に降り注ぐことになる までは――。〈獣〉に対するのは、アイセアとラーントルク。死にゆく定めの少女妖精たちと青年教官の、終末最期の煌めき。次代に受け継ぐ第一部、幕。

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一人の青年と大勢のロリっ娘妖精たちの終末ファンタジー,ここに終焉.(でも続くんじゃよ)

壮大な伏線を絶妙にはっきりしない状態で回収する点がちょっとソワソワしますが,これまでの苦難とか苦労を思うとジーンときますね.

特に最後の戦闘シーン……最高です.このシーンのために前4巻はあったのではないかと思うくらいです.

ヒロイン正妻枠(と最後まで信じて疑わなかった)のクトリにまた逢いたいけど,希望というか可能性を残したエピローグでした.

キャラクターの温かいやり取りと切ない世界観が魅力の今作ですが,同舞台の新作が始まるということなので,早く読みたいと思います.


感想 『楽園への清く正しき道程(1番目はお嫁さんにしたい系薄幸)』


いじらしいハーレムコメディ

あらすじ・内容

野村美月のファンタジー・ハーレム(予定)コメディ、第2弾!!

「すごくいいことを考えちゃった!」王妃のひと言を発端に、 城内で”お嫁さんにしたい子番付レース”が大々的に開催される。優勝した娘は国王様の寵姫として迎えられるという噂が広がり、城中がヒートアップ! そん な中、ルドヴィークはいじめに遭っている内気な侍女と知り合い、王妃の協力も得つつ、地味な彼女を勇気づけるため魅力的に変身させることに。だが一方で、 レースに不正の疑惑が持ち上がり……!? ファンタジー・ハーレム(予定)コメディ第2弾!

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女の子で一喜一憂している主人公とそれを支えつつもいじらしく自分の気持ちを抱えて気づかないヒロインがたまりませんね.

ボンドガールのように次々に新しい女の子が出てくるのが特徴な今作ですが,今回は大人しい小動物系のメイドさん.その道のお兄さんにはたまらない感じじゃないでしょうか.

ただどんなキャラクターにも一本芯みたいなのが通っていて,過去だったりが背中に乗っていて……そこがキュートでした.

何人かすでに顔見せは終わっているので,次はどんな女の子が素敵な表情を魅せてくれるのかが楽しみですね.


感想 『本好きの下剋上(第1部 〔1〕)』 ビブリアマニア恐るべし


ビブリアマニア恐るべし

あらすじ・内容

本好きのための、本好きに捧ぐ、ビブリア・ファンタジー! 「小説家になろう」で大人気長編がついに書籍化!書き下ろし短編を2本収録!【あらすじ】幼い頃から本が大好きな、ある女子大生が事故に巻き込まれ、見知 らぬ世界で生まれ変わった。貧しい兵士の家に、病気がちな5歳の女の子、マインとして……。おまけに、その世界では人々の識字率も低く、書物はほとんど存 在しない。いくら読みたくても高価で手に入らない。マインは決意する。ないなら、作ってしまえばいいじゃない!目指すは図書館司書。本に囲まれて生きるた め、本を作ることから始めよう!

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ただひたすらに本を作ることを目的として突き進む主人公……もはや恐怖.

ただ作品としてカタルシスも薄ければ,登場人物たちもそれほど等身大に感じませんでした.
そこはまだ一巻なのでおいおい高められていくところなのでしょう.

あと椎名先生のイラストは本当に素晴らしい.

ロリヒロインが始終暴走するさまをありありと見せつけられてスタートしましたが,今後は陰謀渦巻いたりファンタジーの裾野が広がっていくのでしょうか.それが楽しみですね.


感想 『リーングラードの学び舎より 3』 教師の矜持、生命の価値


教師の矜持.生命の価値

あらすじ・内容

教師が生徒を守るため、『本気』を出した時、術式の嵐が吹き荒れる!!

「教師らしく帝国相手に教鞭を振るってきます。全力で物理的な方向に」
前代未聞の計画「義務教育」を進めるリーングラード学園では今日もトラブルが続いていた。資金不足、外部からの妨害、生徒たちの思わぬ行動などに振り回さ れる教師ヨシュアンだったが、忍び込んでいた密偵の殺害という事件が起こり、学園を不穏な空気が包んでいた。元凶の排除に動いていたヨシュアンだったが、 解決の前に生徒の一人、マッフルが、学園外部からの策略に巻き込まれてしまう。マッフルを救うため、王国最強の術式師【輝く青銅】がその真価を発揮する!
新米教師と生徒たちが紡ぐ異世界の学園物語、三時間目は隣国に殴りこみ!?

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田舎系中世義務教育ファンタジー第三弾ですが早々に波乱の展開です.

個人的に気になったのは,主人公や諸々のプライドだったりトラウマだったりが確かに現在を形作っていて,それが周囲やいろいろなところに伝染していくさまです.

いや伝染とは少し違うかもしれません.
確かに過去があり,それで今がある.そして信念が生まれた……とどのキャラクターにも背景があると感じられて深いですね.

信念が,芯があるからこそ本気で激昂したり命をかけて動けると.

生徒たちの成長も見どころな作品なのですが,行動哲学だったりバトルシーンの読み応えがしっかり作品に色濃く浮かんでおるのが素晴らしいですよね.


感想 『りゅうおうのおしごと! 2』 ロリおかわり!


ロリおかわり!

あらすじ・内容

『のうりん』の白鳥士郎最新作! 監修に関西若手棋士ユニット『西遊棋』を迎え最強の布陣で贈るガチ将棋押しかけ内弟子コメディ第二弾!

「私はあなたを師匠だなんて呼ばないから」
『竜王』九頭竜八一の前に現れた黒衣の少女は高飛車にそう言い放った。
夜叉神天衣。小学4年生。
弟子と同じ『あい』という名を持つJSの教育を将棋連盟会長より依頼された八一は密かに特訓を施す。
だがそれが弟子にバレた時――かつてない修羅場が訪れた!
「ししょう……? だれですか? その子……?」
はじめてのライバル、はじめての修羅場、そしてはじめての家出……
幼い師弟に訪れた危機を乗り越え、二人のあいを救うことができるか!?
悲しみの雨に閉ざされた少女達の心に、若き竜王の角が虹を描く!!

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次々に現れるロリイベントの猛攻とそれが彩る熱い頭脳バトル!

相変わらずの半端ない取材に裏付けされた濃厚な描写が相まってどれも高いクオリティーでバランスされています.すごい.

新キャラクターの娘もかわいい.いやとにかくかわいい.ツンツンしている生意気系なんですがしいて言うならまぁ
かわいいですね.

成長にはライバルが必要.

理屈はわかるのですがそこでライバル側の視点も入れて切磋琢磨の演出が行われているのがミソですね.

一つ一つのやり方が正しいとは限らない.
しかしその最善をめぐって何人もの魂と記録,記憶が積み重なっているという感覚がありありと感じられました.

次も作者が最も書きたいものが出るということで今から楽しみです!